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†Thule-Gesellschaft†コミュの2017 バイエルン国立歌劇場「タンホイザー」

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【2017 München “Tanhäuser”】
http://www.dailymotion.com/video/x5vzg6n

http://opera.jp.net/archives/6878








扨、近年無い大変な前評
判で、鳴物入、と言うか、
鳴物其物の公演で有るが、




案に違い、大方の評価は
真っ二つに分かれた様だ。




抑、此公演がクラヲタ社会で
大騒ぎを巻き起して居る
理由は偏に、「此時期にペ
トレンコ」、と言う事なのだが、




其ペトレンコの評価も、此処
へ来て二つに割れた様だ。




ペトレンコの紡ぎ出す音楽は、
所謂、“室内楽的”と言われ
るタイプの−隅々迄神経の
行届いた、精緻なアンサンブル
−が持ち味なので有るが、




余りに静的で、動的ドラマ
性に乏しく、ワーグナーには
向か無いのでは無いか?




と言う、至極尤もな、疑
問を呈する人が出て来た。




是は、ペトレンコがカストルフの「リ
ング」で彗星の如く現れた
事と密接不可分で有って、




カストルフ「リング」では、多くの
聴衆は、演出と音楽を切
離して、音楽だけに集中
する事に努力を傾注した。




是は、即ち、ペトレンコの音
楽を、楽劇の一ファクターから
独立したシンフォニーとして聴
こうと努めて居たと言う
事で有って、其処でのペ
トレンコの音楽に対する評価
は、当然、然う言う特殊
な状況下での物で有った。




恐らく、バイロイトでペトレンコ
の「リング」を聞いたBPh団
員が、ラトルの再来の様な此
指揮者は寧ろシンフォニー向き
と踏んで、次期主席指揮
者に引っ張ったのだろう。




今回も、演出に関しては、
殆どの聴衆には全く意味
不明の、カストルフ演出と大差
無い代物で有ったのだが、




作品の音楽自体が余りド
ラマチックでは無い「タンホイザー」
と言う事で、ペトレンコの弱
点が更に強調された様だ。




尤も是は、ワーグナー作品の
真の意味等、一生如何で
も可い、殆どのオペラ・ファン、
アマオケ関係者には、好み次
第で如何にでも成る事だ。




フォークトの評価も、此処へ来
て意見が割れて来た様だ。




当世風イケメンが「ローエングリン」
で女性人気を得て、他の
役柄にも手を伸ばす−と
言うのは、ペーター・ホフマンの
時と、全く同じパターンだが、




輝かしい力強さが求めら
れる、Jugedlicher Helden
Tenorとは、程遠い声質で、




此人の、声質、歌唱、演
技、全てから醸し出され
る、愚者が問掛ける様な
“バカっぽさ”は寧ろ「パルジ
ファル」に打って付けだろう。




然して演出で有るが、デモ
動画を見た瞬間、「又、エロ
・グロ・ナンセンスか!未だ性懲
りも無くこんな事遣って
るのか!!」と、呆れた物
で有るが、アマゾネス軍団も
貧乳揃いではエロくも無く、
ヴェーヌスの肉林も樹脂丸出
しの質感では、グロと言う
より只のチープで、あの歌
手だと脂肪の塊、メタボの
象徴にしか見え無かった
が、第三幕の死体はグロだ。




カステルッチの共同演出家なる
シルヴィア・コスタ嬢がイタリア文化
会館での講演会で明かし
た所に拠ると、カステルッチの
今回のコンセプトは、aporia
(古希:ἡ ἀπορία)だそうで、




是は、対立矛盾する二つ
の答の間で解決不能に陥
る状態を指す言葉で有る。




だが、初演当時ならいざ
知らず、後期楽劇に到る
ワーグナーの思想遍歴を既に
知って居る者から見れば、




ワーグナーの真意が、「キリスト教
の純潔に立ち戻ろう!」
等と言う、当時でさえ時
代錯誤なプラトニズムで有ろ
う筈が無く、本心はヴェー
ヌス讃歌で有った事は常識
的に判断出来る事で有り、




キリスト教プラトニズム等持出し
たのは、敵の追求を眩ま
す為、天秤の帳尻を合せ
るカウンターバランスに過ぎ無い。




強く注意を喚起する意味
不明且奇天烈な異物を次
々と繰出し乍ら、「芸術家
の仕事は解決策を提示す
る事で無く、問題を提起
する事だ」、等と尤もらし
い詭弁を弄しても、全く
共感を得られては居らず、




ストイックでエキセントリックな、演出
家の企図は、殆どの聴衆
には伝わらず、結果とし
ては、只のナンセンスに終った。




芸術は結果が全てで有り、
如何に御立派なコンセプトの
積りだろうが、殆どの聴
衆に永久に伝わら無い代
物は全く意味を成さ無い。




まあ、此人は造形美術畑
出身で、哲学や論理性に
は全く疎い典型的右脳型
人間の様だから、意味不
明のオブジェを引っ切り無
しに出す事が芸術だとで
も思って居るので有ろう。




イタリア人の非論理的難解さ
は、意味無く無駄に牽強
付会で有るから、深い象
徴的意味を見出だそうと
しても、全く無駄で有る。




だが、演出家に苦言を呈
して見ても、始まら無い。




然う言う低能、無学無教
養な演劇人を拾って来て
仕事をさせて居るプロデュ
ース側に問題が有るからだ。




然して、ワーグナーに於ては
多くの場合、其は政治絡
みで、如何にも成ら無い。




私自身は、此「タンホイザー」と
言う作品には、二十八年
も前に一度、ヴォルフガング・
ワーグナー演出のバイロイトで触
れた切りで有るが、無論、




是を観る為だけにバイロイト
くんだり迄行く等と言う
事は、私の場合、有り得
ぬ事で有るから、一九八
九年、オーチャードの杮落しに
バイロイトが一度だけ行った
引っ越し公演の時の物だ。




演目を一瞥しただけで手
抜き公演で有る事は明ら
かで、バイロイト初の引っ越
し公演と言う話題性のみ
で、話の種に行って置い
ただけの事で有るが、正
直、然う言う機会でも無
ければ「タンホイザー」等、一生
観る事は無かっただろう。




何故かと言えば、真のWa
gnerianerなら判る事だが、




バイロイトでも、関係者から
は“operetta”…等と呼ばれ
て軽く遇われて居る通り、




「リング」より以前の作品は、
後期楽劇作品に比べ、内
容的に明らかに数段劣り、




テーマ、ストーリーが被って居て、
二作に分けた事自体に構
想の甘さが伺え、其テーマ自
体、初期的成功の為、真
意を偽ってキリスト教に諂っ
た様なアヤフヤで中途半端な、




「オランダ人」、「タンホイザー」の
二作こそ、今日、バイロイト
で上演される演目の中で
駄作の双璧だからで有る。




後期楽劇群の真価が判る
人間には、最早遡って聞
く必要の無い作品で有り、




二十代始めに「リング」から
聞き始め、程無く「トリスタン」
に移行した私にも、当然、
今後死ぬ迄、興味の対象
に成る事は無い訳で有る。




リブレットは、何処から読み
始めても、思わず鼻先で
吹出して了う馬鹿臭さで、




十九世紀も半ばにも成っ
て、フォイエルバッハやバクーニンの
無神論に心酔し、数年後
には革命に加わる急進思
想家が、「罪深さ」だの「贖
罪」だの、「神の恩寵」だの
と、本気で作品に込めた
等と思う人間は、余っ程
無知無教養な馬鹿だけだ。




其様な訳で、外野から野
次るだけで有るが、改め
て考察して、是は矢張り
駄目だと再認識する事に
意義を見出だした次第だ。

コメント(1)





ドイツ人の難解さには深遠
な哲学が有るから、此方
も深遠に思考すれば解る
が、イタリア人の難解さは意
味無く無駄に牽強付会で
有るから、其処に深い象
徴的意味を見出だそうと
しても、全く無駄で有る。



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