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JHPA@日本催眠心理学会コミュの前世療法の危険性

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数年前あたりから【前世療法】が流行っています。

いまだに危険性に関する知識を持たないまま前世療法を行う人が多いので、注意喚起のためにトピ立てします。
催眠状態と前世の関連性については、現在のところ【証明されていません】。
また、前世が実在するかどうかも【証明されていません】。

前世についてさらに考察したい場合はまずこの本を読みましょう↓
■輪廻体験―神話の検証
http://www.amazon.co.jp/dp/4872335414

無意識や潜在意識、あるいは夢などに過大な期待をかける人もいます。
しかし【無意識とは実証が困難であることから、あくまで仮説である】という事を忘れてはいけません。
無意識には無限のパワーが秘められている、という根拠などどこにもない、という事です。
よく【表層意識は全体の1〜2割。無意識は8〜9割を占める】という説も有名ですが、これにも全く根拠がありません。
この説はおそらくエサレン研究所などの流れから来た、ニューエイジ思想、光明思想の影響を受けた考え方だと思われます。
要は反権力思想、宗教思想ですね。
■ニューエイジ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%82%B8
■ニューソート(光明思想)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%88

夢に関しても
>夢が意識の範囲外に沈む自伝的記憶を正確に暴露するとの考え方を支持するデータがまったくないとのリンゼーとリードの観察
■臨床心理学における科学と疑似科学
http://www.amazon.co.jp/dp/4762825751
というのがあります。
現在では夢と言うのは、脳の中の情報を眠っている間に整理(デフラグ)している最中にその断片が見えるだけではないか、というのが有力な説と言われています。
つまり【夢は無意味】だということです。


さて、前世療法の危険性に関してです。
前世療法は上記で引用したように、催眠と前世を結び付ける根拠などどこにもありません。
催眠中に見るイメージは過去のイメージの合成、つまり【作話】です。

1970〜1980年代にかけて、幼いころ父親にレイプされた記憶をもつ子供がたくさん現れました。
そして実際に裁判になり、多くのえん罪を生みだしました。
 虚偽記憶(False Memory)です。↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%99%9A%E5%81%BD%E8%A8%98%E6%86%B6

退行催眠によって【過去の記憶を正確に思い出す事が出来る】【忘れていたトラウマを思い出す】などと言った、催眠に対する過度の期待や、「論文を書きたい、脚光を浴びたい」といった欲求が催眠療法家にこのような行動をさせてしまったのです。

認知心理学者のロフタスはこういった状況を目の当たりにし、【虚偽記憶】について研究し論文を発表しました。
有名なものですと【ショッピングモールの迷子実験】というのがあります。
ロフタスの結果では25%が(実際には迷子になっていないのに)迷子になった記憶を“思い出し”、ロフタスはそのリアリティに驚いた、とあります。
その後、ブリティッシュ・コロンビア大学のスティーブ・ポーターは約50%の被験者に『子供のころ猛獣に襲われた』と思い込ませることに成功しています。
■目撃者の証言
http://www.amazon.co.jp/dp/4414302633


お分かりでしょうか。
前世療法はクライアントに【偽物の記憶】を植え付けてしまう可能性があるという事です。
しかもそれは施術者が意図的に誘導する事も可能であり、意図せず虚偽記憶を植え付ける可能性も大いにある、という事です。

【善意なら何をやっても許される】 というのは大きな間違いです。

危険性について十分に注意しましょう。

コメント(3)

http://www.amazon.co.jp/dp/4762825751/
臨床心理学における科学と疑似科学-より

■なぜ疑似科学的な技法が害を与える可能性を持つのか?


本書で論評している多くの技法は検証されていないか,効果がないとしてもほとんどのものが有効か,もしくは無害であることが証明されそうだと主張されるかもしれない。
このような見解は,そのような技法が危険であるとする強調点をすり替えてし
まう。というのも研究されていない精神健康の実践が最悪でも無害とみなしてしまうからである。
この反論はいくつかの重要な点を見落としている。実証されていない精神健康の技法は少なくとも3つの意味で問題である(Lilienfeld, 2002; Beyerstein, 2001も参照)。

 第1にそれらの技法が害を与えるかもしれないということである。
コロラドに住む10歳の少女,キャンデース・ニューメイカーの悲劇的なケースがある。彼女は,2000年に,再誕生療法の変法の施行によって窒息死した。
このことは,検証されていない治療技法を施すことの危険性を示している(Mercer, 2002を参照)。
また子ども時代の抑圧された記憶を掘り起こすような指示的技法(たとえば催眠,導入イマージャリー)は,意図せずに過去の誤った記憶を植え付け,精神病理を悪化させてしまうか,精神病理を新たに生み出してしまう可能性を示す証拠が増えている。
幼児自閉症とのコミュニケーションを促進することでさえ,家族の成員を誤って児童虐待で告訴してしまうことが起こった。さらに広く使われている治療技法,たとえば危機的な事故後のストレスデブリーフィング,行為障害の青年に対するピアグループによる介入(Dishion et a1,1999),ある種の自助プログラム(Rosen, 1987 )は有害であるといった事実が増えている。
「何かをすることは何もしないことよりはよいことだ」という仮説は,心理療法の領域では間違いを起こしやすい。
心理学者リチャード・ギスト(Gist. R.)が私たちに思い出させてくれていることは,何かをするということは,何かをすることを認可されていることにはならない,ということである。


 第2に 自分自身では悪気がない心理療法家も,驚くほどの時間,財源,あるいはそれら両者を奪うことによって,間接的に害を与える。
経済学者はこの副作用を「機会費用」と呼んでいる。効果が証明されている治療法を探し出すために時間と財源が豊かであったかもしれないが,機会費用の結果,いずれも残り少なくなってしまう。
それゆえ効果が証明されている治療法を受けることができなくなる。


 第3に,検証されていない技法を使用すると,臨床心理学の専門性の科学的基礎が徐々に破壊される(Lilienfeld, 1998; McFall, 1991)。(Lilienfeld, 2002)
高い科学的標準を維持したうえで治療を施す責任をひとたび放棄すると,科学的信頼と科学的影響は大きく損なわれる。
疑問のある精神健康の技法が持つ切迫した危険を無視し続けてきたことは,科学的事実に基づいた訓練にこだわることは重要ではないとか,非科学の可能性がある訓練を取り除こうとしなかったという暗黙のメッセージを送っていることになる。学生は,私たちの歩みに従い,科学者と実践家の間,および研究成果と臨床実践の間の広がりつつある溝を無視し続けるようになろう。
加えて,妥当性に疑問のある治療技法とアセスメント技法が普及すると,臨床心理学の専門性が疑われ,また臨床の研究者と実践家の主張が信頼されなくなる。
懐疑論者の辞典 より
http://www.amazon.co.jp/dp/4903063127

多くの患者が前世を思い出したことは事実である。
しかしその記憶は偽りの記憶であった可能性が極めて高い。
それらの記憶は今回の人生[現生]の体験に由来するものであり、想像力や催眠療法家の意図的あるいは非意図的な暗示・作話の純粋な産物なのである。

  (中略)

ニューエイジ探検の道具としてなら。害は少ない方かも知れない。
しかし、治療法としてみれば、患者に妄想を植え付けているわけで、非常に危険だという事は、どんなに浅はかなセラピストにも分かりそうなものだ。

偽りの記憶には、無害なものもあるかもしれないが、破壊的なものも存在する。
破壊的な偽りの記憶は、苦しみを増大させたり、愛情に満ちた家族の関係を破壊したりすることがある。

  (中略)

催眠は前世の記憶が蓄えられた無意識の扉を開いてくれる、と考えるセラピストもいる。
前世退行を支持する人たちは――前世の記憶が、どのように無意識に入り込むかわかっていないにもかかわらず――どうやら転生というものにこだわっているらしいのだ。

もっとも、転生を信じるのに、無意識が前世の記憶の貯蔵庫だという事まで信じる必要はないはずなのだが。


  (中略)


心理学者のロバート・ベイカー(1921〜2005)は、“前世退行催眠療法によって、被験者が前世の記憶を生じるか否かを予測するには、輪廻を信じているか否かを調べるのが最も有効である”ということを実証した。

さらにベイカーは、被験者の期待が前世退行セッションに大きな影響を与える事も実証した。

ベイカーは60人の学生を3つのグループに分けた。
最初のグループには、
“前世を明らかにするのに役立つ、わくわくする新しいセラピーを体験してもらう”と告げる。
このグループでは、85%が、前世の記憶をよみがえらせることに成功した。

第二のグループには、
“前世の記憶を引き起こすかもしれないし、そうでないかもしれないセラピーを勉強してもらう”と告げた。
するとこのグループでは、成功率は60%となった。

第三のグループには、
“これはいかれたセラピーである。正常な人間は一般に前世など体験しない”と告げた。
するとこのグループでは、前世の記憶を得られたのは10%にすぎなかった。
>その後、ブリティッシュ・コロンビア大学のスティーブ・ポーターは約50%の被験者に『子供のころ猛獣に襲われた』と思い込ませることに成功しています。

この「猛獣」についてもっと知りたかったのですが、不明でした。
YouTubeにあるロフタスの講演 https://www.youtube.com/watch?v=PB2OegI6wvI&t=714sでは 「a vicious animal」とあるだけで、獣の種類には言及されていませんでした。

オックスフォード英英辞典では「vicious」の例文として「Keep away from that vicious dog」とあり、犬についても使われるようです。

実験が犬に襲われた記憶の植え付けならば、「猛獣」は明らかな誤訳です。

これ以上のことは分かりませんでした。

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