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TRPGサークル  ludusコミュの魔法使いになる方法:その1(『メイジ・ジ・アセンション』)

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少々、特徴的な内容と用語、世界をもつ『メイジ・ジ・アセンション』の解説です。
感想や質問はコメントにお願いします。

今日はメイジとは何か?  と、なぜ世界は魔法を信じなくなったか?  の解説です。

■メイジとは?

魔法使い、魔術師、あるいは奇跡を起こす者――。
呼び方はさまざまですが、このゲームにおいてプレイヤーはメイジと呼ばれます。
メイジに「できる」ことは現実と常識のヴェールを自身の意識で打ち破り、思うがままに改変・干渉できることです。人々がこれを見たら“魔法”と呼ぶでしょう。

しかし、それは真実で、一部では、“まちがい”です。
メイジたちは特別な存在ですが、むしろ、特別な存在になったと言えます。

かつてすべての人類は魔法が使え、いまも使えます。世界が魔法を信じていたからです。
しかし、テクノクラシー(科学技術結社)は現実と常識を定着させ、人類はみずから安定と怠惰を選択しました。これにより大衆と世界は“魔法”を信じなくなりました。

■“目覚めし者”と“眠りし者”

あなたは“目覚めし者”です。

原因はさまざまですが、いずれにしろ、あなたは人類が魔法を使えるのを想い出すことになりました。
覚醒したのです。
ただしくは自分の中の“化身”(人間の魂と霊的エネルギーをむすびつける欠片)が生じました。

その瞬間から、あなたはメイジとして歩み始めます。
“眠り”から“目覚め”るようにと――。

しかしこれはひどく残酷なことでもあります。
以後、あなたにとって今日の魔法のある世界が「現実」、魔法がない世界が「虚構」になります。
いままで生活した「現実(虚構)」は、メイジにとってひどく抑圧されており、自由で危険で、事実、その厄介や危険が向こうからあなたに干渉してきます。

また自分の内面の変化はどうしようもありません。
メイジとして、あなたは自身の信念を模索し、探求し、挑戦しようとします。
魔法が使える意味と、魔法を使う意味を証明しようとします。

それは目先や個人への利益、あるいは、大衆や全体への奉仕、さまざまでしょうが、あなた自身の信念を実現し、魔法を“求道(ぐどう)”する本質は変化しません。
でなければ現実はひどく不快で退屈です。
それ以前に、あなたの“化身”はあなたを休ませたりはしません。常にあなたを駆り立て行動させます。それを「やらなければ」いけないし、それが「したい」のです。

■しかし現実は魔法を否定する

あなたがメイジになったからといって、山を動かしたり、都市全体を眠らせることはできません。
いいや、できるでしょうが、あなたたちには、まだ現実や常識を打ち破ることができません。不用意に打ち破ることになれば、世界が“矛盾”を修正しようと、その“矛盾”の特異点であるメイジを排除します。

これがメイジたちの言う“矛盾”です。

多くの場合、“矛盾”はメイジを焼き殺します。
ゲーム的にいうと蓄積した“矛盾”が爆発し、PCがダメージを受けます(そのダメージは、多くの場合、メイジに再生不能のダメージを与えたり、致死的なダメージをもたらします)。
“矛盾”が、いつ爆発するかはストーリーテラー(GM)の任意です。多くの場合、ストーリーテラーは“矛盾”が爆発する状況や現象、言葉などを決めておくようです。

■なぜ“矛盾”が発生するのか?  歴史の勉強

かつて世界は危険でした。

深い谷や森には怪物や魔物たちが本当に潜んでいました、向こうから人間の育てた作物や道具、あるいは人間そのものを奪っていく輩がいました。

そんな現象に対処するのがメイジたちでした。

部族の呪(まじな)い師、陰陽師、神につかえる神父、肩書きはなんでもかまいません。
いずれにしろ人類文化の成熟以前、中世、暗黒時代まで、メイジたちは指導者や支配者でした。歴史的事件の影にメイジあり、あるいは有名人がメイジだったりします。
しかし、ある日、無秩序で、見方によっては万能・危険な魔法の世界へ「秩序」と「管理」をもたらすべきだと主張・行動する、一派があらわれました。

理想教団――テクノクラシーの前進です。

彼らはメイジの指導者や支配者が蛮行をふるったり、支配する世界からの脱却を希望します。
人類が「平等」である危険のない世界を目ざしたのです。
それは彼ら個人の信念でした。

理想教団で特筆すべきことは1つでしょう。
彼らは団結して個人の信念を統一することを知っていました。
一方、ほかのメイジたちは、そもそも魔法の使い方がメイジそれぞれにあるために団結を知りませんでした。まとまれなかったのです。

これに乗じて理想教団は世界に自分たちの魔法をひろめます。ただしくは魔法の理論と内容を体系化し、“眠りし者”が使える魔法の装置を流布します。

簡単に言うと、理想教団はこうしました。

「その装置を使えば、だれでも簡単に、“魔法”のようなことができるよ」

理想教団は“眠りし者”に冷気を発して食糧を保存できる箱を見せ、薪を炊かなくても部屋を温められる機械を見せました。
人々はそれをつうじて“魔法”を使えるようになりました。
いや、それがあれば“魔法”を使えることを信じ、装置の補助で無意識に自身が“魔法”を使っているのです。
冷蔵庫、クーラー、コンピューター、携帯電話。あなたの周囲には魔法の品々があふれています。スイッチ1つで“魔法”のごとき現象を呼び起す装置が。

しかし人々はその“魔法”を“魔法”とは呼びません、べつの呼び方で呼びます。

“科学”と――。

そう、理想教団は“科学”という“魔法”を、“魔法”でない“魔法”として世界に流布し、意識を植えつけ、それ以外の無秩序で危険な“魔法”を否定させたのです。
科学万能、科学礼賛、人々は“科学”という“魔法”を信じているのに、それ以外の“魔法”を、もう信じません。
否科学的だと。
やがて魔法を信じなくなった人々の意識は、本当に存在した神話や幻想の生き物、精霊、超常現象も信じなくなります。

「科学万能の時代にありえない」というように。

科学ですべてを規定できるように世界の意識は理想教団によって書き変えられました。
“科学”という“魔法”を信じる60億人の集合意識は、やがて世界の常識となり、世界の法則(ルール)となります。

魔法が信じられた世界はすでにありません。魔法が否定される世界はあっても――。
そんな世界で魔法を使うことは、ひどく困難で危険がともないます。

“科学”以外の魔法が「ありえない」――。

この世界のこの常識が、結果、それ以外の魔法を“科学”という“魔法”の範疇におさめようとします。
それが“矛盾”となってメイジたちに蓄積します。いわば“矛盾”とは魔法を否定する世界の意識であり、その世界の意識を形成する人々の意識です。

■“科学”の功罪とメイジたちの昇華戦争

こうして世界は“科学”という“魔法”を信じ、それ以外の“魔法”を否定するようになりました。
テクノクラシーと名を変え、理想教団は世界を管理するようになりました。
彼らは常識を破壊する可能性がある“目覚めし者”(メイジ)を抹殺し、魔法書を焼き、幻想物語がフィクションであると啓蒙活動を続けています。
また時期がくれば、あたらしい“科学”という魔法を大衆に広めます。バーチャルリアリティ、クローン技術、枚挙いとまがありません。

しかし、テクノクラシーも、現在、袋小路に入り込んでいます。
人々が「安定」を求める意識を彼らは読み違えてしまいました。

簡単で安全で快適、その生活を保障する“科学”という“魔法”――。
「いつか自分たちではないだれかが、あたらしい技術を開発してくれて、いずれ自分たちの生活は豊かになる」、あるいは、「“科学”で解決できない問題はなにもない」――。 
そんな意識を生み出すことになります。

人々は科学という「安定」のもと「変化」や「危険」を冒さなくなりました。
人類進化のために与えた“科学”という“魔法”が反対に進化を停滞させているのです。
人々は自身から“眠りし者”になる人生を選択し、高い理想や意識を抱かなくなりました。なぜならば与えられすぎた“科学”が生活や人生を保障してくれるからです。

その意識はテクノクラシーでさえ押しとどめることができません。

しかし彼らは“科学“を否定することもできません。
すれば大混乱と大量の犠牲者を出すでしょう。
そして彼ら自身が、もう、世界の常識である科学を否定できなくなっていたのです。
“魔法”による爆発的な変化が期待できない現在、彼らは、ゆっくりゆっくり“科学”の進歩を人々に送り込むことしかできなくなっています。

さらに驚愕すべきは、人類が“科学”という変化すら受け入れなくなったことです。
明日の食事や寝床、あたらしい消費物や嗜好品。目先のことを最優先する大衆は可能性を否定し、遠くを見なくなりました。食事のある気楽な生活。これだけでいいのです。

大衆はクソのように停滞した世界を求めました。劇的な変化を求めなくなりました。

クローン技術?  反対、反対、倫理観の問題があるからね。
科学は科学でもそんなことは起きっこないだろ?
タイムマシン?  過去や未来にいける?  ありえない!  ありえない!

「なんてたって“科学”が証明してるからね」

こうした意識はテクノクラシーが人々に送り込もうとする最新の科学技術の作動を邪魔し、機能不全を起こさせます。
レーザーカービン、パワードスーツ、エアカー、サイボーグ技術――。
すでに完成しているのです。しかし“科学”という“魔法”は人々の変化にたいする純粋な精神を喪失させました。ゆえにこれは実現可能な“魔法”になりません。
そう、“科学”という“魔法”でさえ、一部で“矛盾”を引き起すようになりました。

テクノクラシーは薄々気づいています。

大衆には意思決定する精神はいらないのではないか?
自分たちだけで世界の選択を決定すべきではないか?

テクノクラシーさえこうして混乱するなかで、メイジたちは魔法とともに生きなければなりません。

ではなぜ、科学万能の時代に、いまも人々は魔法に憧れ、キングスクロス駅の9と3/4ホームを訪れ、特殊能力をもつ少年・少女たちの話に胸をおどらせるのでしょう?
答えは簡単です。本当はだれもが魔法が使え、“化身”が目覚めのときをまっているからです。

希望はあります。

こうしてメイジたちの昇華戦争がはじまります。
1人のメイジの力は脆弱で、それには恐ろしいほど時間がかかるでしょう。しかしゆっくりとたしかに、メイジたちは人々の意識を変えていきます。
世界に魔法を信じさせ、ふたたび魔法のある世界を取り戻すこと、これがメイジたちの悲願かもしれません。そして停滞した人類進化の1つの方法かもしれません。

メイジしか解決できない事件があり、メイジしか救えない人々がいます。
ヴェールひきはがせば、世界は魔法がらみの陰謀で一杯で、あいかわらず向こう側の住人は人々に厄介や危険をもたらします。

あなたは彼らにちょっとした魔法をみせつけ、救い、こう言います。

「魔法を信じるかい?」

あらたなメイジたちよ、広大無辺の世界にようこそ。

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