Michael Gibbs / Tanglewood 63 ゲイリー・バートンとのコラボレーションで知られているマイケル・ギブズによるオーケストラ。コラシアムが1971年のライブで「タングルウッド63」を取り上げていたので、それを通じて知ったファンもいるかもしれない。コラシアムのおかげで余計印象に残るテーマからヘンリー・ロウザーの素晴らしいトランペットのソロが始まる。かとおもうと葬送曲のようなものとか、クリス・スペディングのギター・カットとジョン・マーシャルのドラムズが中心となるいわゆるロック・リズム(当時はそう呼ばれていた。)の作品とかジャケットのあでやかさ同様、内容も豊富。マイク・ウェストブルックより個人的には聴きやすい。
Keith Tippett Ark / Frames インプロバイザーとしてのティペットはいいががこのようなオーケストラ大作となるとどうも〜というリスナーもいるかもしれないが、もう一枚の大編成のセンティピードのようなアプローチでもう一回というところだろう。
Manfred Mann Chapter III / Volume Two これはマンフレッド・マンのロックサイドからのジャズ側へのオーケストラで返答。実質的なリーダーはピアノと歌のマイク・ハグ。ただしフリーキーなソロはあちこちで聞かれ、ゆるやかなオーケストレイションとマイク・ハグの作品が特徴。ファースト・アルバムよりよりスケールが大きくなった。
IF / Live
このアルバムを聞く限りIFはライブでも割合まとまってライブだからといってキテレツな演奏をしているわけでないことがわかる。つまりライブだとわざわざ名乗る必要のない内容だ。もちろんシンプルではあるが、アドリブはジャズ・ロックのレベルの高さを表しており、もう少しアレンジに工夫が欲しかった気はする。
Michael Garrick / Heart Is The Lotus
昨年11月に手術中に亡くなったというマイケル・ギャリックの詩の朗読付きの作品。これは日本独自のジャケットである。またこんなアルバムが日本で出た理由も不明。ここで一番印象に残るのはノーマ・ウィンストンのボーカルであろう。
ただかなり仕掛けのある曲多し。
John McLaughlin / Where Fortune Smiles
のちのECM専属アーティストにジョン・マクラフリンが乗かったようなセッションだが、ドイツからカール・バーガーのビブラフォンがいるため、英国人間の間でも緊迫感がある。マクラフリンのもう一枚のリーダー作より周囲に煽られてギターを弾くリーダーがいる。
Howard Riley / Angle
クラッシック前衛ジャズ・ピアニストによる1970年初代の作品。当時はカウンターカルチャーが主体というか、前衛が当たり前の時代だったのでメイジャーでも新鋭気質のものを求めていた英国CBSからでもライリーとか、前衛ドラマーのオクスリーなどを「平気」で出し続けていた。
IF / Waterfall
イフの「滝」というタイトルにもなっている曲は別のアルバムにも収められているので彼等の唯一のヒット曲なのではないのであろうか。確かに印象に残るメロディで、相変わらず遠くの法から聞こえる歌ではあるが、サックスやギターのソロが素晴らしい。このアルバムはキャピトルからの一連のものより彼らが身近に感じられ、演奏もかなり熱くなっている。
Michael Garrick / Mr. Smith's Acolypse
昨年11月に手術中に亡くなったマイケル・ギャリックのオラトリオ作品。実はこれも日本のキング・レコードからジャケット違いで出た。「ロータス」もそうだったけど、当時のジャズ担当のディレクターはやはりすごい。欧州ジャズの勢いで、コマーシャルでなくスィングもしない白人英国ピアニストのレコード、しかも英訳がないとわかりにくいオラトリオを平気でジャケット違いで出すのだから。
これも以前載せた気がしないでもないが、まあいいか....で。
"エキセントリック"・グラアム・ボンドの米国録音の第二弾ということで、なぜか前作"Love
Is Law"が高い評価を得てるわりに、こちらは雑な作りということであまり評価されていないのが残念だが、それだけインストルメンタルのアレンジとアドリブ部分が十分楽しめるとも言える。つまりよりジャム・セッション的な部分が多くなっただけ、彼とバックのミュージシャンの技能がよくわかることになる。とりわけギターのハーベィ・マンデルのサイケデリック・ギターは素晴らしく、ちょうど全盛期のキャンド・ヒートに参加の時期なので充実したギター・ワークである。
ほとんどがグラアムが楽器をこなした実質的なソロ・アルバムの"Love Is Law"ではドラムだけがハル・ブレインだったが、ここではブレインの弟子にあたるエディ・ホーがタイトなドラムズでサポートしているのが、ダレがちのジャム・セッション的な本作品を締めている。ちなみにエディ・ホーはアル・クーパーとマイク・ブルームフィールドの「スーパー・セッション」での手堅いドラムを叩いている人で、1967年のモンタレー・フェスティバルでママズ&パパスのバックもハル・ブレインとのダブル・ドラムズで勤めている。基本的にはセッション・ドラマーである。
パルサーというマーキュリー・レーベルの傍系レーベルから出ていることから、ここではメインの売れ筋でないというレコード会社の方針がわかるが、ちなみに英国ではこれら二枚のアメリカ録音は一枚にまとめられ"Bond In America"というタイトルでPhillipsインターナショナルという廉価盤レーベルから発売されている。
The Great Wee Band / The Sound Of Music
英国ジャズのトップ・トランペット・プレーヤーであるヘンリー・ロウザーがギタリストのジム・マレンと組んだバンド。彼等、相性が合うせいか、もう一枚このバンド名義で、かつ10年ほど前に別のユニットで共演したことがあった。
とにかくこのジャケットの裏表がザ・バンドの「ステージ・フライト」とそっくりで、かつ「サウンド・オブ・ミュージック」がテーマときてはジャズ・リスナーとしては食指が動かないところだが、敢えて聞くと、これがあの「サウンド〜」を取り上げたのか?と思うほど解釈がかけ離れているのに嬉しくなった。これまでのヘンリー・ロウザーの作品の中で一番わかりやすい。