イーグルスファンコミュの涌井秀章、中日電撃トレードの心境激白　〝兄〟石井監督から異例の事前相談、決断も委ねられた「特例」

涌井秀章、中日電撃トレードの心境激白　
〝兄〟石井監督から異例の事前相談、決断も委ねられた「特例」

昨年１１月１５日、楽天・涌井と中日・阿部のトレード成立が電撃発表された。
今年でプロ１９年目、通算１５４勝右腕、涌井の移籍は大きな話題となった。

「発表の何日か前に、カズさん（楽天・石井監督）から電話があって、
〝こういう話（トレード）があるんだけど、どうする？〟みたいな感じでした。
最初はさすがに『おぉ！』と驚きましたよ」

昨年まで編成部門のトップでもあるＧＭも兼任していた石井監督から連絡があったのは
発表の数日前。事前の情報漏れがタブーとされるトレードは通常、
当人への通達は発表当日となる場合が多い。

だが石井監督は涌井の実績を尊重し、異例の事前相談。決断も本人に委ねられ、
涌井も「特例だと思う」と振り返った。
指揮官の現役時代に西武で６年間、共闘した間柄で「自分は弟みたいなもの」と語る。
〝兄〟から「（中日に）行っても自分との関係は変わらない。
（楽天に）残るなら一緒に優勝を目指そう」との言葉ももらった。

「残りたいならその場で『行かないです』と答えられた。
でも即決せずに『家族と相談して考えます』と。
その時点で気持ちは動いているんだと考えた。他の球団も必要としてくれていると。
そう考えたら楽しいなと思って決めた」

ベテランは偽らざる心境を明かし、自身４球団目にして初のセ・リーグで戦うことを
決めた。「中日は守備でできるだけ失点を防いで１点を奪いにいくイメージです」。
〝投高〟の中心に立つ覚悟はできている。
横浜高の後輩、柳とは「中５日でローテを回ろう」と約束した。
６月に３７歳となるが「体力的にはまったく心配していない」と自信をのぞかせた。

「代打を送られて交代する試合もあると思うけど、完投にはこだわりたい。
みんなで３から５くらいやって、チームで３０完投できればすごい。
成績もついてくる。
一人がやれば競争意識が芽生えると思うから、自分が最初にやりたい」。
投手陣の先頭に立つ。

「若い彼ら（先発陣）に何で勝てるか考えたら投球回数と勝ち星かな。
三振数は柳と大野（雄）にかなわないし、球の速さも高橋（宏）にはかなわない。
でも自分は１年間ローテを守る術を知っている。投げ抜けば成績はついてくると思う」

西武、ロッテ、楽天でプロ野球史上初の３球団で最多勝を獲得したベテラン右腕。
新天地でのタイトルも「狙っているよ」とほほ笑んだ。