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ミステリ小説 約束の先(仮)コミュの第4話

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 客室係控え室でCA(客室乗務員)と軽い冗談を交えながら眠気覚ましの熱いコーヒーを飲んでいたチーフパーサーの川口は、突然の衝撃に咄嗟に身構える。
 すぐにベルトサインが点いた。
 操縦室から機内電話での連絡がなくベルトサインが点灯する事は緊急事態の発生を意味した。
 副操縦士から連絡が入った。
機体に異常発生の可能性があり現在究明中。解明でき次第、連絡を入れるから客室内にアナウンスを入れてほしいとの事だった。
 本人がアナウンスできない状態である。かなり慌てている。
 川口はすぐに客室にアナウンスを入れた。乗客に不安感を抱かせないよう努めて冷静を装い。
「お客様にご案内申し上げます。当機は現在、大西洋上空を航行中です。現在気流に乱れがあり多少揺れが生じて参ります。お客様の安全の為シートベルトの着用をお願い申し上げます。またベルトサインが消えるまでお客様のお席を離れないようお願い申し上げます。」
 マイクを置くと、すぐにCAを集め指示を出す。
「先程、当機に異常が発生した模様です。現在、コックピットにて原因を究明中です。大事に至る事は無いとは思いますがくれぐれも注意して行動して下さい。またお客様の心配を煽らないよう努めて下さい。現在就寝中のお客様が多いと思いますのでシートベルトと上部棚のチェックをお願い致します。確認後、各自座席に戻りシートベルトを着用し次の指示まで待機して下さい。では、お願い致します。」
 川口は指示を終えると不安を隠しきれない入社2年目のCAを連絡係りとして残し客室に向かった。
 客室内は大きな混乱は無く数人の客が起きているだけであった。
 消灯して5時間半くらい経っていたので睡眠中のお客様が多かったのが幸いした。
 9名乗務しているCAのうち先程の1名を除いた彼女達は気丈にも機敏に行動している。
 衝撃はさっきの一度だけだが、多少、気圧の変化により耳がツーンとするのと軽い振動がしているだけであって今のところ大きな異常は感じられない。
 もしかしたら本当に気流の乱れか何かで・・、いや、そんな事はない。確かに爆発音と衝撃があった。
 大事にならなければいいな。と思いながら機体の中央部、エコノミークラスに差しかかった。このエコノミークラス47Kの座席に気になる乗客がいたのである。

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