マジカルラモスコミュのマジラモ初優勝までの奇跡　～晴れ時々大胸筋～

暖かい日差しが窓辺からゆらゆらと揺れていた。
外からは子供の無邪気な笑い声が聞こえてくる。

そんな光景を見ていると、とても地震の影響を感じさせないが
世の中は自粛ムード。
フットサル業界もそれに漏れず、我等がマジラモも活動機会を失っていた。

「日曜格安大会」

そんなキャッチフレーズに目を引かれて、キャプテン（名前だけ）に出ようと提案したのは
マジラモの幹部山下。
ちょうど一週間前の出来事。
山下（最高幹部）、高砂（エース）、キャプテン（名前だけ）は活動場所を彷徨うように個サル
に参加していたのである。

日曜日の夜という、ニッチな時間帯故の安さだが、その日時に参加できるのは家が近い
山下（最高幹部）の会社の友人二人と大田君（久しぶり）くらいだった。

参加メンバー
キャプテン（名前だけ）
高砂（エース）
大田くん（ちゃらい）
クラウチ（動き的に）
TAKASHI（さわやか）
山下（最高幹部）

～～～～中略～～～～～～～～～～～～～～

キャプテンの連発する意味不明なキックミスや何故か芝生なのに体育館シューズで参戦している
太田君という不利な状態の中でも二勝一敗という成績で、決勝まで勝ち進んだマジラモ。

相手チームは普通に上手いテクニシャンチーム。
同時に、予選で負けた唯一の相手でもあった。

山下（最高幹部）
「みんな！同じ相手に二度の負けはゆるされない。死ぬ気でいくぞ！！」
愉快な仲間たち
「はいっ！！」

前の試合で、そこしかないピンポイントクロスからゴールを演出した山下（最高幹部）
が士気を上げた。

試合は一進一退の中、カウンターから「そこからは普通クロスっしょ（笑）」という
位置からサイドネットに決められる。
この試合キーパーが鍵を握ることを予期していた山下（最高幹部）が超反応を見せるも
小指一本分足りなかった。

山下の悔しさを晴らすように、助っ人TAKASHIが同点ゴールを決める。
この男、実に爽やかである。

しかし、直後またもやカウンターで一点リードされる。

が、しかしキャプテンが山下の指示通りの動きで同点GOALを決める。
この男、実にエロ目である。

そんなこんなで、試合終了。
そう、試合は山下（最高幹部）の睨んだ通り、サドンデスPK戦に突入したのである。

一本目、恐らく時速130kmは出ていたであろう強烈なシュートを山下（スーパーキーパ）が
大胸筋で弾き返す。
常人の大胸筋では、肋骨が粉々になっていたであろうシュートを山下は止めた。
それは、日々の絶え間ぬ努力で鍛え上げ、更にはこれを予期し昼間にトレーニングでパンプアップさせた大胸筋あってこそである。
この男、実に策士である。

そして、運命の三本目

相手の裏を斯いた真ん中下のシュート
しかし、山下は右にジャンプしていた。

ピィイイイイイイイ

喜び狂うキャプテン（能天気）

そう、誰もが諦めていたその瞬間

山下だけは超反応でボールをはじき返していた。

ザワめくギャラリー。
集まってくる仲間。
「これを止められるなんて。。。こりゃかなわんで！！」
激しい試合を戦い抜いた敵チームからの暖かい祝辞の言葉。

そんな中、山下（アイドル）だけは冷静にこう思っていた。

「日本中の皆に、感動よ届け！」

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