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演劇舞台■観劇した思いを語ろうコミュのきらめく星座 こまつ座

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【 会 場 】 天王洲 銀河劇場
【 公演日 】 2009年 5月6日 (水)〜 5月24日 (日)
【 出演者 】 愛華みれ//阿部 力/前田亜季/久保酎吉/八十田勇一/後藤浩明/
       相島一之/木場勝己 ほか
【 演 出 】 栗山民也
【  作  】 井上ひさし


舞台は浅草のレコード店「オデオン堂」。
太平洋戦争開戦までの一年間が描かれる。
信吉の営むこの小さなレコード店の後妻ふじは、鄙には稀な美貌の人。
元はミス・クリスタルという芸名の流行歌手だったというから、それもうなずける。
若く美しい後妻が切り盛りし、歌にあふれる家族。
信吉の鼻の下が伸びるのも仕方のないことか。
信吉の長男正一は入隊。
長女の女学生みさをは傷痍軍人に励ましの手紙を書き続け、
この美談が新聞にもとりあげられてちょっとしたマドンナとなっている。

店には、広告代理店勤務のコピーライター竹田慶介やピアニストの森本が居候し、
ジャズが流れるハイカラな雰囲気。
これが当局ににらまれている。
時節がら米英の音楽は敵性音楽とされているからだ。
戦争をにらみ、庶民の生活から華美が廃される風潮の中、
浅草のレコード店も数を規制されることになる。
カタカナの芸名の元歌手が嫁で、店員はジャズメン、
アカがかった知識人が居候とこのご時勢に西洋かぶれもいいところ…
とあって『オデオン堂』は最も整理の対象に近いところにあるらしい…。

折も折、正一が配属先の重砲隊を脱走したというしらせが入る。
憲兵伍長 権藤に追われさまざまな職業で食いつなぎながら全国を逃走している正一は、
折々に各地の土産を手にオデオン堂』に近況報告に立ち寄る。
音感がよいのが災いし、大砲の轟音に耐えられなかったのだという。
権藤にばれないように、こっそり正一を逃がし続ける家族。

脱走兵まで出して、ますます取り壊しの危機に瀕するオデオン堂を救うには…
知恵をしぼったふじが思いついたのは、
みさをが文通をする傷痍軍人の誰かと結婚する、という美談だった。
家の危機を救うため、この突拍子もないアイデイアに乗ったみさを。
かくして花婿に選ばれたのは、戦争で右腕をなくした根っからの軍国主義者、
源次郎だった。

コーヒーを飲みながら、ジャズをくちずさみ、
前線の兵隊たちの苦労など知らぬげに
気楽な日々を過ごしているようにみえる小笠原家の人々。
しかも、長男は脱走兵だということを知り、源次郎は怒りを爆発させる。
すると、失ったはずの右手に激痛が走るのだ…。
一方 何度も正一を取り逃がし、業を煮やした権藤は、
ついにオデオン堂に居候して24時間の張り込みを敢行する。

こうして一軒の家の中では、
怒号と唄声、
悲鳴と笑い声の飛び交う大ドタバタ劇が繰りひろげられることに…。



【わたしが観る日は】きらめく星座 こまつ座
http://mixi.jp/list_bbs.pl?id=379574&type=bbs

コメント(20)

『きらめく星座』は、井上ひさしさんの傑作です。 (昭和庶民伝3部作の最初の作品。ちなみにあとの2本は「闇に咲く花」「雪やこんこん」)

初演は、井上ひさしさん自身が演出で、再演から木村光一が演出したと記憶しています。初演の出演は、夏木マリ・犬塚弘・すまけい・名古屋章・斉藤とも子・藤木孝・橋本功らだったと思います。
この作品で、コピーライターの竹田が「人間」についてのコピーを言う場面があるのですが、このセリフが大好きです。


みなさんと参加したいのですが、5月は恐るべきイベントのため(仕事)平日をGETしました。
一応A列センターブロック。独りで寂しく観劇して参ります。
こちらで応援されているこまつ座さん。
かねともさんを始め、たくさんの方々の感想を読むにつけ興味がわいてきていましたが、東京のみの公演が多く、観劇を断念していました。
が、とうとう大阪にもやってくるこの作品でデビューします。
ちょうど今日観に行った「ムサシ」の会場で特別価格で販売していたため、衝動買いしました。
十数列列目のセンターブロックという良席での観劇となります。
楽しみです♪
よく考えたら(いや考えなくても)、ムサシもこまつ座さんの公演でしたね。
ムサシが私のこまつ座さんデビューでしたあせあせ
失礼いたしましたあせあせ(飛び散る汗)
今日見てきました。

やはりいい芝居ですね。初演から25年、栗山民也さんに演出がかわり、少しスマートな作品になっていました。

心に残る台詞がいっぱいちりばめられていました。

久保酎吉さんと木場勝己さんは、素晴らしい演技でした。前田亜季さんは台詞がしっかりしていてとても良かったです。
5/13(水)夜公演 天王洲 銀河劇場
A列(最前列) センターブロック

仕事の調整が難航し、チケット譲り先を探したのですが
嫁入り先は探せずに、
無理をして仕事を調整して観てきました。

舞台は第二次世界大戦開戦前の浅草のレコード店『オデオン堂』。
裏道の小さなレコード店に何故か住み込みの
コピーライター(木場勝巳さん)と夜間学生(後藤浩明さん)。
店主(久保酎吉さん)と若い後妻(愛華みれさん)、
そして女学生の娘(前田亜季さん)。
長男(阿部力さん)は軍隊で訓練中に逃亡し、お尋ね者になったため
オデオン堂は非国民の扱いを受けることに…。
そこに長男を追う、軍の警察(八十田勇一さん)?
娘は傷痍軍人(相島一之さん)と結婚(ある種の政略結婚)することに。

とにもかくにも出演者が芸達者です。
とくに相島さんの熱演が印象的でした。
お国のため、銃後の国民を守るため、アジアの発展のために…
そうした『戦の道義』に忠実な軍人を演じているので
動きは常にきびきびと角がある動きで(直角に曲がるような)、
発声も常に「〜であります」という軍人の張りのある声で…。
きっと疲れるでしょうねぇ。

印象的な場面は…
まず一幕のラスト。
国の教えを信じ、真っ直ぐに生きてきた正直者の傷痍軍人が
新しく家族となった義理の弟を救うために、新しい家族を守るために
断腸の思いで、義弟を守るための嘘をつきます。
顔をこわばらせ、絞り出すように嘘を吐く姿が痛々しく写ります。
それでも、どこか晴れ晴れした感じがします。

もう一つは…二幕で…
コピーライターが「人間」についての宣伝コピーを依頼されたと仮定して、
「オデオン堂」の娘に「人間讃歌のコピー」を語るシーンです。
地球の存在の奇跡。
人間が誕生した奇跡。
長い人類の歴史の中で、いま生きている奇跡。
ここに出逢えた奇跡。
だから生きなければいけない。
「ちょっと長いですが、そういうことではないでしょうか。」
この台詞を聞きながら、娘(前田亜季さん)が大粒の涙を落とします。
もうハナ水だって垂れてます。
それも美しいです。

この台詞…いえ、この考え…
何度か
教え子に
卒業文集の中で
書いたことがあり
ビックリしました。


さらに二幕でも、傷痍軍人(相島さん)が泣かせてくれます。
忠誠を誓って戦ってきたのに、
病院への慰問を終えた帰りの電車の中での出来事から
『戦の道義』を疑ってしまった自分に動揺し、
自分の全人格を否定しそうになり、
心の闇に呑まれて苦しむ、その悲痛な叫びは痛々しかったです。


全体としては、やはりユーモアを交えて
重いテーマを軽やかに展開していきます。
そのため、案外たんたんと話が進んでいくように思えます。
これは数回観ると、じわじわと良さが伝わってくるのかもしれません。
この作品に対する期待が大きすぎたせいなのか
意外とあっさり観てしまいました。

明日の2回目で、もう少し細部に目を向けてみたいと思います。
5/14(水)夜公演 天王洲 銀河劇場
A列(最前列) センターブロック

昨日とまったく同じ席で観ました。
昨日は役者さんばかりを追っていたようで
(大好きな役者さんばかりなので仕方ありませんよね)
作品全体の把握が弱かったように思います。
2回目ということもあり、しかも連日でもあり、
今日はかなり作品に入り込めました。

ユーモアの点では、オデオン堂の奥様(愛華みれさん)が
軍人の依頼を受け、家の中を案内する際に見せる無駄な(失礼)色気とか
可笑しいです。

タイトル「きらめく星座」は、どこからきたのでしょうか。
劇中で歌われる宮沢賢治の歌からでしょうか?
お芝居の中の折々で、木場さんが星座の位置を確かめます。
それが、場面の日時も表してくれているのですが…。
あるいは、木場さんが語る「人間讃歌のコピー」にある
宇宙の惑星の中の地球…に繋がっているのでしょうか?

そのあたりについて、またゆっくり考えてみようと思います。

今回も前田亜季さんは大泣きして、ハナ水が垂れる熱演でした。
そのボタボタ落ちる涙にも驚きますが、
その直後の暗転が明けると、ケロッと笑顔のシーンになります。
その切り替えにさらに驚かされます。
いやぁ、女優魂を見せつけられました。
また惚れちゃいました。


この作品、
なんと5回観ることになりそうです。
最高記録です。
それだけ観ようと思っていたわけではないのですが…成り行きです。
でも、せっかくですから、充分に味わって
充分に楽しもうと思います。
5/20(水)夜公演 天王洲 銀河劇場
A列(最前列) センターブロック

センターブロックの中でも、前2回とは逆サイドで観てきました。
まず、そもそもなんでこんなにこの公演を観ているかというと…。
わたしが管理しているコミュニティ『演劇舞台■観劇した思いを語ろう』で、
『みんなで一緒に観劇しましょう』というイベント(俗に言うオフ会のようなもの)
を企画して週末に企画したのですが、
それ以外に、頑張って平日夜の最前列チケットを可能な限り購入しました。
それは、魅力的な作品に、魅力的な出演者ばかりだったので
どうしても最前列で観たかったからです。
そして、実際スケジュールの調整が不透明だったため
複数公演購入し、行けない日についても最前列なら買い手がつくだろうと
安易に考えていたからです。
ところが…。
新年度に入り、スケジュールも見えてきて数公演の処分を図ったところ
全くもって反応が無く、完全に売れ残る現状。
いやぁ、かなりショックでした。
出演者だって結構名が知れている方たちであるのに…。
最前列なのに…。
というわけで、もったいないので無理してでも足を運んでいるわけです。
あと2回。
明日と千秋楽に行きます。
千秋楽は『みんなで一緒に観劇しましょう』の参加者の方々とご一緒させて頂きます。


さて、今日は角度が逆になったことによって、
見えていなかった部分が見えて、いくつもの発見があり有意義でした。

まずは、わたしより先に観た「ひろえもん」さんが
(本当はわたしが観る予定だった5/10。わたしは仕事でNGに。
 ひろえもんさんが楽しみにしていた千秋楽の会への参加がNGになり
 どうしてもこの作品を観たいということで、わたしの代わりに観劇)
一番気に入ったシーン。
それは、一幕ラストの相島さんが義弟をかばって初めて嘘をつくシーン。
そこで、義弟が来たかどうかを問いつめる憲兵に何と答えようか躊躇しているとき
前田亜季さんが手を握るシーン。
この場面は以前の席からは死角になって見えていませんでした。
今日は正面に見えました。
「軍人勅諭にかけて誓えますか?」
と問われ、実直で、日本の教えのままに真っ直ぐに生きてきた彼の心は揺れます。
その時、妻になった前田亜季さんがそっと手を握るのです。
その瞬間、相島さんの表情がハッとしたように変わり、
促されたように
気付かされたように
目覚めたように
力強く嘘をつきます。
そして、その言葉を聞く周りの人たちの表情がまた印象的です。
特に階段のところで見ている木場さんの驚きの表情はまさに驚きそのものです。
憲兵が去った後の相島さんの脱力具合も涙ものです。
葛藤がありありと見え、その痛みや苦しみがひしひしと伝わってきます。
ひろえもんさんが言うとおり、あの手を握る行為が持つ深い意味が見えました。

もう一つの発見は二幕のラストに近い、乾杯のシーンです。
脱走兵の息子である阿部さんが、電蓄(ステレオ)にグラスを当て
乾杯していました。
これも逆サイドでは見えませんでした。
阿部さんは、あまり滑舌がよくなく、
台詞が聞き取りにくくて残念な感じがしていましたが、
ここはちょっと心に心地よい風が吹きました。

感激(感心)したのは、前にも挙げた木場さんが人間讃歌を語るシーンです。
前田亜季さんが今日も大粒の涙を落としていました。
その後ろで、部屋に逃げ籠もっていた夫の相島さんが襖を開けて
切なさや不安を抱えた表情で妻の背中を見ているのが何とも言えず印象的でした。
そう、日本の戦う道義を疑った後のシーンです。
子どもを身ごもった前田亜季さんが言います。
「この子は生まれてはいけないんです。」
「男が幸せでないのに、どうして女が幸せになれますか?」
「夫や息子や兄を心配して生きる女に、幸せがあるのですか?」

ラストで赤紙が来た郵便局員と魚屋の若者という二人がオデオン堂にやってきます。
傷痍軍人の相島さんが、力強く「おめでとう。」と言うと、
みんなが厳しい視線を向けます。
すると彼は、情けない声で言い直します。
「まぁ、おめでとう。(一応ね…というニュアンスで)」
若者二人は新国立劇場演劇研修所の1期生と2期生です。
二人も、地味ながら良い芝居をしています。

最後に時間の設定について。
場面転換がなされるたびに、丁寧に日時が替えられています。
壁にかかったカレンダーがしっかり日付を伝え、
柱にかかった時計が時間を示してくれています。
ラストは、昭和16年12月7日。
そう、真珠湾攻撃の前夜です。
この日で、オデオン堂のみんなはバラバラに散っていくのです。
困難な時を迎えることを暗示して幕が閉じます。

深いです。

今日、観劇してきましたが、
ムサシに引き続き、井上さんの作品は2作目でした。

今回、気に入った役者さんは愛華みれさん!
あの、明るさは本当に素敵です。
暗い時代、辛い世の中なのに、ちょっとしたことから
歌いだしたり、踊りだしたり♪

竹田さんのせりふで「追い詰められるほどに明るくなる、貴重な性格だ!」
と、ありましたが、あんな女性になりたいなぁ!と思いました。


戦争のこと、あまりよく知らずに観ました。
だから、暗いながらも明るくて〜♪
ってゆう、雰囲気で観ていたので、
最後の「青空」をみんなで歌ってての、突然の展開にびっくりして、
一瞬で、泣かされました。


こんな時代が、こんな過去が、確かにあったんだなぁ。
と、思い知らされて、井上さんが伝えたいメッセージなど、
いろいろ考えさせられました。


本当に観てよかった作品です。
今後も井上作品をチェックしてみようと思いました。
5/21(木)夜公演 天王洲 銀河劇場
A列(最前列) センターブロック

4回目です。
これまでの同一公演の観劇回数の最多タイ記録。
千秋楽で新記録樹立します。
これだけ観ていると、作品に愛情が湧いてきます。
なんだか、一緒に制作してきたような錯覚に陥るほどです。
愛しい作品となりました。
観れば観るほど思いが募る感じで、
今日は泣きそうになりました。

そう、今日の出来が素晴らしかったのです。
要因は、演出の栗山民也さんがいらっしゃっていたからだと推察いたします。
休憩時に誰よりも早くロビーに出たわたしは、
民也さんが楽屋へ駆けていく姿を見ました。
昼に演出の修正(演技のダメ出し?)とかあったのでしょうか?
それとも、演出家が来ていることで、出演者のモチベーションが高まったのでしょうか?
いずれにせよ、本当に素晴らしかったです。
具体的に言うと…。
?:台詞がハッキリしていました。
  ややゆっくり発声することを意識されていた気がします。
  特に、阿部さん。それから相島さんと八十田さんも。
?:その場面のメインでない役者さんの演技がパワーアップしていました。
  意識が高かったように思います。
  だから、脇にいる役者さんの台詞のボリュームも大きかったです。
  リアクションも大きかったです。

今日は客席の反応も4回の中で一番良かったです。
拍手も、笑いも、心地よいタイミングとボリュームでした。
舞台と客席がよい相乗効果を生んでいたように思います。
(客席が残念だったのは14日ですね。
 変なタイミングで、大声で笑ったり、思ったことを口に出したりする人がいて。)


今日は、一人一人の表情を細かく見ることができました。
少し記しておきます。

【第一幕】
ピアノを弾く森本君(後藤さん)が地味にいい味を出しています。
正一君(阿部さん)が電蓄の中に隠れていて、
憲兵(八十田さん)にレコードをかけてくれとせがまれたときに
ピアノの前に小さく体育座りして、鍵盤を見ずに弾くのなんてスーパーテクニックでしょ。
その電蓄に父親(久保さん)がレコードを入れるときに、
慶介さん(木場さん)が上着を伸ばして死角を作る細かな芝居をしていました。
木場さんをずっと見ているだけの日を作れば良かったと思うほど、
常に細やかな感情表現を見せてくれています。
特に一幕ラストの源次郎さん(相島さん)が義弟を匿うシーンでの木場さんは
本当に素晴らしいです。
直前まで、源次郎さんと慶介さんは対決しています。
愛国心の塊の源次郎さんは、当時の真面目な日本男児の象徴です。
それに対して、世の中や日本の国の姿勢に疑問や不満を抱く慶介さんは
いまの世なら正論に聞こえても当時は異端の声を発する者として
真っ向口論を挑み、また受けて立ちます。
相まみえることのない二人のやりとりの直後に訪れる窮地。
憲兵が現れて「脱走兵が来たか。」と問いつめます。
きっと彼なら脱走兵を突き出してくれるであろうとにらんだ憲兵は
傷痍軍人の源次郎さんに詰め寄ります。
このやりとりを見守る木場さんの表情は、いかにもピンチで困った顔なんです。
そして、源次郎さんが意に反して正一君をかばって嘘をつくのを聞き
驚く表情…その変化…その表情の浮き沈み…。
これこそ芸術、いや芸です。

涙が出そうになったのもここです。
慶介さん(木場さん)の後方からの細やかな素晴らしい演技の前で、
源次郎(相島さん)が引きつった顔で嘘をついたりしながら
憲兵の尋問をやり過ごそうとした時、
それでも厳しく問いつめられ、
顔をこわばらせ震えながら究極の選択を迫られますが、
そっと妻のみさをさん(前田さん)に手を握られ
表情に光が差していくその変化、これも芸術、芸です。
そして力一杯、嘯きます。
憲兵が去った後、へなへなと座り込み
模範的日本男児として生きてきた誇りを捨て、
天皇に対して嘘をついたと嘆き崩れる姿から、
信じるものを捨て、家族への情を選んだその葛藤が、痛いほど伝わってきます。

正一君の指揮で家族が合唱する場面での木場さんのノリも最高です。
本当に嬉しそう、気持ちよさそうで、見ていて幸せになります。



【第二幕】
源次郎は少しずつ家族らしさを見せてくれます。
正一君が権藤憲兵に追われて飛び出す姿を見送りながら
「逃げ切れるといいがね。」
と呟きます。
それを聞いてみさをが
「まぁ。」
と驚きと喜びの声を上げます。
もちろん源次郎は「土産が楽しみだから」という理由をこじつけてごまかしますが。
正一君が自首すると言い出した時に、権藤憲兵が帰ってきた音がすると
正一君を匿おうとします。
隠れるよう指示します。
いい姿です。

正一君が自首しようと決めたのは、
上海へ渡る船の中で、日本人の卑しさを目の当たりにして
自分が同じ日本人であることに嫌気がさし、
それでも日本人であることから逃れられないと自覚していたからです。
正一君が知った日本人の姿は
金儲けばかり考えている一旗組(一旗揚げてやろう)
甘い汁のおこぼれを頂こうとして嘘をふっかける山師
エロしか頭にない女ったらし。
まさに、いまの日本人そのままです。
上海航路の船上で配られた注意書きは
1.大勢で騒ぐな
2.そこらで立ち小便をするな、尻を出して走り回るな
3.給仕の中華民を意味無く殴るな

一人ではおとなしく、何もできやしない日本人。
いつもは行儀良く、普段なら気のいい優しい日本人。
いまも何も変わっていません。
徒党を組むと悪党になる日本人。
情けないことです。


ここに登場する人たちは、何かあると、誰もが自分を責めます。
そして、誰もが人を庇い、助けようとします。
わたしの好きな日本人の姿がそこにあります。

神田で本を処分してきた慶介さんに信吉さん(久保さん)が言います。
「食料が手に入らなくなってきて、ここに居づらくなったんでしょう。」
「食べ物がなければ、みんなで腹を空かせればいいんです。」
「それが家族というものじゃないですか。」
ラストでふじさん(愛華さん)が『青空』を出征前夜の若者に歌って聞かせます。
るんるんせまいながらも楽しい我が家ームード
歌いながら信吉さんとみさをさんを見つめます。

生まれてくるのは奇跡の連続。
生まれてくるのが奇跡なのだから、その子が新しい奇跡を起こすかもしれないじゃない。
人間は奇跡そのものだ、ピカピカぴかぴか(新しい)



まだまだ書ききれないことがあるのです。
千秋楽の感想で、ここで触れなかった前田亜季さんや
その他のことについても書くことにします。

まだまだ、新しい奇跡を楽しみにして。

 
いい舞台でした!!
セリフはもちろんの事、無言・無音の間で語る言葉・演技・空気の素晴らしさに、私の疲れていた心は落ち着きを取り戻しました。
少し大仰ですが、人のあり方を考えると「昭和」はよかったな〜と思いました。


それにしても、余剰チケットはどの様な人に渡っているのでしょうか。
フリスクや飴の袋を開ける音、鼻をビービーかむ人、内容の解説を大きな事でする人…
これなら空席で良いじゃないか! と自分勝手な事を思った日でした。
5/24(日)昼公演 ★千秋楽 天王洲 銀河劇場
I列 センターブロック

5回目です。
遂に同一公演の観劇回数の自己新記録を樹立してしまいました。
もう、なんだか制作側の気分です。
身内になった気分です。
まるで、卒業式で教え子を送り出すような気分です。
妙にセンチメンタルな気分です。

今日は、コミュニティ『演劇舞台■観劇した思いを語ろう』の企画、
『みんなで一緒に観劇しましょう』 第3回 こまつ座
の2日目でした。
この企画の全3回に参加下さった「たけし」さん、
前回に続いて参加の「まいたん」さん、
初参加の「hiroko19」さん、
みなさんありがとうございました。
いつもダンディな「たけし」さんとは、もう何度も劇場でお会いしていますね。
「まいたん」さんと「hiroko19」さんとは初めてお会いしました。
本来なら、みなさんとゆっくり感想などお話ししたかったのですが、
今日は、わたしの元同僚のご夫妻を連れ立っており
しかも体調が優れず車で来ていたため、失礼をしてしまいました。
確保したチケット分の参加者があれば、お茶会ができたのでしょうね。
次回はぜひ…。

さて、千秋楽です。
今まで触れてこなかったことを書きましょう。
ずっと思っていたことの一つめ。
照明の細やかな演出です。
まずは、暗転の際の工夫です。
たくさんの星がきらめいています。
場面によっては、その中に一際光る星を見せてくれます。
また、オデオン堂のネオンを見せてくれたりもします。
それはセットされているものではなく、
暗転時に点灯するためだけにステージ右の前方にセットされます。
当然、暗転終了時にはまた片づけられます。
そして最大の感心は、話の中で希望を感じられる場面において
地味に明るさが増すことです。
やや青い光で、光量を増します。
その光に導かれ、何故だか『なんか良かったねぇ』という気持ちになります。

音楽も素晴らしいです。
なつかしの昭和歌謡も耳に残りますが…、
森本くん(後藤さん)が弾く生演奏も素晴らしいです。
さらにBGMも工夫されていて、良いアクセントをつけています。
舞台上だけではなく、開演前や休憩中のBGMも素敵です。

二つめは、オデオン堂の若奥様(後妻)である、
元ミス・クリスタルのふじ(愛華みれ)さん。
窮地に追い込まれても明るく笑顔で元気な奥様に、みんなが救われたと言います。
こういう人がいると勇気づけられるでしょうね。
好きなのは、
源次郎さんが家族に対して我慢して言わなかったことを腹を割って話したい
と申し出たときの、対応です。
「軍人勅諭だのに義理立てせずに、お腹の中にある思いを吐き出して
 スッキリしてしまいなさいな。ハイ…。」
と言うときの表情と手つきがツボにはまってしまいました。
歌のことは触れないでおきましょう。
あの野暮ったい感じの歌が、この作品にちょうど合っている気がします。

三つめは気に入らないこと。
憲兵の「惜しいなぁ。日本一の美談になるところを…。」という言葉を受けて、
ふじさん(愛華さん)がすわった目でいう場面です。
「お婿さんを傷痍軍人から迎えれば良い」と。
「みさをさん。賭けるのはあなたよ。」
「軍国乙女が文通していた傷痍軍人に嫁げば、新聞の見出しはこうよ…
 そうすればオデオン堂は美談の家となるのよ。」と。
いくらなんでも、その発想は受け入れられませんでした。
素敵な後妻(ママハハ)の設定であるのに、
その発想は設定にそぐわないと思えます。
ふじさん自身も、みさをさんの声で我に返り、
「何て酷いことを…。ママハハって鬼ねぇ。」
と自分を責めますが…、
やはりここだけは気に入りません。

今回は9列目での観劇でした。
舞台全体が見えて、また違う雰囲気を感じました。
新たな発見はバケツ体操での慶介さん(木場さん)の動きです。
今までは前田亜季さんしか観ていませんでした。
今日の席からは、前田亜季さんを観ていても木場さんまで見えます。
すると、二人に合わせてずっと踊っているではありませんか。
それも良かったです。
バケツ体操自体は、今日はあまり上手ではありませんでしたね。
愛華さんのバケツキャッチが乱れてしまいましたから。

カーテンコールは感動的でした。
この公演で3回のカーテンコールは想像していませんでした。
しかし、それくらい今日の出来は素晴らしかったですし、
観客の拍手もいい感じでした。
思わず歓声を上げてしまいました。
出演者のみなさんの笑顔と涙も素敵でしたね。

本当に愛しい作品となりました。
観るごとに好きになっていき、感動のボルテージも上がっていきました。
もう観られないのですねぇ。
この寂しさをどうコントロールすればいいのか、
今はまだ分かりません。
まだ当分の間、この作品の余韻に浸っていようと思います。
24日はどうもありがとうございました。
真ん中でとても見やすい席でした。

歌の明るさがかえって世相の暗さを引き立てているようでした。
あの日付がオデオン堂の最後の日、そして各自新しい場所へ・・
そして青空 最後のところでの暗転・・・

もう一度見てみたい芝居でした。3時間が長くなかったです。

でも正一クン 髪の毛長くない??(笑)

本日大阪千秋楽を観劇してまいりました。
かねともさん始め、たくさんの方の感想を読み、とても楽しみにしての観劇でした。

本当に本当に素晴らしい舞台でした。
どんどん情勢が厳しく・暗くなっていく中で、明るく、お互いを思いあい・庇い合う。
一人が自分のことを責めると「いや、私が悪いんです・・・・」って皆次々に反省しだす。
誰かを責めて悪者にするんじゃなくて、皆でその負担を分担する。
なんて素敵な家族なんでしょう。

愛華みれさんの明るさ、久保酎吉さん、木場勝己さんのちょっととぼけた温かい味のある雰囲気は心を温かくしてくれました。

相島さんの演技は涙を誘いましたね。
「軍人勅諭に誓って」のシーンは一番泣けました。
自分の信念の核ともいえる軍人勅諭に反して嘘をつく。
悔しさやら葛藤の辛さなどがよく伝わってきました。


一つ一つの台詞がピカピカと輝いて残っています。

このコミュに出会えて、そしてこの舞台に出会えて幸せでした。
ありがとうございました。

追伸:かねともさんの感想読んでたので、バケツ体操のとき、バッチリ木場さんの動きを注目してみることができました。
なんだか動きが可愛らしくて、おかしくって一人でクックッとなってました

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