四川省のためのコミュコミュの成都生活マニュアル

前文

成都はいい街です。
ですからここに住みたいと思うことは何も不自然なことではありません。
しかし如何せんここは異国の地。
実際に住むには何かと分からないことが多いでしょう。
そこで２年間の成都生活の経験から生活マニュアルを作成してみました。

項目

１、住居の選択
２、買い物スポットを探せ
３、学校又は仕事の選択
４、休日は茶館で一日を過ごそう
５、DVDプレイヤーとDVDを買おう
６、女の子に殴られよう 男の子に尽くさせよう

本文

１、住居の選択

さて、成都を度々訪れるうちに「この街に住みたい」と思ってしまったあなた。
そんなあなたがまずしなければならないことは住居を定めることです。
成都での住居の選択肢は以下のようになっています。

イ、アパートを借りる
ロ、ホテルに住む
ハ、留学生なら寮に住む
ニ、仕事を探し社員寮に住む

※このうちハとニは第三項で触れますので割愛します。

イ、アパートを借りる

アパートを借りるのは非常に簡単です。その方法も日本と大差はありません。
まずは街中にある不動産屋に足を運び、気になる物件を直接見に行きます。
そして気に入れば借りることにして、気に入らなければ次の物件を探すといった具合です。
相場は第二環状線の内側だと
ワンルーム　一ヶ月５００元〜２０００元
２LDK 一ヶ月８００元〜５０００元
くらいです。
家賃は月賦ではなく大抵半年分一括で払うことになります。
それと敷金として大体３ヵ月分の家賃が必要です。
つまり借りるときには約９か月分の家賃を一括で払うことになります。
それと光熱費と水道代は毎月係りの者が集金に来ます。
ここまでは大体日本と同じですね。
ただ日本と違うところは中国のアパートは予め家具が完備されていて、引っ越せばすぐ住める状態になっているということです。
日本でいうウィークリーマンションに近い形態です。
部屋の中には冷蔵庫も洗濯機もテレビもベッドも本棚も箪笥も全てそろっています。
ですから簡単に引越しもできますし、帰国の際に粗大ゴミが出る心配もありません。
条件が合う物件があれば気軽に住んでみましょう。
因みに部屋を借りるのにビザの種類は関係ありません。
お金さえ足りればOKです。

ロ、ホテルに住む

少しお金に余裕のある方はホテルに住むという選択肢もあります。
ホテルに住めば毎日服務員が部屋を掃除をしてくれますし、設備に問題が起こればすぐに修理もしてくれます。
それにセキュリティーも比較的しっかりしていて何かと便利です。
それと中国のホテルは一ヶ月以上の長期で借りると値段を２、３割割り引いてくれます。
一日２００元ぐらいの部屋なら５０００元弱で一ヶ月借りることができます。
気に入ったホテルなどがあればこういう選択肢もありでしょう。

後は逆にお金の節約のために激安ホテルに住むという選択肢もあります。
例えば一日１５元のドミトリーなら一ヶ月４５０元で住めてしまいます。
環境の悪さは言うまでもありませんが、シャワーや洗濯などの生活に必要な設備は一応これでも整います。
お勧めはできませんが。

２、買い物スポットを探せ

さて、無事に住居も決まり成都での生活をスタートさせたあなた。
しかしいつまでも外食だけとはいきませんし、季節が変われば服も買わなければなりません。
そこで食品や日用雑貨、衣服などを買い揃える買い物スポットを探しだす必要があります。
しかし幸い成都は大規模な街なので比較的容易に市場やスーパーを探し出すことができます。
以下は成都に点在するスーパーの一例です。

「好又多」
ハオヨウドウと読みます。日本でいうダイエーやイトーヨーカドーに近い総合スーパーで、大抵のものはここで揃えることができます。
特に電化製品は下手な電気屋より安いのでここで買うのがお勧めです。
ただし生鮮食品はあまり新鮮ではないので、お近くの市場でお買い求めください。
加工食品の品揃えは◎
主な店舗
棕南店　　　　　四川大学西門側
一環路南段店　　一環路と玉林北路のT字路側
塩市口店　　　　塩市口
北門店　　　　　北大街の北門橋側

「家乐福」
ジャルフゥと読みます。フランス資本のスーパーで日本ではカルフールと呼ばれています。
全体的に商品の値段は高めですが、品質はとてもよく輸入品も多く扱っているので、一般のスーパーでは手に入らないものを探すときにはここにくるといいかもしれません。
主な店舗
二環路西段店など

「METRO」
ドイツ資本の大型スーパーで、ここに来れば西洋系のものは大抵揃うという心強い存在です。
ブルーチーズだろうが生ハムだろうがネグリジェだろうが何でもあります。
ただし値段が西洋基準のため、いっぱい買うと財布があっという間に軽くなってしまいます。
お気をつけください。
主な店舗
成温立交店

「伊藤洋華堂」
イータンヤンフアタンと読みます。イトーヨーカドーでは通じません。
ここは言わずと知れた日本のスーパーですね。
商品の内容も店内の雰囲気も日本のそれとあまり変わりがないので安心して買い物することができます。
特に食品売り場のアンパンは木村屋の味で懐かしい・・・
日本食材の品揃えも悪くなく、自炊で和食を作るなら頻繁に足を運ぶことになります。
因みにここはセブンイレブンに買収されていないらしく、あの懐かしい鳩のロゴをいまだに拝むことができます。
主な店舗
春熙路店　
双楠店　　ニ環路西段と武侯路交差点近く

「紅旗連鎖」
ホンジィリエンサと読みます。
これはちょっと大きいコンビニくらいのスーパーで、街の至る所にあります。
中華系の商品しか置いてありませんが、日用品を買う分には何の問題もありません。

この他にも成都にはたくさんのスーパーや市場が点在しています。
是非自分の住居の周りを散策してお気に入りのスーパーを見つけてください。

３、学校または仕事の選択

とりあえず成都に住んでみた方の中にも途中で学校に通ったり仕事をしてみたくなる方もいるかもしれません。
そこでこの項目ではそれらの探し方を紹介します。

学校の選択

成都には留学可能な学校が５つあります。
それは、
イ、四川大学
ロ、西南民族大学
ハ、成都大学
ニ、四川師範大学
ホ、西南交通大学
の５つです。
基本的に成都の大学はどこも成都に着いてからの入学手続きが可能で、日本で手続きを踏んでくる必要がありません。
長期のビザをすでに取得しているのなら学生ビザに書き換える必要もありません。
書き換えたい場合は大学が必要な書類をそろえてくれるので、後は自分で公安局に行ってビザをもらうだけです。
要するにお金さえ持って大学の窓口にいけば全てOKです。
それと寮がある大学なら通学には寮が何かと便利なので入学したら寮への引越しも考慮に入れてみましょう。
ではそれぞれの大学を紹介します。

イ、四川大学
日本人が一番多い大学はこの四川大学で、授業の質もこの中では一番高いようです。
外国人寮も完備されていて、留学環境はかなりきちんと整っています。
西南地方のHSKの会場にもなっていて、まじめに勉強するには一番ふさわしい学校かもしれません。
それと中国語以外の一般の授業や太極拳などの課外授業も受けることができるので、中国の教育自体に興味のある方も楽しめるかも。

ロ、西南民族大学

中国西南地方の少数民族のための大学で、外国人はチベット語やトンパ文字など少数民族の語学を学ぶことができます。
かなりマニア向けの大学ですね。
しかし寮がなかったりと留学生受け入れ環境はあまり整っていないらしく、入学後いろいろ不都合なことが起こるみたいです。

ハ、ニ、ホの諸大学

ここでは外国人は中国語のみを勉強することになります。
日本人もほとんどいなく、母語から離れた生活をするにはいいかもしれません。
成都大学は北駅の近くにあります。寮は新しいらしいです。
四川師範代は成都市の東郊にあります。市街地から少し遠いですが周りの環境はいいです。
西南交通大学のことは・・・すいませんまったく知りません。日本人留学生いるんですかね？

仕事の選択

成都は大都市ですから実にたくさんの仕事があります。
しかし仕事の種類はサービス業など都市型に大きく偏っています。
そんな中で外国人でも気軽に働くとができる職というのはかなり限られてきます。
日本人なら日本語教師ぐらいでしょう。
この職なら中国語が一切しゃべられなくてもOKなので比較的簡単に就職することができます。
棕南にある中日友好会館には二つの日本語学校があり、ここに行けば日本人なら簡単に働けるそうです。
それと四川大学以外の日本語科がある大学も日本人講師を募集しているみたいです。
その他の一般の職に就くとなるとある程度の中国語能力がないといけません。
まず面接でスムーズに受け答えできるぐらいの能力は必須ですね。
更に成都ではみなが当たり前のように四川語で会話しているので、就職できても初めは苦労するかもしれません。
因みに基本的な中国の職探しは、コネで紹介してもらうか気に入った会社や店を直接訪ねていって責任者と直談判するというやり方です。
働きたい場所に目星をつけたらとにかく現地に足を運んでみましょう。
それと中国の会社は基本的に社員寮完備なので就職した場合は安い社員寮に引っ越しましょう。

４、休日は茶館で一日を過ごそう

成都の生活にもある程度なじみ、友人もそれなりに出来たのなら休日は茶館でだらだら過ごしてみましょう。
ここで友人たちと会話に花を咲かせたりマージャンしたりトランプをしたりして交友を暖めてみてください。
時間の流れなど無きが如くみなでお茶を飲み続ければ、成都の緩やかな生活に浸って気持ちも穏やかになります。
ここで全てを面倒くさく感じるようになればあなたも立派な成都人の仲間入りです。
こうやってゆるい生活を続けていれば、一歩一歩帰国が遠のくこと間違いなしです。

５、DVDプレイヤーとDVDを買おう

成都には格安のDVDがたくさん売られています。
中国のドラマや映画から日本のドラマや映画、果てはアニメまで幅広く商品を取り揃えてありますから、中国のドラマを利用して中国語の勉強をしたり、懐かしい日本のドラマであのころの思い出に浸ったり出来ます。
中国人と一緒に日本のドラマやアニメを見ながら日本の文化を紹介するというのもなかなか乙なものです。
ただしいっぱい買いすぎて引きこもりにならないように注意です。
留学生の中にも幾人かDVD廃人がいます。
特にドラゴンボールやシティーハンターなど比較的長いアニメは危険です。
主にDVDを売っている場所は科華路と一環路の交差点から人民南路と一環路の交差点にかけての一環路沿いにある「電脳城」エリアです。
このエリアにある大型の電気店の上のほうの階にDVD売り場は存在しています。

６、女の子に殴られよう 男の子に尽くさせよう

四川の諺に
「打是親、罵是愛、不打不罵不自在(親しいから殴る、愛があるから罵る、そうでなければ思う存分に交流できない)」
というものがあります。
これは主に四川の女性側の性格に適用される諺で、故に四川の女性の気性といったらそれはそれは激しいものです。
そんな彼女らを四川以外の中国人は親しみと畏怖をこめて「辣妹子(辛辣娘)｣と呼びます。
よく言えば天真爛漫で裏表がない、悪く言えば直情的で物事を堪える事が出来ない、それが四川の女性の性格です。
ですから可笑しければ試験中でも笑いますし、悲しければバスの中でも泣きますし、好きな人が自分の思い通りにならなければ腹を立てますし、腹が立てばすぐに殴ります。
四川の女性はこのように喜怒哀楽を直接行動に移すので、愛情表現も愛憎入り混じり、かつストレートです。
激昂すると度々男性を殴ったり罵倒したりします。
そして殴られる男性側もその彼女らの行為が愛情表現なのだと知っていますから、殴られたり罵倒されたりすると「そんなに俺のこと好きなのか」と喜ぶという図式が成り立つのです。
尽きるところ四川の男女関係とはSの女性とMの男性で成り立っています。
これは普段の些細な付き合いの中にも現れるパワーバランスで、女王様のような女性のわがままっぷりに男性が応えるという関係が、恋愛関係でなくとも親しい間柄なら日常の方々で見ることができます。
つまり四川に来たなら、男性なら女性に殴られて女性なら男性に尽くさせて、それで初めて一人前の交流が出来たということになるのです。
もしあなたが男性なら女性の細かいわがままを聞き続けましょう。
そしてだんだん親しくなっていって晴れて女性に殴られたのならその場は黙って耐えましょう。
その際激しく抵抗してしまうと女性側に自分の愛情を受け取ってくれなかったと解釈されてしまいます。
そうなってしまっては何もかも終わりです。
また、もしあなたが女性でとある男性と親しくなりたいなら、ことあるごとに理由をつけてその男性をこき使いましょう。
そして彼の行動に不履行や不審な点があれば遠慮せずにそれを追求して、結果腹が立てば殴って罵りましょう。
それでお互いの仲は一気に進展するはずです。
こうやって交流し続けていけば気がつけばあなたも立派な成都人になっているはずです。

さて、いろいろ書きましたがこれはあくまで僕の私見による独断と偏見でできた成都生活の一つの方法に過ぎません。
みなさんそれぞれ成都の生活に慣れてきましたら是非自分なりの生活の仕方を見つけてくださいね。
そしてまた例によって苦情や追加情報や違った生活案をコメントで募集しております。
さしあたっては家乐福の店舗の場所が一箇所しか思い出せなかったので、覚えている方情報ください。