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利き手の逆で字を書きたい。コミュの左手 効男

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僕の名前は左手 効男。

今年で17歳になる、ごくありふれた高校2年生だ。

今日は、始業式…

またいつもと変わらない日々が始まるのだ。


あっ、チャイムがなった。

そろそろ教室に帰ろう・・・

コメント(12)


クラス割りで、僕は片思いのあの子と同じクラスになれた。

神様ありがとう。


ありがとう神様。

僕は、困った時の神頼みと言う言葉が大好きだ。


困った時はほとんど神様に頼んでいる。
今年に入って何回頼んだことだろう・・・

一回目は……

あぁ、アレだ。


授業中にお腹が痛くて、つい我慢できずにおならをしてしまった時。

周りにバレないように、椅子を前後に引きずってギシギシ音を出してごまかした時。

神頼みのおかげか上手くカモフラージュすることに成功した。

でも、音はごまかす事が出来たが、匂いは全然ごまかす事が出来なかった。


神様って、意地悪である。

そのせいか、隣の席の吉田さんがその日から冷たくなったのは記憶に新しい。

記憶に新しいと言えば、今日から高校2年生になった。

今日は始業式。


クラス割りで、僕は片思いのあの子と同じクラスになれた。

神様ありがとう。

おっと。

僕は若年性アルツハイマーなのか…。

この物語の冒頭と同じ意味のことを繰り返しているではないか…

このままではまた、僕が吉田さんに嫌われた話に戻ってしまう…。

このままだと、吉田さんに何回嫌われればいいか分からない。


ちなみに、吉田さんは今年も同じクラスになった・・・

明日は、席替えだってさっき先生がHRで言っていた。


明日の席替えでは、絶対片思いのあの子の隣になれるといいな。


さて、今日はもう家に帰ろうかな…
まぁ、帰ろうと言っても僕の家は学校のすぐ裏にあるから、校門を出てから徒歩50歩くらいだ。

でもこんなに家が近いと、学園生活最大のイベント

「好きな娘と一緒に下校」

という、想像しただけでもニヤニヤが止まらないイベントが出来ない。


だから僕は、この高校に入学してから誰にも家が近いということを話していない。

そして、学校帰りは遠回りをして家に帰っている。


だから最近、近所の人に変な目で見られている気がする・・・


しかしどうだろう。

よくよく考えてみれば、
好きな娘と下校

の夢は叶ったとしても、このままでは

自宅デート

が出来ないではないか…

わざわざ遠回りしておいて、実は学校からすぐの家でした

なんて真実、未来の彼女はどう思うのか。

得意の神頼みも使えそうにない…

いっそのこと引っ越しましたと言おうか??

いや、使用感ありありの馴染みまくりの部屋で引っ越ししたばかり感はとてもじゃないが醸し出せない…

そうだ、これはどうだろう?

いっその事、彼女の家でデート。



う〜ん…


そうなると、アレが出来ないな…


初めて彼女を家に連れていった日に、母親に絶対に部屋に来るなと強く念を押し、足早に階段をかけ上がる。



二人きりの部屋の緊張が溶けかけてきた時、階段を登って来る足音が聞こえる。

母だ!


小学校の体育館で、たまに開催されるバザーで買ったようなコーヒーカップにお紅茶をいれて、カチャカチャと音を立ててノーノックで部屋に入ってくる母。


そして

「利男の母です。」


僕「来るなって言ったろ!!早く出てってくれよ!!」

「も〜まったく…」


彼女「優しそうな、お母さんだね」




なんていう、一連のくだりが出来ないじゃないか…


初めての自宅デートは、こんな滑り出しが理想だ。



でも、よく考えたら僕の部屋は一階にある…

階段を駆け上がれないな…



なんて事を考えていたら、朝になってしまった…

あぁ、眠っ…


僕は眠い目を擦りながら、学校に向かった。

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