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徹夜で読んだよ!!コミュの長く暑い夏の一日 ――― 渡辺淳一著

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映画化されたあの「失楽園」の、渡辺淳一著


「生体腎移植」がテーマ。臓器が果たして患者の手術に間に合うかという、20年前に描かれたそれをめぐる人々の人間ドラマです。

そこに書いてあるには「人間の一番幸せなのは、体の一部を意識してない時」なんですって。ふだんわたしたちは自分の腎臓がどこにあるかもわからないし、その存在を意識することもない(体のいったいどこにあると思う?さがしてみてね!)。

だけど、それがあるからこそ毎朝気持ちよくおしっこが出てくれるわけで、それにいつも感謝することが大事なんだよね‥
(腎障害の患者さんたちにとっては、それがうらやむ位の人生の夢だそうです)


「臓器移植」と聞くとまるで他人ごとのように思えるけれど、自分だっていつ事故や病気になるかわからないし、「臓器移植」たったそれだけに思えるようなことが、さまざまな人たちの考えや、割り切れない価値観や、それぞれの思いを巻き込んみながら交錯していくんだよね‥

だからといって決して重苦しい文調ではなく、まるで自分が主人公の医師になったかのように、臓器を患者に間に合わせることができるのかという、まるでダイ・ハードのようなハラハラドキドキのバーチャル体験を味わえます。


著者の渡辺淳一は、元外科医です。彼の経験からつむぎだされる表現は、まるで自分が移植手術を行っている医師になったかのように、その臓器の手触りまでもが生々しくも鮮明に再現されています。


主人公の医師たちがこの小説の中で、たしかこんなことを言っていた。

「こんな大変な思いをするのなら、臓器バンクのようなものがあって、そこからいつでも臓器を持って来られるようになればいいのに‥」

幹細胞研究が進められ、クローン技術で拒絶反応のない臓器を作り出せることができるなら、こんな人類の夢は他にはないよね。

それを語っているわたしたちは対岸の火事を見つめる人々だけども、臓器移植を心から待ち望んでいる患者さんたちの心を少しだけ理解できた気がして、臓器移植に関する見方がとても変わりました。


いつか、近い将来、すべての病気が治せるようになり、臓器移植も思うようにできて、臓器を何年もまって待ち続けて絶望のあまり自殺を考えるような人たちがまったくいなくなる未来がきますように。それを願いながら‥


長く暑い夏の一日 ――― 渡辺淳一
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