もぐらのすコミュの人への好意の作用について

「うた」や「ことば」には
力がありました
胸の奥に流れ着いた意味には
何かを思う意志がありました

そこで起きたことは今の
この身体に刻まれた記憶で
夜明けのような光が
見えていたのです

やはり秒針は正確に
一秒という時を過去にしてゆきます
安らぎも今となれば
雪のように降り積もるのでした

放した風船は空へとゆきます
何も言わなくても知っていたようで
ずっとゆき先を観ていたら
忘れた頃に届いた言葉を思い出したのです

あまりにも唐突で
でも何時かは来ることを感じていたこと
それが現実なのでしょう
すぐ側に解答はあったのです

気付いた瞬間に
すべてが空を舞う結晶の
ようにきらきらと
散ってゆくのが見えました

悲しみは胸の深奥
約束した「離れない」という言葉は
やはり強く、この心を困惑の
砂塵のなかに閉じ込めてしまうのでしょうね

日々のそこ、ここに
終わりのような黒い幕がたなびいているのが
幻ではなく、観えているのです
そこでようやく、終わってしまったことが感覚に突き刺さりました

必要以上の寂寞は
心を石ころのように砕くもので
それを積み上げては
幸福というものがこちらを観ていることを
否応なしに気づかされるのでありました

「うた」や「ことば」には
確かに力が存在し
時には見せかけの
時には刹那の

悲しみがチェーンソウのように心を鈍く、ずたずたに切り裂くのでした

2010 3/30(Tue) 02:42