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オプトメトリストの卵コミュの?−6)瞳孔反応

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瞳孔とは虹彩の中央にある孔であり、虹彩の中にある副交感神経支配である瞳孔括約筋と交感神経支配である瞳孔散大筋とで、その大きさが調節される。
瞳孔はカメラの絞りに相当し、光の量を加減する働きがある為、明るい所に出ると縮瞳が起こり、眼の焦点深度は深くなり球面収差は減少する。
ちなみに、正常瞳孔径は、2〜6mmである。

瞳孔反射の種類と反射路)
1・対光反射light reflex
一定量以上の光が眼内に入ると縮瞳の起こる反射である。
求心路は、錐体・杆体→視神経交叉→視蓋前域→Edinger-Westphal核
遠心路は、毛様体神経節→短毛様体神経→瞳孔括約筋
となる。
したがって、外側膝状体より中枢の障害では、対光反射は残る。
ちなみに、視神経交叉によって一方の眼に光を入れた場合、その眼に縮瞳が起こる直接対光反射と同時に他眼も縮瞳する間接対光反射が起こる。
light reflexの潜伏時間0.2秒後、light reflexによる縮瞳が開始し、約1.0秒後に縮瞳は最大となり、その後若干散瞳する。
2・近見反応near reflex
近くのものを見る時、調節・輻輳と同時に両眼に縮瞳の起こる反射である。
調節性瞳孔反射の求心路は、網膜→大脳後頭葉視中枢→Edinger-Westphal核
遠心路は、毛様体神経節→短毛様体神経→瞳孔括約筋
輻輳性瞳孔反射の求心路は、内直筋の筋知覚→三叉神経中脳核→Edinger-Westphal核
遠心路は、毛様体神経節→短毛様体神経→瞳孔括約筋
両者とも遠心路は、対光反射と同じ経路をとる。
したがって、視蓋前域の障害では対光反射は消失するが、近見反応は正常である。これを、反射性瞳孔強直(Argyll-Robertson pupil)という。
3・閉瞼反射lid closure reaction
眼瞼を強く閉じると顔面神経支配である眼輪筋の収縮によって、閉瞼した眼のみに縮瞳と眼球の上転が見られる。
これは、顔面神経核と動眼神経核の間になんらかの連絡がある為と考えられている。
4・三叉神経反射trigeminal reflex
角膜・結膜等の三叉神経支配領域に持続的刺激があると、瞳孔は縮瞳する。
5・精神性反応psychic reflex
驚きや不安等のストレスを感じるような精神的興奮の際に、交感神経優位状態になって起こる散瞳をいう。
交感神経の遠心路は、視床下部から毛様脊髄中枢に至る第1ニューロン。これから上頸神経節に至る第2ニューロン。さらにここでニューロンを変え、新しい神経線維となり瞳孔散大筋に達する。
又、視床下部はEdinger-Westphal核に抑制的に働く。
精神性散瞳は、交感神経刺激と副交感神経抑制による。

瞳孔検査法)
対光反射検査は通常、暗室で視線を遮らないように、例えば外方から眼内へ光を入れ縮瞳する様子を観察する。
一側の視神経あるいは網膜に障害があれば、正常眼を刺激した光を患眼に移すと患眼瞳孔は縮瞳ではなく散瞳する。次に刺激光を素早く正常眼に戻すと両眼に縮瞳が起こる。
この検査は交互対光反射試験(swinging flashlight test)といい、極軽度の視神経障害や広範な網膜障害の時に陽性と出る事がある。
(Marcus Gunn pupil sign+又は相対性求心性瞳孔障害relative afferent pupillary defect-RAPD+という。)
近見反応検査は、瞳孔が見える程度の明るさの所で検者の指を眼前に近づけて縮瞳する様子を観察する。

瞳孔の異常)
1・アディ症候群・瞳孔緊張症(Adie syndrome/tonic pupil)
障害部位は毛様体神経節あるいは節後線維である短毛様体神経と考えられている。
一般に、患眼は健眼より瞳孔が散大しており、対光反射は欠如するかあっても軽微である。又、近見反応は十分起こるがその反応は緩徐であるのが特徴である。(縮瞳の程度は正常と同じかそれ以上になる事もある。)
若い女性の片眼に見られる事が多い。
腱反射も消失し脊髄癆に似ているが梅毒とは関係がない。
正常瞳孔では反応しない濃度である、2.5%メコリール又は塩酸ピロカルピンで強い縮瞳が起こる。
2・ホルネル症候群(Horner syndrome)
上胸部腫瘍あるいは外傷による神経根引き抜き損傷等が原因となり、脊髄神経のC8〜TH12までの交感神経遠心路に障害がでた眼症状である。
一般に、患眼は瞳孔散大筋麻痺による中等度縮瞳・眼瞼板筋(Muller筋)麻痺による軽度眼瞼下垂・瞼裂狭小による見かけ上の眼球陥入がある。
瞳孔不同は、暗室でより顕著となる。
ホルネル症候群は、障害部位によって薬物の作用が異なり、障害部位の診断に使われる。
節後線維の障害の場合、濃度アドレナリン点眼で散瞳する。
節前線維の障害の場合、1%ハイドロキシアンフェタミン点眼で散瞳する。
中枢性障害の場合、コカイン点眼で散瞳する。
3・アーガイルロバートソン瞳孔(Argyll-Robertson pupil)
障害部位は、脊髄癆による視蓋前域と考えられている。
一般に、両眼の瞳孔は不正形で縮瞳しており、対光反射は欠如しているが近見反応は正常である。
縮瞳を伴っていないものは偽アーガイルロバートソン瞳孔として別物とされている。
4・マーカスガン瞳孔(Marcus Gunn pupil)
swinging flashlight testで陽性と出る。
Marcus Gunn phenomenonは、先天性で一側性の眼瞼下垂が特徴であり、下顎運動に伴って挙上する現象である。
5・Fixed Dilated pupil
Adie syndromeと類似している。
一般に、患眼は健眼より瞳孔が散大しており、対光反射は欠如するかあっても軽微である。又、近見反応は十分起こるがその反応は緩徐であるのが特徴である。
このように、Fixed Dilated pupilとAdie syndromeは類似している為、室内照明を明るくして鑑別する必要がある。
部屋を明るくすると瞳孔不同がより顕著となるのがFixed Dilated pupil。
部屋を明るくしても瞳孔不同に変化がないのがAdie syndrome。
である。
6・瞳孔不同(anisocoria)
左右の瞳孔の大きさが異なるもので、脊髄癆・進行麻痺等の全身疾患に見られるが、眼外傷後(主に散瞳)・緑内障発作(散瞳)・虹彩炎(縮瞳)・アディ症候群(散瞳)等の場合にも見られる。
散瞳薬や縮瞳薬の片眼点眼や遠視性不同視によっても瞳孔不同は生じるので、問診には注意を要する。
7・散瞳(mydriasis)
瞳孔括約筋の麻痺:散瞳し、対光反射・近見反応は消失し、調節麻痺を合併する。
瞳孔散大筋の痙攣:中等度に散瞳し、対光反射・近見反応は存在する。
8・縮瞳(miosis)
瞳孔括約筋の痙攣:極度に縮瞳し、対光反射・近見反応は消失し、調節麻痺を合併する。
瞳孔散大筋の麻痺:中等度に縮瞳し、対光反射・近見反応は存在する。(ホルネル症候群。)
※瞳孔の状態はしばしば中枢神経系の異常によるので、その診断に役立つ。

散瞳薬・縮瞳薬)
1・散瞳薬
副交感神経麻痺薬:散瞳と共に毛様体筋に働き、調節麻痺が起こる。
0.5〜2%硫酸アトロピン・1%塩酸サイクロペントレート・0.5%トロピカマイド
交感神経刺激薬:調節麻痺作用は軽微である。又、散瞳作用も比較的弱い。
5%塩酸フェニレフリン・アドレナリン
2・縮瞳薬
副交感神経刺激薬
アセチルコリン類似物質・0.5〜4%塩酸ピロカルピン・アセチルコリン
2.5%メコリール・抗コリンエステラーゼ薬
交感神経麻痺薬:臨床的には使用されていない。

※アドレナリンは交感神経優位の時に分泌されるホルモンで散瞳を起こす。
※アセチルコリンは神経伝達物質で縮瞳を起こす。
※コリンエステラーゼは神経伝達物質を抑制するもので散瞳を起こす。




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