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人と自然コミュの奇跡のリンゴ---無農薬栽培を実現するまで

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「奇跡のリンゴ・・・『絶対不可能』を覆した農家木村秋則の記録」石川拓治著 幻冬舎 ¥1300 08年7月刊、12月までに10刷

 私個人は有機栽培で野菜作りをして20数年になるが、頼まれてキウイの畑も管理していて、いわゆる自然農法のすぐ隣にいる。有機栽培も無農薬栽培であるが、その先は無肥料栽培・不耕起・無除草というジャンルがある。自然農法の一つでもある。最近、野菜にも「無肥料栽培」という触れ込みのものが目に付くようになった。で、ふと目にしたこの本を読んでみる気になった。

 リンゴの無農薬栽培に挑戦した、その記録。9年もかかる。8年間、花も実も付けない連続。その間の苦闘・貧困を越えて、たどり着いた先は私には、昨年秋に逝去された福岡正信氏の世界のように思える。木村さんは若い頃から真空管時代にコンピューターの製作をてがけたり、車のエンジンを改造したりするエンジニア的な素質もあって、科学的な思考も出来る人で、なおロマンチスト。有機に多いスピリチュアルでは全然ない。その自然界の捉え方は、要素分析還元的な科学でなくて、いわば「複雑系」としての自然という、あらゆる要素、生物が相互に関連影響共存しあっている現象ということになるだろう。これは結果から見たら、こうであったということだが、その挑戦の中身は農学研究者をしのぐ知識を持つまでになった博識ぶりで、農薬に替わるあらゆる資材の実験の失敗を経て、もうこれ以上はできないと経済的にも精神的にも行き詰まって首を吊るつもりで山に登ったその時に見た、ドングリの木が彼にヒントを与えることになる。山の奥に育っている、その木の根元の土がリンゴ園の土とは全然異なる性質だったことに気づいたことで、生態系をトータルに見るようになったことだ。
 しかも、あれだけ苦労して探り当てたリンゴ無農薬栽培の手法を公開し、研修・講演にも応じていることが、またすばらしい。大阪城へ直販に出かけたエピソードも面白いし、周りには協力者理解者がたくさんいて、木村さんを助けた。木村さんの人徳だ。
 私も野菜を無農薬栽培しているので、共感できる部分が多かった。いろいろな野菜を作れるまでには、やはり10年くらいかかったね。

この本は木村さんの苦闘の軌跡の記述ばかりでなく、いわゆる自然農や慣行・農薬化学肥料栽培の特徴などにも触れていて、特に現在の農薬化学肥料依存の大規模栽培による農業が「資源浪費」スタイルであること、その農産物すなわち食糧生産が自然の生態系を破壊しており、また農薬を使用する前提での品種改良で品種が弱くなってきており、この栽培方式に未来はないと警告している。
 著者の石川氏が農業関連の書(参考文献が掲載)を読まれた上での記録であり、リンゴ栽培だけでない幅広い知識を、この本から得ることができる。文章が非常に読みやすい。石川氏と木村氏の合作の傑作と思う。有機農業や食関連の人に自信を持っておすすめできる必読の書。(NHK報道済み)

コメント(4)

 木村さんのNHKの番組は昨年観ました。
 ご紹介頂きました本、かなり良さそうですね。
 読んでみたいと思います。
お久しぶりです。
あけましておめでとうございます☆
私もNHKでの放送と木村さんの本(今回ご紹介いただいたものかははっきり覚えていませんが…)を読みました。
夫の実家がりんご農家なので大変興味深く見ていたのですが、
やはり農薬を使った通常の栽培を行っている畑からの移行はかなり道のりは長そうですよね…。
それぞれの考え方もあるでしょうし。。
でも、せっかくの環境なので少し離れた一角ででも無農薬りんご栽培をやってみたいものです。

最近はりんごの酵母からおこしてパンを焼くことが楽しくてたまらないのですが、
これを自分が育てた無農薬りんごで作れたらどんだけ幸せなことだろうとつくづくと感じます。

kasukeさん、
長い慣行栽培から無農薬栽培への転換には、発想をがらりと変える必要があり、これはなかなか困難です。私は新規就農でもあるので、最初から無農薬一筋でやれたのだとも思います。

また、同一人が、慣行栽培と無農薬栽培を実施することは不可能です。(どちらも中途半端になりがち)
とりのさとZさん
ご回答ありがとうございますぴかぴか(新しい)
やはりそうですよね…
思ってはいましたが…あせあせ(飛び散る汗)
新しく自分で1から始めるのがベストですよね涙
またいろいろと模索してみますexclamation ×2

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