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参加型空想物語_ミルゥのかかしコミュの第一章 冒険のはじまり

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「大変じゃぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁ・・・・・・これはこの村はじまって以来の大ぴんちじゃあぁぁぁぁあぁ・・
この杖の石を見てみよ。色が変色しておる!!
ん?この石か?この石はこの村の護り神。
そう、あれはワシがこの村の長老に就任(?)する前日じゃった。前長老がワシを家に呼び・・・・
この杖を譲ってくれたんじゃぁぁあぁぁ!!!
そのときの長老の台詞・・ワシは今でも今でも」

こうなると長老の話は長い・・・このままでは日が暮れてしまう!
そう思った‘とま’はどこからか持ってきた白い白い骨をぽ〜んっと投げた。
長老、話はどこへやら?遠くへ消え行く骨へと向かって・・・わんわんわん・・

みんなが唖然と(いつものことなのだが)長老を見守る中
「こうなったら、私たちがかかしの腕を探すしかないわ!!」
ギャジーが大声で手を挙げてながら叫んだ。
そう、いつのまにか握り締められていた‘とま’の手も一緒に。
・・・私たち・・・・。って僕も??
                          written byあみちゃん

コメント(16)

その時、空から一筋の光が落ちて来た。
かと思うと、真っ逆さまに落ちて来たかかしの腕。
マッハ3で衝撃波をまき散らしながら、かかしの腕が、
ギャジーの脳天に今にも直撃しようとしたその時!!
written by きたろうさん
/バシィィッッ/

力強い音がし、突風が上からたたきつけるように広場を直撃した。そのあとしばらくしてぱらぱらと何かが降ってきた。
トランプ48の一方の尻尾がとまの、両手を覆ってる手をぐいぐいこじ開けて、にゃぁ、と鳴いた。
とまはしょうがないからおそるおそる目をひらいてみる。

バルだ。

どこからともなく現れたバルが降ってきたかかしの腕をしっかり握り締めている。かかしの腕はまだふるふると揺れている。
後から降ってきたのは藁だった。
バルの目はいつもより鋭い。

さっきまでいなかったのに・・。

バルの腕にはへんな模様が描いてある。それと、あれは・・傷?ギャジーはとみれば、ショウガ色の髪の毛はよれよれ、藁がいっぱいくっついて口があいてる。バルの方をほうけて見ている。

しばらくしん、としていた広場は、そのうちざわざわ、活気を取り戻してきた。
「やぁ、めでたいな」
「かかしの腕が戻ってきたわ。これで一安心」
「お祝いしよう!」

のんきだなぁ、、とまは頭をぽりぽり。トランプ48は垂れた耳をちょっと立ててくるりと振り(トランプ48にはそれができる)のどをごろごろ鳴らした。

「なんだかむこうからいいにおいがしてきたぞ、やや、もしかしてミタムラがまたうまい料理とスイーツを持ってきてくれてるんじゃ!?」と誰かがうれしそうに言った。

バルはもういなくなっていた。

「ほんとだ、ミタムラだ。今日は何を作ってくれたのかなぁ」
ミルゥの人たちがとたんにうきうきしだす。
大男のミタムラは両手にいっぱいバスケットを抱えて
おいしそうな匂いをさせてずんずんこちらにやってきている。

とまたちのいるところまで来るとミタムラは
どん、とバスケットたちをおいて、バスケットにかかっているクロスをさっと取り払ってバルは言う。

「これ、食べる、よし。」

わぁああ!! ミルゥの村人たちはみんな目をきらきらさせてバスケットを覗き込む。
そこにあったのは・・・
⊂ 〜〜っ 
  |  |
 U´・ω・`U
⊂| ‖|⊃ ̄ヽニフ
  [ ̄ ̄|
    ν ν   <そこにぁったのは・・>

                        drawn by Cーさん
ミルゥ村のこどもたちのほっぺと同じ色をしたまあるいやわらかパン、
(ミルゥのこどもたちはこのパンが大好き!パンには1つだけ“あたり”があって、パンの中に陶器のかかしが入っている。ギャジーはたくさんあたりを持っているのに、とまは1回しかあたったことがない)

見たこともない形をしたたくさんのナッツの入った黒いパン、

クランチーなほね入りパン(これは長老用)

お花の形に焼き上げられた7回味が変わるパイ

数え切れないくらいのお野菜が絵のように盛りつけられたサラダ
(お野菜のキライな子どもにも、このサラダは好評なので、ミルゥのお母さん達はいつもミタムラに秘訣を聞き出そうと躍起になっている)

ビーズ豆ときみどり草と虹色魚のマリネ(虹色ソース添え)

とろけるトロトロ鳥のラグー

魔法のトカの実入り2色シチュー(これを食べると2,3日は夫婦げんかをしなくなる)

・・・ミルゥの人たちはもううっとりしてしまってかかしのことなんて忘れているように見える。

他のバスケットには飲み物とデザートが入っている。
その中身は・・・
ミルンジのポワレ。ミルクで育てたオレンジは 卵のように白身と黄身が出来る。マターと蜂蜜でポワレにすると、黄身が柔らかく溶けて オレンジの香りを放つ。
マターとは、自分の仔ではない 母を失った他所の子牛に愛情をかけたために出た乳から作ったバターである。稀にしか取れない乳故 この希少なマターを食べたことのある人間は滅多に居ない。
飲み物はミルンジの葉のアンフュジョン。

                      written by Cーさん
幸せお料理のフルコース♪
ニコニコぱくぱく
パクパクにこにこ
るるるるる♪
歌も飛び出してくるるるるる♪
しまいにゃ輪になって踊るるるるるんるん♪♪
お互いの口に運びあうダンス
はいはいどうぞ。あ〜ん♪もぐ。あ〜ん♪♪

ミタムラは輪にははいらずそれをみてこっそり口角をあげているいるいる。
(これでもミタムラすっごく喜んでいるのです。彼は昔かたぎの職人ですので・・・)

でも、その輪の中に入ってない人もうひとり。
バルだ。

とまは踊りながら気になった。
「ぼく。気にしなきゃいいのに」
そうコッソリ呟いてみたものの
気になるものは仕方ない?
「はいはい。ぼくよ。よくわかったよ。気になるんだね!」
とまはそっと輪から抜け出し
バルに話しかけてみることにした。
トランプ48は一生懸命たべていた7回味がかわるパイの6回味目のところで
仕方なくそれを置いてとまの後姿を追いかけていった。

                          written by あみちゃん
(ω^`U ........U´^ω^`U   U´^ω) .....U .⌒ .U 
 n∩ ヽ)  ∩  ∩  (ノ...∩っ  ⊂! ........!⊃
...........`ιu   `u‐u´ .........ιu´ .............`u‐u〜  

踊るるるるるんるん♪♪


                   drawn by Cーさん
「どうしたんだい?」
とまはバルを見上げて言った。バルはミルゥの人々より遥かに背が高い。とまのからだがバルの影にすっかり包まれてしまった瞬間、どういうわけか背中のあたりがヒヤッとした。とまは、大人たちがバルに近づくなと言っていた意味が少しだけわかったような気がした。おまけにバルは、深緑の外套に奇妙な山高帽を被っているせいか、その風貌は音楽家というよりまるで預言者のようだ。バルはとまの質問には応えず、ミルンジの葉のアンフュジョンを一気に飲み干し、それから、大きなげっぷをした。
「みんな忘れてるようだが」バルはとまを見下ろしながら、絞りだすように声を出した。「かかしの腕を見つけたのは俺だ」
「それはミルゥのみんなが知ってるよ。ありがとう」
トランプ48がとまの背中からひょっこり顔を出し、二本の尻尾を交差させながら人間の言葉を真似て声を出したが、バルはその声を遮るように話し出した。
「でも、もしそれが」バルはもう一度大きなげっぷをし、やぶ睨みの眼を細めて、とまを見る。「ニセモノだとしたらどうする?」
「なんだって!!」
とまとトランプ48の目は、アーモンドのように丸くなった。
「嘘だと思うなら、青いオウムのところに行って訊いてみるといい。さて、俺はそろそろお暇するかな」
そう言うと、バルは不思議な乗り物に乗って村のはずれの平原へと消えていった。

                written by カフカさん
「バルはなんて言ったの?」
バルの消えていった方向を見ていたとまとのところにギャジーが来て言った。とまの目はまだアーモンドのままだ。
トランプ48は二本の尻尾をピンと立てて平原の砂埃を見ている。

「うん、それが・・・」
ふと見るとギャジーの手にはやわらかパンの“あたり”のかかしが握られている。

また当たったんだ。。。

とまの視線が自分の右手に注がれているのを見てギャジーが言った。
「あげよっか?」
「・・いらないよ。」
ギャジーは“あたりかかし”をポケットに入れてショウガ色の髪をくしゃくしゃとさわってそっぽをむいてしまった。

「かかしの腕が・・・バルはかかしの腕が偽物だって言うんだ」
「なんですって!? そんな! どうしよう。ミルゥのかかしが、にせもの。。。それで・・?」
「青いオウムに聞いて見ろって」
「青いオウム、、あのうそばっかりつくおしゃべりオウムに?」
「そう言ったよ」
トランプ48がとまのところに戻ってきて膝の上にちょこんと座った。喉を鳴らしている。

るるるるるる。

とまはこの音が大好きだ。

「とにかく青いオウムのところにいってみましょ、ここにいたって何にもならないもの」

るるるるる。

「うん、そうだね、だけど、ぼく、なんだかねむ・・・」

ミルゥの人たちは方々でとっくに眠りこけていた。
ある者はご馳走を口に入れようとしている途中に、またある者は演奏をしている楽器に手をかけたまま。
ギャジーがまた何か言っている。でももうこだまにしか聞こえない。とまのまぶたはどんどんとろりと重くなっていき、しまいにあけていられなくなってきた。

ミタムラが静かに食器をバスケットにしまっている。
ミタムラはいつもこうやってご馳走を皆に振る舞っては、静かに器を自分で片づけ、いつのまにかいなくなるのだ。
とまのぼんやりした視界の端に最後に映ったのは、彼が最後のお皿をバスケットに入れる前に、お皿にほんの少し残っていたミルンジのポワレのソースを指でスッとすくい、口に入れたあと、ほんの少し微笑んだ(ような気がした)光景だった。

すっかり眠りに落ちたとまは、こんな夢をみた。
青いオウムがパタパタと羽根をうごかしながら

「本当のことは本当本当のことは本当本当のことはうそばかり」

「本当本当のことは本当本当本当のことは本当」


と何度も繰り返している。


                 written by ナオミル子ちゃん
「今日は本当のことを言ってくれよ、オウムくん」
とまは青いオウムに向かって言った。

「ミルゥのかかしの腕がにせものって、本当なの?」

「本当本当、かかしの腕はにせもの、本当のことは本当」

「なんでそんなことになったんだい? ぼくたちはどうしたらいいのさ?」

青いオウムは近くにあった止まり木に止まって毛づくろいをはじめた。くるくるした目はとまの方を見ている。

「ねぇ、教えてほしいんだ。ぼくたちはどうしたらいいんだい?」

「本当本当、かかしの腕の本当、北の国のお城にいっちゃった。青い森が持ってった。本当のことはうそばかり」

「北の国ってなんだい?誰かがかかしの腕をもっていったのかい?そこにいけば何かわかるの?ねぇ。」

「本当本当のことは本当本当のことはうそばかり」

青いオウムはまた羽根をパタパタさせながら飛び上がり、とまを後ろ目にきょろりと見て飛んでいってしまった。

-------

「とま、とま、ね、起きてったら!とーま」

ギャジーの声がする。

「ん。。ギャジ。。青いオウムは?」
「ばかねぇ、今から青いオウムのところに行くんじゃない。さぁ、いきましょ」

ギャジーはさっさと青いオウムのいる長老の家の方へと歩き出している。

・・ギャジー、元気すぎだよ。。

とまはのろのろ立ち上がってギャジーの後をついていった。
トランプ48も前足を伸ばして大きくのびをして、とまの肩にとびのった。

青いオウムは長老の家。
長老の家は赤い屋根。
赤い屋根に映える青い・・・・・

「あれぇ!?長老の屋根みて!とま」ギャジーが大きな声で僕を呼ぶ。
「んん・・?そんな大きな声出さなくても聞こえてるよギャジー」
「聞こえてるじゃあ、ないのよ!み・る・の!!」

僕は はいはい と目をこすった
そう、ギャジーが指した赤い屋根の上には青い

「オウム!!」
・・・我ながら見事なハモリ・・・。

「本当本当のことは本当本当のことはうそばかり」
「キタキタキタきいたの北の国キタキタきてるよ北の国」

青いオウムはまた羽根をパタパタさせながら屋根から飛び立ち
僕らの頭上でくるり円を描いて北へ飛んでいってしまった。

「・・・・北の国??」
ギャジーと僕は顔を見合わせた。

                 written by あみちゃん
長老の家の前では、世話係のイバジンがほうきで家の前をはわいている。
イバジンの洋服はポケットでいっぱい、そのどれもが中身の重さでいつも垂れ下がっている。
とまは一度イバジンのポケットから落ちたものを拾って届けてあげたことがある。それは錆びたぜんまいに3色の毛糸が蒔きつけてあるもので、とまは果たしてそんなものを届ける必要があるのか随分悩んだのだけれど、手渡すとイバジンはたいそう喜んだので、とまはほっとすると同時にきつねにつままれたような気になったことを覚えている。

「ふうむ。」
長老はあごひげをなでながら(長老は犬だけれど、あごひげをたくわえた犬なのだ)両耳をぴん、と立てて、とまの夢の話と屋根の上のオウムの言ったことを考えている様子だ。

イバジンがお盆にお茶をいれて飄々とした足取りでやってくる。
「気味の悪い色のお茶ね、またへんなものいれたんじゃないでしょうね!?」
ギャジーがつっかかる。
イバジンはあごをツィともちあげて上からチラリとギャジーを見下ろし、
「フフン」と鼻で笑ってまた飄々と歩いて向こうへいってしまった。
イバジンは以前かじりかけの薬草術を試そうとお茶に薬草をまぜてギャジーにふるまい、それを飲んだギャジーの髪がみるみるいばらのように伸びだしたことがあるのだ。
ギャジーの髪がくしゃくしゃなのは、そのときのお茶のせいだ、とミルゥの人々はもっぱらうわさをしている。・・・イバジンはすぐさまギャジーに怒りの鉄拳合気術をかけられ、しばらくうでをプラプラさせていた・・・


「北の国にいってみることじゃろうのう。夢に出る青いオウムの予言の当たる確立は高いというから。バルにも一緒にいってもらうといいじゃろう」
長老はあごひげをなでながら言った。


それまでぼんやりと話を聞いていたとまは思わず、
「えっ」とちょっぴりマネケな声を出し、みんなの視線を一斉に集めてしまう。
「あー、うん、そうだね、うぅ、ぎゃおう、」
とまは、バルを見上げたときに感じた、背中のあたりのヒヤッとした感触を思い出していた。

「わかったわ。バルは随分強そうだし、お願いしてみるわ。
行きましょ、とま。」
ギャジーはお茶に指一本触れないまま立ち上がった。
それに秘められた不思議な力に気付くことなく・・

                  written by げんちゃん
とまはのろのろと歩いてギャジーをいらいらさせていた。

バルか・・・

気が進まないながらもとまは ギャジーの視線を感じて少しだけ歩みを早めた。・・・と、

「う、ゎあ!なんだこれ!」
とまの足が急にさかさか動き出し、とまの意志に逆らって村はずれにむかって走り出した。ギャジーをあっという間に追い越し、すばしこいトランプ48も必死でついてこないと間に合わないくらいのスピードだ。ギャジーが後ろでなにか叫んでいる。

きっとまたなんか怒ってるんだろうな、ギャジ。。だけど、なんでこんなに勝手に足が動くんだ!?

するととまの斜め向こうから誰かがやってくるのが見えた。
とまと同じくらいのスピードでさかさか、しかも走っているから格段に早い。

イバジンだ。さてはまた・・・

とまがからくりに気付き、長老の家でお茶を飲んでしまったことをひどく後悔し始めた頃にイバジンがとまの横に並んだ。

「フフン、やぁ、とま。どうだい、ワタシのお茶の威力は。無駄ない力で快適に歩けるだろう?」

「イバジンさん。よけいなことをしないでほしいんだけど。ぼくはこんなこと頼んでいないよ。」

とまはいつもの口調で話したのだけれど、どうも歩いているスピードとおよそつりあいがとれずちぐはぐになっているので、なんだかめまいをおこしそうになった。

「便利じゃないかね。きみはバルのところに行きたいんだろう?気が進まなそうだから手伝ってやったのさ。むしろ感謝してもらいたいくらいだよ。そら、もう見えてきたぜ。あのヘンテコな家だろう。きっとまたへんな音楽を奏でてでもいるんだろうさ。」

とまはなぜか少しだけむっとしてイバジンを見た。

気がつけばバルの家がもうすぐ近くに迫っていた。ドアがどんどん迫ってくる。ドアが・・・迫って・・・

「しまった。止まり方の処方を忘れたっ!」イバジンが叫んだ。

ドアが・・・

ドドカっ 

とまとイバジン、2人ともバルの家のドアに体当たりして跳ね返り、
どしんとしりもちをついた。

痛ったぁ・・・
トランプ48が追いついて、とまのおなかのうえに飛び乗った。
さすがのトランプも息を切らしている。
イバジンは・・・泡を吹いて倒れていた。


ギィ


ドアが開いて中からぬぅっとバルが現われた。
地べたにしりもちをついているとまとおなかのうえのトランプ48、相変わらず泡をふいたままのイバジンの3人にチラッと一瞥をくれたあと
とまをじっと見下ろして言った。

「随分と派手なノックだな、おぃ」
るるるるるるる。

トランプ48が喉を鳴らした。

戸口に立ったバルはふっと笑ってトランプ48の緑色の目ををじぃっと見た後、片方の手に持っていた何かを抱えなおし、数回弾いた後、そのまま何かを奏で始めた。

不思議な音。音楽? なんだ、これは・・ 
なじみのない音にとまは面食らい、ぽかんとしていた。
なんとかミルゥの村の音楽と、接点がないかしらと考えてみたが、無駄そうなので考えることをやめた。

るるるる る ゴロゴロ。

トランプはこの音楽が好きなんだな。。

とまにはこの音楽の意味がよくわからなかったけれども、だからといって不快だとも思わず、地面にしりもちをついたままぽけっとすわっていた。

ふと バルは楽器の演奏をぴたりと止め、じいっととまの方を見た。
とまはドキリとし、つい目をそらしてしまう。

「それで?」
バルは立ったままとまの方を見据え、太い声を出した。

「え。。」
とまの心臓は激しく脈打ち、地面についた両手が少し震えているのがわかる。

「えっと。。」
とまののどはからからにかわいて声が喉で引っかかる。

バルは大きく一度息を大きく鼻から出し、すこしとまから目をそらして
言った。「何か用か」


とまはやっと息が出来る気がし、長老から言われたことをしどろもどろに伝えた。
「あの、かかしの腕は、その、青い森が、北の国にいけって、長老が。それで、あの、バルにも、一緒に行って貰えって。あの、無理ならいいんだけど。」

「どっちなんだ」
バルがまた太い声で聞いた。

「長老は何かのお考えがあって希望されているのだ。ぜひ同行してもらいたい。」
いつぐらいから話を聞いていたのか、イバジンが身を起こしていた。口の端にはまだ泡のあとがついたままだ。ひろいおでこにこぶが出来ている。

「長老か、あのジィさん。」
バルはミルゥの村の方角を見やった後、
「まあいい、どこにいこうが同じことだ。」
と投げるように言った後、家の中に入ろうとした。
トランプ48がその後をついていこうとぴょん、と飛び出した。

「あっ、トランプ、だめだよ」
とまは思わずトランプ48の方に手を伸ばし、立ち上がろうとした。

「特に構わんぜ」
バルはさらりと言い、その瞬間とまと目が合った。

何一つバルに対してきちんとものを言えなかったことにとまはとても気まずい思いになり、がっかりと気持ちが沈んだ。
なんとか言えたのは、伏せ目がちにうつむいたまま言った
「ありがとう」だけだった。



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