なんだかんだで毛布は制作部コミュの沈黙を破る

2009年/130分　監督：土井敏邦

2002年のイスラエル軍によるヨルダン川西岸への侵攻で混乱する2つの難民キャンプの現実を映し出す、パレスチナ・イスラエル問題を扱ったドキュメンタリー

見終わった後、言葉を失った

今まで数字や活字でしか知らなかった事実を突きつけられ、少し吐き気に襲われた

元イスラエル軍兵士達の証言と、侵攻により生活を奪われるパレスチナの人々の姿を見て、聞いてゆくうちに、あるとんでもない真実に気づかされる

どちら側にも、何故自分達が闘っているのか判っていない人間が大勢いるのだ

任務や過度の疲労、それによるストレスにより彼らの道徳心は簡単に麻痺し、まるでゲームでもやってるかのように人を殺す。中には暇でしょうがなくて人を撃ったっという元兵士もいた

そしてその報復に自爆テロを行う。危険だといって侵略、弾圧を繰り返す

終わりのない憎しみの連鎖

途中、パレスチナでボランティア活動を行うアメリカ人女性が登場する

彼女は現実のあまりの悲惨さ、そして自分が侵略を促しているアメリカ人の一人っという事実を目の当たりにし、絶叫、号泣する

その姿は映画を見る第三者たちに一番近い存在であった

被害者でも加害者でもない僕達は、せめて事実を知らなければならないと感じた

これは歴史ではなく、僕等が生まれ、生きたついこの間の出来事であり、そしてこれからのこと

沈黙を破らなくちゃいけないの僕らのほうかもしれない

９点