＞ 第九世界の現在��
人類発祥まで、もう一度、歴史をやり直した地球は、現在の地球と様々な部分がことなります。まず、天体の自転速度と大陸の位置が変化し、過去の地球文化と知識が散文した結果、ほとんど原型をとどめていません（言語や日常会話に過去の影響が残る部分はあります）。
ここでは上記の変化を簡単に紹介していきます。
■現在の地球の自転と太陽系の状況
第八世界に発生した人類消失から10億年以上が経過した地球の環境は、宇宙規模（パースペクティブ）で変化しています。
地球の自転速度は遅延し（衛星であった月の縮小や様々な理由で）、現在、地球時間は24時間ではなく28時間になっています。１年の周期は１日より影響はすくなかったものの、現在の１年は３65日ではなく３13日です。
「月」「週」「時」「分」「秒」は、過去の名称と知識が残り、同様の観念で使用されます。ただし、その地域で、これらの観念も変化をします。
大陸の位置は完全に変化し、当時の５大陸の面影は、（ほぼ）ありません。小型の大陸（たとえば、日本、オーストラリア、アフリカ）は大陸移動に飲み込まれ、現在、当時のパンゲアのような超大型大陸を形成しています。視点を宇宙にうつせば、太陽膨張は現在も続き、いずれ太陽は、地球や周辺惑星を飲み込むでしょう。ほとんどの惑星は現在と同様の格好をしていますが、水星だけはかなり以前から“なくなって”います。
■第九世界の人々
第九世界の人々は“多種多様”です。
ただし、“多種多様”の部分は真実の意味でです。
肌や髪、瞳の色と、二本の腕と脚、一つの頭という意味だけではありません。
ある地域の人々は、両腕と両足が完全に機械のそれで、その地域の生活に適応・便利に“それ”を使います。
それは“ヒト”でしょうか？ 第九世界において、それらの形状の人々は“ヒト”です。 手が四本あって、足がなく、尻尾で木の枝をつかみ移動する。
それは“ヒト”でしょうか？
第九世界において、それらの形状の人々は……おそらく“ヒト”でしょう。
“ヒト”とはなんなのか？ どこまでが“ヒト”であるのか？
各国・各地でとらえかたは違うことになります。
ただ、すくなくともそれらの“人々”は、現在の我々が理解するのことのできる人類の精神構造をもっています。人々の特異な身体構造の原因は、第八世界のバイオテクノロジー、サイバネティクス、トランスヒューマンの結果です。それらの改造をうけた生物が10億年の歳月で進化し、現在の“多種多様”な人々を生み出しました。
一方、第九世界には“ヒト”に近い姿をもちながら“ヒト”ではないものがいます。
それがアブヒューマン（Abhumans）です。
アブヒューマンは誕生の原因を、地球と人類にもちません。これらの存在は第八世界で人類が交流していた次元生物と異星生物の一部が土着したものです。
人類が地球から消失したあと、アブヒューマンの一部は土着し、地球の原住生物となりました。アブヒューマンは“ヒト”ではありません。たとえば、白い肌で眉目秀麗、現在の我々に魅力的な姿をしていても“ヒト”でないのです。
なぜなら、アブヒューマンの精神は人類に、（ほぼ）理解ができず、非人間的で残酷で独自の観念、あるいは、独自の生活を、そなえるものすらいます。
いずれにしろ人類はアブヒューマンが理解不能で、アブヒューマンも人類が理解できない場合があります。アブヒューマンは“ヒト”の精神をもってはいません。ことなる種族と種族の差異とは、本来、それほどに決定的なものです。
■第九世界の生活
第九世界の文化レベルは、我々の知る地球の“11世紀”ぐらいです。
「近代的な天体観測の幕開け」「時間計測装置（機械時計や方位磁石）の誕生」「医麻酔と手術」「各職の専門的な道具が誕生」が確立しました。
“医者”が魔術師や呪い師から分化して、現在の科学的背景と信念を持つ“医者”になった世紀でもあります。火薬が誕生し、活版印刷の知識と技術が誕生しました。演劇以外に小説といった娯楽が人々へと普及しました。
支配体系は一国政や共和政など多種多様です。戦争は現在より頻繁で、奴隷制度も一部の国々では存在するでしょう。いずれにしろ我々の知る現在のように、世界の安定していません。群雄割拠の時代でもあります。以上は、現実（我々の知る）の11世紀を参考にすればよいでしょう。ただし、第九世界の11世紀は、我々の知る過去の11世紀と微妙に食い違う部分があります。
たとえば、人々が使用する道具や衣服です。
第九世界の人々は、一部の道具を過去（先史文明）の遺跡や廃墟から掘り出し、修理して使います。もちろん人々が“理解”できるもので……という意味です。
たとえば、木の柄の先端に付く斧は斧頭（ふとう）は、我々の知る金属ではなく、もっともっと鋭く硬い未知の合成金属です。斧の作り手が斧頭部分を第八世界の遺跡から発掘してきたからです。
この廃物利用を行う生活様式は、衣服の面で特に強くなっています。
多数の人々は過去から発掘した衣服をつなぎ合わせて衣服を作ります。
そのため第九世界の人々が着る衣服は多種多様で、絹や麻や皮、貫頭衣や水干といった形状だけにとどまりません。プラスチック、ビニール、柔軟な金属や硬質のガラスなど、現代以上にエキセントリックで、様々な色を持ち合せます。
廃物利用を行う生活様式は、一部で歴史を停滞させている部分もあります。金属の加工技術や縫製・染色技術は我々知る11世紀より低いレベルかもしれません。
そして、過去から発掘されるニューメネラは人々の理解を超越した存在です。
一部の人々は、その秘密の解明に人生を捧げ、結局、“わからぬ”まま人生を終えます。 理解するのに現在の人類の知識は到底およびません。また、それをふたたび理解・製造できる時代がやってくるともかぎりません。
とはいえ、たった一つのニューメネラが個人の運命と世界の趨勢を変化させる可能性は充分にあります。ニューメネラを使い王国を建国する人物もいれば、絶頂から奴隷に転落した人物もいるかもしれません。あるいは停滞した世界の歴史を一気に加速させるかもしれません。ただし、いずれにしろ、第九世界の人々は、それを完全に理解できません。
このように第九世界の11世紀は、我々の知る11世紀より一部が加速し、一部が停滞している世界なのです。
人類発祥まで、もう一度、歴史をやり直した地球は、現在の地球と様々な部分がことなります。まず、天体の自転速度と大陸の位置が変化し、過去の地球文化と知識が散文した結果、ほとんど原型をとどめていません（言語や日常会話に過去の影響が残る部分はあります）。
ここでは上記の変化を簡単に紹介していきます。
■現在の地球の自転と太陽系の状況
第八世界に発生した人類消失から10億年以上が経過した地球の環境は、宇宙規模（パースペクティブ）で変化しています。
地球の自転速度は遅延し（衛星であった月の縮小や様々な理由で）、現在、地球時間は24時間ではなく28時間になっています。１年の周期は１日より影響はすくなかったものの、現在の１年は３65日ではなく３13日です。
「月」「週」「時」「分」「秒」は、過去の名称と知識が残り、同様の観念で使用されます。ただし、その地域で、これらの観念も変化をします。
大陸の位置は完全に変化し、当時の５大陸の面影は、（ほぼ）ありません。小型の大陸（たとえば、日本、オーストラリア、アフリカ）は大陸移動に飲み込まれ、現在、当時のパンゲアのような超大型大陸を形成しています。視点を宇宙にうつせば、太陽膨張は現在も続き、いずれ太陽は、地球や周辺惑星を飲み込むでしょう。ほとんどの惑星は現在と同様の格好をしていますが、水星だけはかなり以前から“なくなって”います。
■第九世界の人々
第九世界の人々は“多種多様”です。
ただし、“多種多様”の部分は真実の意味でです。
肌や髪、瞳の色と、二本の腕と脚、一つの頭という意味だけではありません。
ある地域の人々は、両腕と両足が完全に機械のそれで、その地域の生活に適応・便利に“それ”を使います。
それは“ヒト”でしょうか？ 第九世界において、それらの形状の人々は“ヒト”です。 手が四本あって、足がなく、尻尾で木の枝をつかみ移動する。
それは“ヒト”でしょうか？
第九世界において、それらの形状の人々は……おそらく“ヒト”でしょう。
“ヒト”とはなんなのか？ どこまでが“ヒト”であるのか？
各国・各地でとらえかたは違うことになります。
ただ、すくなくともそれらの“人々”は、現在の我々が理解するのことのできる人類の精神構造をもっています。人々の特異な身体構造の原因は、第八世界のバイオテクノロジー、サイバネティクス、トランスヒューマンの結果です。それらの改造をうけた生物が10億年の歳月で進化し、現在の“多種多様”な人々を生み出しました。
一方、第九世界には“ヒト”に近い姿をもちながら“ヒト”ではないものがいます。
それがアブヒューマン（Abhumans）です。
アブヒューマンは誕生の原因を、地球と人類にもちません。これらの存在は第八世界で人類が交流していた次元生物と異星生物の一部が土着したものです。
人類が地球から消失したあと、アブヒューマンの一部は土着し、地球の原住生物となりました。アブヒューマンは“ヒト”ではありません。たとえば、白い肌で眉目秀麗、現在の我々に魅力的な姿をしていても“ヒト”でないのです。
なぜなら、アブヒューマンの精神は人類に、（ほぼ）理解ができず、非人間的で残酷で独自の観念、あるいは、独自の生活を、そなえるものすらいます。
いずれにしろ人類はアブヒューマンが理解不能で、アブヒューマンも人類が理解できない場合があります。アブヒューマンは“ヒト”の精神をもってはいません。ことなる種族と種族の差異とは、本来、それほどに決定的なものです。
■第九世界の生活
第九世界の文化レベルは、我々の知る地球の“11世紀”ぐらいです。
「近代的な天体観測の幕開け」「時間計測装置（機械時計や方位磁石）の誕生」「医麻酔と手術」「各職の専門的な道具が誕生」が確立しました。
“医者”が魔術師や呪い師から分化して、現在の科学的背景と信念を持つ“医者”になった世紀でもあります。火薬が誕生し、活版印刷の知識と技術が誕生しました。演劇以外に小説といった娯楽が人々へと普及しました。
支配体系は一国政や共和政など多種多様です。戦争は現在より頻繁で、奴隷制度も一部の国々では存在するでしょう。いずれにしろ我々の知る現在のように、世界の安定していません。群雄割拠の時代でもあります。以上は、現実（我々の知る）の11世紀を参考にすればよいでしょう。ただし、第九世界の11世紀は、我々の知る過去の11世紀と微妙に食い違う部分があります。
たとえば、人々が使用する道具や衣服です。
第九世界の人々は、一部の道具を過去（先史文明）の遺跡や廃墟から掘り出し、修理して使います。もちろん人々が“理解”できるもので……という意味です。
たとえば、木の柄の先端に付く斧は斧頭（ふとう）は、我々の知る金属ではなく、もっともっと鋭く硬い未知の合成金属です。斧の作り手が斧頭部分を第八世界の遺跡から発掘してきたからです。
この廃物利用を行う生活様式は、衣服の面で特に強くなっています。
多数の人々は過去から発掘した衣服をつなぎ合わせて衣服を作ります。
そのため第九世界の人々が着る衣服は多種多様で、絹や麻や皮、貫頭衣や水干といった形状だけにとどまりません。プラスチック、ビニール、柔軟な金属や硬質のガラスなど、現代以上にエキセントリックで、様々な色を持ち合せます。
廃物利用を行う生活様式は、一部で歴史を停滞させている部分もあります。金属の加工技術や縫製・染色技術は我々知る11世紀より低いレベルかもしれません。
そして、過去から発掘されるニューメネラは人々の理解を超越した存在です。
一部の人々は、その秘密の解明に人生を捧げ、結局、“わからぬ”まま人生を終えます。 理解するのに現在の人類の知識は到底およびません。また、それをふたたび理解・製造できる時代がやってくるともかぎりません。
とはいえ、たった一つのニューメネラが個人の運命と世界の趨勢を変化させる可能性は充分にあります。ニューメネラを使い王国を建国する人物もいれば、絶頂から奴隷に転落した人物もいるかもしれません。あるいは停滞した世界の歴史を一気に加速させるかもしれません。ただし、いずれにしろ、第九世界の人々は、それを完全に理解できません。
このように第九世界の11世紀は、我々の知る11世紀より一部が加速し、一部が停滞している世界なのです。
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