【メンバー】
Kanpanman
http://
クマ
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aki
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【本文】
★Kanpanman
【山へ行こう 次の日曜】
たった一言そう書かれたハガキを手にして奈美は考えていた。
（新手の詐欺か？）
（気持ち悪い・・・。
宛名は、「田辺奈美様」住所も合ってる。）
「お母さーん！なんか変なハガキがきたよ」
「何？そんな大声出して」
「ほら見て」
奈美は母親にハガキを差し出した。
「どれどれ」
【山へ行こう 次の日曜】
「くすくす・・これラブレターなんじゃないの？」
「はあ？これが？もう！お母さん、からかわないでよ！ラブレターだったら[好きです]とか名前とか書いてあるでしょ！？」
奈美はぷーっとほっぺたを膨らませ母親をにらんだ。
「第一このご時世にラブレターなんて流行んないわよ！」
そう言って奈美は近くにあったゴミ箱にハガキを捨てた。
（やだやだ！ホントきもい・・。ストーカーとかだったらどうしよう・・・）
＊＊＊＊メール＊＊＊＊メール＊＊＊＊
「あ、メール！勇樹からだ！」
奈美はベッドに横になり携帯を開いた。
『何してんの？』すぐに返信する。
『へこんでた』
『なにそれ？（笑）』
『変なハガキが来てさ』
『変なハガキ？ちょ、俺にも見せてよ』
『いいけど・・・写メ撮って送るね』
奈美は慌ててゴミ箱からハガキを・・・ハガキを・・・取り出そうとした・・が・・
「ない！！」
（あれ？さっきここに捨てたのに・・・）
「お母さん！！お母さん！！ここに捨てたハガキどこやったの？」
「えー？お母さん知らないわよ。奈美が捨てたんでしょ？」
（やだー！ホントにきもーい！！きもーい！！）
『ごめん勇樹、ハガキ捨てちゃってどっかいっちゃった』
『えー残念。』
『あーあ、こんないいネタ捨てるんじゃなかったな（笑）』
『ホントだよ〜。あ、そろそろ休憩終わるわ。じゃあな』
（なんだ、バイト中だったんだ。つまんないの。
しっかし、たまの平日休みは気楽でいいなー。
どこか出かけようかなあ。）
（それにしても、さっきのハガキ・・・。
やっぱり気になる。）
奈美はベッドの上で捨てたハガキのことを思い出していた。
【山へ行こう 次の日曜】
（あれ、何だったんだろう。次の日曜って7日のことかな、なーんてね。
まあ、いいや。何かの誘いだったらまた来るはずだし・・・）
気持ち悪いなんて思いながらも奈美はハガキのことを忘れられないのであった。
★クマ
それにしても気になるな。
何なんだろうあの手紙…
だいたい今度の７日って言えば勇樹と付き合って１年の記念日じゃないの。
どうせ無視するんだからあんなきもい手紙のことなんて忘れよう。
そして勇樹とのデートプランを考えなきゃ。
最近の勇樹ったらデートのことは私にばっかり決めさせて何も考えてくれないんだから…
それにしても山なんていつぶりだろう…？
って！違ーう！！
ちゃんとデートプランを考えなきゃ。
あっ、そうだ。
ずっと気になってたお店があったわ！
雰囲気も良さそうだし料理も美味しそうだし、あのお店なら勇樹との愛を深めるのにちょうどいいじゃない！
よし！決まり！
隣町に先月オープンしたレストランに行こう。
確か名前はガストだったわね。
そういえばこないだ幼なじみの里香が飲み放題がどうのって言ってたわ。
里香から聞いた値段は確か信じられないくらい安かったし。
そんなに安いの？
って食いついたらちょっと不思議な顔してたけど、あれは何だったのかな？
飲み放題だなんて、勇樹ったら私を酔わせてどうする気だろ？むふ。
おっといけない。
妄想が暴走するとこだった。
酔いに任せてもいいけど、一応ガストを出た後のことも考えとかなきゃ。
酔っ払っちゃってるだろうからあんまり体を動かすと気持ち悪くなっちゃうし、お店を出たら山にでも…
って！違ーーーう！！！
山て！酔っ払って登山て！
やっぱりお店を出たら勇樹の家に行くのがいいかな。
勇樹の家でまったりと映画でも見てるうちにきっといい雰囲気になってくるに決まってる。むふふ。
「奈美ー！」
「お母さんどうしたのー？」
(何よもう！せっかく妄想に浸ってたのに)
「またあなたに手紙がきてるわよー」
「はーい、今行くー」
【晴れたらいいね】
母親から受け取った手紙にはたった一言そう書いてあった。
★aki
たった一言書いてあるだけなんだけど、違和感を感じた
どうしようもない程の違和感を
ハガキにプリントされている写真が
土砂降り
さらに、あろうことかムキムキのチワワがデンとあぐらをかいていらっしゃる
その吹き出しに書かれている言葉が
『晴れたらいいね』
晴れて欲しいのか欲しくないのか
いや、そんな事よりもなんでこのチワワこんなにムキムキなの？！
何なのこの上腕二頭筋
この首筋から胸板へと流れるような
胸鎖乳突筋からの僧帽筋
僧帽筋を経由しての大胸筋
経由しての、大胸筋
だ、、大、、、大胸筋
くっはぁ（*/∇\*） ｷｬ
あん、ダメ 触りたい
ちょっとでいいから
なんなら先っちょだけでも、、、
『トメゾウさん(チワワの名前(仮))、優しく、、、してね？』
「奈美、、こぅか！？こぅして欲しぃのんかぁ？」
『あ、、そぅ、、、そこ、、そこを肉球で、、はぁ！もっとぉ〜』
「肉球技壱の型！ゴールドフィンガーー＆舌技参の型ペロッＱ!!!」
『はぁぁああああっ!!！んぅっ！！すごぃ！！』
「えぇのんかぁ！！えぇのんやなぁ！？ほな儂イクでぇ！！」
『らめー！赤ちゃん出来ちゃうー！』
っは! いけない！
トリップしてた
奈美ったらイケナイ子
昔っからそう
筋肉を見たら２〜３分は現実に戻れなくなっちゃうのよね
やだやだ
現実に戻り深呼吸をしてからハガキを裏返してあたしは愕然とした
送り主の名前が書いてあったのだ
田辺文子
オカーーーーーン！！！！！！！！！！！！
★Kanpanman
ちょっと待って！
とにかく落ち着いて！
えっと、田辺文子ってオカン？
そうよ、私のお母さんの名前は文子…。
あー、ダメだわ。頭がこんがらがってきた。
何食わぬ顔でハガキを渡したお母さんがオカンで、オカンがハガキ！？
違う違う！オカンがハガキじゃなくってハガキがオカン？
あー！もう！わかんない！！
オカンは何をしたいの！？
「山へ行こう」とか「晴れたらいいね」とか、もうワケわかんない！！
どんな顔してオカンに会えばいいの？
それに、あのチワワ…
確かに私の好みを知っているオカンなら有り得るハガキだわ。
はっ！！そう言えば、オカンが昔話してくれたっけ…
「文子っていう名前、手紙好きのおばあちゃんが付けてくれたんだよ。だから、お母さんも自然に手紙が好きになったんだよねぇ。若い頃は、ビックリマジカルﾁｮﾁｮｲのﾁｮｲ文通部の部長やってたくらいなのよ。」って…。
ビックリマジカルﾁｮﾁｮｲのﾁｮｲ文通部って何だろう？って小さい頃はよくわかんなかったけど、今なら分かる気がする…。
こういうことなのね…。
勇気を出してお母さんに聞いてみようかな…。
でも、真実を知るのがちょっと怖い気もするな。
えぇい！なすがママ、キュウリがパパよ！！
「お母さーーん！！」
★クマ
あれ？返事がない…？
「お母さーん、どこー？」
オカンを探してリビングへ行くと、テーブルの上に１枚のハガキが置いてあった。
宛名は「田辺奈美」。
差出人は書いてない。
意を決してそのハガキをめくると、そこにはこう書いてあった。
もうここにたどり着くなんて、あなたも成長したのね。私は嬉しいわ。
でも、あなたの力はこんなものじゃないはずよ。
あなたの力を存分に発揮して私のことを探してちょうだい。
あなたなら出来るはずよ！私はあなたが来てくれるのを待ってるわ！
あ、ちゃんと目を閉じて１０秒数えてから来てね。
数える間に覗き見たりしたらダ・メ・よ。
マジカルﾁｮﾁｮｲのﾁｮｲ文通部 初代部長 田辺文子 (部員数１名)
もう！一体私に何をさせようっていうのよ？！
だいたいたどり着くって言ったって、私の部屋の隣がリビングだしドア開けたらテーブル見えるじゃない！
それに力を存分に発揮してオカンを探すって…
１０数えてからって…
やっぱかくれんぼよね？
私も今年で４８よ。
なんでこんないい歳してかくれんぼなんてしなきゃいけないのよ！！
かくれんぼなんていつぶりかしら？
３ね…いや、２…
うん、間違いない！
２日ぶりだわ！
よし！
１２３４５６７８９１０！
「部長ー！文子部長ー！！どーこー？」
「ここよー！」
ちょｗｗｗ
返事されたｗｗｗ
声のする方へ行きトイレのドアを開けると、そこには涙目になったオカンが…
「ヒック…ヒック…部長って呼ばれるのが…夢だったの…」
★aki
「そう、あれは忘れもしない小学四年生の春の事、、、
いや、夏かしら？
いえ、中学生の頃の、、
あ、げふん
多分高校に入った直後の事よ
あれ、どうだったかしら？ねえ？奈美？あなたどう思う？」
知らねー！
知らねーから！！
お母さんの青春時代なんて私が知ってるはずねーし！
、と、はんにゃの長い方みたいにツッコミたかったけど、それは良心が止めたわ
そう、良心が止めたの
だって、さすがに９０を過ぎた老婆の時間軸は複雑に交錯しているらしいから、、、
って、待って！
あたし今年４８よ？
それでお母さんが今年９６だから、、、
え？！
ヤバい！
あたしそろそろ適齢期じゃない？！気づかなかった
勇樹も最近パート採用されたみたいだし、さすがに入籍しても大丈夫よね？
将来も安泰
だって誰もが知ってる超有名企業のパート社員なのよ？
５０にしてマック・ドゥ・ンナゥルドのハンバーガー作ってるなんて超エリート！
涎が出るわ
色んな意味で(もちろん性的な意味でも)
って、おーい！
お母さん！！
片目だけ白目て！
泡吹いてるて！！
私は焦って文子のほっぺたをペチペチ叩いた
ちょっと考えがトリップしてる間にお母さんはヤバい意味でトリップしかけるなんて、、、
しかけるなんて、、、
なんて、、、
考
えが、
ま・と・ま・ら・な・い！
何よ交換小説って！
支離滅裂じゃない！
せっかく謎の手紙が着て、
大冒険、
アクション、
ラブストーリー、
ラブコメディ、
ミステリー、
ラブロマンス、
ラブジェネレーション、
ラブレボリューション、
壮大な可能性があったのに、チワワて！
山一切関係ねーし！
壮大なスケールどころか悲壮な熟年独り身＆記憶の定まらない老婆て！
幾重にも張られた伏線が全く回収されるどころか忘却の彼方だし！
っは！
あたしは今何を考えてたの？！
交換小説ってなんの話！？
なにか強大な力が働いているのかしら？！
怖い！
奈美怖い！
私は、
そう、山に行かなきゃいけないのよ
お母さんを連れて、、、
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「いやぁ〜良かったですねぇ
今日お送りした映画は『姨捨山』の本当にあった話です。
奈美役の、光浦靖子さん、
初の主演作品でしたけれど、等身大の演技を魅せてくれましたね
チワワ役の加藤歩(ザ・ブングル…「悔しいです」、「カッチカチやぞ」の人)との濡れ場は結局コメディ路線になってしまいましたが、想定内でした。
文子役の森光子さん、現場では本当に泡を吹いて場を湧かせたそうです。
勇樹役のイジリー岡田さん、ハマリ役でした。本当は森本レオさんが候補にあがってたようですが、監督の個人的な趣味からイジリーさんに白羽の矢がたったみたいですね。
来週は
『それでも君はやってない！？』
主演、イジリー岡田さん
を、お送りします
痴漢冤罪について見事な切り口から様々な人間模様が描かれています
主人公(イジリー)以外の登場人物はこぞって彼を痴漢だと決めつけます
弁護をするはずの人間にまで信じてもらえない主人公
孤高の戦いを強いられます
果たしてどういった判決が下されるのか
ラスト５分、誰もが予想もしない感動のクライマックスが、、、
お楽しみに
来週もこの時間にお会いしましょう
さよなら、さよなら、、さよなら
Kanpanman
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クマ
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aki
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【本文】
★Kanpanman
【山へ行こう 次の日曜】
たった一言そう書かれたハガキを手にして奈美は考えていた。
（新手の詐欺か？）
（気持ち悪い・・・。
宛名は、「田辺奈美様」住所も合ってる。）
「お母さーん！なんか変なハガキがきたよ」
「何？そんな大声出して」
「ほら見て」
奈美は母親にハガキを差し出した。
「どれどれ」
【山へ行こう 次の日曜】
「くすくす・・これラブレターなんじゃないの？」
「はあ？これが？もう！お母さん、からかわないでよ！ラブレターだったら[好きです]とか名前とか書いてあるでしょ！？」
奈美はぷーっとほっぺたを膨らませ母親をにらんだ。
「第一このご時世にラブレターなんて流行んないわよ！」
そう言って奈美は近くにあったゴミ箱にハガキを捨てた。
（やだやだ！ホントきもい・・。ストーカーとかだったらどうしよう・・・）
＊＊＊＊メール＊＊＊＊メール＊＊＊＊
「あ、メール！勇樹からだ！」
奈美はベッドに横になり携帯を開いた。
『何してんの？』すぐに返信する。
『へこんでた』
『なにそれ？（笑）』
『変なハガキが来てさ』
『変なハガキ？ちょ、俺にも見せてよ』
『いいけど・・・写メ撮って送るね』
奈美は慌ててゴミ箱からハガキを・・・ハガキを・・・取り出そうとした・・が・・
「ない！！」
（あれ？さっきここに捨てたのに・・・）
「お母さん！！お母さん！！ここに捨てたハガキどこやったの？」
「えー？お母さん知らないわよ。奈美が捨てたんでしょ？」
（やだー！ホントにきもーい！！きもーい！！）
『ごめん勇樹、ハガキ捨てちゃってどっかいっちゃった』
『えー残念。』
『あーあ、こんないいネタ捨てるんじゃなかったな（笑）』
『ホントだよ〜。あ、そろそろ休憩終わるわ。じゃあな』
（なんだ、バイト中だったんだ。つまんないの。
しっかし、たまの平日休みは気楽でいいなー。
どこか出かけようかなあ。）
（それにしても、さっきのハガキ・・・。
やっぱり気になる。）
奈美はベッドの上で捨てたハガキのことを思い出していた。
【山へ行こう 次の日曜】
（あれ、何だったんだろう。次の日曜って7日のことかな、なーんてね。
まあ、いいや。何かの誘いだったらまた来るはずだし・・・）
気持ち悪いなんて思いながらも奈美はハガキのことを忘れられないのであった。
★クマ
それにしても気になるな。
何なんだろうあの手紙…
だいたい今度の７日って言えば勇樹と付き合って１年の記念日じゃないの。
どうせ無視するんだからあんなきもい手紙のことなんて忘れよう。
そして勇樹とのデートプランを考えなきゃ。
最近の勇樹ったらデートのことは私にばっかり決めさせて何も考えてくれないんだから…
それにしても山なんていつぶりだろう…？
って！違ーう！！
ちゃんとデートプランを考えなきゃ。
あっ、そうだ。
ずっと気になってたお店があったわ！
雰囲気も良さそうだし料理も美味しそうだし、あのお店なら勇樹との愛を深めるのにちょうどいいじゃない！
よし！決まり！
隣町に先月オープンしたレストランに行こう。
確か名前はガストだったわね。
そういえばこないだ幼なじみの里香が飲み放題がどうのって言ってたわ。
里香から聞いた値段は確か信じられないくらい安かったし。
そんなに安いの？
って食いついたらちょっと不思議な顔してたけど、あれは何だったのかな？
飲み放題だなんて、勇樹ったら私を酔わせてどうする気だろ？むふ。
おっといけない。
妄想が暴走するとこだった。
酔いに任せてもいいけど、一応ガストを出た後のことも考えとかなきゃ。
酔っ払っちゃってるだろうからあんまり体を動かすと気持ち悪くなっちゃうし、お店を出たら山にでも…
って！違ーーーう！！！
山て！酔っ払って登山て！
やっぱりお店を出たら勇樹の家に行くのがいいかな。
勇樹の家でまったりと映画でも見てるうちにきっといい雰囲気になってくるに決まってる。むふふ。
「奈美ー！」
「お母さんどうしたのー？」
(何よもう！せっかく妄想に浸ってたのに)
「またあなたに手紙がきてるわよー」
「はーい、今行くー」
【晴れたらいいね】
母親から受け取った手紙にはたった一言そう書いてあった。
★aki
たった一言書いてあるだけなんだけど、違和感を感じた
どうしようもない程の違和感を
ハガキにプリントされている写真が
土砂降り
さらに、あろうことかムキムキのチワワがデンとあぐらをかいていらっしゃる
その吹き出しに書かれている言葉が
『晴れたらいいね』
晴れて欲しいのか欲しくないのか
いや、そんな事よりもなんでこのチワワこんなにムキムキなの？！
何なのこの上腕二頭筋
この首筋から胸板へと流れるような
胸鎖乳突筋からの僧帽筋
僧帽筋を経由しての大胸筋
経由しての、大胸筋
だ、、大、、、大胸筋
くっはぁ（*/∇\*） ｷｬ
あん、ダメ 触りたい
ちょっとでいいから
なんなら先っちょだけでも、、、
『トメゾウさん(チワワの名前(仮))、優しく、、、してね？』
「奈美、、こぅか！？こぅして欲しぃのんかぁ？」
『あ、、そぅ、、、そこ、、そこを肉球で、、はぁ！もっとぉ〜』
「肉球技壱の型！ゴールドフィンガーー＆舌技参の型ペロッＱ!!!」
『はぁぁああああっ!!！んぅっ！！すごぃ！！』
「えぇのんかぁ！！えぇのんやなぁ！？ほな儂イクでぇ！！」
『らめー！赤ちゃん出来ちゃうー！』
っは! いけない！
トリップしてた
奈美ったらイケナイ子
昔っからそう
筋肉を見たら２〜３分は現実に戻れなくなっちゃうのよね
やだやだ
現実に戻り深呼吸をしてからハガキを裏返してあたしは愕然とした
送り主の名前が書いてあったのだ
田辺文子
オカーーーーーン！！！！！！！！！！！！
★Kanpanman
ちょっと待って！
とにかく落ち着いて！
えっと、田辺文子ってオカン？
そうよ、私のお母さんの名前は文子…。
あー、ダメだわ。頭がこんがらがってきた。
何食わぬ顔でハガキを渡したお母さんがオカンで、オカンがハガキ！？
違う違う！オカンがハガキじゃなくってハガキがオカン？
あー！もう！わかんない！！
オカンは何をしたいの！？
「山へ行こう」とか「晴れたらいいね」とか、もうワケわかんない！！
どんな顔してオカンに会えばいいの？
それに、あのチワワ…
確かに私の好みを知っているオカンなら有り得るハガキだわ。
はっ！！そう言えば、オカンが昔話してくれたっけ…
「文子っていう名前、手紙好きのおばあちゃんが付けてくれたんだよ。だから、お母さんも自然に手紙が好きになったんだよねぇ。若い頃は、ビックリマジカルﾁｮﾁｮｲのﾁｮｲ文通部の部長やってたくらいなのよ。」って…。
ビックリマジカルﾁｮﾁｮｲのﾁｮｲ文通部って何だろう？って小さい頃はよくわかんなかったけど、今なら分かる気がする…。
こういうことなのね…。
勇気を出してお母さんに聞いてみようかな…。
でも、真実を知るのがちょっと怖い気もするな。
えぇい！なすがママ、キュウリがパパよ！！
「お母さーーん！！」
★クマ
あれ？返事がない…？
「お母さーん、どこー？」
オカンを探してリビングへ行くと、テーブルの上に１枚のハガキが置いてあった。
宛名は「田辺奈美」。
差出人は書いてない。
意を決してそのハガキをめくると、そこにはこう書いてあった。
もうここにたどり着くなんて、あなたも成長したのね。私は嬉しいわ。
でも、あなたの力はこんなものじゃないはずよ。
あなたの力を存分に発揮して私のことを探してちょうだい。
あなたなら出来るはずよ！私はあなたが来てくれるのを待ってるわ！
あ、ちゃんと目を閉じて１０秒数えてから来てね。
数える間に覗き見たりしたらダ・メ・よ。
マジカルﾁｮﾁｮｲのﾁｮｲ文通部 初代部長 田辺文子 (部員数１名)
もう！一体私に何をさせようっていうのよ？！
だいたいたどり着くって言ったって、私の部屋の隣がリビングだしドア開けたらテーブル見えるじゃない！
それに力を存分に発揮してオカンを探すって…
１０数えてからって…
やっぱかくれんぼよね？
私も今年で４８よ。
なんでこんないい歳してかくれんぼなんてしなきゃいけないのよ！！
かくれんぼなんていつぶりかしら？
３ね…いや、２…
うん、間違いない！
２日ぶりだわ！
よし！
１２３４５６７８９１０！
「部長ー！文子部長ー！！どーこー？」
「ここよー！」
ちょｗｗｗ
返事されたｗｗｗ
声のする方へ行きトイレのドアを開けると、そこには涙目になったオカンが…
「ヒック…ヒック…部長って呼ばれるのが…夢だったの…」
★aki
「そう、あれは忘れもしない小学四年生の春の事、、、
いや、夏かしら？
いえ、中学生の頃の、、
あ、げふん
多分高校に入った直後の事よ
あれ、どうだったかしら？ねえ？奈美？あなたどう思う？」
知らねー！
知らねーから！！
お母さんの青春時代なんて私が知ってるはずねーし！
、と、はんにゃの長い方みたいにツッコミたかったけど、それは良心が止めたわ
そう、良心が止めたの
だって、さすがに９０を過ぎた老婆の時間軸は複雑に交錯しているらしいから、、、
って、待って！
あたし今年４８よ？
それでお母さんが今年９６だから、、、
え？！
ヤバい！
あたしそろそろ適齢期じゃない？！気づかなかった
勇樹も最近パート採用されたみたいだし、さすがに入籍しても大丈夫よね？
将来も安泰
だって誰もが知ってる超有名企業のパート社員なのよ？
５０にしてマック・ドゥ・ンナゥルドのハンバーガー作ってるなんて超エリート！
涎が出るわ
色んな意味で(もちろん性的な意味でも)
って、おーい！
お母さん！！
片目だけ白目て！
泡吹いてるて！！
私は焦って文子のほっぺたをペチペチ叩いた
ちょっと考えがトリップしてる間にお母さんはヤバい意味でトリップしかけるなんて、、、
しかけるなんて、、、
なんて、、、
考
えが、
ま・と・ま・ら・な・い！
何よ交換小説って！
支離滅裂じゃない！
せっかく謎の手紙が着て、
大冒険、
アクション、
ラブストーリー、
ラブコメディ、
ミステリー、
ラブロマンス、
ラブジェネレーション、
ラブレボリューション、
壮大な可能性があったのに、チワワて！
山一切関係ねーし！
壮大なスケールどころか悲壮な熟年独り身＆記憶の定まらない老婆て！
幾重にも張られた伏線が全く回収されるどころか忘却の彼方だし！
っは！
あたしは今何を考えてたの？！
交換小説ってなんの話！？
なにか強大な力が働いているのかしら？！
怖い！
奈美怖い！
私は、
そう、山に行かなきゃいけないのよ
お母さんを連れて、、、
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「いやぁ〜良かったですねぇ
今日お送りした映画は『姨捨山』の本当にあった話です。
奈美役の、光浦靖子さん、
初の主演作品でしたけれど、等身大の演技を魅せてくれましたね
チワワ役の加藤歩(ザ・ブングル…「悔しいです」、「カッチカチやぞ」の人)との濡れ場は結局コメディ路線になってしまいましたが、想定内でした。
文子役の森光子さん、現場では本当に泡を吹いて場を湧かせたそうです。
勇樹役のイジリー岡田さん、ハマリ役でした。本当は森本レオさんが候補にあがってたようですが、監督の個人的な趣味からイジリーさんに白羽の矢がたったみたいですね。
来週は
『それでも君はやってない！？』
主演、イジリー岡田さん
を、お送りします
痴漢冤罪について見事な切り口から様々な人間模様が描かれています
主人公(イジリー)以外の登場人物はこぞって彼を痴漢だと決めつけます
弁護をするはずの人間にまで信じてもらえない主人公
孤高の戦いを強いられます
果たしてどういった判決が下されるのか
ラスト５分、誰もが予想もしない感動のクライマックスが、、、
お楽しみに
来週もこの時間にお会いしましょう
さよなら、さよなら、、さよなら
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