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ファンタジック・キングダムコミュの青い龍の伝説

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よっくもっくです。
神理小説「青い龍の伝説」のトピを立てさせて頂きました。
これから少しずつ連載していきたいと思いますので、気長に見て下さいまし。

コメント(35)

神のしもべとして

私は広き宇宙をまたにかける龍であった。
龍、といっても、一種のエネルギー体で、生物の体を持っているわけではなかったが、視覚化するイメージは青く光輝く龍のような姿であった。
私は神の補助者として存在していた。
私は神のしもべとして、神の手足として働くことに喜びを感じていた。
そして、そんな自分自身をほこりに思っていた。
自分が放つ青白い光線、その美しさに酔いしれていた。
私は私自身を深く愛していた。
宇宙を自在に、自由に駆け巡ることのできる力を持っていることに誇りを持っていた。

白き龍とともに

そして、私には常に寄り添うパートナーがいた。
私と同じ龍の姿をしたエネルギー体であった。
私が陽のエネルギーを司り、彼女は陰のエネルギーを司った。
私たちは二つで一つだった。
彼女は、視覚化すると白い龍のイメージであろうか。
美しく、凛としたその誇り高き瞳を、白く輝くその体を、私は愛した。
私たちは二人で寄り添い、たわむれながら、惑星間飛行を楽しんだ。
私たちのエネルギーを宇宙にふりまきながら、螺旋状にうずを作りながら、私たちは宇宙の海を泳ぎ回った。
私たちは一生懸命に、宇宙創造のお手伝いをした。
二つのエネルギー体が螺旋状に回転することにより、新たな物質を創造するその喜び。
さまざまな惑星の天地創造に関わり、自らの力を遺憾なく発揮した。


魔のささやき

ある時、私の頭の中にささやく声が聞こえてきた。
その声は私の力をたたえ、その力をもっと自由に使えば、今まで作った以上の素晴らしい創造をすることができると私にささやいた。
神より授かったその力を、なにものにもとらわれずに使うことを神様はお望みなのだと、その声はささやいた。自分の力を限定するな、解き放て、とその声は私に告げた。
そして私は誤りをおかした。
人が住む惑星で、その力を開放してしまった。
私が起こした竜巻に巻き込まれて、多くの人々が命を落とした。
茫然とする私に、理不尽に命を奪われた人々の悲しみと恨みの波動が伝わってきた。
こんな経験は初めてのことだった。
人々の恨みの波動を受けた私はこう思った。
「なんだ、ちっぽけでこざかしい人間どもめ。
肉体生命を失ったからなんだというのだ。
また生まれ変わればいいだけではないか!」

私は自分の失敗を認めたくなかった。
自分のプライドが傷つくのを恐れた。
こんな感情はそれまで抱いたことがなかった。
光で満たされていた私の心に闇がうがたれた。
そして私の中で何かが壊れた。

私の体はみるみる黒ずみ、エネルギー体であった体の波動が下がり、物質化していった。
私は初めて龍の肉体を持った。軽やかさのかけらもない、鈍重な肉体。
そんな私に声はささやいた。
「喜びなさい。あなたはついに三次元の肉体を手に入れたのだ。これからあなたはその肉体を使って物質世界に創造をなすのです。廃墟となったあの星の支配者となり、人々を指導しなさい。あなたがあの星を再建するのですよ。」

私はその星に君臨し、王となった。
生き残った人々は私の絶大な力を恐れ、敬い、ひれ伏した。
子供をいけにえとして捧げてくるものさえあった。
私は愛を知らず、捧げられたものたちをほっておいた。大抵のものたちは飢えてすぐ死ぬか、逃げていくかした。私は気にも止めなかった。

龍の子供たち

ある時、二人の子供たちがいけにえとして捧げられた。
私が例によってほっておいたが、彼らは私の住む沼で魚をとったりして、器用に生きながらえた。
なかなかたくましいではないかと私は感心した。
二人は私を畏怖しつつ、仲良く遊び暮らした。
私もいつしか情が移り、二人を背中に乗せて天を駆け巡ったり、地に雨を降らせたりした。
そのあともいけにえは続いたが、二人はいけにえとしてやってきた子供達の面倒をみた。
そして私の沼のほとりに捨てられた者達の住む集落ができていった。
私はそれを楽しんだ。
私の目から見ると、人間はまたたく間に成長していった。
そして最初に来た二人が子をなした。
人の生の誕生を間近に見た私は感動した。神の創造原理が人間に宿っていることを発見したからだ。
私は二人を祝福し、私の子供であると宣言し、名を与えた。
やがて二人は多くの子をなし、その集落の族長となった。
そしてその星の中で龍の神に認められたものとして、尊敬の対象となった。

龍の村

私はこの星の支配者であったが、人間の生活に干渉したわけではなかった。
ほったらかしにしていた。
だから人間たちも自由に暮らしていた。
人間同士のいさかいもあったようだが、気にも止めなかった。
人間はすぐに死ぬ。
人間の死というものに特別な意味などないと考えていた。
永遠の時を神より与えられた私に比べ、人間とはなんとひ弱で下等なのだろう。そう思っていた。

私の沼の集落はいつしか龍の村と呼ばれた。
世代もだんだん変わり、村の人口も百人を越えるようになった。
私はこの村の人々に特別な愛情を注いだ。

龍の娘

ある時、族長の家に美しい姫君が生まれた。
輝くばかりのエネルギーを持つ魂が宿っていることに私は気づいた。
この姫君が長じた時、私は族長にこの娘を私に捧げるように伝えた。
族長は大層驚き、嘆き悲しんだが、娘はきっぱりと言った。
「お父様、私は参ります。言い伝えによれば、私たちのご先祖様はわれらが龍の神にいけにえとして捧げられたものたちであったというではありませんか。私は神様のお側にお仕えいたします。たとえ、この身がどうなりましょうとも、村の皆様の幸せを心より願っております。」
そう言って、合掌すると、娘は目を閉じた。
娘はかごに入れられ、月夜の晩にやってきた。
沼のほとりに娘を置くと、人々は我先にと逃げ出した。
人々の薄情さに私は嫌気がしたが、それよりも早く娘に会いたかった。
この娘の光輝く魂の正体は何なのか。
なぜか、懐かしさを感じる、その波動の正体を自分の眼で確かめたかった。
私は風を起こし、かごを巻き上げた。
月明かりに照らされた娘の姿を見ようと、私は沼の底から飛び出した。
娘は目を閉じたままだったが、私が「目を開けよ!」と命じると、ゆっくりと目を開けた。
娘の目は、竜眼であった。
それは人の目ではない。龍族が持つ瞳であった。
龍族は三千世界を見渡す眼を持っている。
すると、この娘もそんな能力を持っているのか?
「人間の子から龍族が生まれるわけはないのだが…」
龍族は人間と龍との混血だ。
龍族が千年に一度、人間の姿になり、人と交わることがある。
その時に生まれるのが龍族である。
ただ、それは他の星で見た例であって、この星では少なくとも私が知る限り、そのようなことはなかったはずだ。
私がこの星を訪れる前に龍がいたというなら別だが。
私は娘をにらみつけると、裸になるように命じた。
素直に彼女は従った。
月明かりに照らされ、青白く輝く娘の姿を見て、私はその体から発する波動に驚いた。
ずいぶん昔にこの者とともに過ごしたことがあるような。
そんな気がした。
初めての抱擁


そして私はこの娘と一つになってみたいと欲した。
人間たちが子をなすように、私も人の姿となり、この娘を愛し、一つになろう。そう願った。

今まで人間になりたいと思ったこともなければ、自分が人間になれると思ったこともなかったが、私がそう願うと、不思議なことに私は人間の姿になった。

人間になった私を見て、彼女は「やっとお会いできました…」と目に大粒の涙をためて言った。

私はテレパシーで彼女に語りかけた。

「なぜ泣くのだ。我々は初対面ではないか?」
「いえ、初対面ではございませぬ。私はいつも夢の中であなた様のお姿を見ておりました。
私が幼少の頃より、あなた様は私のことを気に留めて下さいました。私はいつも、あなた様の気配を感じておりました。」
そう言ってにっこり笑った。

私は彼女の体をかき抱いた。
彼女は抗いもせず、私の体を受け入れた。
甘い蜜のような時が過ぎていった。
私は初めて持った人間の肉体をうまく扱えず、力任せに彼女を抱きしめた。
私が乱暴にするたびに、彼女は苦しそうな表情を浮かべた。
だが、何かを守ろうとするかのように、彼女は私の体をやさしく抱きしめた。

やがて夜が明け、朝の光が差し込む頃、私は彼女を解放し、沼の底へと戻った。
彼女は沼の水で体を洗い、そのまま眠りについた。
二度目の抱擁

私は次の夜になるまで眠っていた。
こんな満ち足りた眠りは初めてだった。
近くに彼女の気配を感じると、私は安心してぐっすり眠れるのだった。
そして、目が覚めると、また人間の姿になり、沼を飛び出した。
早く彼女に会いたかった。

沼のほとりには昔、人が住んでいた小屋があり、彼女はその中にいた。
どうも何も食べていないらしい。
「そうだな。お前達、人間の世界では、女を食わせるのは男のつとめだったな。」
彼女はにっこりとうなずいた。

私は沼で魚をとり、彼女に差し出した。
火を起こしてほしいと彼女が言うので、薪を集め、火を起こした。
彼女はその火で魚を焼き、どこからかとってきた山草をすりつぶし、焼いた魚にかけて私に差し出した。

「私はいらない。腹が減っているんだろう。お前が食べなさい。」
「私たち人間の世界では、男性がまず食事し、残ったものを女性や子供たちが食べるのです。だから私だけ食べるわけには参りません。」
「私は龍だ。私は何も食べなくても平気なのだよ。この魚はお前に食べさせるためにとったのだから、お前が食べなさい。」
そう言って彼女に食べるよう進めたが、彼女は困ったような顔をして、食べようとしない。

そうこうするうちに、彼女のお腹がグウッと鳴り、彼女は顔を真っ赤にした。
仕方なしに私が一口食べてみせると、彼女は安心したように、魚を食べ始めた。

彼女が食べ終わると、私は彼女を抱きしめ、昨日の続きをしようとした。
しかし、彼女はあらがった。

「なぜ嫌がるのだ?」
「その…、昨日のようなことは、まだ慣れておりませんもので…。体も痛みますし、こんな状態であなた様を受け入れたら、私は死んでしまうかも…。」

死ぬと言われて、私はあわてた。
確かに人間はすぐに死んでしまう。
ようやく出会ったパートナーに死なれてはたまらなかった。

「では、そなたの中に入らなければよいのだな?」
「はい。それならば…。」

私は彼女を抱きしめた。そして口づけをし、そこから龍の精気を送り込んだ。
慣れぬ龍の息吹に姫は少し咳き込んだが、龍の気を体内に取り入れ、元気が出てきたようだった。

やはりこの者は龍族の娘。
龍の気に耐えられるとは普通の人間ではない。

「お前の先祖に龍と交わったものはいなかったか?」
そう聞いてみると、
「さあ、そのようなお話は聞いたことがございませぬが…」
と心当たりがない様子。

私は姫がいとおしくてたまらなかった。
まぎれもない、この姫は千年の孤独に耐えた私に神が遣わされた大切な宝。
できるかぎり長く私の手元においておきたい。そう思った。
二人のとき1

それから幾日の夜を彼女とともに暮らしただろう。
私は夜になると人間の姿になり、彼女のもとを訪れ、朝日とともに深い沼の底へ帰っていった。

すべてを育む太陽の光も、私にとっては身を焦がす光線のように感じられた。
月明かりはそんな傷ついた私の体さえ、やさしく照らしてくれる。
私は夜が好きだった。夜が私の世界だった。
だから人間たちには昼をくれてやった。
そして人間たちが寝静まる夜が私の活動の舞台だった。

しかし彼女に出会ってから、私は人間の姿で彼女と過ごすことが多くなった。
彼女は当然昼間は起きていて、夜は寝る。
しかも一度寝ると起きない。
気持ちよさそうにスヤスヤ寝ている。
そんな寝顔を見ていると、起こすのがかわいそうになって、朝まで起きていたり、添い寝してみたり。

私は基本的に眠くならないので、夜通し起きていても全然平気だ。
でも、昼間はいけない。
昼の日差しは私には毒だ。
だから、最初のうちは、私は朝が来ると沼底にそそくさと帰っていった。
そしてアンテナを張り、彼女の様子を眺めるのが日課だった。
訪れる者もいない龍の巣で、どんなに彼女は心細いだろう。
私は彼女が私を呼ぶのを待っていた。

昼間、外に出る時は、私は雲を呼び、雨を降らせる。
日の光をさえぎるために。
彼女の呼びかけが聞こえてきたら、たちどころに雨を降らせて、彼女のもとに馳せ参じよう。
しかし、いくら待っても、彼女の呼びかけの声は聞こえない。
そうこうするうちに夜になり、私が彼女に会いに行くと、彼女はもう寝ている。

「まるで眠り姫だ」

そう言えば、彼女は食事はどうしているのだろうか。
どうも物を食べた跡が見られない。

私はだんだん心配になって、彼女の起きるのを待って、問いただしてやろうと考えた。

よし、明日は一日雨にしてやろう。
そう決めた。
二人のとき2

私は朝まで待つと、雲を呼び、雨を降らせた。
よし、これで日の光をさえぎることができる。
そして彼女の目覚めを待った。

しばらくして彼女は目を覚ました。
私は安堵した。

彼女は私がいることに気づくと、恥ずかしそうに
「おはようございます。」
と言った。

人間の挨拶に慣れていない私は、それには答えず、
「食事はしているのか?」
とたずねた。

「それが最近、少しもお腹がすかないのです。自分でも不思議なのですが。でもこの通り元気ですよ!」

彼女は飛び起きて、飛びはねて見せた。
「そうか。なら、いい。」

もしかしたら龍の気を彼女に与えたために、あまり食べなくてもよくなったのかもしれぬ。

私はとってきた魚を彼女に渡し、お腹がすいたら食べるように言った。

彼女はにっこり微笑んだ。
そして外をながめて、
「今日は雨ですのね」と言った。

「雨はきらいかね?」
私がたずねると、
「いいえ。雨は天の恵みですから、大好きです。」
と言った。

「でも、お日様に会えるから、晴れはもっと好きですね。」
「そうだろうな。君にはお日様がよく似合う。私は苦手だが。」

まあ、と言って、彼女は私の顔をのぞきこみ、
「それでそんなに顔色がお悪いんですのね。でも、今日は雨だから、ずっと一緒におれますね。」
と、うれしそうに言った。

私は彼女と一緒に沼の回りを散歩した。
私たちのまわりだけ雨は避けて通り、私たちはほとんど濡れなかった。

不思議そうにしながら、でも楽しそうに彼女は私の後ろを歩いた。
並んで歩くように言ったが、
「でも男性と歩くときは一歩下がって歩きなさい、と教わりましたから」
と言う。
おかしな風習があるものだと私は思った。

散歩を終えた頃、突然、薄日が差した。
私はびっくりして沼の中に飛び込んだ。

しばらくして水の外に顔を出すと、彼女のまわりだけ薄日が差している。
彼女は笑って言った。
「あら、私、晴れ女ですのよ。」

二人のとき3

彼女と出会ってからというもの、私は昼型の生活を余儀なくされるようになった。

彼女は日の出とともに起き、日の入りとともに寝てしまうので、私もそれに従わざるを得ない。

最初はずっと雨を降らせていたが、ある日、彼女が困ったように、
「最近、雨ばかり降って、農作物がうまく育たず、村人たちが困っているようです。」
と言った。

「なんだ、お前はお前を生け贄に差し出した村人たちをうらんでいないのか。」と私が言うと、

「なぜ恨まなければならないのですか。
おかげで私はあなた様に出会い、満ち足りた生活を送っております。感謝はしても、恨むだなんて考えたこともございません。」
と、きっぱりと言った。
このようによどみなく言い切る時の彼女は、神々しさすら感じられた。
私はそんな彼女を深く愛した。

私の愛の表現はひどく肉体的なものだったが、彼女は大抵は私を受け入れてくれた。

そして私もそんな彼女の願いならば、できる限りのことをしてやろうと思っていた。

私は雨を降らせることをやめ、晴れの時間と曇りの時間を作った。
そして晴れの時は小屋の中でひっそりとおとなしくし、曇りの時は彼女と外に出て過ごした。

たまに龍の姿になって、彼女を背に乗せ、この国の空を飛んでやった。
彼女は最初は怖がったが、だんだん慣れてくると、空の散歩を楽しむようになった。
そして、あっちに行ってみたい、こっちに行ってみたいと、私にせがむようになった。

私は遠い昔、私が育てた龍の子らを思い出した。

私が人を乗せて空を飛ぶなど、あの時以来のことだった。
星空の記憶

ある時、彼女は珍しく日が沈んでも眠らなかった。
夜になり、満天の星が輝き始めるまで、私たちは二人並んで星空をながめていた。

私は星空を見ていると、なんだか懐かしい気持ちがこみあげてきた。

彼女も涙を流しながら星空を見ている。
私は彼女とともに空を飛びたいと、そう思った。
彼女も同じ思いだった。

私は龍に変身すると、彼女を頭の上に乗せて、星空へと飛び立った。

満天の星空。
それはまるで宇宙の中を飛んでいるかのようだった。

私は懐かしさのあまり叫びたくなった。
行けるところまで高く飛びたい。
そんな思いが初めて芽生えた。

でも、彼女を乗せている間は、それはできない。
私は頭上に彼女の息吹を感じながら、ゆっくりと空を飛んだ。

ふと気づくと、彼女は歌を歌っていた。


星降る夜空を
愛する人と二人
飛ぶ喜び

いつだろう
こんな夜を
ともに過ごした

それは
遠い遠い昔

私が生まれる前の
ずっとずっと前の
星空の記憶


そうだ!
私も覚えている!
私の忘れ去った遠い記憶の彼方からよみがえる一条の光。

私は遠い遠い昔、この者とこうして星空を飛んだ。
具体的には思い出せないが、その時に感じていた気持ち、彼女への思いは今と同じ思いだった気がする。

ふと、人間の魂は、驚くほどの長い旅路を経て、今、ここにいるのかもしれないと、そう思った。

魂の起源

魂の起源。
そんなことを考えるようになったのは、その夜からのことだった。

むろん、彼女にそんなことを聞いても知りはしない。
ただ、
「このような夜を、あなた様と一緒に過ごしたことがあるような気がいたします。
ただ、それが生まれる前の遠い記憶なのかどうかは、わかりませんけど。」
そう言って、首をかしげるのだった。

私は沼の底でじっとしている間、そのことばかり考え続けた。

いつからか、私の過去の記憶は途切れていて、そこから前にさかのぼることはできない。

私はそれがもどかしかった。

この星に来る前の記憶が閉ざされていて、その扉を開けることができないもどかしさ。
扉の前で立ち往生している自分がいた。

この扉を開くことができれば、私は天高く、舞い上がることができるだろう。

この星を飛び出し、宇宙の彼方へ旅立つことすら可能。
そんな気がした。

だが、地上には彼女がいて、彼女とともに生きたい自分がいた。

私はときどき錯覚におちいることがあった。
すべては沼の底で眠る私の夢で、目が覚めれば、彼女のいる地上の村も何もなく、ただ沼の底に私がいるだけ。
そのような絶対孤独に耐えかねて、私が作り出した幻想。
それが彼女ではないか。

だが、永遠の生を生きる私にとっては、地上のことは、まさに夢のようなものだった。
人はすぐに死ぬ。
それは彼女でも例外ではないだろう。

私は少しでも彼女が長生きできるよう、彼女に龍の精気を与え続けた。

そのせいか、彼女はあまり物を食べなくても生きていけるようになった。
だが、それとて、永遠に生かすことはかなわないだろう。
それならば、今、彼女と過ごせる一瞬一瞬を大切に過ごすしかない。

彼女と死に別れてしまったら、再び会える確証はどこにもないのだから。
彼女の正体

私はまた、こうも考えた。
地上にいる時の私は沼の底にいる私の分身。
地上にいるのは一時だけで、用事がすめば、沼底に帰って来る。
沼底にいる私が本体、地上にいる人間の私が分身。

すると、彼女が眠る時、彼女の魂は彼女の本体へと帰っているのではないか。
分身には本体のことはわからないが、本体は分身のことはお見通し。

私は彼女の本体なるものに会いたくなった。

そうだ。やはり龍と人間ではつりあわない。
龍は龍同士、人間は人間同士が一番だ。
きっと彼女の本体は私と同じ龍であるにちがいない。
彼女が龍眼を持っているのは、彼女が龍族だからではなく、彼女の魂が龍そのものであることを示す証しに他ならない。

龍の魂が人間に転生するなんて。

私は自分が立てた仮説にうなるしかなかった。

私が自分の仮説を彼女に話すと、彼女は
「まあ」
と驚いて見せた。
そして、
「あなたは面白いことを考えつくのね。
でも本当にそうなら、どんなにいいかしら。」
と笑った。

わざわい

ある日、私は遠くに争いの音を聞いた。
耳なれぬ大砲の音が聞こえてきた。

この星の人間は大砲など持っていないはず。

それほど科学文明が発展している星ではないはずだ。

私が千里眼で見通すと、龍の国(龍の村が発展して国と呼ばれるようになった)の国境に、他の部族が侵入しようとしていた。
その部族が使っている武器が大砲だった。

私は人間同士の小競り合いに興味はない。
ただ、この部族に誰が大砲を与えたのか気になった。

この星は、私の星だ。
この星の平和を脅かす者は、放ってはおけぬ。
大砲は、この星の平和を乱す悪しき存在に思われた。

私は大砲をつぶす前に、大砲のできた秘密を探ることにした。
わざわい(続き)

私が沼から現れると、彼女は何事か思い詰めた表情で私を待っていた。
そして、
「お許し頂きたいことがあります。」
と言った。

「あの戦(いくさ)のことか?」
と聞くと、こっくりとうなずいた。
そして、
「今日、村から知らせが来まして、国境に他の部族が攻めてきたと。見たこともない武器を持っていて、太刀打ちできない。早く安全なところへ避難するように、と。」
私は彼女の言いたいことに察しがついた。きっと両親や村人が心配なので、帰りたいと言うのであろう。
「村へ帰ることは、ならんぞ。」
私はそう彼女に告げた。
彼女は一瞬、びっくりしたような顔をしたが、すぐに凛とした表情で三つ指をつき、私に頭を下げて、
「お願いでございます! 村へ帰ることをお許し下さいませ。育ててくれた両親のそばに行き、お守りしとうございます。」
と言った。
「ならん、ならん! そんなここより危険な場所に行って、お前の身に何かあったらどうする! 人間はすぐに死ぬんだぞ。大砲とやらの弾に当たって、お前が死んだら、どうする! 絶対にならんぞ!」

彼女はそれでも決心を変えない様子で、
「申し訳ございません。あの村に生まれた以上、私はあの村の人々を見捨てることなどできません。
ここならば、あなた様の守護もあり、敵の攻撃もしのげましょう。私は村人たちをこの沼まで先導するつもりでございます。」

決意を秘めた彼女はとても美しく、またその決意の固さが伺えた。
私は何を言っても彼女の決心を変えさせることはできないと悟り、
「わかった。そこまで言うのなら、止めはせぬ。だが、あなたが村へ向かう間に、私は敵の大砲とやらをすべて壊しておくよ。そうすれば敵もしばらくは撤退し、村は安全になるだろう。」

彼女はうれしそうな顔をして、
「ありがとうございます!」
と、深々と頭を下げた。
わざわい(続き)

私は龍の姿に戻ると、空高く舞い上がり、国境(くにざかい)付近まで飛んだ。
あちこちで鉄の車が大きな音を立て、あちこちで大きな爆発音がしていた。

大砲の猛威により、防衛線は崩れ、龍の国の勇ましき戦士たちは撤退を余儀なくされていた。

ざっと見ただけでも数十門の大砲があるのが見てとれた。

私は空から衝撃波を放ち、大砲を吹き飛ばした。
大砲を吹き飛ばされた他国の兵達は泡を食って逃げ始めた。
たちまち形勢は逆転し、龍の国の戦士たちは勇ましく追撃を始めた。
そして放置された大砲を見つけると、こなごなに打ち砕いた。

彼らは敗走した敵をさんざんに打ち負かし、意気揚々と凱旋した。

私は大砲の秘密を探るため、敗残兵のあとをつけた。

龍の姿だとなにかと目立つので、人間の姿になり、あとをつけたのだった。

敵の正体

敗残兵たちは、とある集落へと帰っていった。
集落の真ん中に大きな広場があり、祭壇が祭られていた。

神官らしき人物が敗残兵達にどなりちらしている。

「お前たちは天より与えられた武器を持つ、神の親兵ぞ!
それがなんだ、そのざまは! 貴様らに預けた神の力はどうしたのだ!」
「それが、突然突風が吹き荒れて、どこか遠くに飛ばされてしまいました。」
「馬鹿者! あんな重いものが風で飛ぶわけがなかろう! 本当にもうこの不始末、神様にどうやって詫びたらよいのだ?」

そう言って、頭を抱えながら、神官は祭壇の地下へ下っていった。

どうやら、そこに神様とやらがいるらしい。

私は人気がなくなるのを見計らって、祭壇の地下へと潜入した。
敵の正体(続き)

祭壇の地下には長い階段が続いていた。
下まで降りると、広大な地下広場になっていた。
見慣れない乗り物が一つあった。
その乗り物には入り口がなく、どうやって乗るのか見当もつかなかったが、なんとなく、これは空を飛ぶんじゃなかろうかと思えた。

空どころか、宇宙を飛ぶ乗り物だとは、その時は気づかなかった。

あたりを見回すと、大砲らしきものが2、3並んでいた。
形状の異なる武器もあった。
私は気分が悪くなった。

私の星に、こんな物騒な物を持ち込んだのは、どこのどいつだ!

私が気合いを発すると、衝撃波が広場全体に伝わり、武器をなぎ倒した。
しかし、謎の乗り物は、びくともしなかった。
私がその乗り物をにらんでいると、乗り物からさっきの神官が吐き出されるように地面に投げ出された。

そして乗り物はブーンと振動したかと思うと、忽然と姿を消した。

あとには、あっけにとられた神官が残されているだけだった。

神官は私に恐れをなし、ぶるぶる震えている。
私は神官を殺そうかと思ったが、本当の敵が逃げてしまったので、早くあとを追わなければと思った。
だが、このままにしておけば、この神官は、また戦(いくさ)を企てるにちがいない。

私は神官にずいっと近寄り、その顔をにらみつけると、
「おいっ! 無力なる人間よ、この顔をよく覚えておけ。
今度、私の前に姿を現したら、その時は、その首が飛んでいると思え!」
そう言い残すと、あとを振り返らずにその場を立ち去った。

そして地上に戻ると、龍の姿となり、大空へと飛翔した。

龍王の帰還

私は空からあの謎の乗り物を探したが、ついにその姿を見つけることはできなかった。

この星の者にそこまでの科学力はないことを考えると、あの乗り物は宇宙から来たものと推測された。

私がふだん姿を現さないのをいいことに、この星を支配しようとたくらんでいるやつらがいる。

この星の主は私だ。
私に無断でこの星に立ち入ることは許さない。
まして、武器を持ち込むなど、もってのほかである。

あやつらは、また再び、わが星にやって来るだろう。
その時は容赦なく、たたき潰してくれよう。

私はそう決意すると、彼女の村へと向かった。
きっと村は戦勝気分でわきかえっていることだろう。
早く彼女の顔が見たい。

私は村のそばまで来ると、人間の姿になり、村へと入って行った。

村の中央広場には村長(むらおさ)を中心に、人々が集まり、勝利を祝っていた。
みなが口々に
「龍神様がわれらを守ってくれた!」
「龍神様があの大砲を吹き飛ばして下さったんだ!」
「われらには龍神様がついてるんだ!」
「龍神様、万歳!」
と、私を讃えていた。

私はそ知らぬ顔をして、人々の間をすり抜け、村長の近くでニコニコ微笑んでいる彼女の前に行き、
「やあ。」
と声をかけた。

彼女は目を耀かせながら、
「ありがとうございます!」
と言って、私の胸に飛び込んできた。
私もぎゅっと彼女を抱きしめた。

かたわらでポカンとしていた長老が彼女に
「この方は?」
と尋ねるので、彼女は
「龍神様です。ふだんは龍のお姿をされていますが、私の前では人間の姿をして下さいますの。」
と私を紹介した。

「ひえっ、あなたが龍神様っ!?」
村長は、驚いて後ずさりしたが、まわりの人々は、むしろ歓声を上げて、
「龍神様だ!」
「龍神様が私たちの前に姿を現して下された!」
「ああ、ありがたや、ありがたや。」
「この方こそ、我らの王! 龍王様だ!」
「龍王様、万歳!ばんざーい!」
…。

という具合に、あれよあれよという間に、私は龍王に祭り上げられてしまった。

私は彼女に
「おい、こいつら勝手に私のことを龍王だなどと呼んでおるが、私はそんなものになるつもりはないぞ。」
「あなたにそのつもりがなくても、まわりがああ言っているのだから、お受けなさいませ。」
「龍王と呼ぶのは勝手だが、私は何もせんぞ。」
「実際の政(まつりごと)は村のものたちがやりますので、心配はいりませぬ。」
「それならいいが…。それに、私が王なら、そなたは妃(きさき)、女王ということになるぞ。」
「まあ、それは大変ですわね。」
と、ちっとも大変そうじゃない顔をして、彼女は言った。

こうして、私たちは龍の国の王と女王になった。
*閑話休題*

さて、新年になり、風邪はひくわ、仕事は忙しいわで、連載再開もままなりませぬ。
構想としては、いきなり5百年後に飛んで、龍王と王妃の別れを書きたいと思っています。そこで第一部完。

第二部は宇宙を舞台にしたスターウォーズものになる予定です。書けるのか?自分。

青き龍は永遠の生命を持ち、さまざまな姿に転生していきますが、最終的には人間として、地球で生きるようになります。
その間に数十億年もの長い歴史があります。
何しろ、永遠の生命ですから(笑)。

でも、本当は私達自身も、そうなんですよ?
知っていましたか?
私達が自分だと思っているのは、壮大なる自分という魂の、ごく一部に過ぎません。
私達の魂はもっともっと大きいのです。
永遠の生命を持つエネルギーなのです。
いろんな転生を経験して、今を迎えています。

ですから、遠い過去に、人間以外の何かであったとしても、何の不思議もないのです。
妖精だった人もいる。
ユニコーンだった人もいる。
イルカだった人もいる。
何でもありなのです。
魂の真実というものはファンタジーそのものです。

でも、今世は人間。
それを踏まえつつ、太古の自分の魂の歴史に思いを馳せる。
それが、この小説のテーマです。

また、ぼちぼち再開しますんで、よろしければお付き合い下さいませ。
第二部 天駆ける龍

幸せの終焉


あれから、どれほどの時が流れたのだろう。
私が龍王となったあの日からずいぶん長い歳月が流れた。

この星に墜ちてより2千年、彼女と出会ってから5百年の歳月が流れた。
そして今、彼女との時は終わろうとしている。

この日がいつか来るのはわかっていた。
今まで何度となく、そういう瞬間があり、彼女は健気にもそれに持ちこたえた。
それは彼女が愛する人民のためでもあり、また私のためでもあった。

彼女は、彼女を失った後の私を想像できないと言った。

「こんなにも私を愛してくれるあなたが、私を失ったら、あなたはどうなってしまうのか、私には想像できません。」

そう彼女は言った。
幸せの終焉(続き)

彼女は人間の限界を越えて長命を保っていた。
もともと私が彼女に龍の気を与え続けていたため、彼女は年をとらず、いつまでも若々しかった。
食事もごくわずかの穀類、野菜などを食べればそれで充分なようだった。
そして朝は早く起き、夜は早く眠りについた。
彼女に付き合って私も朝型になり、おかげで太陽の光にも次第に体が馴染んでいった。
そして朝は彼女の目覚めとともに起き、人の姿となり、王としての仕事をした。
そして夜は眠る彼女の傍らに添い寝し、彼女の安らかな寝顔を見ながら夜更けまで過ごした。

そうした平和な日常を繰り返し、どれだけの時がたっただろう。
変化が徐々に現れたのは彼女の知っている者達が病で次々となくなっていってからだった。

人間はすぐに死ぬ。
彼らの生とはなんとはかないものだろうか。
彼女も自分の親や友人達がいなくなり、その子供の代になり、その子らが年老いて死んでいくようになると、だんだん人前に姿を見せなくなった。
周囲の彼女を見る目が違ってきたということもあるだろう。
さすがに孫の代になると、誰もが彼女を神格化して見るようになり、彼女はそれをさびしく思うようだった。

「もっとみんなと対等に話がしたいのに、みんな私を避けてしまうのよ。さびしいわね。」
そう言う彼女の顔は本当にさびしそうだった。

「お前には私がいるではないか」
そう言って抱きしめると、彼女も強く私を抱きしめた。
しかしそれでも彼女のさびしさは晴れないようだった。

私達には子供ができなかった。
どんなに愛し合っていても、子供というのは天から授かるものであるらしかった。
私が龍で彼女が人間だからだろう。
そう単純に理解していた。

自分の子供がいない彼女は、そのせいか人民の子供たちをことのほか慈しんだ。
赤ちゃんが生まれたと聞くと、いてもたってもいられないようで、出かけていっては赤ちゃんを抱き上げ、その頬に祝福のキスをした。
名付け親になることもしばしばだった。
王宮に自分の赤ちゃんに祝福をもらおうと、母親達が長蛇の列を作ることもしばしばだった。
ついには政務が停滞するからと時間を決めて予約制にする始末だった。
それでも彼女はとてもうれしそうだった。

しかし、人民が彼女を神格化し始めるようになると、おそれ多いと王宮に人が詰めかけることもなくなった。

彼女自身が出かけようものなら、村中大騒ぎになり、大袈裟な宴を催す始末だった。
そんな気を使わせてはかえって迷惑になると、彼女の方から出かけることもなくなった。

政務に関しても彼女が口をはさむと、誰もが彼女の言う通りにしようとした。
それがかえって混乱をまねくので、彼女は口をつむぐようになり、やがて臣下のものに政務を任せ、報告だけ聞くようになった。

いつの間にか彼女の人生は孤独感で彩られるようになった。
たとえ私がいるとしても、人間として生まれたがゆえの弱さというものが彼女の中にあった。

そんなことから彼女は少しずつ元気をなくしていった。
人間達からは孤立し、かと言って龍になることもできず、体には何の問題もなく、死ぬこともできない。

「やはり死というのは、人間にとっては祝福でございますね。年老いたら、その体を脱ぎ捨て、魂となり、次の生を得る。それが人間としての自然の営みなのでしょう。その輪廻の輪からはみ出した人間はさみしゅうございますわね。」

そう言って彼女ははかなく笑った。
永遠の魂

私は彼女に問うた。
「人間は死してむくろになる。魂として次の生を得るとは、いかなることか?」
「人間は死後、魂として甦ると聞いたことがあります。
人間の中には死者の魂と話ができる者がおります。
それどころか、人間ではない、見えない存在からの言葉をつむぐ者もいるのです。
そういう特殊な能力のある人間を巫女と言います。
私は以前、巫女と言われる女性に聞いたことがあります。
私とあなたが遠い昔に出会ったことがあると。
その時も夫婦だったのですかと聞いたら、いや、もっと親密な関係だったよと言って笑われました。」

彼女の言葉に私は少なからず驚いた。

「それで、お前はその巫女とやらの言葉を信じるのか?」

「さあ、どうでしょうね。でも、あなたとは生まれる前から出会っていたという感覚は、私の中にもあるのです。
前世の記憶というものがもしあるのなら、思い出してみたいものですわね。だって、最近、退屈なんですもの。」

彼女はそう言って、にっこりと笑うのだった。

すぐに死ぬ存在である人間が、もし永遠の生命を持ち、何度でも生まれ変わるのだとしたら…。

人間はちっぽけな存在などではなく、偉大な存在なのではないか?
そう、永遠の生に縛りつけられている自分などよりも。

そう考えると、なんだかいたたまれない気持ちになるのだった。
永遠の魂(続き)

人間が肉体だけの存在ではなく、魂という目に見えない部分を内包しており、肉体が死んでも魂は生き続ける、そのようなことを私は考えたことも、想像すらしたこともなかった。

人間などはかない、とるに足らない存在だと思っていた。

しかし、非力でちっぽけな存在である人間の内に、永遠の生命が宿っているとしたら…。

それは神のごときものではないのか?

「不老長寿を求める人間がおるであろう。ああいった者共は、人間の魂が永遠であるとは思っていまい。
そう思っていれば、不老長寿など必要ないと気づくだろう。
人間の魂が永遠だなどという教えがもし本当ならば、人間としての生き方も変わってこよう。
なぜ、そのような素晴らしい教えが世の中に広まっていないのだ?」

彼女は即座に言った。
「それは誰も証明することができないからです。
人間は、ある教えに触れた時、その証明を求めます。証拠のない教えは信じようとしません。
ある意味、疑い深い存在なのです。

証拠のない教えを信じることを、人間は信仰と呼んでいます。
一部の人間は、そうした信仰を持っていますが、少数派です。多くの人間は少数派の意見には耳を傾けないものです。」

「では、王の命令として、その教えを信じよと布告してはどうだね。」

「そのようなことをしても、その教えを信じ、教える者達がいなければ定着しません。
すぐに忘れ去られてしまうでしょう。
それに私達自身が半信半疑ではありませんか。
心から共感できる教えでなければ、人々は受け入れられないものですよ。」

「うむ、それもそうだ。」

彼女は半信半疑であると言ったが、その教えに関心があることは明らかだった。
人を使って調べさせたり、自分で考えにふけったりしていた。
孤独にとらわれた彼女には、その教えは大いなる救いに思えるらしかった。

私は、それが彼女の心を慰めてくれるものならば、何でもよいと思っていたので、肯定も否定もしなかった。
わからない、というのが正直なところだった。
永遠の魂(続き)


そうこうするうちに月日は過ぎ、ある時、彼女が風邪をこじらせて寝込んでしまった。

私はどうなることかと肝を冷やしたが、どうにか回復してくれた。

それまでの彼女は元気そのもので、風邪もひかないタイプだったので、このことは、彼女の生命力が弱り始めていることを私に教えてくれた。

この時、私の頭に浮かんだのは、

人間の魂は永遠の生命を持ち、転生輪廻しながら魂を磨く

という、あの教えであった。

私は彼女をいつか失うという恐怖にとらわれていた。

もし人間が死ねばそれまでの存在だとしたら、死ねばもう二度と彼女に会えないのだ。
人間同士なら、それもいいだろう。
自分もいずれ死ぬのだから。

しかし、私のように永遠に生きながらえる肉体を持った者は?
彼女なき後の孤独な世界をまた何千年、何万年と生きなければならないのだ。

死にたくても死ねない体。
これは一種の呪いですらあった。

だから、私にとって人間よ、永遠の魂であってくれ、というのは、痛切な願いであった。

そうであれば、例え彼女が死んでも、いずれまた生まれ変わり、出会えるかもしれない。

それを信じることができれば、彼女なき後の世界を生きていける。


私はそういう思いであることを彼女に告げた。
そして、その教えを信じると。

彼女は目に涙をためて、私の手をそっと握り、うれしそうにうなすいた。

彼女の中でもその教えは今や確信となっているようだった。
永遠の魂(続き)


私と彼女は壇上に立った。
多くの民衆が私たちの目の前にいた。
今までの私たちは静かな為政者だった。
このように民衆を集めて演説をすることなど、皆無だった。

それにしても、この国にこれほどの人がいたとは。

あとで聞いた話では、私たちが演説をするという話を聞いて、遠国からも人々が訪れていたようだった。

私は口を開いた。

「わが龍の国に住まう全国民よ。私は龍王である。
私は龍の化身として、この国を治めている。
この姿は仮の姿、私の本体は龍である。
龍である私は死を知らぬ。
遠い昔から生き続け、この国を見守ってきた。
龍には永遠の生命がある。」

私はここで言葉を切った。
誰もが息を飲んで、次の言葉を待っている。

「すべての人間たちよ。お前たちの生命ははかない。今日生まれたものがいるかと思えば、死んでゆくものたちもいる。
私の目から見れば、お前たちはすぐに死んでしまう存在なのだ。
だが、それを嘆き悲しむことはない。
死とは偉大なる恩兆であり、神の情けだ。
今からわが妻の語ることを聞けば、それがわかるだろう。」

私は言葉を切り、彼女へとつないだ。

彼女は静かに語り始めた。


彼女の話

彼女は静かに語り始めた。
「みなさん…、私は今日は為政者としてではなく、みなさんの友として、この壇上におります。
ですから、私の言葉を是非、友の言葉としてお聞き下さいませ。

太古の昔より、この星は存在していました。
そう、みなさんが立っているこの大地、みなさんが見上げるこの空、そしてみなさんが住むこの国ばかりでなく、この世に存在するすべての国々、すべての人々、すべての存在がこの星を形作っています。

私たちはこの星において家族であり、ともに生きている仲間です。

そしてこの星は私たちが知らない大昔から存在し、その時代、その時代に住まう存在たちを育んできたのです。

私たちはこの星の大きな愛に育まれて、今まで育ってきました。
誰一人の例外もなく、愛されて、生かされてきたのです。

そのような中にあって、私は一つの悟りを得ました。
それは、ある方との出会いから始まりました。」

どこかで鳥の鳴く声が聞こえ、しーんと静まりかえった広場にこだました。

彼女の声は静かで、かつ澄み切っていて、広場のすみずみまで届いているようだった。

「この国には、何人か、巫女と言われる方がおわします。
巫女は神の言葉を語るものとして、みなに尊敬され、崇拝されています。
私もそんな巫女の一人と出会い、魂を揺り動かされました。

その巫女は私に言いました。

「あなたはずいぶんと長い、魂の記憶を持っておられるようだね。こんな人、今まで見たことないよ。
あなたがこの世に生まれたのは最近だが、その前はずいぶんと長い生を生きていたようだ。
普通の人ならいくつかの過去生が後ろに見えるんだが、あなたは前世が神々しく光輝いておる。
そしてあなたの前世のその果てが私には見えん。
はてさて、このような方が、なにゆえ、この世に生まれられたのか…。
あなたは本来なら、あちらの世界で神として多くの魂たちに光を与える役割の方なのではありませんか?」

「いえいえ、私はそのようなものかどうかわかりません。
何しろ、生まれる前のことなんて、覚えていませんもの。」

「まあ、この世に生まれるときに、それまでの記憶をいったん、あの世においてくるのが、しきたりだからの。」

「ただ、私は最近こう思いますの。私がこの世に生まれたのは、たった一人の方をお救いするためではないかって。」

「それは、あなたのとなりにいなさる、立派なお方かえ?」

「まあ、巫女様、見えるのですか?」

「うむ、見えぬものを見る、この目にはな。姿がぼんやりと見えるだけじゃが、そなたへの愛のエネルギーが伝わってくるぞえ。」

「ああ、間違いないです。それこそ、私の愛するお方ですわ。」


「ただ、その方は、相当傷ついておるようじゃ。自分の心を固くガードしておる。」

「そのガードを溶かして差し上げるのが私の今生の使命と心得ております。」

「よほど深い魂の縁(えにし)を持っておられるのじゃろう。もったいないことじゃ。」
天からの メッセージ
ビジョン 〓

感じる ままに
あなたらしく‥ 受け取り くださいな 〓 〓
青い龍ですね…。
あまりの美しさに言葉を失いました。
ありがとうございます!
彼女の話(続き)

彼女の話は、私への深い愛で彩られていた。
私が初めて聞くこともたくさんあった。

それは、本当のことのようでもあり、また、物語のようでもあった。

だが、不思議と違和感は感じなかった。

そうだろうな、という思い。

私も彼女が生まれてくることを長い間、待ち続けていた。

そして、今、彼女がここに、私のかたわらにおり、私への愛を語っている。

それで充分だった。

彼女の話を夫婦で聞いているものは、いつしか互いの手を握りあった。

彼女の話を恋人同士で聞いているものは、互いの顔を見つめあった。

彼女の話を一人で聞いているものの目は、彼女に注がれ、彼女の話を一言も聞きもらすまいとしていた。

あるものは目を閉じ、彼女の話を音楽のように聞いていた。

あるものは自分の頭の中で彼女の話をビジュアル化していた。

それぞれが思い思いに彼女の話を聞き、受け入れ、楽しんだ。


それは、一つのイベントだった。

彼女の優しい波動が会場全体を包み込み、聴衆一人一人がその波動に共鳴し始めていた。

彼女の話は愛の歌のように、聴衆の耳に届いた。

彼女の暖かい波動は会場全体をすっぽり愛で包み込んだ。

その中で、皆の思いが一つに溶け合う瞬間が何度もあった。

宇宙からの愛のウェーブが空から、大地から、降り注ぎ、わき上がり、会場全体を明るく照らした。

目をつぶっていたものは光の爆発を、乱舞を見たことだろう。

私には、会場にいったん集まった愛のエネルギーが、この星全体に広がり、この星を包み込み、その傷を癒しているように感じられた。

愛のエネルギーワーク。

彼女の語る話以上に、彼女にはそのようなエネルギーの流れを作り出す能力がある。

私は今まで秘められていた彼女の能力に、ただ驚くしかなかった。
彼女の話(続き)

「…そういうわけで、私は自分の中に魂というものがあることを知りました。

この魂というのは、本当の私たち自身です。
今、生きている私という存在は、この世限りの存在かもしれません。
でも、死んでしまったとしても、今の肉体を失ったとしても、魂は永遠なのです。
この世に別れを告げたあと、私たちは本来の自分である魂に帰ります。

そして今の私の人生経験をその記憶に加えて、新たな旅に出るのです。

それを、誰一人の例外もなく、行っているということ。

それを知ったとき、私は救われた思いがしました。

なぜかというと、私は、私の愛する人をおいて、いつか旅立ってしまう。

今まで私も、人より長く生きさせて頂きましたけど、自分の親しい方との別離の悲しみは、送る側からしてみれば、大変つらいものです。
それが、いつか私が送られる側になった時、残していく愛する人のことを思うと、つらくてたまりませんでした。」

そう言って、彼女は私の方を見つめた。
私は平静を装ったが、常日頃からの私の悩みはまさにそれだったので、彼女に気づかれていたのかと、内心動揺していた。

「…でも、魂が永遠であるということに気づくことができれば、別離の悲しみはほんのひとときのことだと思うことができます。
そして、また、あちらの世界でお会いしましょうと、安らかな気持ちでお別れを言うことができます。
このことに気づいてから、私は親しい方との別れを耐えられるようになりました。

これは永遠の別れではないということがわかれば、いずれ来る再会の時を楽しみにすることができます。

今日は、皆さんにそのことを伝えたくて、お話させて頂きました。
どうもありがとうございました。」
彼女の話(続き)

彼女の話が終わると、散会となった。

彼女と私は壇上より消え、代わりに音楽隊が静かな音楽をかなで始めた。

私は彼女といるのがなんだか恥ずかしくなり、龍の姿に戻って、沼の底へと帰った。

彼女の話は普段から言葉にはしなくても、なんとなく感じていたことだった。

しかし、彼女の口から言葉として聞くと、なんとも言えない気がするのだった。

彼女と私の間には、いつか訪れる死、というものが横たわっている。
それはまぎれもない事実だった。

彼女のいう通り、いきとし生けるものがみな永遠の魂を持っているとするなら、確かに死は一時のことかもしれない。

だが、彼女を千年待ったように、次の千年も待たねばならないとしたら?

それほどの長い時を、待つことができるだろうか?

正直、自信はなかった。
千年の時を越えて

千年前、私はこの惑星にやってきた。
どこから来たのかは覚えていない。
ただ、宇宙からこの星に引き寄せられ、落ちてきた。そんな記憶がある。
それから千年、私はずっと孤独だった。
そう、彼女に会うまでは。

彼女に出会ってから百年あまりの間、私は幸せだった。
誰かとともに生きる喜びを、私は初めて知った。
この上なく充実した毎日だった。

だが、幸せだった日々は永遠には続かない。
彼女の体もだんだん衰えを隠せなくなってきた。
それは私の龍の気をもってしても、止めることはできなかった。

そして彼女は言った。
愛しい人に別れを告げる覚悟はできていると。

彼女は肉体を脱ぎ捨てて、生まれる前にいた、もとなる世界へ帰ろうとしている。
そして、天空から私をずっと見守り続けるという。

そうしたら、私はどうなる?
目には見えない彼女の臨在を感じ取って、生きていかねばならないのか?

そう考えると気が狂いそうだった。
いっそ、自分が先に死ねたら、どんなにかいいだろう!
もし、自分がかつて、不死の体を願い、与えられたのだとしたら、なんと愚かなことを願ったのだろう!

世の中には、死を恐れ、不老不死を望む人々がいるというが、それがいかに愚かなことであるか、私は教えてやりたいと思った。

永遠の生を魂が持つというのなら、私は魂でいたいと、痛切に思った。
私にとっては、龍の体など、魂の牢獄のようなものであった。
死という名の刈り入れびと

そして、恐れていた時が訪れた。
ゆるやかに老いていった彼女の体は、ある日突然、機能しなくなった。
そう、眠るように、ある朝、彼女は逝った。

最近の彼女は、しきりに「一日一生なのよ」と言っていた。
朝、起きるということは、この世に生を受けるのと同じこと。
夜、眠りにつくということは、あの世に旅立つこと(死)と同じこと。

「だから一日一日がとても大切な、かけかえのないものなの。今のこの一瞬に集中して生き切ること。明日を心配して、今をおろそかにしてはいけないわ。
今、この瞬間をどう生きるか、未来はそれによってしか決まらないのよ。」

そう彼女は言っていた。
会う人すべてに、そう語りかけていた。
それを聞いている私にも、いや、私にこそ、聞かせたかった言葉だったかもしれない。

人間はすぐに死ぬ。
それは人間の死というものを数多く見届けてきた私の持つ諦観だった。
そのようにして、自分が愛する者たちとの別れをやり過ごしてきたのだ。
そうやって自分の心が悲しみで張り裂けないようにガードしていたのだ。

我が沼に捨てられた幼な子たち。彼らを私は育て上げ、龍の子らであると宣言した。
龍の村の始祖となった彼らを私は深く愛していた。
彼らが死んだとき、彼らは数多くの子孫を残し、私にお礼を言って、去っていった。
あの時の別れの悲しみを、私は「人間はどうせ早く死ぬのだから」と、あきらめたふりをして、やり過ごした。
そうやって自分の心をごまかしていた。

今は、はっきりとわかる。私は彼らをとても深く愛していた!
私のほおを涙がつたうのを、私はぬぐうこともできずにいた。
龍王の涙など、今まで誰も見たことはなかったろう。
それほど長い間、私の涙は枯れていた。
その涙を彼女は呼び戻してくれた。

私の記憶が走馬灯のようによみがえり、今までこの星で、ともに暮らした人間たちの顔が現れては消えていった。
その顔一つ一つを私は覚えていた。そして愛しんでいた。
私は彼らを愛していた!
そんな単純なことに、今、気づいたのだった。

彼女の死は、私が今まで封印してきた想いの扉を開け放った。

彼女の生は、実はそのためにあった。
自分で自分を魂の牢獄へと封印している私の、その封印を、自らの死をもって解除すること。
それが最後の瞬間に、彼女がかけていった魔法だった。

彼女の死をトリガーにして、私は愛を思い出した。
愛とは彼女に対する思い、そのものではあるけれども、それにとどまらない、すべての生きとし生けるものを愛しいと思う心、その大きな大きな、広い心、それを愛というのである。

今まで冷ややかに、この星の住人を見つめてきた、冷めた自分の心の内側に、自分では意識していなかった愛の思いが隠されていた。
今まで気づいていないだけだった、自分の中に宿る愛の思い。

それは本来の自分自身との出会いでもあった。

「これが私自身だったのか!」

私は彼女の亡骸を抱え、天に向かって吼えた。
天翔

私は龍になり、彼女の亡骸を抱えたまま、空へとかけあがっていった。
私は吼えながら、空を昇った。
地上の多くの者たちがそれを聞き、空を見上げた。
龍が空へとかけあがっていくのを多くの人々が目撃した。

「わあ、きれい」

一人の子供が言った。
黒い一筋の龍がそらに昇るにつれ、青く輝き始めたのだ。

龍の表皮を覆っていた黒く厚い皮が崩れ始めていた。
そして黒い皮の下から青く輝く龍の体が現れ始めたのだ。

黒い龍は青い龍へと変身していった。

それは遠い昔に宇宙を自由に駆け回っていた頃の姿だった。

神に創造された喜びを全身で現していた頃の青い龍の姿。

その姿は、この惑星の、多くの多くの人々の心に焼きついたのだった。

そして、やがてその青い龍の物語が伝説として、親から子へ、子から孫へと伝えられていったのだった。

天翔2

私はただ無心に天に向かって昇っていった。
成層圏に突入すると、手に握っていた彼女の亡骸は雲散霧消した。
私は気にも留めなかった。
それはもはや、ただの抜け殻だと知っていたから。
わたしは彼女の亡骸を空葬にしたのだった。

私はなおも飛び続け、やがては成層圏を突破した。
この星に来て以来、初めて宇宙空間に出ていったのだった。

宇宙から見たこの星は、青く輝く、とても美しい星だった。

私は宇宙空間に出ても、死ななかった。
私の体は青く光り輝いていた。

今までの黒い体は、魂の牢獄のように感じられたが、今の体は精妙で、とても同じ肉体とは思えなかった。

体が精妙になると、感覚も精妙になるようだった。

私は宇宙に満ちている音に気づいた。

すべての惑星は、回りながら、歌を歌っていた。

それは、宇宙に存在することへの、感謝の、喜びの歌だった。

宇宙は愛で満ちている。

そう私は感じた。



喜び。



ふいに私は、喜びに満たされた。

私自身が喜びの歌を歌いたくなった。

私は身体中からわき上がる喜びに咆哮しながら、宇宙空間を乱れ飛んだ。

私が彗星のように、一心不乱に飛んでいると、私に寄り添うように、赤紫がかった白い光が飛んでいるのに気づいた。

近くによると、それは白い龍だった。
ロンド

白い龍は、私に寄り添うように、宇宙(そら)を飛んだ。
彼女もまた、私同様、エネルギー体だった。

私たちは互いに螺旋を描きながら、宇宙を飛び続けた。
すると、螺旋の渦から小さな彗星が生まれ、飛び去っていった。

私たちは二人で一つだった。

私たちはエネルギーの奔流となって、喜びにうちふるえながら、宇宙を駆け巡った。

宇宙を舞台にダンスしているようだった。


私たちはテレパシーで会話した。

私が
「ありがとう。君が来てくれたおかげで、私は本当の自分を取り戻すことができた。礼を言うよ」
と言うと、

「あなたを迎えに行くのは、私にとっては当たり前のことでした。あの星での修行は、もうおしまい。あなたは本来のあなたに戻って、次のステージに進むときが来ていたのよ」
と笑って言った。

そうだ。
宇宙に戻って、私はすべてを思い出した。
私の魂は、あの星での休息を必要としていたのだ。
実は、私は自ら望んで、あの星へ落ちていったのだ。

「これから、どうしようか?」
と私は彼女に聞いた。

彼女は笑って、
「今はまだ、次のミッションに向かう時ではないわ。しばらくは私とこのまま宇宙を旅しましょう。そして、神様が作られた、この美しい宇宙を隅々まで堪能したら、私はあなたをとびっきりの美しい星へ案内するわね。その頃には、あなたには、もう次の使命がわかっているはずよ。だって、自分の進む道を決めるのは、いつも自分自身だもの。」

私は大きくうなづいた。

そして、私は彼女と螺旋を描きながら、宇宙の旅を楽しむのだった。
次なる使命を心に描きながら。


青い龍の伝説 完

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