会計事務所　意見交流会コミュの第4回交流会報告　「働きたい事務所と、働きたくない事務所」

去る9月18日、新宿にて第4回会計人意見交流会を開催しました

交流会では、第2回よりテーマを一つ決定し、意見交換を行なっています。
今回テーマとして取り上げたのが、「働きたい事務所、働きたくない事務所」です。

会計事務所は、転職の多い業界だとよく言われています。
転職の理由は独立、結婚、帰郷など様々ありますが、「所長と考え方が合わない」「残業が多く、仕事が増えても、待遇は変わらない」「雰囲気が悪い」など、事務所個別の事情による転職も、非常によく聞きます。

私自身、金融業会から会計業界に転職し、仕事を通して、または他の会計人との交流から「会計業界って独特だなあ」「事務所ごとに本当に違うんだなあ」と感じることが多かったです。

交流会でそれぞれ異なる事務所で働く会計人の意見を共有し、「良い会計事務所とは何だろう？」について考えるきっかけとなればと思っています。

今回お忙しい中レジュメを作成してくださった皆様、メモをとってまとめて下さったしあさん、本当にありがとうございました。

〜第4回交流会ご報告〜

＜ぜーりしみならい＞
（働きたい事務所）
?代表
・ヴィジョンがはっきりしている
・計画性がある
・挑戦と保守のバランスがある
・勉強熱心である
・有限実行
・謙虚
・従業員を信頼している
・従業員に興味がある
・責任を取る
・客に信頼されている
?組織
・協調性がある
・活気がある
・人を育てようとしている
・コミュニケーションをする機会がある
?待遇
・生活設計が立てられる
・評価されている実感が持てる
?業務
・苦楽しい
?サービス
・顧客の声を聞いている
・常に内容を改善している
（働きたくない事務所）
?代表
・方向性がわからない
・行き当たりばったり
・保守的
・勉強していない
・自分では一切やらない
・傲慢
・従業員を疑っている
・従業員に興味が無い
・責任を押し付ける
・客から嫌われている
?組織
・個人プレーである
・覇気が無い
・自分のことで精一杯である
・コミュニケーションを取らない
?待遇
・生活設計が立てられない
・評価されている実感が無い
?業務
・辛い
?サービス
・顧客の声を聞く機会を持たない
・同じサービスを繰り返している
（発表のメモ）
・今まで会計事務所は「何でも屋」のように幅広い業務を丸受けで行なっていたところがあるが、今後どういうサービスを展開していけば良いのかがまだ見えていないところがあり、各事務所が模索している。
・「謙虚」はこれからのキーワードとなる
　・問題意識が高い人間は、謙虚である
　・今の自分が完成で無いという、向上心がある
・バブル期までは顧客の売上・利益が毎年増加していたため、報酬も右肩上がりであったが、現在はジリ貧となっている
・待遇については、評価されている実感があることが重要
・苦楽しいとは、自分の意思で楽しく仕事をしているため、忙しくなったり、過程が苦しくても、結果的に楽しい状態を表現したもの。
・危機意識が高く、従業員を歯車の一つではなく、個性のある人間として見てくれる事務所が良い

＜M.Yさん＞
（働きたい）
・理念が明確
・所長が夢を語る
・職員を大切にする
（働きたくない）
・理念がない
・雰囲気が暗い
・ただの「税金屋」さん
（参考となる事務所）
?横浜総合事務所　泉　敬介先生
　・ワタミイズムを継承
　・若手経営者の育成に熱心
　・経営計画を中心とした経営支援に定評がある
?榎本会計事務所　榎本　恵一先生
　・非常に従業員を大切にしている
　・「経営コーチ」制度を推進している
　・「日本で一番大切にしたい会社」でおなじみの坂本光司氏の本で紹介される
（発表のメモ）
・理念があるかどうかは、大変重要
・モチベーションがあがるのが、「主役は事務所の職員だ」という考え方
・古田土先生も参考としたい
・泉先生の言葉
　・「経営って何でしょう」に答えられる人は少ない
　・将来あるべき姿を基に今を考えること
　・100年先、200年先を目指して経営
　・節税だけの客はいらないというスタンス

＜きせきさん＞
（働きたい）
・お客様の役に立てているという実感がある
・経営計画など将来に向けての業務が出来る
・自分の考えでお客様に提案できる
・新しいことに挑戦できる
・ただの従業員としてだけでなく、一人の専門家として働ける
・経営者の感覚を養える
・自己の成長を感じられる
・スタッフ間で意見を出し合える
・内部でのチェック体制が整っている
（働きたくない）
・顧問先を増やす気がない
・ルールがなさすぎる
・事務所として一貫性に欠ける
・担当者任せでノーチェックの関与先が多い。
・参考図書があまりない、または古い
・設備が古い
（発表のメモ）
・業務3年の経験から言うと、経営者感覚をもち、経営者と未来の話が出来るのは楽しい
・自分の成長を感じられるのは、モチベーションがあがる
・事務所を拡大する気がないと、顧問先は減少していくばかりである

＜しあさん＞
（働きたい）
・学ぶ場があること
・責任と所在が見合っていること
・評価と報酬がはっきりしていること

その他、参加者の皆様から、活発なご意見を頂くことが出来ました



きっと、個人個人によって、「働きたい事務所」の定義は異なると思います。

大切な視点は、今の事務所の不満を並べるのではなく、「では、どうすれば働きたい事務所に出来るのか」ということだと思います。そこから本当の価値が生まれてくると思います。これからも交流会では、このテーマを掘り下げていきます。

最後に、皆様からご意見、ご感想を一言でも書いていただけるととっても嬉しいです

共感したこと、さらに「こんな事務所は働きたい」「こんな事務所は働きたくない」を教えてください☆皆様が発してくださった異見全てが、今の会計業界の現実であり、実感であり、「価値の源泉」となります