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人と自然コミュの徴農制を考える

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徴農制を考える

 東国原英夫・宮崎県知事が、まず徴兵制が必要と言い、修正して「徴農制」と言い出したのだが(これもすぐに撤回した)、その前にも養老猛司氏が提唱していたと思う(都市と地方の参勤交代)。
 自民党・稲田朋美議員も教育再生会議で徴農制を支持した。

 中国での毛沢東の「下放」がこれに当たる。文化大革命の折りじゃなかっただろうか。若者だけじゃなくて、都市の知識人なども対象にされた。カンボジアのポルポト政権の時にもあった。要するに都市住民を農村に一定期間(無期限も)移住させて農作業を従事させるものだ。ほとんど農奴に近い待遇だろう。これらは、歴史的に失敗しているし、国民の支持を得なかった。

 徴農制が現在の日本でも提唱されるのは、例えばニートなどの若者を「鍛える」のに自衛隊に入れるとか、こういう発想は安易でよくあることです。こちらの地方の「戸塚ヨットスクール」も、いじめのようなヨット訓練で、こどもを「鍛える」ことが目的で、それ以上の教育上の理念は何も持っていない、体育会系のしごきとほとんど同じだ。
 ひきこもりやニートを「鍛える」ことで少なくしたり、回復できるというのは、なんだか、年寄りの「今時の若い者は…」程度の認識なのではないだろうか。発想が単純でこわいところがある。昔だって「軍隊に入ればなんとかなる」というのがあった。何も変わっていない。ニートやひきこもりにもさまざまな理由があり、単純でない。


「子ども農山漁村交流プロジェクト」がこの秋に発表されている(過去ログにこの話題があります)。小学生高学年あたりで、とりあえず1週間の農漁村体験を全国で120万人(ほぼ1学年全員)で実施しようという計画。予算も請求された。学校教育での位置づけではあるが、「徴農制」であることに変わりはないのではないか。まぁ、農漁村の預かり先には、なにがしかの謝礼も出るだろうし、活性化につなげたいのだろう。小学生くらいでは、たいした作業もできないし、危険でもあるが(これは保険に入ればなんとか)、「グリーン・ツーリズム」の感覚で受け入れるなら、いいのかもしれない。農作業よりも農漁村に滞在することの方に子供たちには意味がある、と受け取ればよいのだが、受け入れる当事者の負担は金銭的に解決するしかないと思う。

 私は農業の現場にいるのだが、農作業がつらいなどと思ったことはない。時には激しい作業もあるが、それでも自分のペースで働けるので、休み休みできる。暑さ寒さ、時には雨や雪の中で屋外の作業がほとんどだが、それさえも苦痛でない。毎日の仕事が苦痛なら、農業として続かないわけだから、持続しているということは、仕事の内容に否定的ではないというに尽きる。しかし、それを苦痛だと思う子供たちもいるかもしれない(まぁ、体験程度では、そんな仕事までやってもらうことはないだろうけど)。
 今の農業は、ほとんど機械化されていて、延々と激しい手作業が続くなどということはあまりない。果物や野菜の収穫作業くらいか。50年前には、田植えは全部手植えだったので大変だった。ほとんどの耕耘作業は機械化されている。野菜の種まき、移植さえも機械化されている。
 私のところは大規模でなく零細の1町歩(1ha)程度だが、トラクターくらいは駆使している。要するに農作業はかなり楽な仕事になってきているのだ。
 農業の一番の問題は「なかなか都市生活者並の収入が確保できず、時には赤字だったりで、食べていけない」ことだろう。これが比較的容易に実現できているのなら、後継者難も起こらないし、就農希望者も相次ぐだろう。コメの問題でも一時期の半分くらいに消費量が落ち込んで、価格が低下してしまった。減反は4割。さまざまの構造的な要因で、そうなっている。大規模化や集落集積でも解決しない。

 農漁村が活性化しないのは、経営の問題であって、作業が苦痛というわけでない。徴農制などの発想はおかしいと思うが、どうだろう。

 発想を変えて、ニートや引きこもりの「治療」ないしは、「就労へのモチベーションを高める」ための予備トレーニング、気分転換を含めて、農林漁業を通じて自然の中での作業を体験してもらう(実費ないし有料、ただし公的負担)というふうに捉えての企画であるのなら、非常に有効だと思われる。現実に、私の町にはニート就労支援のNPOがあって、農作業体験もプログラムに組んでいる例がある。このような機会が必要とは思われない人まで「徴集」するべきでないだろう。


(裁判員制度も徴集令と同じで、私は2重の憲法違反(裁判官の独立、人を裁きたくないという良心に反する拘束)ではないのか、という疑いを持っていますが、なんとか「志願制」にならないものでしょうか)

コメント(5)

農業も兵役もしたことない人が
徴兵制とか徴農とか言い出すこと自体
絵に描いた餅だと思います。。。
普通にボランティアとか社会体験じゃ何故いけないんでしょうね?
それ以前に何故若者なんでしょうか?
中年や老人はみんな自分が社会の役に立ってると思ってるんでしょうか?

国会議員がPKOの現場や紛争地のボランティアをした方が、社会が得るものが多い気がします。
よしみさん、
政治家も世代交代が進んで、戦争を知らない世代が多くなったので、それで「国民投票法案」「教育基本法」改正などが通過したのですよね。簡単に「希望は戦争」などと言うんだなぁ。

Pooh-Fさん、こんにちは。
 やはり、ひきこもりやニートの人たちを社会へ参加させたいというのがあるのでしょうね。

>中年や老人はみんな自分が社会の役に立ってると思ってるんでしょうか?
 それは、仕事を通じて、社会に貢献してきたと(言葉にしないでも)思っているわけですね。

>国会議員がPKOの現場や紛争地のボランティアをした方が、社会が得るものが多い気がします。
議員ではないですが、ペシャワールの会の中村哲医師、この方の仕事はノーベル賞に値すると思います。現場や紛争地を知っている議員を選ぶかどうかは、国民次第です。地味な活動をしていても政治的にはあまり評価されないですね、残念ながら。桝添氏、介護の実績はありますよ。
 徴農制については以前このコミュでも書いたような気がしますが、そもそもこれは憲法18条違反ですよ。改憲はどうしても9条に目がいってしまいますが、この18条は9条と同等に注視していかなければいけないと思っています。意外な落とし穴ですよ。徴農や社会奉仕の強要が可能になるんですね。大学入学を秋にして春から秋までの半年を社会奉仕活動にあてるべしとする人もいます。

 ニートや引きこもりの若者には規範意識を持たせることが最も重要、それには軍事訓練が最適と考える政治家(安倍・麻生・中川あたりはこういう考えでしょう)企業経営者が多いのですね。実際昨年は25700人もの新入社員が研修という名目で軍事訓練に参加して(させられて?)います。でも徴兵実現は難しいので徴農という事なんでしょうかね? 農家にモラリストのイメージでもあるのでしょうか? それとも農作業に目覚めてくれる若者を少しでも発掘できればとでも思っているのでしょうか? 日本は軍隊的なものに奇妙な夢を抱いちゃたりしてる人、意識してなくてもかなり多いように見うけられます。
自民党内で、いわゆるタカ派と呼ばれる人たちが、改憲派で、その中身は憲法9条改正による海外自衛隊派遣でしょう。

 私はリベラルなんだろうな、と思っているので、下の本、いいですよ。

「SIGHT」(季刊) 冬号

が出ています。

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