『変珍斎日乗』（惨）。コミュの『【おおつごもり】−【140ねんまえ】をおもう』（2007年12月31日）。

■【2007年10大ニュース】　
大臣自殺、突然の首相辞任……政界・激動の1年


１年間、政治について『あ〜でもないこ〜でもない』と記して来た。最近強く認識することは

『過去の歴史』に付いて【どの時点から評価し直す】必要があるのか？ということなのである。


例えば。所謂『左右の論点』は、大概『昭和期』・特に【支那（個人的には「差別語」の類だが
これに拘りを持つ御仁がいるので敢えて使う）進出⇒日米戦争の１５年】に集中しているよう
に映る。けれど−その前史・つまり『日清日露戦』やそれ以前（【産業革命】）は不問なのか？


徳川十五代将軍・慶喜が「征夷大将軍の地位」を朝廷に返上したのは1867年11月9日の話。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%94%BF%E5%A5%89%E9%82%84

俗に言う『大政奉還』である。上記に概略示した通り、徳川家側は【朝廷に統治能力がない】
という前提でこの行動に踏み切った節がある−お分かりだろうか？これ現代風に解釈すれば
『内閣総理大臣が政権を投げ出し総辞職する』のと、認識的には【そう替わりがない】ことを！
即ち『ＫＹなボクちゃん首相が放り出した』のと同様な例が【既に１４０年前に起きてた】のだ！


徳川慶喜と『ボクちゃん首相』の違いは【政権奪取に虎視眈々とした勢力の有無】だけの話。

幸か不幸か。「朝廷を【錦の御旗】に掲げ」政権奪取を目論む敵が『徳川家』には存在した。
【薩摩と長州】−彼らと『一部下級公家』が手を組んだクーデターが、翌年１月３日に起こる。

【王政復古の大号令】…これに依り『朝敵とみなされた徳川家』の末路は周知の通りである。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%8B%E6%94%BF%E5%BE%A9%E5%8F%A4_%28%E6%97%A5%E6%9C%AC%29


この解釈。「世間一般に流布されている」ものと、若干『ニュアンスが違う』のにお気付きか？

そぉ。『明治維新』を【否定的な立場で】解釈しているのである（苦笑）！そこに至る根拠とは。
数多くの一般市民にとっては、この『権力闘争』は【国の帽子が変わっただけ】の話であり
【クーデター前後の市民生活に影響が出ることは（武士階級以外は）殆どなかった】からだ！
「版籍奉還」や「廃藩置県」、「身分制度の変化」や『徴兵制』。さらには【富国強兵政策】は、
『薩長政府の体制強化と中央集権的国家樹立の【手段】に過ぎぬもの』である。市民のため
の政策【ではない】！…と、記すと。「なら『五箇条の御誓文』は何のため？」って質問が来る
のは容易に想像出来る。意地の悪い見方すれば、これは『新政府の撒き餌』だ。何故ならば
同時に、『五榜の掲示』なる【旧政府の方針に準じた、市民に対する禁止令】が出てるのだ！

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%94%E6%A6%9C%E3%81%AE%E6%8E%B2%E7%A4%BA

注目すべきは、『五箇条の御誓文』が【旧支配層限定】で・『五榜の掲示』は【市中あまねく】

交付された点である。この例ひとつ取ってみても、【維新とは名ばかりの権力闘争】だったと
『明治クーデター』を認識することは。【取り立てて異常な見方とは思えない】のだが、如何？


『大日本帝国憲法下に於ける歴史認識』の解釈が分かれるのは、ある意味仕方ないことだが
『天皇親政の成立＝明治維新の正当性』に誰も【疑問を差し挟もうとしない】のは…おそらく
既にこれが『国の正史として定着してる』からなのだろう、が。今一度思い起こして欲しいのは
【国の正史＝権力闘争勝ち抜いた側に都合の良い歴史】に過ぎないという事実なのである！


大日本帝国憲法下で、「足利尊氏が大逆臣」として扱われたのは『南朝を正嫡とする天皇家
の歴史に都合が悪い人物であった』ことを。不思議なことに現在の歴史の授業は教えない。
さもなくば、あの時代「何故『楠木正成』があれだけ持て囃された」か理解不能なのに、だ。

これと似たり寄ったりの『現実』は、いまだに歴史の【そこいら中】に不発弾として残る…。
迂闊に踏むと大火傷をする、でも【きちんと認識しない】ことには前に進むことは出来ない。


『現代の政治の混迷』、その根拠を【歴史のどの部分から】見つめ直せばいいのだろうか？

自分も含め『半可通王子ｗ右往左往する』、mixi含めた【ネット社会】で来年も考え続けたい。