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顕微鏡でディスカッションコミュの肺腺癌(低分化)塵肺症の職業歴あり

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男性、74歳

異常陰影に対してCTガイド下細胞診検査が行われました。

皆さんはどう考えますか?細胞の大きさは背景の好中球を見て推測してください。

コメント(14)

クロマチンは増量しており、配列の乱れ、重積もみられ、乳腺でいうICL様の細胞もみられ、腺癌のように思いましたが、どうでしょうか
私はこの標本をみた時、まず細胞が大きく異型がきわめて強いので、
癌と判定するのは簡単でした。じゃあ、組織型は?って事ですが

当然、低分化腺癌か低分化扁平上皮癌?それともLargeで逃げるか?と考えました。

低分化扁平上皮癌であれば、核周囲にわずかなハローなどがみられたり、
Interceller junctionなどが見られれば、そう考える事は可能ですが
その所見はない。じゃあ腺癌かといえば腺腔らしきものもなくて
腺癌とはっきり、いえる情報もない。

結局、上司と相談しましたがレース状の細胞質や核小体、重積性などの所見から
低分化腺癌と判断しましたが、これらの所見は癌の分化が低くなればでてくる
所見であり、???正直疑問でした。

 自分も診断医もSmallじゃないからまちがえても問題なし、ということで
臨床には低分化腺癌と報告しました。

そのあと、再度鏡検してたら2枚目、3枚目のような乳腺でいうICLのような所見
がわずかですがあり、腺癌だと思いなおしました。

もし、この所見がなければはたして組織型の判定はつくのか?

どう思いますか?
しゅうさんへ

低分化癌が上皮の性格もわるくなるので結合性の低下も当然見られます。
その組織が細胞的というより構造的に腺の性格を有してるか、扁平の性格を
有してるかで診断はきまります。組織をみればわかるのですが、細胞診像から
組織像をいかにイメージできるかがポイントですが難しいです。
ちなみに結合性がほとんどみられない場合はLARGE CELL CARCINOMAに分類される事が多いようです。
結合性があるので、腺系か扁平系だと思いました。
集塊が、丸く、腺腔のようにみえたので、腺癌の方を考えました。扁平上皮癌だったら、もう少し角ばった集塊ででてくるように思いました。
肺穿刺だと扁平上皮癌も腺癌もクロマチンが新鮮なので、細かいクロマチンで出現することが多いと思いますが、とても微細なクロマチンなので、腺癌だと思いました。核形も扁平上皮癌だともう少し円形ではなく、楕円形で出現するように思いました。
むっちゃんさんへ
確かにそのとうりだと思います。改めて勉強になりました。

自分はこの手の鑑別は治療方針がかわらないのでLARGEで逃げてしまいがちです。
LARGEはゴミ箱といわれてよくわからない、組織型をこれにいれる歴史があるのですが本症例は改めてみると、腺癌と判断していいように思えました。
 ありがとうございます。

では肺穿刺細胞診の結果がPOSITIVE、低分化腺癌と診断されたので外科的切除されました。

組織像をUPします。3枚目はPAS染色です。

さあ、どう読みますか?とりあえず3枚、たりなかったら追加します。
組織は細胞診の印象に比べ、低分化の腺癌にみえますね。一部角化している細胞があり、PAS染色は一部しか染まってないですが、分化の低い腺癌だから、少し組織では扁平系に見えるところもあると私の中では解釈しましたがどうですか。
施設によっては、PAS染色はあまりしても意味がないし体腔液はPAS染色しないといわれる施設もありますが、どう思われますか。免疫染色が発達してきたからでしょうか。私の施設では、細胞診は免疫染色しないので、PAS染色を頼りにすることが多いですが。どういうタイプの腺癌がPAS染色が陽性になりやすくて、どういうタイプの腺癌が染まりにくいかご存知でしたら教えて下さい。私の施設でも、パパニコロ染色では腺癌と思うけど、PAS染色がはっきり染まらなかったり、そういう腺癌なのか、染め方に問題があるのかどっちだろうと思うこともあります。
むっちゃんさんへ

組織の質問に関しては後でUPする総括を参照してください。

PASに関しての自分の考えとしては、まずPASは特殊染色であるという事です。
当たり前の話ですが特殊染色は免疫染色も含めて、あくまでも確認のため行う
ものです。一般染色(Pap,HE,ギムザ)でこう思うから確認のため行うモノであり
特殊染色がないと診断できないでは鏡検能力は落ちると思います。
自分のやりかたは体腔液はまずギムザを見て必要と思ったモノだけPAS染色をします。やはりPASは簡単に染色できますし試薬をもってない施設はないからですね。

図々しい講釈をたれましたが、体腔液に関しては組織球と鑑別が困難なSIGNET
と、どうしても中皮と鑑別困難な腺癌では中皮の顆粒状のPAS陽性所見が役に立ちますね。SIGNET以外の腺癌に関しては染まったら運がいい程度にしか思ってません。よく聞く話ですが肺の腺癌は特にPASに染まらないらしいです。

 話は、ずれますが体腔液の細胞診は大きな落とし穴で反応性中皮を腺癌にとって現場を混乱させているケースが多いようです。
 反応性中皮はACTIVEになるときわめて異型性が強くどうみても腺癌としか思えないような細胞像を見せると聞きます。乳頭状構造もとりますが腺腔構造だけは
とらないらしいです。で、現場は基礎疾患不明の体腔液貯留をだしたら?がかえってきて、???となって全身検索、しかしどこにもない。なんて事で検査室に
本当に癌あるの?なんて聞かれます。当然CTもとってるから向こうはないんじゃないかと思ってる。実はそのとうりで細胞診のOVER DIAGNOSISなんて事がよく聞かれます。話は長くなりましたが体腔液のトピがたったときもう少しつっこみます。
しゅうさんへ
左は間質への浸潤というより、がん細胞の存在が間質(結合組織)の増成を
助長していると思います。確かに間質の浸潤なのですが正常組織の間質はこんなに太くないですよね。乳腺なんかでもよく、見られる所見です。この部分だけを
言えば硬度があるので広義のスキルスです。
 中央は充実性というより乳頭状でしょうね。集塊辺縁に丸みを帯びてて
間質との間に空間が存在しますよね。
 PAS染色に関しては細胞診3枚目に示した乳腺でいうICLに相当する部分だと
思います。肺がんで見たのは私も始めてですが、乳腺のICLは粘液なのでPASは陽性です。

中皮腫は胸水では鑑別が困難な場合が多いのですが、胸膜に発生するものなので
この場合、画像診断で肺に病変がある時点で中皮腫は鑑別からはずしますね。

みなさん、活発な意見ありがとうございます。
それでは経過を振り返ります。
この患者はその職業歴を原因とする、塵肺症の既往があり、塵肺を原因とする結節陰影を両肺に指摘されてましたが、右肺上葉の結節が経時とともに増大してる事から悪性腫瘍の可能性が疑われ、喀痰細胞診が10回にわたり行われましたが、結果が全て陰性でした。
胸水の貯留を認め、癌性胸膜炎を疑い細胞診が一度施行されましたが陰性でした(好酸球が増加していました)PET検査を行ったところ陽性所見が出ました。そしてCTガイド下に肺ABCを行って腺癌と診断されたため、後日右肺上葉切除術を行いまいした。

切り出された右肺所見についてですが硬度があり、腫瘍の中心は炭粉沈着のため黒色でした。(今回切除材料のマクロ写真は用意できませんでした)
組織像ですが腫瘍の中心は結合組織から構成される瘢痕組織でした。(写真1)これが腫瘍の影響なのかもともと塵肺に起因するのかははっきりしません。この瘢痕組織にも少数ですが腫瘍細胞を認めました。(写真2)
腫瘍の辺縁は2種類の組織像から構成されてあり、結合組織のなかに入り乱れるように
管腔構造が不明瞭で異型性の強い細胞から構成される低分化な部分(写真3)と乳頭状構造を示す異型腺管(写真4)から構成されてました。
 同時提出されたリンパ節に転移の所見は認めませんでしたが、腫瘍内で著しい血管、リンパ管浸潤所見を認めました。(写真5)
 
それでは病理医診断ですが 
Well to poorly differentiated adonocarcinoma,papillary type 65x30x30mm p0 pm0 br(-)pa(-)pv(-)
追加)硅肺結節を多数認めました(写真6)

この症例に関して画像は全てです。

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