ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

東海大学稲村ゼミ映画研究チームコミュのワンス・アンド・フォーエバー

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
ワンス・アンド・フォーエバー

「この作品は明らかに戦争映画だったのに、女性観客をあて込もうとしたために、家族愛という側面を前面にだしてしまったんです」

映画は凄惨な戦場シーンも含め、本格的な戦争大作だった。しかし、女性観客を集客しなくてはいけないので、戦争を売りにできず、家族愛で彼女らの気をひこうとしたのである。

しかし、女性層の支持を得ることができず、本来ならある程度戦争映画に関心を持つだろう男性観客からも、「家族愛」的情報の流布によって忌避された。狙った層と、本来狙わなくてはならない層の双方から距離を置かれてしまったのだ。

現在の日本映画界は、若い女性やカップルに支持されなければヒットしないという傾向にあり、その層を逃すとコケる。だから、その層へアピールする意識が配給会社に抜け難くあり、作品の意図をねじ曲げてでも、つまり宣伝によって別の側面を売り込もうと躍起になってしまう。

例:パールハーバー
2001年夏の大ヒット作パールハーバーは、売り物の戦争映画的なシーンや、戦争映画的な部分より、ラブストーリー的側面を大きく売りこんだ。そうすることによって、若い女性やカップルの取り込みをはかったのである。

結果は大成功。宣伝の狙い通りの若い観客が目立ち、興行収入68億8000万円は、その年の興行成績2位。

このように、女性が来ないとヒットしない。年配層に支えられ、安定した成績を残す作品もあるが、その数は相当少ないし、ヒットのスケールもあまり大きくない。

ギャング・オブ・ニューヨークもラブストーリー的側面を大きく売りこんだが、作品の素の形が興行をある程度決めてしまった。

女性層へのアプローチを画策するために、その層へラブストーリー的な要素を訴える宣伝は、成功する場合もあるし、失敗する場合もある。

こうしたマーケティングのあり方を含めて藤村は、「ワンス・アンド・フォーエバーは女性に媚び過ぎた」と言う。

買値が高いため、女性観客が来ないと利益回収できない。そこから、まず原題の「ウィー・ワー・ソルジャーズ」を「ワンス・アンド・フォーエバー」に変更。女性向きにするため、ソフトな響きにし、戦争映画の匂いを消した。

映画本来の理念をねじ曲げていくことが、こうした結果を招いてしまう。

「これはね、結局、映画の理念をねじ曲げていくことに通じるんですよ。映画は作られる理由が、必ずそこにあるんですね。その理由を考えて、マーケティングを行っていかなくてはいけない。自分の会社の作品を言うのはなんだかおかしんだが、「ワンス」はそこのところを見誤った気がするんですね」

映画は文化的事情にかなりの開きがあるので、本国でのマーケティングが日本でそのまま通じないことがよくある。日本公開にあたっては、日本独自のマーケティングを考えなくてはならない。

しかし藤村は、そうした日米の差異、つまりマーケティングの差異を、いたずらに誇張してはいけないと言っている。日本は女性観客が呼べないと興行は失敗するという事情の中で、それに追随して作品の理念をねじ曲げてしまっては、結果的に興行も失敗することになってしまうのだと。

この判断は非常に難しく、映画のマーケティングとは、時としてこの理念をねじ曲げてしまう場合がある。その理念といかに拮抗しながらマーケティングを築き上げていくかに腐心しなければならない。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

東海大学稲村ゼミ映画研究チーム 更新情報

東海大学稲村ゼミ映画研究チームのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。