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フルトヴェングラー批評(I)コミュの1944.12.19-20/ウィーン/ベートーベン交響曲第3番「英雄」/VPO

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言わずと知れた「ウラニアのエロイカ」です。
フェルヴェン戦時録音のハイライトとも言える名演の誉れ高き録音。
戦後、米マイナーレーベル「ウラニア」からLP発売されたのが初出で、フルトヴェングラーにより販売差止訴訟を起されたため、幻の名演・名盤としてその名が知られるようになりました。

コメント(16)

Otaken盤(TKC-313)についてのコメントです。

私の聞いた感覚では、恐らくTahraのエロイカ3枚組(FURT1060など)に入っているウラニア・エロイカと元のテープは同じようです(板起こし盤にはなくてTahraにはある歪みが、1楽章の同じ箇所にあります)。確か、TahraはウィーンのORF放送の音源だったような…。ただし、TahraよりもOtakenの方がテープの世代が若いのか、リマスターがより良いのか(あるいは擬似ガラスCDの効果??)、これまでテープ音源の中で最高だと思って愛聴していたTahraよりも音が少し鮮明に感じます(特にTahraがちょっと苦手な傾向のある高音域)。違いは微妙ですが。
という訳で、現時点での私のベストの「ウラニア・エロイカ」です。

やはりテープ直系のMelodiyaのCDもTahraの対抗馬として愛聴していますが、軽い擬似ステレオ効果が掛かっていて細部がクッキリしない印象がありますね。

板起こしではDelta盤(紙ジャケ)の世評が高いですが、個人的には上記のテープ系各盤の方が明らかに良いと思うんですよね。ピッチ矯正のためにレコード回転を遅くしている分、単位時間当たりの情報量が少なくなる、というのが原因かもしれません。またURANIA盤特有の癖のある音(エコーが強めにかかり、高音域がヒステリックに響く)もこの演奏の良さを損ねているような気がしまして。MythosのCDが出た時には期待しましたが、ピッチが矯正されておらず残念なCDでした。宇野某氏がOPUS蔵レーベルで復刻された際に「聴きたいのは『ウラニアのエロイカ』の再現ではなくて『フルトヴェングラーのエロイカ』だ」といった趣旨のことをライナーに書いていたような気がしますが、全く同感です。半音くらい高い音でテンポが異様に速いエロイカは、とても気持ちが悪くて聴いていられません…。
録音された当時の状況についてのコメントです。

ウラニアのエロイカが録音された12月といえば、ドイツ軍が押し返されてルーマニアあたりまでソ連軍が迫ってましたし、併合されてドイツの「オストマルク」地方となっていたオーストリアの中心地ウイーンも空襲にあっていましたから、ベルリンでの一連の放送録音と同様、緊迫した状況下にあったことは間違いないでしょうね。ゲッベルスの「総力戦」宣言後でオペラ劇場も閉鎖されていましたので、ラジオ放送で演奏に接する機会は貴重だったのかもしれません。第三帝国の帝国放送は42年頃から「マグネトフォン」というテープ録音を採用していましたので、同時期のレコードのSP録音より良い音で演奏が残っています。
>3
その噂の東芝EMIのCDについて、評価できる点があるとすれば、LPは誤ったピッチであったことを白状して、CD化で補正を行った旨を、製品に明記したことでしょう。
まだ確認作業が進んでいないのですが、このエロイカには大まかに言って3種類の音源が存在しているように感じております。
1.初出ウラニア系(ウィーン帝国放送局→ORF?)
2.ユニコーン系(DDR→DRA?)
3.91年返還テープ系(第2楽章欠落)(ベルリン帝国放送局?)

現在まで市場に現れたレコード/CDは以上のどれかに分類できるのではないかと考えております。
1.URANIA URLP7095(LP)、VOX TURNABOUT TV4343(LP)、PRICE-LESS D16395(CD)、BAYERDACAPO BR200 002(CD)
2.UNICORN UNI104(LP)、TAHRA FURT1031(CD)、独フ協会TMK200406151(CD)
3.MELODIYA M10 06443 009(LP)、MELCD10 00710(CD)、PREISER 90251(CD)

大胆と言うより勇み足と思われますが、仮説として記させていただきました。

さてピッチについてはTAHRA FURT1031のノートに記述されていますが、そもそもマスター・テープのピッチが高かったとのことです。電源事情が悪かったのか、録音時のテープ速度が低かったのでしょう。URANIA系、UNICORN系、ともにLP時代はピッチが高いままリリースされてきました。CDでは独フ協会盤がこの高いピッチのままあえてリリースしたことに注目したいと思います。

また、91年返還テープ系の音源は、冒頭の和音が編集され、二回目の和音を一回目に流用していること、及び第2楽章の音源がどこから持ってきたものか明かされていないことにも注意したいと思います。
>6
確かに発売当時はまともなテープ系音源がない時期でしたから、東芝EMIの音質も仕方がなかったかもしれないですね。
当時、私自身はBAYER盤をよく聴いていました。

現在では、OTAKEN盤(TKC-313)が一番好きです。
(音質では独フ協会が一番良いのですが、ピッチが高くて鑑賞用には辛い。。。)
初版のURLP7095を『板起こし』したCD/CDRがどうなってるんだろうと思って調べたところ、以下がリリースされていることがわかりました。

不詳 URCD7095
SERENADE SEDR2002
GREENDOOR GDCL0001
MYTHOS NR5011
GRAND SLAM GS2005
OTAKEN TKW206A
OPUS蔵 OPK7026
DELTA DCCA0031
ALTUS ALT154

このうちで私が聞くことができたのが4点で、残りは聞いていないのですが、まぁ、様々な仕上がりです。感想も評価も聞く人によって様々で、なかなか客観的な議論にならないでしょう。

『板起こし』の問題点ですが、以下について留意したいと思います。

当初URLP7095についてはLPのイコライジング・カーブがNABであると云われておりましたが、実はRIAAで正しいのではないかという意見が出され、またカッティング/プレスの時期により、RCAとコロンビア(?)の二種類があり、各々でカーブが違っているのだとも云われ(未確認)、いずれにしてもロットにより音質、盤質が異なるようです。
この点について、そもそもURLP7095の初出時はRIAA規格が確定する以前で、イコライジング・カーブはレーベル毎に様々であったし、補償特性の正確性を議論するのは無意味だという意見もあります。プレス時期によって音質が微妙に変わるのも、アナログLPにおいては半ば常識であるとも。

次にピッチについてですが、URLP7095は半音近くピッチが高いということが云われておりました。これは第1楽章、第2楽章をA面に納めるためにピッチを上げてカッティングしたのだと説明されたこともありましたが、実際にはORF所蔵のテープ、DRA所蔵のテープの両方ともが高いピッチであったことが今では知られています。
これを本来あるべき音程に下げるために、URLP7095をピッチコントロール機能を備えたレコードプレーヤーに載せて、必要なだけ回転数を落として再生しては、見かけ上の音程は合わせても、先に述べたRIAAであれNABであれ、イコライジング・カーブの正しい補償特性が得られません。正しい補償特性を得るためには、33 1/3回転で音を拾ってフラットな特性を得た後、必要なだけ回転数を落として音程を下げる必要があるのです。これは落ち着いて考えていただければ納得いただけると思います。実際に板起こしの課程でこの手順を守られているかどうか訝しんでおります。

そのようなわけで、上記の『板起こし』CDが、どの時期(ロット)のレコードを使用したのか、イコライジング・カーブに何を採用したのかは重要な情報となります。またピッチの調整の方法や、実際に使用したカートリッジ、レコードプレーヤー、フォノイコライザー等の機材等がほとんど明記されていないことが気になります。

これらの条件がクリアされてはじめて、劣化してテープを音源として作成されたCDよりも、劣化していないテープからカッティングされたアナログLPを音源として制作されたCDのメリットが認められる思います。そうでなければ単なる好事家の手遊びと言われてもしょうがないのじゃないかと愚考しております。
廉価版ではArchipelからも、Urania LPの板起こし盤がリリースされていましたね。
でも、LPの型番が他のCDと異なるみたい。。。
>金さん
ピッチ調整されたCDからはURANIAの熱狂が消えたとは良く云われることですね。
とはいえ、半音近くピッチが上がった状態をフルトヴェングラーの演奏ということはできないでしょうね。。。

>VALE46さん
ArchipelはフランスURANIA盤からの板起こしということになっているみたいですね。さすがに仏盤は見たことも聴いたこともありませんので、どんなコンディションなのか知らないのですが。。。

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URANIAのURLP7095は複数の盤を聴かせていただいたことがあるのですが、むしろTURNABOUTのTV4343の方が私には好ましく感じられます。もちろんTV4343もピッチは高いのですが。
TAHRAからピッチ補正してSACD化されたFURT-2008を聴いてみました。
CD化時(FURT-1031)から放送局音源(DRA)なので元々音質は良い方でしたが、CDよりこんなに良くなるのかと驚きました。
今後のTAHRAによるSACD化に期待できそうです。

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