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NGOスタッフコミュのキャンペーン成功の条件

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ということを主眼としたあるワークショップが、このたび某所で開催された。

ワークショップは、よくある「5W1H」で問題解決型のもの、すなわち
ある解決課題を任意に設定し、グループでその目的や手段や方法を論じ合う
というもの。

海外の若手の論客もなかなか鋭い意見を述べていたが、彼らが日常やっている
ことは「気づき」「自己啓発」「アピール」の域を出ていないものであった。

こうしたワークショップでいつも出てくる意見は
「誰もが簡単に取り組めること」「面白いこと」「持続できること」といった類の意見である。
そういう類の意見を聞くと、なんと我々は平和で豊かな社会に暮らしているの
だろう、と呆れることが多い。
しかし環境問題にしても貧困問題にしても、まさに現場では緊急を要する死活
問題である。さらにそれらの規模や被害はあまりにも甚大で、何の権力も持たない
一個人が「できることから」なんて考えてやって実る類のレベルではない。
(だから以前から「ハチドリ」「もったいない」の類のキャンペーンは
 ただの「偽善」だと訴えてきたわけだが)

キャンペーンをやるにあたっては5W1Hの分析はもちろん基礎として
不可欠の条件だが、
人々を迅速に行動に駆り立てる条件とは、過去の行動心理学がすでに
成果として示しているものである。
それは「面白さ」でも「取り組みやすさ」でもなく「危機感」「危機
意識をあおること」である。
しかもそれは、受け手である消費者や生活者が日々の暮らしの中で生活
実感として気づくものでなければならない。

日本のあらゆるキャンペーンにはこの「危機感」をあおる、危機意識を
与えるような試みが少なすぎるように思う。緊張感や深刻さを与える
試みや創意工夫が、あまりにも足りなさ過ぎるのである。

さらにそれに取り組んだ成果が目に見える形で自分にフィードバックする
こと、つまり「達成感」を与えることが重要だ。これはデータ化、数値化
して実証することでもよいだろう。小さくとも自分の努力の結果、成果が
現れれば、人間はさらにやる気になるからである。
(以上の点で「新興宗教」は見事に成功して多くの信者を獲得することに
 成功している)

それに加えて必要なのは「最大効率性」と「最大影響力」を想定した
戦略的活動である。

まず問題になっている当事者(責任者)権力は誰か、どこにあるのか?
その権力に短い時間で大きな影響力を与えるにはどういう手段がもっとも有効か?

当事者権力の蚊帳の外でいくら取り組みやすい運動を広めても、成果は
上がらないのは当然である。
キャンペーンは直接、その当事者自身の行動を変えようと動かすものでなければ
ならない。
そのためにはターゲットを絞り込み、持てるキャパと労力と時間の範囲内で
いかに最大の成果を挙げることができるか、戦略を練ることが必要不可欠である。

ただ単にこれまでの慣例に添ったパレードやデモ、ビラ配りや街頭演説を
繰り返していても、時間の無駄であり、権力者や当事者にとってはむしろ
歓迎すべき「蚊帳の外での劇場公演」という影響しか与えないからである。

アドヴォカシーであれば、対等な立場として相手側に採用・考慮されるか
どうか、ダイレクトはフィードバックや反応を得られるかどうかが
キーポイントになる。
一方通行のパブコメや要望書・意見書や署名活動の類は時間の無駄にも
なりかねない。それなら訴訟を起こし、相手を直接訴えたほうが、相手の
対応義務を引き出せるだけベターであろう。

いつまでも同じ活動をして5年、10年経っても何ら進歩や成果がなければ、
その類の運動やキャンペーンは一切やめて、他のもっと効果的で戦略的な
ものに変更すべきなのである。我々に残された資源が有限であるのと同様、
我々に残された時間は有限である。

「ちりも積もれば・・」というのはグローバル化経済競争の下では最早
過去の古き良き日本の幻影に過ぎない。社会的美徳やモラルが退廃した
今日、活動スタイルを変えずして右肩上がりの成果や成長を求めるのは
いかなる活動にも土台無理があるからである。

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