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非商業映画作家・野上享介コミュの退屈の先生が書いた「ネッカチーフ」評

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退屈の先生の日記から持ってきました。
でも、無断で持ってきたのでNGだったら即削除します。。
>退屈の先生

……

きょうは映画監督の野上亨介さんにお会いしました。野上さんは京都のインディーズ映画界では有名なかたらしいですが、ぼくは存じあげませんでした。

野上さんは今東京にいらして、商業映画第一作の準備中です。その新作について、ぼくはいつもどおり、えらそうな事ばかり言っていました。タイトルがいまいちだとか。映画の事なんて知りもしないくせに。でももしこの映画の主演が伊勢谷勇介になったとしたら、それはぼくが言い出しっぺです。あまりにもえらそうな事ばかり言っていたせいか、こんど、この新作のシナリオを読ませていただける事になりました。

野上さんのつらがまえは、すばらしかったです。映画監督はつらがまえがよくなければいけない、というのがぼくの持論なのですが、つらがまえでいえば、野上さんはすでに名匠の域でした。

野上さんの作品のビデオをお借りしました。「セントラルパーク」「裏地C面」という短編は、正直、ぼくには良さがまったくわからなかったのですが、中編「ネッカチーフ」はすごかったです。

これはまず、ドラミちゃんと寅さんとゴダールがセックスについて語りあう映画でした。野上さんは「おれはゴダール以降の事がやりたい」とおっしゃっていましたが、この語りあうシーンはたしかにゴダール以降の事でした。こんな事をやっているのなんて、ぼくは見た事ありませんから。

ゴダール以降の事、といってしまえば、この三本の映画はすべてゴダール以降の事なのです。ゴダールがいなければ、この三本の映画はきっと生まれてはいないのですから。問われているのは、ゴダールを見てしまった人が、じぶんはどんなものをつくるのかという事で。

この二本の短編、そして「ネッカチーフ」のほとんどは、まだゴダールの文法を借り受けてつくられた映画にぼくは感じましたが、でもドラミちゃんのシーンは、その文法から一歩踏み出した、すごいシーンだと思います。

でも目をそむけてはいけないのは、京都で、ビデオでゴダールっぽい事をやった映画と、ほんもののゴダール映画との、差です。くらべてしまうと、どうしても野上さんの映画は痛々しくぼくにはうつりました。

なかだるみを感じるのもゴダール的といえなくもないですが(笑)、終盤、ヒロインが全裸になったところから、映画ががぜん、おもしろくなりました。もちろんそれはぼくがすけべなせいもあるでしょうが、でも、それだけではないとも思います。映画で女性が裸になる事、その力というのは、もっと意味がある事だと思います。

この映画にかぎっていえば、女性が裸になった事から、それまで素通りしていたモノローグなんかも、びんびん頭に入ってくるようになったのです。その理由も、これからのんびり考えてみようと思います。

ちなみにこの女性の裸は、きっと「女と男のいる舗道」のアンナ・カリーナが全裸になったら、きっとこんな裸なんだろうなって感じの裸でした。もちろんぼくは大好きです。この裸のシーンだけ、菊地成孔に見せてみたいと思いました。

そして裸の切り取りかたのみごとな事。野上さんとお話ししていても感じたのですが、野上さんは、ぼくなんかが足元にもおよばないほどフェティッシュで、どすけべだと思います。

そして梶井基次郎のテキスト。ナレーションの声もふくめて、このサンプリングはすばらしいです。きっと凡百いるであろうゴダールっぽい映画を撮っている自主映画のなかで、有名になるだけあります。さすがです。

野上さんの映画をぼくは大絶賛はできませんが、でも、ここさいきん見た映画では、いちばんいろんな事を考えた映画でした。くわしくはうかがっていませんが、たぶん野上さんは「思考する映画」をめざされていると思うので、そのたくらみにはまんまとはまったわけです。





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