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映画「911の子どもたちへ」コミュのご意見をお聞かせください

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突然のトピック立て失礼いたします
(管理人様へ、不適切と思われましたらお手数ですが削除をお願いいたします)

東京外国語大学アラビア語専攻4年の鈴木と申します。
テレビから感じた9.11の爆風に今も吹き飛ばされながら、東アラブ世界の政治およびパレスチナ問題について勉強しています。

実は先日の上映会に伺ったのですが、映画を観終わったあとに非常に違和感を覚え、いろいろと友人たちとも話をしておりました。自分も1987年生まれの9.11に衝撃を受けた世代ですが、9.11に対する視点をこの映画と共有することができず、ある種の困惑を覚えております。

それにつきまして、上映直後にはmixiの日記(少々荒っぽいものですが…)を書いたのですが、やはり友人たちばかりですので、複数人でその違和感を共有したに留まりました。制作に関わったと思われる方からも足跡を頂きましたが、特に反応が示されたわけでもなく、困惑は深まるばかりです。

そこで、むしろこの映画を撮られ、また支持されているみなさまにお伺いしたいと思い立ちました。
自分は映画作製についてはまるで素人ですし、あれだけの広報を学生のみで行ったことには(『沈黙を破る』のお手伝いで配給会社シグロの激務を目の当たりにした分、なおさら)驚嘆するばかりです。1年間と言う短い取材、編集、および準備期間であの規模の上映会を開いたことにも敬意の念を抱きました。しかし、映画の内容への批評ならお許しいただけるかと思い、下記掲載いたします。

長文ですが、なにとぞご検討ください。よろしくお願いします。

この問いが、虚しく空を切って通り過ぎないことを祈りつつ。
鈴木啓之


・・・・・・・

果して、9.11によって僕らの世代が共有したのは「疑惑」だったのでしょうか?

つまり、最初からアメリカの自作自演路線ばかりで、3つの大切な視点がきれいに抜け落ちてしまっていたことに、同じ世代として怒りすら覚えました。


【第1点】
まず、アメリカの自作自演陰謀説を持ち出すことによって、過去の出来事から9.11がぱったりと切り離されてしまっていること。

  アメリカによる1979年のアフガニスタンにおけるアラブ義勇兵の支援やサウジアラビアとの密接な関係、その中でおこった湾岸戦争時におけるサウジへのアメリカ軍駐留とそれへの反発、さらには60年代にエジプトにおいて大弾圧を受けていたムスリム同胞団(と、そのなかでのクトゥブ主義の誕生、思想としての展開)やその後の90年代に取り締まりを受けたイスラーム集団やジハード団などの系列がきれいに抜け落ちていることで、あたかも9.11が不自然に降って湧いたかのような印象を与えていると思います。
  しかし、例えば真珠湾攻撃を「アメリカの自作自演だ!」と言えないように、9.11もそう断言はできないはずです。というのも、実際にそういった行為を意図するようなアクターは確かに存在していたのですから、9.11をアメリカの完全な自作自演と主張するのは稚拙にすぎる判断だと思います。だからこそ、他の多くの9.11陰謀論(さらに加えれば真珠湾陰謀論)でさえ、「アメリカはこれが起こるのを予期しながら予防策を敢えてとらなかった」といったというものに留まらざるを得ないのではないでしょうか?
さらに誤解を恐れずに言うならば、自作自演説を唱える専門家の方の言葉が説得力に欠け、都市伝説的な無責任さに溢れていると思います。「この貿易センタービルの倒壊の仕方は解体発破に似ている」という外見のみの類似性だけで断言している姿に、作り手として疑問は湧かなかったのでしょうか? 僕は、果たしてこの主張が、異例の高層鉄骨である貿易センタービルの建築としての構造を踏まえたうえでの発言なのか疑問です。そういった発言に対する作り手側の検証が映画の中でまるでなされていないと言う指摘に、この映画は答えられるでしょうか?


【第2点】
9.11によって口実を与えられた「テロとの戦い」を、アメリカが直接的に関わるものに限定してしまっていること。

  「テロとの戦い」という論理は、確かにアメリカが強く主張しました。しかし、この論理の恐ろしいところは、直接的に9.11で被害を受けていない諸国家がこれを援用して、自国の行為の正当化に走ったことであったと思います。例えば、イスラエルのパレスチナ社会への攻撃や、ロシアのチェチェンの制圧、トルコのクルド人対策、中国のチベット鎮圧など枚挙にいとまありません。それを無視して、アメリカのみに焦点を当てるのは、テロとの戦いの論理の社会悪を矮小化してしまってはいないでしょうか?
  例えば、一昨年から昨年にかけてのイスラエルによるガザ攻撃でも、いまだに「テロとの戦い」の論理が援用され、それによって1400人を超える死者をもたらしたことを、この映画の文脈で語ることは困難だと思います。
  この、「テロとの戦い」の矮小化という問題点は、第1の問題点であるアメリカの自作自演説にこだわったためにもたらされたものであろうと僕は思います。むしろ、エドワード・サイードやノーム・チョムスキーといった人々が指摘したように、9.11については、その悲劇をアメリカ政府がどのような文脈で位置付け、各国がいかにそれに追従していったのかが重要なのではないでしょうか? 「これは、西欧的な価値観への見境のない攻撃である。だからこそ、そのような理不尽極まりない憎悪に対して、我々は断固として対峙しなければならない」という具合に、アメリカ政府による意図的な曲解が行われていたと思います。上記に挙げた2人はそのことに対して、「歴史的な視点が欠落した無責任極まりない曲解である」との激しい批判を投げかけたはずです。このような視点がこの映画のなかにあったでしょうか?


【第3点】
私たちは加害者であるとの指摘がなされながら、それに対する対策や作り手としての立場がまるで見えてこなかったこと。

  「アメリカの戦争資金は日本政府がアメリカの国債を大量購入することで賄われており、その日本政府が使用した資金と言うのは銀行や郵便局からの融資であるから、それらを利用している私たちは立派な加害者である」との指摘が映画のなかでなされていました。しかし、これに対する作り手(つまりは学生)の立場が明確ではなく、さらには何の対応策も提示されていないと思います。この性悪説的な描写で、何を訴えようとしたのでしょうか?
  イスラエル/パレスチナ紛争に関しても似たような運動はあります。「マイクロソフトやインテルはイスラエルを支援している企業だからボイコットすべきだ」という主張が時に声高に聞かれますが、そもそも海外のニュースに接している時点で私たちはこの2つの企業が構築したネットワークの恩恵を受けていますし、おそらく、それなしにはパレスチナへの飛行機も飛ばず、支援物資の管理もできないと僕は考えています。
  それと同じく、「銀行や郵便局が…」と言ったところで、それなしに生活を送ることはできないはずです。この状況への対応策も示されず、ただ「私たちは悪い。加害者意識を持つべきだ」と言っても、ただの性悪説にしか行きつかない気がします。人が実際に死んでいる横で自己嫌悪に陥るのではなんの解決にもならないと感じましたし、むしろそういったインタビューをとってきた監督はじめ学生たちはこの言葉をどのように受け取り、何を解決策として提示しようとしていたのかが非常に気になりました。

・・・・・・・


以上、目を通して頂き、また貴重なスペースをいただきましてありがとうございます。できましたら、忌憚のないご意見、ご批評をお聞かせいただければと思います。

コメント(15)

鈴木 様

宣伝プロデューサーの山田です。
上映会当日はご来場ありがとうございました。
まず、大変多くの知識をお持ちのようで、私たち製作委員会一同も大変勉強になります。
ありがとうございます。

ただ、このようなトピックをあげられる場合は
まずご一報願います。

直接お問い合わせのメールアドレス
gakuseieiga911@yahoo.co.jp
にお問い合わせいただくか、管理人にまず一報をお願いします。

知識が豊富な方にご覧いただく場合
確かにご不満な点を感じることもあるかと思いますが、
私たちのほとんどは、無関心で知識のなかった学生が1年半以上をかけて製作しました。
手短な説明ですが、その点ご理解いただけたらと思います。
後ほど詳細にご説明いたします。

また、他の反響としてはどのようなものがあったのか、
きっと気になっていらっしゃると思うので、その点においてもまとめて
こちらからご連絡いたします。

こちらのスタッフで、ジャーナリスト志望で鈴木さまのように知識の豊富なスタッフがいますので
納得していただけるように改めてご説明させていただきます。

また、私たちは無責任にあるがまま映画を製作したわけではありません。
色々な葛藤の中、このようにして封切りさせていただきました。

このあとこちらからまたご連絡をいたします。
ご連絡をしたのちにこのトピックも削除させていただきます。
ご理解とご協力よろしくお願いいたします。

※議論のトピックは今後立ち上げますので
他の方のレスポンスはお待ちください。
山田さま

迅速に、かつご丁寧に対応いただきましてありがとうございます。
また、突然トピックを立ち上げましたこと、重ねてお詫び申し上げます。

ご連絡を頂いたのちにトピック削除の旨、了承いたしました。

取り急ぎまして、確認とお礼の連絡のみにて失礼いたします。

鈴木啓之
鈴木さま

お忙しいところ迅速に対応いただきましてありがとうございます。
また、このような身勝手ともとれる疑問にご丁寧にお返事をいただきまして大変恐縮しております。

【第1点】について
ご回答を頂きましたことで、僕がこの映画の主旨である「現在も生活にありつづける悲しみ」に気を配ることが出来ていなかったことがわかりました。映画の主旨を「陰謀論を根底とし…」とした僕自身の印象については、再度上映の際などに検討していきたいと思います。この点につきまして、決してアメリカの自作自演という陰謀論を主張するわけではなく、あくまで9.11から生まれた悲しみを切り取ることが映画の主題であるとのこと、理解いたしました。

【第2点】について
チョムスキーの批判に関する理解が異なるとのご指摘、ありがとうございます。僕も彼の著作を網羅的読んだわけではありませんし、先ほど底本とした本を読み直したところ、翻訳に問題がある可能性もあり(例えば、「カハネ・ハイ」という組織を「カハネ・チャイ」と表記するなど)、お恥ずかしい限りです。
  ただ、ご指摘の「意図的に行われたプライミングによって生まれた「テロとの戦い」という論理は、まさに歴史的観念をショートカットしたと言えるのだと思っています」の部分が難解でうまく噛み砕けませんので、もう少し平易な言葉でのご説明、もしくはその底本についてお教えいただけませんでしょうか? 「プライミング」という言葉が専門用語であるのか否か、また「歴史的観念のショートカット」という部分の意味など、無学を露呈してお恥ずかしい限りですが、ご教授いただけましたら嬉しいです。
  なお、僕が底本としたのは文献についての情報、および(先ほどざっと見たので不完全なものかもしれませんが)頁数を記載いたします。
チョムスキー, ノーム[2001]『9・11――アメリカに報復する資格はない!――』文芸春秋 (Noam Chomsky, 9.11, New York: Seven Stories Press, 2001)。
pp.10, 13, 16, 29, 30-31, 35, 37-38, 64, 75, 87(最近文庫本で再版されていますが、そちらの版とは頁数が異なることがあります)

【第3点】 について
言葉が足りずに申し訳ありませんでした。僕が違和感を持ったのは、「きっかけを作る」と志したその動機が、画面から読みとれなかったということなのです。むしろ、出てくる専門家の方の言葉に押し流されて、制作している学生がこの映画で何を訴えかけたかったのかという部分が覆い隠されてしまっていたように思えました(もちろん、その編集のなかに観客は意図を読み取るべきだとは自分でも思うのですが…)。
  しかし、この点に関してはドキュメンタリーとして僕が見てしまったことに原因もあるのではないかと友人から指摘を受けていることを併記したいと思います(映画を作るというプロジェクトの終着点に発信を求めるのは過酷である…ともコメントをもらいました)。



最初の山田さまとのお約束に従い、この書き込みをもってトピックを削除いただいても不平は申しません。

しかし、もしお許しいただけるなら、もう一巡だけお付き合い頂けませんでしょうか? 本書き込みを、僕からの質問として最後にしたいと思いますので、なにとぞよろしくお願いいたします。


P.S.
土井さんの件、ご関心を払っていただきありがとうございます。「土井敏邦 パレスチナ記録の会」では、2月25日に集会を企画しております。パレスチナ問題やドキュメンタリー映画、中東などのコミュで情報は随時掲載していきますので、よろしければご笑覧ください。
鈴木(「土井敏邦 パレスチナ記録の会」学生ボランティア代表として…)
鈴木さま

管理人様を始めとしてみなさまのご判断に本トピックの取り扱いを委ねることに同意いたします。削除を含め、どのようなご判断がありましても不平を申し上げないことも改めて併記いたします。

取り急ぎまして。
一応他のスタッフには確認とりますが、勉強になるし、せっかくなので個人的にはそのまま残したいです!
管理人は今すぐこのトピックは消すなんてもったいないことはしないつもりなので、よろしくお願いします。
管理人さま

わかりました。お手数をおかけいたしますが、ご検討よろしくお願いします。

(お返事が遅れましたこと、お許しください)
鈴木さま

ご丁寧な解説ありがとうございます。
また、チョムスキーの理論全般を理解する上で貴重なご提示を頂きまして、重ねてお礼申し上げます。自分の勉強不足に恥じ入りつつも、また書籍などを通して彼の言説に耳を傾けていきたいと思います。

最初に提示いたしました3点につきましてお時間を割いてご説明いただきましたこと、深く感謝いたします。キャッチボールで例えるなら、僕が捕り損なった球を一緒に探して頂いた形となりました。お忙しいなかご迷惑だったかとは思いますが、このようにご丁寧に対応いただき本当にありがとうございます。

最後に、このような大規模なプロジェクトを短期間で成し遂げられたみなさまに敬意を表しつつ、トピック当初の質問を終えたいと思います。

管理人さま、貴重なスペースを頂きましてありがとうございました。


鈴木
わしもこの映画を京大で見たけど、
反戦運動にいわゆる「911陰謀論」を持ち込むのはどうかと思うね。

陰謀論なしでも、
イラク戦争に正当な根拠はなかった、
ということは論証可能なので、
根拠なしの風説を持ち出す必要はないと思います。

だいたいインタビューするのが、
きくちゆみ氏とかベンジャミン・フルフォード氏とか藤田幸久議員などでは、
意見が偏りすぎだと思うよ。

学生の自主製作映画というよりは、
そういう偏った意見の持ち主に影響されて作った映画だという印象を受けたね。

また、
過激なイスラム原理主義者の存在をあたかも無視しているような印象を受けたけど、
世界情勢を理解する上で、そんな姿勢でいいの?

全部アメリカが悪い!では解決するような問題ではないと思うな。

このひとは、こんなとこまできてコメントしてるんだw

しかもこんなコメント、いまどき中学生でも笑うだろ、
学生を馬鹿にしすぎだw


もう事態は、さらに先に進んでると思うが・・・
午後の紅茶と陰謀論(4)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1754553780&owner_id=26776173

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