メキシコ永住組コミュのアウラの街の変貌

カルロス・フエンテスのAURAは、かなり読まれている小説のひとつだが、その深層には変化が見られず、美貌の娘と老女はいまだに姿を同一の空間に交互に同居させている。
しかし、この2年間ぐらいのドンセーレス街は異常な変化を始めている。もちろん表面だけの変化で、今のところは、収まっている。まだ百年前のかわいい娘が内部には愛嬌をつくろっているけれど、あの中古カメラ店の軒並みが続いていた街路には明らかな衰退のしわが押し寄せてきた。
デジタルカメラの進軍の音に、すべてが今までどおりの幻を、新たな外形に変化させようともだえ苦しみだしている。
カルロス・フエンテスの美しい娘が街路でコカイン漬けの死体として発見されてから、政治評論家としてのフエンテスの威光は衰えたが、デジタルカメラの攻撃は既にこの街に一つの新しい死の姿と再生の必要性を謳わせている。
三脚ばかり売っている僕の知り合いが「白黒写真の会」を作って今動いている。それは、新しいものである必要がある。すべてがデジタル化していくなかでの水墨画のように。
それも、あの美女と老婆のような生き方を強いられているのかもしれないが。

コメント(2)

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[2] mixiユーザー 12月26日 17:36

しかし、チワワ州ではアウラであるはずの娘を殺されたアウラであるはずの母親が、アウラの舞台であるはずの州庁まえで娘を殺した犯人のアウラにピストルで撃たれて死んだ。

あなたのアウラである娘さんが殺されたら、アウラの話は始まらない。あなたは娘が殺されたそのときにはじめて、メキシコの現実の前に立たされるアウラなのかもしれない。

http://www.youtube.com/watch?v=QNvgrEKedsw

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