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人と自然コミュの変わりゆく私の町

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この町の変遷(1)

 私が住んでいる知多半島南端は知多郡南知多町と美浜町で、その北側に武豊(たけとよ)町があり、さらに半田市・常滑(とこなめ)市が続きます。二つの町はほとんど一体と考えてもいいくらい様々な活動・行政(衛生組合・消防署管轄)も共通していますが、どちらかというと、南知多町の方が田舎じみていて、美浜町の方が洗練されているような気がします。いずれも人口2万5千人弱。観光・農漁業が主体。小さな製造会社もあります。美浜町の役場がある「河和」(こうわ)は古くからの名鉄のターミナル駅で、およそ35年前に武豊町富貴駅から伊勢湾の方に知多新線が伸びて「内海」(うつみ)駅ができました。
 新線の途中には美浜緑苑という名鉄系住宅団地があります。そうそう、大事なことを忘れていました。美浜町の丘陵地に日本福祉大学ができて10年ほどになります。伊勢湾側の海岸線道路には学生向けの食堂などがにぎわっていますし、学生用アパートも多いです。ただ、大学の特徴上、学生はあまり裕福な層ではないようです(最近は自動車通学も増えています)。その福祉大学では、最近のヒットはプロ野球中日の浅尾拓也選手でしょう。半島では明るい話題です。
 ぶっちゃけて言いますと、隣の美浜町には、河和台住宅団地、美浜緑苑住宅団地、日本福祉大学、厚生病院、名鉄ターミナル駅・・・これに匹敵するものが南知多町には何もないんですねぇ・・・。文化の香りが何もない田舎町です。

 さて、この町はここ十年、ずいぶん変わり始めました。少子高齢化は全国的な傾向ですが、地方ほど激しく、町では次々と小学校が閉鎖合併しましたし、今度は町の中学校が閉鎖の予定とされています。

 町の中心部は名鉄内海駅から信号「内海」交差点までの商店街でもある『駅前通』と、その交差点から海水浴場の砂浜と平行に走る『海岸通り』で両側には海水浴客相手の駐車場ばかりでした。それで海のシーズン以外は閑散とした空間になっていました。最大の駐車場は名鉄所有のもので、ここは名鉄が駅を予定していたのに地元が反対したために、現在地に内海駅ができたようなのですが、今でも駅の前には畑が広がるばかり(農地転用がむつかしいこともあります)で開業以来、たいして変化がないばかりでなく、駅の高架下アーケードがすでにシャッター通りになっています。海岸側の名鉄所有地が駅になっていたら、ずいぶん変わっていたでしょうが、今も内海駅界隈は住宅も増えず、見渡せるのはただっ広い駐車場と田畑のみです。駅が中心地でなくて、今でも「町のはずれ」になっています。せっかくの名鉄ターミナル駅という条件を有効利用出来てないのは町政の怠慢と言う他無いと思いますが。

 どこでも旧商店街がシャッター通りになっているのは駐車場が無いためでしたが、大手の郊外型チェーン店の進出による売り上げ減と商店側の後継者難があげられます。
 海水浴客もここ十年で3分の1くらいに激減。最盛期は25年くらい前で100万人以上が夏に訪れ、海から5キロ離れたインターまで車で渋滞した時期もありましたが、今は30万人くらいで夏の土日でも渋滞する事が無くなりました。それで海岸通りの駐車場が次々と新しい店舗に変わっていき、今や町のメインストリートは「海岸通り」になりました。
 最初に、「カリフォルニア」パチンコ店。「ファミリーマート」、「スギ薬局」、「カーマホームセンター」(便利館)、地元スーパーヤナギ。昨年秋に「セブンイレブン」。そして今春に「ヤマダ電気」!が名鉄所有駐車場にオープン予定。他地区にサークルKもあります。
 一方、河和駅から三河湾側に伸びる海岸道路には、昨秋にスーパー「フィール」とホームセンター「カインズ」、そして牛丼の「すき家」まで進出。以前から「加藤科学」の工場があります。それ以前に海鮮市場の「魚太郎」と「ナチュラル村」があり、これは地元資本でよく健闘しています。他に100円ショップダイソーなどが2店舗。

 これらの大手資本のチェーン店が進出して地元商店は閉鎖が続きました。金物屋さん、八百屋さん、魚屋さん、文具店、材木屋さん、酒屋さん。電気器具店はかろうじて電気工事で残っていますが、ヤマダ電気でどうなるかわかりません。
 繰り返すのですが、両町合わせて5万人程度の商圏です。車で20分も走れば伊勢湾から三河湾に着くくらいですから、広大な面積ではないけれども、いくつもの集落に別れていて密集地がありません。野菜の直売店も5,6カ所あります。ホームセンターはJA系を含めると6店舗ありますが、どこも駐車場が一杯になるということはないどころか、3分の1も埋まりません。地元の商店を蹴散らす段階は過ぎていて、チェーン店同士が競合潰し合いをする構図になっています。
 こんな半過疎地にヤマダ電気が来て、一体大丈夫なんだろうかと心配してしまいます。ヤマダさんの方を、です。ホームセンター・カインズも店舗が広く、標準的な商品はほとんど全部揃っていると言ってもよいほどですが、店内の客も多いわけでなく、駐車場はいつもガラガラです。いったい進出前にマーケットリサーチをやったのかどうか疑わしいですが、内部資金がダブついて余裕があったのでしょうか。
 個人的な感想では、ヤマダさんの進出でPC関連の買い物が便利になるかもしれないと期待しています。なにしろちょっとした周辺機具(マウスとか)でも自動車道路片道30分かけて半田市まで行っていたのですから。でもこの町、PCの普及率ってたいしたことないですね、高齢と農漁業の人たち、PCには無縁のようです。でも最近、町のホームページ制作業の女性が楽天に店舗を開いて、町の特産のえびせんなどを売っているのには感心しました。鮮魚店「魚太郎」も、海水浴場脇のドッグカフェもメーキャップカフェも女性起業です。

 こうして駐車場地帯の海岸通がメインストリートに変わりましたが、しかし、これらは「外資」すなわち町外資本であって、買い物をしても町にお金が落ちるわけでなく、中央へ吸い上げられていくわけです(私も時にはネットで買い物をしますが、それは町内では売られていないものを購入する場合です)。これでは町の振興になるのかどうか疑問ですが、買い物客でにぎやかになるのは悪いことではありません。半島南端の町が半島北の人たちを引き寄せることができるかどうか、これにかかっているでしょうが、むしろ、消費者は半田市常滑市の方へ引き寄せられている気がしますので、なかなか厳しいでしょう。

 TPPに参入して、あらゆる自由化が実現したら、こうなるという地方版かなぁ、と思いました。

(敬称を一部略させていただきました)

(続くかも)

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