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安曇野・山のあしおと小学校コミュのお花見山

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左:鈴ヶ峰の西登山口 中:ウラジロ茂る登山道 右:山道

 郷里の広島県西部地方には4月3日に『お花見』と称して豪華(?)な弁当を作ってもらい、山に登って遊ぶ習わしがあった。
 通常,お花見と言えば対象は桜だが、この地方で言う花見は桜ではなく、つつじやあせびなどの山に咲く花であったり、ヒサカキの匂いに代表される春の山の匂い,すなわち春の到来そのものであると言えるかもしれない。
 登山口に地元の小学校の子ども達のものと思われるそのことを謳った『お花見山』と言う詩があった。(写真左)

 『お花見山』 
 お花見と言えば
 さくらだよ
 お花見山は
 さくらじゃないよ
 みつばつつじだよ
 ずっと ずっと
 ・・・(以下は読み取れない)・・・

 男の子達は気の合った仲間達数人で徒党を組んで山に登り、気に入った場所に『シロ』と称する秘密基地のようなものをつくり、そこを拠点にあちこちを『探検』したり、棒切れを振り回してチャンバラごっこに興じ、真っ暗になるまで遊び呆けた。
 秘密基地と言っても小屋などを作るわけではなく、一定のスペースを陣地とするだけのことなのだが、そこを自分達の場所として確保することによって、自分達がそのシロの主になったようなワクワクした高揚感があった。

 豪華弁当と言うのも当時にすればの話しで、その中身は赤や緑色に染めた水羊羹やゆで卵,卵焼きにお結びと言った程度の、今では誰も顧みないような粗末なものだったが、毎日が『晴れの日』で美味しいものにこと欠かない現代と違って物のない時代だったから、それはやはり『豪華』なものだった。ゆで卵の白い肌が水羊羹の赤い色に染まっているのが日常にはない珍しさで、妙に嬉しかったのが忘れられない。
 子ども達の好物は赤い色のニッキ水をひょうたん型のガラス瓶に入れた飲み物だった。そのどぎつい色に今の母親なら眉をひそめるであろう赤いニッキ味の水は、とひょうたん型の瓶とともに忘れられないものである。

 世界が狭かった時代の冒険の楽しさ,飢えていた時代のものの美味しさに代わるものはないと言っても過言ではない。



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