全体の中で特に要注意曲だったのが、2部の受難曲でした。イメージの重要性といいますか、今歌っている内容をしっかりイメージできない音を出すと、先生から容赦ないお叱りを受けました。(マジ怖かったっす)??横供?All we like sheep」75小節「his own way」はしっかり指揮を見て、言葉単位で区切ること。楽譜にかじりついて、指揮者の意図を無視した歌い方をしてはだめ。89小節「the iniquity」のテンポ感も指揮を見ていれば何の問題もないはずなのにどうしても合わずに、ここでも先生の雷が・・・他人事ではないので、メサイア参加者はしっかり復習しておきましょう。
??苅供?Since by man came death」にも苦戦しました。ハーモニー感が揃わないのと、アレグロに入ってからの対比が中途半端で、不完全燃焼の歌い方になってました。ここでも歌詞の内容をしっかり理解していれば、歌い方は変わるはず。要練習ですね。
Schwingt Freudig euch empor zu den erhabnen Sternen,
Ihr Zungen,die itzt in Zion frohlich said!
この部分は音楽の造りとしてはかなり激しく、荒々しいものになっています。あまり紳士淑女的な歌い方はそぐわないようなので、紳士淑女の仮面をかなぐり捨てて(!)歌った方がよさそうです。下手に体裁を繕おうとすると、テンポに乗れなかったりしますので、積極的に攻めましょう。
特に紳士集団のBassさん、出だしを堂堂と歌って頂くと、後に続くパートが非常に熱くなります。emporの長音符も、臆せず充分に歌いこんで下さい。遠慮は要りません。
Doch haltet ein! Der Schall darf sich nicht weit entfernen,
Es naht sich selbst zu euch der Herr der Herrlichkeit.
これは、イエス降誕を待ち望み、嬉しさを爆発させる民衆に向かっての「天の声」です。イエスはもう間違いなくこちらへ向かってきている。慌てるな!…と。
2番のSopとAltoのコラールですが、8月1日練習報告の倉庫番様のレスに、津田先生律儀にもお答えいただきました(マメですね、先生)。
メサイヤの10番・11番(Bassアリア)の、イエスの誕生前、人々は救いを求めて暗闇をさまよい歩き、イエス降誕の光に遭遇するという場面と良く似ていて(ちなみに、次の12番は“for unto us a child is born”です)、この曲(BWV36の2番)冒頭の「お化けが出るような」暗さは、イエス降誕前の人々の不安を意味するものだそうです。我が団前身「バッハ記念」時代にやったBWV61にも同じ歌詞が使われており、やはり同様に暗かったと記憶しています。fis mollという不安定な調性も、イエスがまだ生まれない不安を表すものだとか。
3番Tenアリア
Die Liebe Zieht mit sanften Schritten… 愛は優しい足取りで、その誠実な恋人に徐々に近づいてゆく… 愛(Liebe)=イエスです。まだ来ていませんが徐々に近づいています。H mollは神の調性。
4番コラール
D durは歓喜の調性。管弦を鳴らし、歌い飛び跳ね、しかしあまり大声にならぬようイエスを賛美する。第一部終了。
指揮が大きく変わりました。4拍子の曲ですが、冒頭、
Zwingt die 2拍振り
Sai-ten in 3拍振り
Cy-tha-ra und 4拍振り
12小節フェルマータ後、
Gross ist der 3拍振り
Ko-nig der 3拍振り
Eh---ren 4拍振り
[1.] Aria
Steigt freudig in die Lufft zu den erhabenen Ho:hen,
Ihr Wu:nsche, die ihr ietzt in unsern Hertzen wallt;
Doch bleibet hier; Ihr du:rfft so weit nicht von uns gehen,
Die Theure Hertzogin ist euer Auffenthalt.
以下英訳ですが、ご参考まで。
1. Aria
Soar gladly through the air to the lofty grandeur,
Ye wishes, ye which now within our hearts well up;
But wait ye here; ye may so far not from us journey,
The worthy Duchess offers cause for your delay.
フーガの部分dir sei Lob und Dank bereit'以外はタテをビシッと揃えましょう。
私は食いしん坊なので食べ物の例えで恐縮ですが、生クリームの中に数種の果物が入っているロールケーキ、我が家の切れない包丁ではいつも切り口がぐちゃぐちゃになりますが、お店で売っているものは、中の果物の切り口を含めて何の乱れも無いきれいな平面ですよね。曲の頭のEhre sei dir,Gottも斯くありたいものです。
バッハは、“Nun komm der Heiden Heiland”を待降節第1日曜日用のカンタータとして決めていたようです。同じく待降節第1日曜日用のカンタータであるBWV61も62のタイトルはどちらも“Nun komm der Heiden Heiland”です。そして、使われているコラールもどちらも同一です。このことからも、当時ではこのコラールは会衆にとても親しまれていたものと推測できます。
Der Schall darf sich nicht weit entfernen…何だか、面白くないですね。しかも同じフレーズが後半しつこくまた出てきますが。まだまだ「歌わされている」という感じが…歌詞の意味もいまいちわかりにくいです。20年ぶりに独和辞書繰って調べてみようかしら…(年がばれるなぁ)
JesusのJe-は、イェではなく、イィ(ェ)。(書いてしまえば母音イから始まるようになってしまうが、あくまでも子音Jが付いていると考える)。イエスへの愛をもって歌わねばならない。
Trost(なぐさめ)の母音は、深いオ(「象」と言う時のように)。以下Lebens(生命の)、59小節undのソプラノの装飾的音形は、しっかり豊かに歌うこと(その音、言葉を強調する意味がある)。
29小節代名詞er=Jesus。この場合、Je-はイ(ェ)と発音。(erが単にどうでもいい物事を指す場合はエ(ェ)rに近い)
また、
Jesus wehret allem Leide
(イエスは私の苦悩を取り除いて下さる)と、
er ist meines Lebens Kraft
(イエスは私の生きる力である)との行間に、「だから」という意味を盛り込むこと。これを歌声に反映させるのは非常に難しいが、心すればおのずと歌声に力がこもる。
Meiner Augen Lust und Sonne,
meiner Seele Schatz und Wonne
の2つのundは、単なる接続詞で、いずれも3拍目の弱拍ではあるが、重要な名詞二つをつないで「?、そして?」と、ある程度強調して歌うのが効果的。ただし弱拍であることを逸脱せぬこと。この理屈は59小節のund(あえて強拍である1拍目にあり、しかもソプラノの音程が装飾的で強調されている)に素直に当てはめることができる(かも)。
Schatz(宝)は印象的に!Schを短く歯切れ良く。WonneはFreudeと同じ意味(歓喜)だが、Freudeよりも歓喜の度合いが強い。全身全霊で歓喜すること。
p. 09 Selig sind, die aus erbarmen
p. 33 Brich an, o schoenes Morgenlicht
p. 39 Wenn ich einmal soll scheiden
p. 43 Jesu, meine Freude
p. 74 Lacrimosa
p. 77 Ave verum corpus
いいですねえ。どれも名曲です。
僕は、マドリガルがお薦めです。「Come again」や「Now is the Month of Maying」なんかもどうでしょう?
男声合唱好きのこんとしては、「いざたて戦人」「自由の歌」「母なるボルガを訪ねて」なども痺れますが、さすがにこれは別の機会がいいかもしれません。
ほかの皆さんのご意見も聴いてみたいです♪
歌詞が4行にわたっていますが、I先生曰く「起承転結の転」に当たる ohne Furcht und Heuchelei は、オケも薄くハーモニーも複雑で、合唱団の資質が問われます。(特に34小節?42小節)
23小節並びに34小節の、他のパートに1拍先行して入るソプラノさん、ここはオケも無音で非っっ常に繊細なところです。一発で針に糸を通すような集中力を持って歌ってください。そして必ず「決めて」ください。(39小節辺りの)ソプラノの高音は合唱の生命そのものです。聴衆のみならず、私たちも酔わせてくださいね!
音量mpからスタートし、37小節第4拍で一度頂点を迎え、38小節第1拍(Furcht)を歌った後一旦減衰し、38小節第4拍辺りから再びcresc、39小節の第6拍(-lei。アルトのみFurcht)でこのフレーズの頂点。41小節mfとなり、最終的に43小節第1拍はmp。42小節?43小節→mollからdurへの移行。音色の変化にも留意したいですね。
Herz und Mund und Tat und Leben?のアクセントの位置を再度確認。津田先生の「立体的な」音作りが顕著になるところです。メリスマが続くところも6拍子のアクセント意識! 各パートずれて入る「Herz」、かなり埋没して入りがハッキリしないようです。Hを「人に判るように」発音し、かつ母音を充分響かせるには、相当な腹筋力と、いなかっぺ大将の大ちゃんのようなデカ口が必要です(正確には口の「中を」開ける)。頑張りましょう。
Doch haltet ein(42小節?及び80小節?)は、einをしっかり歌いましょう。特にSopは高いからと言って中途半端に及び腰になると、犬の「キャイン」という鳴き声と聞き違えます。
前回(前前回?)の津田先生の練習の時に、この42小節の第3拍のウラ(8分休符)は、オケにおいても「無音」になる瞬間です。面白いと思われませんか。真空状態のホールに響き渡る(はずの)einの残響を是非聴き届けましょう。
der Schall darf sich nicht weit entfernen?は、前回の「音の傾き」を踏襲します。ここでは3拍子なので、アクセントは当然第1拍にありますが、第3拍は第1拍に向かって傾きを持たせて下さい。
Herr der Herrlichkeitは持てるパワーを終結させて下さい。Herrlichkeitの-keitはアクセントを持ちませんが、ここではしぼませず、比較的しっかりと歌い切って下さい。
entfernen語尾-nenはくれぐれも主張しないように。