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惑星探査機パイオニア 10・11号コミュのある静かな夜、ささやきが…

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冬の終わりの静かな夜、スペインはマドリッドの巨大電波望遠鏡が、ザーザー乱舞する雑音の中に、ある「生命」からのかすかな信号を探し出した。
信号の方向は牡牛座。「生命」はパイオニア10号宇宙探索機。
30年前に母なる地球を離れ、宇宙開拓史上初めて危険な隕石帯を無事に通過し、輝く雲海をかすめながら初めて巨大な木星の近接観測をした。そこで木星の強力な引力を使って時速13万キロに加速、以来宇宙の果てに向けて延々と旅を続けている。パイオニア10号は現在地球から78AU(1AUは太陽と地球の距離)の地点にあり、時速約5万キロで太陽系を離れて行く。パイオニア10号の設計寿命は2年だった。それが30年後の今でも生きている。

◆主人を見つけた子犬のように
5年前プルトニウム電池の出力低下とNASA(米航空宇宙局)の予算削減でパイオニア10号との接触は打ち切られた。光ですら11時間かかるこの距離では太陽も夜空の星のひとつに過ぎない。 母なる地球の方向も分からない。接触が打ち切られて以来、パイオニア10号は地球から送られて来るはずの強力な電波を待ちわび、必死に耳を傾けていたに違いない。
再びパイオニア10号を探し出すには半年以上かかった。地球から強力な電波を送り続けた。
それをやっと聞きつけたパイオニア10号は大喜びでその方向へアンテナを向け、集めた観測データを一生懸命送って来た。パイオニア10号が宇宙の向こうで主人を再び見つけた子犬のように喜んではしゃいでいる姿が見えるようだ。
パイオニア10号との接触は今後も続けられる。宇宙からの極めて弱い信号を雑音の中から聞き分ける研究にパイオニア10号が使われることになったからだ。

◆長い旅の終わり
パイオニア10号には金メッキの銘板が取り付けてある。人類の男女の姿とこの機械がどこから来たのかの情報が刻まれている。
この銘板をデザインしたひとり、6年前に62歳の若さで亡くなったカール・セーガン博士がこの中に生きている。パイオニア10号は30万年後に地球から約10光年離れたロス248番星を通過する。太陽のたった17%の大きさの星で、生命を宿す惑星を従えている可能性は少ない。
その後パイオニア10号は限りなく永遠に近い長い孤独な銀河の旅を続けるだろう。
この旅が終わりのないものとは信じない。やがて銀河の果てで、ある文明と遭遇し、人類からのメッセージを届けるだろう。その惑星の博物館に大事に、大事に収められた時、パイオニア10号の旅は終わるのだと思う。
その惑星の子供達に見守られながら。

パイオニア10号は単なる機械ではない。我々人類の一部である。
やがて地球上の人類が滅びても、我々は永遠にパイオニア10号の中に生き続けるのだ。
冒頭でパイオニア10号を「生命」と呼んだ理由がこれで分かっていただけたと思う。

作者不詳

コメント(1)

パイオニア10号は、宇宙を旅し続け、地球人の偉大なる作品として
宇宙人の仲間に評価される。

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