杉本五郎中佐の著書「大義」について検討するトピです。
(西尾幹二(保守派の評論家)の著書「GHQ炊書図書開封４」によると)、
・中佐は帝国陸軍の軍人の鑑といわれ、"天皇信仰"の極北といわれた。
・「大義」は、４人の息子への二十通の手紙がもとである。
・青年将校や士官学校の生徒の間で熱狂的に読まれ、２９版、１３０万部が売れた。
・戦時中の軍人の死生観を示す代表的な著作であった。
○西尾氏は、著書で「大義」の内容を辛辣に批判している。
これは、チャンネル桜の番組の動画もあります。
(私自身は、保守派の西尾氏の考えに大抵は賛成でないが、「大義」の批判には概ね賛成です。)
○「大義」のテキスト
http://
ここのテキストは、軍の検閲で伏せ字にされたところが、全部かどうかは分からないが、復活されているらしい。
http://
http://
○「大義」の解説
http://
ここの第４４回の動画に、西尾幹二氏の解説があります。
http://
(上と同じ動画らしい)
http://
http://
○城山三郎氏と「大義」
http://
http://
http://
http://
http://
http://
西尾幹二著書「GHQ炊書図書開封４」から
「大義」第９章の「八紘は天皇の所有なり」について
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
「八紘」とは全世界のことです。それは天皇の所有である、と。
・・・
世界は天皇のものだというのですから侵略思想のきわみです。
・・・
昭和１３年に世に迎えられたとはいえ、いやあ、冷静な議論とはいいがたい。軍人さんが書いた文章とはいえ、当時としても異様な文章です。
・・・
つまり、思想としてはダメなのですよ、これは。思想としてですよ、まったくダメだと思います。
・・・
戦前、この本は非常に多くの人に愛読されたし、杉本中佐は「軍神」として崇め奉られました。・・・
城山三郎さんも若いころ「大義」というこの本に感激して予科練に入っています。『大義』を信じ、鞄にこの本を入れて予科練へ入隊している。それほど大きな影響を及ぼした本であることは事実です。
でも思想として、宗教的ないし哲学的意味においても杉本中佐のこの文章は高度なものとはいいがたいと思います。
(西尾幹二(保守派の評論家)の著書「GHQ炊書図書開封４」によると)、
・中佐は帝国陸軍の軍人の鑑といわれ、"天皇信仰"の極北といわれた。
・「大義」は、４人の息子への二十通の手紙がもとである。
・青年将校や士官学校の生徒の間で熱狂的に読まれ、２９版、１３０万部が売れた。
・戦時中の軍人の死生観を示す代表的な著作であった。
○西尾氏は、著書で「大義」の内容を辛辣に批判している。
これは、チャンネル桜の番組の動画もあります。
(私自身は、保守派の西尾氏の考えに大抵は賛成でないが、「大義」の批判には概ね賛成です。)
○「大義」のテキスト
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ここのテキストは、軍の検閲で伏せ字にされたところが、全部かどうかは分からないが、復活されているらしい。
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○「大義」の解説
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ここの第４４回の動画に、西尾幹二氏の解説があります。
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(上と同じ動画らしい)
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○城山三郎氏と「大義」
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西尾幹二著書「GHQ炊書図書開封４」から
「大義」第９章の「八紘は天皇の所有なり」について
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「八紘」とは全世界のことです。それは天皇の所有である、と。
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世界は天皇のものだというのですから侵略思想のきわみです。
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昭和１３年に世に迎えられたとはいえ、いやあ、冷静な議論とはいいがたい。軍人さんが書いた文章とはいえ、当時としても異様な文章です。
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つまり、思想としてはダメなのですよ、これは。思想としてですよ、まったくダメだと思います。
・・・
戦前、この本は非常に多くの人に愛読されたし、杉本中佐は「軍神」として崇め奉られました。・・・
城山三郎さんも若いころ「大義」というこの本に感激して予科練に入っています。『大義』を信じ、鞄にこの本を入れて予科練へ入隊している。それほど大きな影響を及ぼした本であることは事実です。
でも思想として、宗教的ないし哲学的意味においても杉本中佐のこの文章は高度なものとはいいがたいと思います。
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コメント(149)
私は明治憲法制定の根拠に問題ありと考えて、日本近代史コミュに雑談トピを作りました。
明治憲法制定の本を数冊借りてますが、私の目的に関してあまり見つからず、立花隆「天皇と東大 上、下」2005年 文藝春秋社 が最も役立っています。
その下巻で平泉澄東京帝大教授に関連して、６つの章 130頁にわたって書かれています。
著者は、「昭和戦前期〜戦中期の日本において、平泉は社会的に最も大きな影響力をふるった東京帝大教授だった。どのような影響力かというというと、皇国日本最大のイデオローグとしての影響力である。」と述べています。
拾い読みすると、杉本中佐の「大義」と非常に近いように思いました。
ネット上に平泉元教授についての情報はかなりありますが、立花氏の本から一部を紹介します。
「天皇と東大 下」205P
＞１９４３年９月に刊行された平泉東大教授の「天兵に敵なし」は、次のように書き出されている。
「去る１２月８日、国民の待望してやまなかった宣戦の大詔は遂に下り、天兵は直に海を越えて四方に飛び、まつろはざるものを粉砕した。幾千年を忠義の至誠に貫く強き伝統に鍛えられた皇軍の前に僅かに利を以て結び富によって傲る者の、ひとたまりもなく潰えたことは、もとより当然といはなけらればならぬ」
225P
＞平泉史学の真骨頂は、勝つ見込みが全くない絶望的な戦いに於て、天皇のためにすすんで命を捧げる忠義の死の賞揚、『散華（忠義死）の美学』にあった。
平泉にいわせれば、大義（天皇＝祖国）のために命を掲げ、桜の花が散る様に死んでいくことこそ、日本人の理想の生き方なのである。
227P
＞『天兵に敵なし』の最後のくだりで、平泉は吉田松陰の獄中での孟子講義を例に引いて、次の様に述べている。
『もし日本人が総て日本国の為に生命を捨てるという精神になり、臣民悉く陛下の御為に生命を捧げ奉るならば、この道徳を確立して居るならば、外国をおそれる必要が何処にあるか。今日最も重大なるものは日本の道徳を確立することである。人をして親の為に死なしめよ、臣をして君の為に死なしめよ。この道徳さえ確立し居れば、少しも外国を恐れる必要はない。その為に吾々は全力を挙げて道徳を確立しようではないか。之が（松陰）先生の獄中に於て説かれるところであります。実に素晴らしい言葉と申さねばなりませぬ」
＞「臣民ことごとく天皇の為に生命を捧げる」ことが、日本人の最高の道徳だというのだ。
特攻隊と玉砕戦法とは、この道徳の最もピュアな表現である。それは、大義を守るためには、死滅、全滅もよしとする考えである。
行為の有効性などといった、実利・実益的側面を勘案して行動を選択する、西欧流のプラグマティズム思考とは対極をなす考えである。
228P
＞天皇中心に正義の所在を考える平泉史学では、武家が天皇を押しのけて権力を握っていた武家政権時代（鎌倉、室町、江戸時代）は、全て暗黒時代である。
＞平泉史学に従えば、日本の歴史は大半が闇の中だったのであり、その闇の中で燦然と輝いていたのは、建武の中興であり、明治維新であり、大化の改新だけだったのである。
230P
＞この観点からすると、大東亜戦争は、天皇親政の領域を大日本帝国（朝鮮、台湾、千島、樺太、南洋諸島含む）から、アジア一帯に、さらには世界全体に広げようとする日本民族の神聖かつ正義の戦いなのである。
大日本帝国の臣民が、その大義のために、すすんで生命を捧げなければならないのは当然のことである。
明治憲法制定の本を数冊借りてますが、私の目的に関してあまり見つからず、立花隆「天皇と東大 上、下」2005年 文藝春秋社 が最も役立っています。
その下巻で平泉澄東京帝大教授に関連して、６つの章 130頁にわたって書かれています。
著者は、「昭和戦前期〜戦中期の日本において、平泉は社会的に最も大きな影響力をふるった東京帝大教授だった。どのような影響力かというというと、皇国日本最大のイデオローグとしての影響力である。」と述べています。
拾い読みすると、杉本中佐の「大義」と非常に近いように思いました。
ネット上に平泉元教授についての情報はかなりありますが、立花氏の本から一部を紹介します。
「天皇と東大 下」205P
＞１９４３年９月に刊行された平泉東大教授の「天兵に敵なし」は、次のように書き出されている。
「去る１２月８日、国民の待望してやまなかった宣戦の大詔は遂に下り、天兵は直に海を越えて四方に飛び、まつろはざるものを粉砕した。幾千年を忠義の至誠に貫く強き伝統に鍛えられた皇軍の前に僅かに利を以て結び富によって傲る者の、ひとたまりもなく潰えたことは、もとより当然といはなけらればならぬ」
225P
＞平泉史学の真骨頂は、勝つ見込みが全くない絶望的な戦いに於て、天皇のためにすすんで命を捧げる忠義の死の賞揚、『散華（忠義死）の美学』にあった。
平泉にいわせれば、大義（天皇＝祖国）のために命を掲げ、桜の花が散る様に死んでいくことこそ、日本人の理想の生き方なのである。
227P
＞『天兵に敵なし』の最後のくだりで、平泉は吉田松陰の獄中での孟子講義を例に引いて、次の様に述べている。
『もし日本人が総て日本国の為に生命を捨てるという精神になり、臣民悉く陛下の御為に生命を捧げ奉るならば、この道徳を確立して居るならば、外国をおそれる必要が何処にあるか。今日最も重大なるものは日本の道徳を確立することである。人をして親の為に死なしめよ、臣をして君の為に死なしめよ。この道徳さえ確立し居れば、少しも外国を恐れる必要はない。その為に吾々は全力を挙げて道徳を確立しようではないか。之が（松陰）先生の獄中に於て説かれるところであります。実に素晴らしい言葉と申さねばなりませぬ」
＞「臣民ことごとく天皇の為に生命を捧げる」ことが、日本人の最高の道徳だというのだ。
特攻隊と玉砕戦法とは、この道徳の最もピュアな表現である。それは、大義を守るためには、死滅、全滅もよしとする考えである。
行為の有効性などといった、実利・実益的側面を勘案して行動を選択する、西欧流のプラグマティズム思考とは対極をなす考えである。
228P
＞天皇中心に正義の所在を考える平泉史学では、武家が天皇を押しのけて権力を握っていた武家政権時代（鎌倉、室町、江戸時代）は、全て暗黒時代である。
＞平泉史学に従えば、日本の歴史は大半が闇の中だったのであり、その闇の中で燦然と輝いていたのは、建武の中興であり、明治維新であり、大化の改新だけだったのである。
230P
＞この観点からすると、大東亜戦争は、天皇親政の領域を大日本帝国（朝鮮、台湾、千島、樺太、南洋諸島含む）から、アジア一帯に、さらには世界全体に広げようとする日本民族の神聖かつ正義の戦いなのである。
大日本帝国の臣民が、その大義のために、すすんで生命を捧げなければならないのは当然のことである。
>>[107]
＞革命党派や、あまつさえカルト教団にあっては理解出来る不可逆的で非合理的な「神」の存在と自明性が、なんでまた一国（日本）の軍部や官僚機構に存在し、セクトやカルト教団とは土台比較にならないほどの大災厄を引き起こしたのか。
当時の中堅幕僚や軍事指導者の多くは、狂信的な天皇信仰など有していなかったと思いますよ。杉本五郎のような存在は特別であり、決して軍の主流的な思想とは成りえなかった。不可逆的で非合理的な「神」の存在など、少なくとも当時の軍主流派に連なる人々は信じていなかったと思います。
終戦直前に大西海軍中将は継戦を主張する中で「天皇の腕を捻じり上げてでも」みたいなことを言ってますが、当時の軍事指導者の発言として、然程違和感はありません。
敗戦という「大災厄」を招いたのは、あくまで地政学上・国際政治上の失敗に加え、陸軍の機能不全、政党政治の不幸な終焉等にあったと思います。確かに超国家主義やナショナリズムが社会に与えた影響は大きい。ただ、軍部や官僚機構がこうした機運を主体的に醸成した訳ではありません。
まあ、戦中派の橋川文三も語っているように、杉本五郎のような熱烈な天皇信仰が当時の「少年の心」を掴んだのは事実ですが。
＞革命党派や、あまつさえカルト教団にあっては理解出来る不可逆的で非合理的な「神」の存在と自明性が、なんでまた一国（日本）の軍部や官僚機構に存在し、セクトやカルト教団とは土台比較にならないほどの大災厄を引き起こしたのか。
当時の中堅幕僚や軍事指導者の多くは、狂信的な天皇信仰など有していなかったと思いますよ。杉本五郎のような存在は特別であり、決して軍の主流的な思想とは成りえなかった。不可逆的で非合理的な「神」の存在など、少なくとも当時の軍主流派に連なる人々は信じていなかったと思います。
終戦直前に大西海軍中将は継戦を主張する中で「天皇の腕を捻じり上げてでも」みたいなことを言ってますが、当時の軍事指導者の発言として、然程違和感はありません。
敗戦という「大災厄」を招いたのは、あくまで地政学上・国際政治上の失敗に加え、陸軍の機能不全、政党政治の不幸な終焉等にあったと思います。確かに超国家主義やナショナリズムが社会に与えた影響は大きい。ただ、軍部や官僚機構がこうした機運を主体的に醸成した訳ではありません。
まあ、戦中派の橋川文三も語っているように、杉本五郎のような熱烈な天皇信仰が当時の「少年の心」を掴んだのは事実ですが。
平泉澄氏（元東京帝大教授）について立花隆氏は
「平泉は社会的に最も大きな影響力をふるった東京帝大教授だった。・・・皇国日本最大のイデオローグとしての影響力である。」と書いています（「天皇と東大」）
平泉氏の少年向け「物語日本史 上」講談社学術文庫に、神代上、下の章があります。
この中の、私が関心を持った部分を挙げます。
**********
5P
＞昭和四五年、時事通信社より一貫せる日本歴史を書くよう求められた時、純真なる少年に呼掛ける形を取りました。当時すでに七六歳の私は余命計り知るべからず、これを児孫への最後の贈物、つまり遺書として書こうとし、従って学者らしく事実を羅列して博学を誇るががとき形式を好まず、ただ歴史の精粋を抜いて、誠実に父祖の辛苦と功業とを子孫に伝え、子孫もまたこの精神を継承して進むことを期待しつつ、しみじみと誠実に語ろうとして筆を執ったのでありました。
「五 神代（上）」の中から、35P
＞
この神代の口伝、これを世に神話と呼んで、とうてい信用することのできない不思議な物語とし、これを軽く見る考えがありますが、もしそのように批判するとするならば、外国の古い伝承も皆同様でしょう。すなわちシナでは、最初現れた王は、身体は蛇で首から上は人であり、その次もまた、蛇身人首であり、その次は人身牛首であったと伝えています。
(途中省略)
神話を今日の知識から批判すれば、どれもこれも荒唐無稽、つまりデタラメで、信用もできず、価値もないように思われるでしょうが、実はその中に、古代の宗教、哲学、歴史、道徳、風俗、習慣がその影をうつしているのであって、その民族の世界観と人生観、その知性と徳性とを、これによってうかがうことができる。
そこで我が国の伝は、どうなっているか、といいますと、天地の初め、すなわち世界創造の時に、最初に出現られたのは、
（ここで、古事記と日本書紀にある神の名が５つ挙げられる）
御名前が違ったり、または出現の順序が違ったりしてはいるものの、神であることは、すべての伝に共通しています。これはすこぶる重要な点です。なぜかといえば我々が動物から進化したとするか、または野蛮な人間から発達したとするか、いや発達ではなくて、堕落してきたものとするか、
それとも神から出たものとするか、
その出発点の相違は、その民族の宗教に、道徳に、政治に、重大な影響があるからです。
簡単に進化論をうけとる人は人は、猿から発達したようにいいやすいのですが、猿はいつまで経っても猿です。動物園の猿の子が人になって生れてきた例がありますか。猿は猿、人は人、別のものです。
それを誤解して、猿こそ我々の先祖であるとすれば、祖先崇拝は出てきますまい、先祖の恩徳を感謝する厳粛な祭は行われますまい。
我々日本民族は、その祖先は神であったと信じ、敬いそして祭ってきたのです。
********************
「六 神代（下）」の中から、54P
＞神武天皇が国家を建設し、国民統合、上下和楽の基礎を築かれたことは、非常な辛苦艱難を伴ったに違いありません。しかもついにそれをなしとげられたところを見れば、何物にも挫けない強い意思と、人々を心服させる徳望とが、豊かにお有りになったに違いありません。そういう意志や徳望の基づくところは、天皇の御先祖、すなわち天照大神を初めとする神代の神々にあったでありましょう。
神話をそのまま歴史的事実とは思われませんが、このように考えてくる時深い意味があると思われます。
********************
平泉氏は、神である天照大神が、天皇の先祖であることは、
歴史的事実であると考えているのか、そうは断定していないのか、
私は分らないです。
明治維新で、天皇の統治権と明治憲法制定との根拠を建国神話としたことについて、関連する内容を偶然に見たので紹介します。
********************
週刊金曜日１０２６号の21Pの岡本雅亨氏「建国神話と日本の民族意識」の記事から
＞（幕末の時）維新勢力は、薩長と一部公家が政権を簒奪しようとするものとして正統性を疑われており、それに対抗し得る貭を天皇の神権的絶対性に求めたのである。
(途中省略)
尊皇攘夷派の間では最初、倒幕と天皇親政の象徴だった建武の中興の時代への復帰が唱えられた。だが、それでは鎌倉幕府や、それより前の（天皇が実権を失った）古代摂関制の時代を否定することができない。結局「王政復古は務めて度量を宏くし、規模を大にせんことを要す」という玉村操の意見を岩倉具視が受け入れ、神武天皇が橿原宮で即位し人皇第一代となったという神話と伝承の時代への復帰が定められた。
********************
上について検索すると、下記が見つかりました。
http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/136543/121949/74377822
＞『岩倉公實記』には次のやうに書かれてゐる。「具視王政復古ノ基礎ヲ玉松操ニ諮問スル事、…具視以謂ク建武中興ノ制度ハ以テ模範トスルニ足ラズト。之ヲ操ニ諮問ス。操曰ク、王政復古ハ務メテ度量ヲ宏クシ、規模ヲ大ニセンコトヲ要ス。故ニ官職制度ヲ建定センニハ当ニ神武帝ノ肇基ニ原キ寰宇ノ統一ヲ図リ、萬機ノ維新ニ従フヲ規準ト為スベシ。」
>>[119]
ナンジャコレハー、と感じました！！！
事前に資料を配布してあっての麻生財務大臣の回答も、私には何を言いたいんだろう？ です。
mixiニュースの政治カテゴリーの中では、アクセス数が７位で、かなり注目されてるんでしょうか？
********************
ネットで検索してみました。
「八紘一宇」持ち出した三原じゅん子氏に沈黙する国会の異常
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/158149
2015年3月17日 日刊ゲンダイ
＞ まさか、２１世紀の国会で、この言葉を聞くとは思わなかった。１６日の参院予算委で、質問に立った自民党の三原じゅん子議員（５０）が「八紘一宇」という戦前・戦中のスローガンを唐突に持ち出し、「日本が建国以来、大切にしてきた価値観」とまで言ってのけた。
八紘一宇とは「全世界を天皇の下にひとつの家のようにする」という意味が込められている。先の大戦中には朝鮮半島・台湾の植民地化、中国・東南アジアへの侵略を正当化するためのスローガンとして喧伝された。
三原議員の発言は企業の国際的な租税回避問題を取り上げる中で飛び出した。「八紘一宇の理念の下に、税の仕組みを運用していくことを安倍総理こそが世界に提案すべきだ」と語ったが、この時代がかったセンス、戦前日本の侵略行為への無反省、戦前回帰の発想にはホント、目まいがしてくる。
敗戦を１２歳で迎えた筑波大名誉教授の小林弥六氏はこう嘆く。
「これが戦争を劇画的にしか知らない世代の恐ろしさなのでしょう。戦時下の『八紘一宇』の背後には、世界を日本を中心とした“ひとつの家”にするという思い上がった発想がありました。それこそが日本が道を誤った大きな理由で、その反省の上に現在の平和がある。日本の軍国化を進める安倍首相の下、国会は今、この言葉が出てきても不思議じゃない状況になってしまった。国会の戦前回帰も極まれりですが、国民まで黙認してしまえば、国際社会から“日本人は再び戦争をしたいのか”と誤解されるだけです」
一昔前なら大問題となったはずの暴言だが、１６日の参院予算委で三原議員の発言をとがめる議員はゼロ。共産党も社民党も黙って聞き流していた。この国はもはや行き着くところまで来てしまったのか。
（以下省略）
********************
（リンクを貼れない）
livedoorニュースの中から
＞三原じゅん子議員、国会で大日本帝国の政策標語「八紘一宇」こそが日本のあるべき立ち居振る舞いであると熱弁
＞昭和15年、第2次近衛内閣によって閣議決定された政策方針である「基本国策要綱」では
「皇国ノ国是ハ八紘ヲ一宇トスル肇国ノ大精神ニ基キ世界平和ノ確立ヲ招来スルコトヲ以テ根本トシ先ツ皇国ヲ核心トシ日満支ノ強固ナル結合ヲ根幹トスル大東亜ノ新秩序ヲ建設スルニ在リ」として大東亜共栄圏を作り上げるためのまさに根本原理として採用されるに至りました。
＞戦後の政界においても、昭和32年の松永東文部大臣は衆議院文教委員会で
「戦前は八紘一宇ということで、日本さえよければよい、よその国はどうなってもよい、よその国はつぶれた方がよいというくらいな考え方から出発しておったようであります」と発言しており、
また昭和58年には中曽根康弘総理大臣が衆議院本会議で
「戦争前は八紘一宇ということで、日本は日本独自の地位を占めようという独善性を持った、日本だけが例外の国になり得ると思った、それが失敗のもとであった」との認識
ナンジャコレハー、と感じました！！！
事前に資料を配布してあっての麻生財務大臣の回答も、私には何を言いたいんだろう？ です。
mixiニュースの政治カテゴリーの中では、アクセス数が７位で、かなり注目されてるんでしょうか？
********************
ネットで検索してみました。
「八紘一宇」持ち出した三原じゅん子氏に沈黙する国会の異常
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/158149
2015年3月17日 日刊ゲンダイ
＞ まさか、２１世紀の国会で、この言葉を聞くとは思わなかった。１６日の参院予算委で、質問に立った自民党の三原じゅん子議員（５０）が「八紘一宇」という戦前・戦中のスローガンを唐突に持ち出し、「日本が建国以来、大切にしてきた価値観」とまで言ってのけた。
八紘一宇とは「全世界を天皇の下にひとつの家のようにする」という意味が込められている。先の大戦中には朝鮮半島・台湾の植民地化、中国・東南アジアへの侵略を正当化するためのスローガンとして喧伝された。
三原議員の発言は企業の国際的な租税回避問題を取り上げる中で飛び出した。「八紘一宇の理念の下に、税の仕組みを運用していくことを安倍総理こそが世界に提案すべきだ」と語ったが、この時代がかったセンス、戦前日本の侵略行為への無反省、戦前回帰の発想にはホント、目まいがしてくる。
敗戦を１２歳で迎えた筑波大名誉教授の小林弥六氏はこう嘆く。
「これが戦争を劇画的にしか知らない世代の恐ろしさなのでしょう。戦時下の『八紘一宇』の背後には、世界を日本を中心とした“ひとつの家”にするという思い上がった発想がありました。それこそが日本が道を誤った大きな理由で、その反省の上に現在の平和がある。日本の軍国化を進める安倍首相の下、国会は今、この言葉が出てきても不思議じゃない状況になってしまった。国会の戦前回帰も極まれりですが、国民まで黙認してしまえば、国際社会から“日本人は再び戦争をしたいのか”と誤解されるだけです」
一昔前なら大問題となったはずの暴言だが、１６日の参院予算委で三原議員の発言をとがめる議員はゼロ。共産党も社民党も黙って聞き流していた。この国はもはや行き着くところまで来てしまったのか。
（以下省略）
********************
（リンクを貼れない）
livedoorニュースの中から
＞三原じゅん子議員、国会で大日本帝国の政策標語「八紘一宇」こそが日本のあるべき立ち居振る舞いであると熱弁
＞昭和15年、第2次近衛内閣によって閣議決定された政策方針である「基本国策要綱」では
「皇国ノ国是ハ八紘ヲ一宇トスル肇国ノ大精神ニ基キ世界平和ノ確立ヲ招来スルコトヲ以テ根本トシ先ツ皇国ヲ核心トシ日満支ノ強固ナル結合ヲ根幹トスル大東亜ノ新秩序ヲ建設スルニ在リ」として大東亜共栄圏を作り上げるためのまさに根本原理として採用されるに至りました。
＞戦後の政界においても、昭和32年の松永東文部大臣は衆議院文教委員会で
「戦前は八紘一宇ということで、日本さえよければよい、よその国はどうなってもよい、よその国はつぶれた方がよいというくらいな考え方から出発しておったようであります」と発言しており、
また昭和58年には中曽根康弘総理大臣が衆議院本会議で
「戦争前は八紘一宇ということで、日本は日本独自の地位を占めようという独善性を持った、日本だけが例外の国になり得ると思った、それが失敗のもとであった」との認識
>>[125]
>しかし、原則として天皇を戴く（そして田中智学としては日蓮と法華経を戴く）日本人が世界を善導救済するというのが前提となる理念と考えてよいのではないでしょうか。
日本の対中侵略やアジアへの覇権拡大は、八紘一宇の理念の下に行われた訳ではありません。あの戦争（特に対米英戦）は、政策的・軍事的な判断の誤りを積み重ねた結果、何ら理念や思想的背景を持たずに開戦に至ったものです。
故に、当時の政治指導者・陸軍・海軍等は、あの戦争の思想的バックボーンを求めた。その結果の一つが「八紘一宇」の精神です。本来、この言葉にはネガティブなイメージはなかったはずです。
残念ながら今回の報道は、一般国民が抱く「八紘一宇」のネガティブイメージの単なる再生産のように感じます。
あの戦争の実態は、これまた残念ながら、思想や指導的理念など何もなかったのです。
>しかし、原則として天皇を戴く（そして田中智学としては日蓮と法華経を戴く）日本人が世界を善導救済するというのが前提となる理念と考えてよいのではないでしょうか。
日本の対中侵略やアジアへの覇権拡大は、八紘一宇の理念の下に行われた訳ではありません。あの戦争（特に対米英戦）は、政策的・軍事的な判断の誤りを積み重ねた結果、何ら理念や思想的背景を持たずに開戦に至ったものです。
故に、当時の政治指導者・陸軍・海軍等は、あの戦争の思想的バックボーンを求めた。その結果の一つが「八紘一宇」の精神です。本来、この言葉にはネガティブなイメージはなかったはずです。
残念ながら今回の報道は、一般国民が抱く「八紘一宇」のネガティブイメージの単なる再生産のように感じます。
あの戦争の実態は、これまた残念ながら、思想や指導的理念など何もなかったのです。
>>[126]
[124]の、
> 朝日新聞のような表層的な言葉狩りは嫌いです。
[126]の、
> あの戦争の実態は、これまた残念ながら、思想や指導的理念など何もなかったのです。
には納得がいくのですが、それって、「日本」の内輪の論理であって、
現実に「八紘一宇」の言葉の下で武力を行使された側は、現代の日本の国会でその言葉が使用されたことをどう思うのか？と言う観点が抜け落ちていませんか？
たとえ起源にネガティブなイメージがなかっとしても、
それをネガティブなイメージにしたのは、侵略の正統性を確保する論理として使用した戦時中の日本政府と日本社会です。
現在の日本政府や日本社会が「本来は侵略的な意味はなかった」と主張しても、
それは加害者の居直りにしか見えないのではないでしょうか？
[124]の、
> 朝日新聞のような表層的な言葉狩りは嫌いです。
[126]の、
> あの戦争の実態は、これまた残念ながら、思想や指導的理念など何もなかったのです。
には納得がいくのですが、それって、「日本」の内輪の論理であって、
現実に「八紘一宇」の言葉の下で武力を行使された側は、現代の日本の国会でその言葉が使用されたことをどう思うのか？と言う観点が抜け落ちていませんか？
たとえ起源にネガティブなイメージがなかっとしても、
それをネガティブなイメージにしたのは、侵略の正統性を確保する論理として使用した戦時中の日本政府と日本社会です。
現在の日本政府や日本社会が「本来は侵略的な意味はなかった」と主張しても、
それは加害者の居直りにしか見えないのではないでしょうか？
>>[128]
あの程度の国会議員発言は許容されるべきだと思いますね。
あれが問題視され、朝日新聞等が「角度」をつけて対外発信する世の中では、何か、非常な「息苦しさ」を感じるのです。
故葉室�鮠宍椹福塀嫺�大社）は三原議員と同じような「共生」の世界観をもって、戦争のない平和な世界を祈っておられましたよ。
なお、この問題では、馬淵澄夫議員（民主党）が三原擁護発言をしていますが、私は基本的に彼の意見に賛同します。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42576
余談ですが昔、焼き鳥屋で馬淵さんに『大統領の独裁』（カール・シュミット著）をお渡ししたことがあります。丸山真男等政治思想にも精通した、まともな政治家の見解としてお読みください。
あの程度の国会議員発言は許容されるべきだと思いますね。
あれが問題視され、朝日新聞等が「角度」をつけて対外発信する世の中では、何か、非常な「息苦しさ」を感じるのです。
故葉室�鮠宍椹福塀嫺�大社）は三原議員と同じような「共生」の世界観をもって、戦争のない平和な世界を祈っておられましたよ。
なお、この問題では、馬淵澄夫議員（民主党）が三原擁護発言をしていますが、私は基本的に彼の意見に賛同します。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42576
余談ですが昔、焼き鳥屋で馬淵さんに『大統領の独裁』（カール・シュミット著）をお渡ししたことがあります。丸山真男等政治思想にも精通した、まともな政治家の見解としてお読みください。
>>129 かず色さん
三原議員の発言にも、またご紹介いただいた馬淵議員の見解にも強い違和感を覚えます。
>今回の「八紘一宇」という言葉が、過去に誤った使い方をされたことをもって「穢れた言葉だ」というのであれば、禊祓（みそぎはらい）をして洗い浄めればよい話ではないのか。
ご紹介先のＵＲＬにあった言葉ですが、私には云うところの「禊ぎ」が済んでいるようには思えません。
東京裁判においてごく少数の戦争指導者が敵方の手で裁かれましたが、あの戦争を主導した大多数の軍人や官僚や政治家は戦後も大手を振ってこの国の権力中枢に蟠踞し続け、ごく短期間の「パージ」という制裁を受けただけで「禊ぎは済んだ」と云わんばかりに、独立復帰後には早々に元の職に復帰したり装いを変えただけで再出発したりしています。
「禊ぎは済んだ」というのは、あくまで「穢れを持った日本人」が言い募っているだけのことで、対外的には通じる話ではありませんし、その欺瞞性を深く自覚していたからこそ、戦後の日本人は対外戦争へつながる政策や思想を強く戒めて、自らの手を縛る政治的態度をとり続けてきたのではないかと考えています。
諸外国から「ヒステリーじみた軍事アレルギー」とあざけられようとも、あのような愚かな戦争へと身を投じて、親兄弟親戚から多数の死者を出すような戦争の惨禍を被り、「一億玉砕」を呼号して死者を黄泉路へと追い立てておきながら、自分の命を永らえた疾しさを抱えて戦後の日本人は生きてきました。
戦後長く戦争責任問題や靖国問題がホットな話題としてこの国内部に存在し続けているのも、こうした「惨禍を被った記憶」と「死者に対する生者の疾しさ」とが国民的感情として共有されてきたからこそなのではないでしょうか。
三原議員の発言にも、またご紹介いただいた馬淵議員の見解にも強い違和感を覚えます。
>今回の「八紘一宇」という言葉が、過去に誤った使い方をされたことをもって「穢れた言葉だ」というのであれば、禊祓（みそぎはらい）をして洗い浄めればよい話ではないのか。
ご紹介先のＵＲＬにあった言葉ですが、私には云うところの「禊ぎ」が済んでいるようには思えません。
東京裁判においてごく少数の戦争指導者が敵方の手で裁かれましたが、あの戦争を主導した大多数の軍人や官僚や政治家は戦後も大手を振ってこの国の権力中枢に蟠踞し続け、ごく短期間の「パージ」という制裁を受けただけで「禊ぎは済んだ」と云わんばかりに、独立復帰後には早々に元の職に復帰したり装いを変えただけで再出発したりしています。
「禊ぎは済んだ」というのは、あくまで「穢れを持った日本人」が言い募っているだけのことで、対外的には通じる話ではありませんし、その欺瞞性を深く自覚していたからこそ、戦後の日本人は対外戦争へつながる政策や思想を強く戒めて、自らの手を縛る政治的態度をとり続けてきたのではないかと考えています。
諸外国から「ヒステリーじみた軍事アレルギー」とあざけられようとも、あのような愚かな戦争へと身を投じて、親兄弟親戚から多数の死者を出すような戦争の惨禍を被り、「一億玉砕」を呼号して死者を黄泉路へと追い立てておきながら、自分の命を永らえた疾しさを抱えて戦後の日本人は生きてきました。
戦後長く戦争責任問題や靖国問題がホットな話題としてこの国内部に存在し続けているのも、こうした「惨禍を被った記憶」と「死者に対する生者の疾しさ」とが国民的感情として共有されてきたからこそなのではないでしょうか。
>>[112]
返答が思いっきり遅れてしまいましたが、
>◆日本の60年代反乱に先だって、欧米先進国ではより激しく、より広範な「反乱」が起きていた。米国やフランスの学生市民は議論が下手で、議会制 民主主義の苦手な人たちなのだろうか？
そもそも、この種の学生反乱はそれ自体が「議会制民主主義」への攻撃を志向するものだと思います。
対立する立場・思考を持つ相手方との対話や議論を通じて妥協点を見出していくという行為が議会制民主主義の骨子ですので。
投票の結果として議会で多数を占める会派が選んだ政府･内閣の施策に不満があるのであれば、あくまで議論によってその非を鳴らすべきであり、法を踏み越えて実力でその政権の打倒を計ろうとする行為は、やはり議会制民主主義の趣旨には反するものだと思います。
>◆学生運動など大衆的反乱の退潮期にあってゲリラ戦争（少数精鋭による躊躇なき武力行使）を実行したのは赤軍派とその同調者、東アジア反日武装戦線などごく一部だけ
７２年の浅間山荘事件以後、大衆的反乱というのは一気に退潮しました。
そして、その退潮の理由の大きなものとして「山岳ベースでの大量リンチ殺人事件」が色濃く影を落としていたと思えます。
赤軍派が国内で壊滅した後も、中核派とか革マル派とかが相互に内ゲバを行いあっていたとも聞きますし、基本的にはそうした暴力的な志向こそが左翼運動が全般的に退潮していった主要因の様に感じています。
彼ら「過激派」と対置される「一般大衆」は、銃を取ることを厭わない武装派（赤軍派や反日武装戦線）とそれ以外の中核派や革マル派との間にそれほど大きな違いを見出してはいなかったのではないでしょうか？
>戦前の軍部・官僚と、連合赤軍と、オウム真理教を「同じ問題を抱えていた」と一緒くたに論ずるのは無理がある
これらの組織が間違った道へと進んだ理由を一つに絞ったうえでそれが共通していたという主張をするつもりではないです。
間違った理由はそれぞれの組織ごとに多々あり、その多くはそれぞれが別個の背景を持ち、別個の現れ方をしたと考えています。
その上で、「ある部分に関しては共通する通弊を見出すことが出来るのでは無いだろうか」という問いかけを行ったつもりです。
そしてその通弊は、かなりの部分で日本の社会が強く持つ「議論を避け、組織内の他者の心情を過剰に忖度する志向」に由来しており、現在においても様々な場面で組織の機能不全をもたらす原因となっているのではないか、というような問いかけを行ったつもりでした。
>オウム真理教に至っては新興宗教であり、信仰というのはそもそも客観性とか合
理性に縛られるものではないからです。
この点について（あまり賛同を得られるものでは無い考え方だろうとも思ってはいますが）、オウム真理教事件は「宗教的な事件」として捉えると却ってあの事件の本質からは外れてしまうような気がしています。
あれはむしろ、一種の破綻した組織の成員が、組織の維持を主目的に相互に過剰な忖度を行い続けていった結果として起こった「組織の機能不全」として捉えた方が良い事件だと考えています。
この点については、私の見解がちょっと特殊なので同意を得られないのは仕方がないとも思っていますので、あまり掘り下げるつもりはないです。
返答が思いっきり遅れてしまいましたが、
>◆日本の60年代反乱に先だって、欧米先進国ではより激しく、より広範な「反乱」が起きていた。米国やフランスの学生市民は議論が下手で、議会制 民主主義の苦手な人たちなのだろうか？
そもそも、この種の学生反乱はそれ自体が「議会制民主主義」への攻撃を志向するものだと思います。
対立する立場・思考を持つ相手方との対話や議論を通じて妥協点を見出していくという行為が議会制民主主義の骨子ですので。
投票の結果として議会で多数を占める会派が選んだ政府･内閣の施策に不満があるのであれば、あくまで議論によってその非を鳴らすべきであり、法を踏み越えて実力でその政権の打倒を計ろうとする行為は、やはり議会制民主主義の趣旨には反するものだと思います。
>◆学生運動など大衆的反乱の退潮期にあってゲリラ戦争（少数精鋭による躊躇なき武力行使）を実行したのは赤軍派とその同調者、東アジア反日武装戦線などごく一部だけ
７２年の浅間山荘事件以後、大衆的反乱というのは一気に退潮しました。
そして、その退潮の理由の大きなものとして「山岳ベースでの大量リンチ殺人事件」が色濃く影を落としていたと思えます。
赤軍派が国内で壊滅した後も、中核派とか革マル派とかが相互に内ゲバを行いあっていたとも聞きますし、基本的にはそうした暴力的な志向こそが左翼運動が全般的に退潮していった主要因の様に感じています。
彼ら「過激派」と対置される「一般大衆」は、銃を取ることを厭わない武装派（赤軍派や反日武装戦線）とそれ以外の中核派や革マル派との間にそれほど大きな違いを見出してはいなかったのではないでしょうか？
>戦前の軍部・官僚と、連合赤軍と、オウム真理教を「同じ問題を抱えていた」と一緒くたに論ずるのは無理がある
これらの組織が間違った道へと進んだ理由を一つに絞ったうえでそれが共通していたという主張をするつもりではないです。
間違った理由はそれぞれの組織ごとに多々あり、その多くはそれぞれが別個の背景を持ち、別個の現れ方をしたと考えています。
その上で、「ある部分に関しては共通する通弊を見出すことが出来るのでは無いだろうか」という問いかけを行ったつもりです。
そしてその通弊は、かなりの部分で日本の社会が強く持つ「議論を避け、組織内の他者の心情を過剰に忖度する志向」に由来しており、現在においても様々な場面で組織の機能不全をもたらす原因となっているのではないか、というような問いかけを行ったつもりでした。
>オウム真理教に至っては新興宗教であり、信仰というのはそもそも客観性とか合
理性に縛られるものではないからです。
この点について（あまり賛同を得られるものでは無い考え方だろうとも思ってはいますが）、オウム真理教事件は「宗教的な事件」として捉えると却ってあの事件の本質からは外れてしまうような気がしています。
あれはむしろ、一種の破綻した組織の成員が、組織の維持を主目的に相互に過剰な忖度を行い続けていった結果として起こった「組織の機能不全」として捉えた方が良い事件だと考えています。
この点については、私の見解がちょっと特殊なので同意を得られないのは仕方がないとも思っていますので、あまり掘り下げるつもりはないです。
>>[134]
>戦後の長期保守政権の時代など到来しなかった。
私は戦後の自民党政権というのは、そもそも戦争への忌避を含み持った国民大衆からの広範な支持を得た結果として成立し続けた政権だったと考えております。
自民党の主流というのは、現在の安倍政権の源流である国粋的な志向を持ち、靖国参拝を念願するような集団に存在したのではなく、いわゆる「保守本流」を自称した吉田茂-池田隼人あたりを起点に持つ大蔵官僚や外務官僚といった経歴を経て自民党に入党してきた宏池会系の官僚出身の政治家たちや、田中角栄を起点に持つ田中派やその派生集団が多数を占めており、岸信介を起点に持ついわゆる「タカ派」的なメンタリティを持った集団が圧倒的多数を占めてきたわけではありません。
自民党政権というのは、これらの複雑な思惑を抱えた雑多な政策集団の集合体であり、むしろそのアイデンティティは「対社会党・対共産党」という「革新勢力への対抗者」としての要素に存在していたといえましょう。
この自民党政権を、何か大きな政策目標を掲げて一枚岩に固まっていた政党であるという理解の仕方をするのは如何なものかと思います。
>大衆の多くは、戦後民主主義の欺瞞性を感じていたんじゃないか
これはその通りでしょう。
戦後民主主義というのは、南方の島々で多数の日本の軍民を喪失せしめ、日本の国土を爆撃によって蹂躙し、あまつさえ原爆という大量破壊兵器を投下した、米国というかつての敵国に与えられた思考の枠組みです。
その枠組みに順応して飼い慣らされることに対する生理的な忌避感は国民大衆に広く共有されていたでしょうし、それに従わざるを得ない立場に置かれたことによって生じる屈辱感もまた広く共有されていたものと思います。
その上で、日本人はその屈辱に耐え、軍事的に隷従しているという現実から目をそらすことによって、経済的繁栄と軍事的な安寧とを享受する「戦後民主主義の果実」を受け取ることを選び取り、その路線を守るために共産主義や社会主義への志向を抱く社会党や共産党のような政治勢力が政権を取ることを許さない（五十五年体制の維持）という形で、政治的意思を示し続けてきたのではないでしょうか。
かず色さんのおっしゃるのとは別の意味で、日本の大衆は「ご立派な価値認識」などは持っていたとは思っておりません。
「親兄弟を殺した旧敵に、軍事的に従属すること」がもたらす良心の疼きを抑え込んで、「明日のメシ」を最優先する政治的選択をし続けてきたのだと、私は思っています。
その結果として招来した「７０年に渡って維持された平和」というモノは、スタートの時点から欺瞞に満ち、精神的な尊厳と引き換えにしなければ維持し続けてこられなかったモノだからこそ、逆説的な意味で、その尊さを認識して守り続けなければならないのではないかと思っています。
>戦後の長期保守政権の時代など到来しなかった。
私は戦後の自民党政権というのは、そもそも戦争への忌避を含み持った国民大衆からの広範な支持を得た結果として成立し続けた政権だったと考えております。
自民党の主流というのは、現在の安倍政権の源流である国粋的な志向を持ち、靖国参拝を念願するような集団に存在したのではなく、いわゆる「保守本流」を自称した吉田茂-池田隼人あたりを起点に持つ大蔵官僚や外務官僚といった経歴を経て自民党に入党してきた宏池会系の官僚出身の政治家たちや、田中角栄を起点に持つ田中派やその派生集団が多数を占めており、岸信介を起点に持ついわゆる「タカ派」的なメンタリティを持った集団が圧倒的多数を占めてきたわけではありません。
自民党政権というのは、これらの複雑な思惑を抱えた雑多な政策集団の集合体であり、むしろそのアイデンティティは「対社会党・対共産党」という「革新勢力への対抗者」としての要素に存在していたといえましょう。
この自民党政権を、何か大きな政策目標を掲げて一枚岩に固まっていた政党であるという理解の仕方をするのは如何なものかと思います。
>大衆の多くは、戦後民主主義の欺瞞性を感じていたんじゃないか
これはその通りでしょう。
戦後民主主義というのは、南方の島々で多数の日本の軍民を喪失せしめ、日本の国土を爆撃によって蹂躙し、あまつさえ原爆という大量破壊兵器を投下した、米国というかつての敵国に与えられた思考の枠組みです。
その枠組みに順応して飼い慣らされることに対する生理的な忌避感は国民大衆に広く共有されていたでしょうし、それに従わざるを得ない立場に置かれたことによって生じる屈辱感もまた広く共有されていたものと思います。
その上で、日本人はその屈辱に耐え、軍事的に隷従しているという現実から目をそらすことによって、経済的繁栄と軍事的な安寧とを享受する「戦後民主主義の果実」を受け取ることを選び取り、その路線を守るために共産主義や社会主義への志向を抱く社会党や共産党のような政治勢力が政権を取ることを許さない（五十五年体制の維持）という形で、政治的意思を示し続けてきたのではないでしょうか。
かず色さんのおっしゃるのとは別の意味で、日本の大衆は「ご立派な価値認識」などは持っていたとは思っておりません。
「親兄弟を殺した旧敵に、軍事的に従属すること」がもたらす良心の疼きを抑え込んで、「明日のメシ」を最優先する政治的選択をし続けてきたのだと、私は思っています。
その結果として招来した「７０年に渡って維持された平和」というモノは、スタートの時点から欺瞞に満ち、精神的な尊厳と引き換えにしなければ維持し続けてこられなかったモノだからこそ、逆説的な意味で、その尊さを認識して守り続けなければならないのではないかと思っています。
>>[136]
私は読書が少ないので菅孝行の名前も知りませんでした。
市立図書館にこの人の著書は一冊もありません。
著書を検索すると、下の書評の内容が私の意見とよく合ってます。
http://www.kyoto-up.org/archives/2012
書評〉 安丸良夫×菅孝行 『近代日本の国家権力と天皇制』
＞天皇（制）は支配者たちの意向によってすぐに「日本固有」の「伝統的」なものとして国家の中核に動員装置として呼びこまれ、排外主義や国粋主義のシンボルとなりうるものである。
また象徴天皇制は、戦前の天皇制よりも「敵」が見えない分反対がしづらく、むしろ国家の統治にとっては都合のよい制度なのではないか。
私は読書が少ないので菅孝行の名前も知りませんでした。
市立図書館にこの人の著書は一冊もありません。
著書を検索すると、下の書評の内容が私の意見とよく合ってます。
http://www.kyoto-up.org/archives/2012
書評〉 安丸良夫×菅孝行 『近代日本の国家権力と天皇制』
＞天皇（制）は支配者たちの意向によってすぐに「日本固有」の「伝統的」なものとして国家の中核に動員装置として呼びこまれ、排外主義や国粋主義のシンボルとなりうるものである。
また象徴天皇制は、戦前の天皇制よりも「敵」が見えない分反対がしづらく、むしろ国家の統治にとっては都合のよい制度なのではないか。
>>[143]
韓国がベトナム戦争参戦を決定する過程で、朴大統領は米国との最終協議に、日本で云う「統幕議長」を伴いましたが、この方は訪米後、直帰せずに日本に立ち寄りました。
東京で陸士区隊仲間と飲み、京都の陸自駐屯地から駆け付けてきた嘗ての区隊長と劇的な再会を果たした後、夜遅く宴会がお開きになった時のこと。
「俺にはどうしても行きたいところがある」と議長。「靖国神社に行きたい」
親しい同期が「もう遅いから」と説得するが聞き入れず、結局２〜３名が付き添って、夜中にタクシーで向かいました。
議長は真夜中の祭壇で暫し瞑目の後、「これでよし！」とただ一言残し、靖国神社を後にしたとのことです。帯同した同期の方の言葉なので、恐らく真実なのでしょう。韓国のベトナム戦争参戦秘話でもあります。
戦後、多くの人にとって靖国神社は「心の拠り所」だったのです。
韓国がベトナム戦争参戦を決定する過程で、朴大統領は米国との最終協議に、日本で云う「統幕議長」を伴いましたが、この方は訪米後、直帰せずに日本に立ち寄りました。
東京で陸士区隊仲間と飲み、京都の陸自駐屯地から駆け付けてきた嘗ての区隊長と劇的な再会を果たした後、夜遅く宴会がお開きになった時のこと。
「俺にはどうしても行きたいところがある」と議長。「靖国神社に行きたい」
親しい同期が「もう遅いから」と説得するが聞き入れず、結局２〜３名が付き添って、夜中にタクシーで向かいました。
議長は真夜中の祭壇で暫し瞑目の後、「これでよし！」とただ一言残し、靖国神社を後にしたとのことです。帯同した同期の方の言葉なので、恐らく真実なのでしょう。韓国のベトナム戦争参戦秘話でもあります。
戦後、多くの人にとって靖国神社は「心の拠り所」だったのです。
>>[145]
>戦後、多くの人にとって靖国神社は「心の拠り所」だった
その通りだと思います。
ですが、柳先生さんはそうした多くの人にとっての心の拠り所だった場所を「自身の偏狭な価値観に基づく政治的主張を繰り広げるための道具」として扱おうとする人々の姿勢に対して批判を加えているように思えます。
広島の原爆ドームや長崎の平和公園などのモニュメントもまた、原爆という兵器によって与えられた「国民的苦痛」を抱えた人々にとっての心の拠り所なのだと思いますが、そうした「苦痛の記憶」を、自身の政治的主張を広めるための道具として扱おうとした人々がいました。
そうした政治的思惑から人々の心の拠り所を汚す行為に対しては、やはり批判が加えられるべきであろうと思います。
>戦後、多くの人にとって靖国神社は「心の拠り所」だった
その通りだと思います。
ですが、柳先生さんはそうした多くの人にとっての心の拠り所だった場所を「自身の偏狭な価値観に基づく政治的主張を繰り広げるための道具」として扱おうとする人々の姿勢に対して批判を加えているように思えます。
広島の原爆ドームや長崎の平和公園などのモニュメントもまた、原爆という兵器によって与えられた「国民的苦痛」を抱えた人々にとっての心の拠り所なのだと思いますが、そうした「苦痛の記憶」を、自身の政治的主張を広めるための道具として扱おうとした人々がいました。
そうした政治的思惑から人々の心の拠り所を汚す行為に対しては、やはり批判が加えられるべきであろうと思います。
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