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おでん:お国事情(その1) 
 夜寒の帰り道、心ひかれるのが「おでん」のぬくもり。でも、おでんって不思議な食べ物だ。ひとくくりにしてしまうのに違和感を覚えるほど、つゆも具も、土地や店で千差万別。出張先で鍋や品書きを見て「えーっ」と驚くこともある。「調べてみよう」と思い立ったのは、ただおでんを食べたかっただけだったりして……。【有田浩子】

 ●定義

 “お師匠様”がいた。何と原付きバイクで日本を縦断。400カ所以上のスーパーや市場を調べ、100カ所以上の店や家庭のおでんを味わったルポライター、新井由己(よしみ)さん(40)だ。その成果は今年「日本全国おでん物語」(生活情報センター)にまとめられた。

 その新井さんも「おでんの定義」には困った。「卵が入っているとおでんじゃないという人もいたし、大根が入ると煮しめという人もいた。おでんの起源といわれる田楽をおでんという地域もある」という。一時は「だしをとったものをおでんと定義しようと思ったこともあった」。が、10年に及ぶ旅で、行き着いたのは「その人がおでんと言うものは、おでん」という結論。「煮物でも鍋物でもない『おでんもの』というジャンルが必要ではないか」と話す。

 ●つゆ

 まずは、だしの違い。新井さんが「あくまでおおまかに」という断り付きで、地域別に分けると▽関東はかつおぶし▽関西はかつおぶしと昆布▽九州は鶏ガラ−−となる。ただ「明治から時代ごとに変化しながら広がったので、地域別より時代で整理したほうがいい」と言う。各時代にブームになった名店の味があり、それが伝わった先でアレンジされるからだ。

 しょうゆ味とみそ味は混在し、みそで有名なのは室蘭、名古屋など。つゆはしょうゆ味で、付けだれにみそを出す所も各地にある。

 ●たね

 むしろ、地域色が現れるのは「おでんだね」と呼ばれる具だ。

 新井さんによると、北海道・東北ではつぶ貝がポピュラーで、フキやワラビといった山菜も。コンニャクは福島県付近を境に北は白、南は黒が主になる。小麦粉をこねて竹輪のようにした「ちくわぶ」や、魚のすり身を丸めた「つみれ」などは関東地方に多い。

 静岡より西の地方では牛すじが入り、東海地方ではくしざしの豚もつが人気だ。近畿では鯨の舌(さえずり)やタコなども。山口、福岡、佐賀、長崎辺りでは、練り物にギョーザの具が入った「ギョーザ巻き」を出す店も。鹿児島ではさつまあげ、沖縄はティビチ(豚足)が入る所が多い。

 辛みも、ポピュラーなからしのほか、東北以北はショウガ、北部九州ではユズゴショウも出る。

 ●家庭の味

 紀文食品が3大都市圏の主婦1207人に聞いた調査では、昨秋から冬に、家でおでんを食べた回数は月平均2・49回。7年連続で「最も多く食べた鍋料理」だった。

 たねの人気ベスト3は(1)大根(2)コンニャク(3)卵。最近の傾向は▽おでんの汁を飲んで楽しむ▽野菜をたくさん入れる−−など。新しく入れたい野菜の上位は(1)サトイモ(2)カブ(3)レンコンだった。

     ◇

 私の忘れられない味は、東京の下町に暮らしていた4歳のころ、屋台で食べた「みそだれコンニャク」。甘いたれがかかり、子ども心に「何ておいしいんだ」と思った。今も似た味を探すが、もう同じ感動は味わえない。それが少し寂しい。

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 ◇コンビニの味の分布

 今や300億円ともいわれる「コンビニおでん」市場。顧客獲得で各社が力を入れるのは、地域ごとに異なる「つゆ」の味だ。おでんだねやつけだれも特色を出し、工夫している。

 コンビニおでんは79年発売のセブン−イレブン・ジャパンがさきがけ。地域ごとに好まれる味を調べ、つゆは現在(1)北海道(2)東北・信越(3)関東・中京・関西・中国(4)九州−−の4種類。それぞれだしのブレンドが異なり、かつおぶしや昆布、あご(トビウオ)に、北海道はいわしぶしが加わり、九州はあごの代わりに鶏ガラが入る。

 ファミリーマートは東日本、西日本、九州の3地域。東日本はかつおだしとしょうゆ感を強く、西日本はこんぶだしと薄口しょうゆ、九州はしょうゆ感の強さと甘さに、シイタケなどを加味する。最も細分化しているのはローソンで、今年から沖縄を追加し全国6地域。中部エリアの鶏ガラだしは名古屋コーチンからとっているという。

 各社とも、たねも地域限定版を増やし、つけるものも「からし」のほか「しょうがじょうゆ」「みそだれ」などバラエティーに富む。

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 ◆師匠のおすすめレシピ

 ◇仙台おでん三吉風

 新井さんが仙台市の有名店の主人に聞き、アレンジしたレシピを紹介する。店では煮干しでなく、高級な焼き干しを使う。たねは好みで。

 《つゆの材料》(4人分)

▽水            3リットル

▽煮干し大(7〜8センチ) 3本

▽昆布           2センチ

▽塩            小さじ1

▽酒            大さじ1

 《作り方》

<1>煮干しは頭と腹を取り、昆布と共に水から入れ、沸騰したら昆布を出す。

<2>煮立ったら塩と酒を加え、弱火で1時間煮る。

<3>煮干しを取り出しておでんだねを加える。大根は下ゆでし、練り物は湯通しなど下ごしらえをしたものを。約10分ほど煮込む。

<4>鍋を火から下ろし、熱いうちに新聞紙で包み、さらにタオルケットでくるむ。4〜6時間置いて、もう一度あたためれば出来上がり。はんぺんはこの段階で入れる。

 ※家庭で作ると具に対して汁が少ないことが多く、すぐに沸騰して濁ってしまう。新聞紙とタオルケットで鍋を包んでおくと、汁が濁らず味が染み込みます(新井さん)。

毎日新聞 2005年11月30日 東京朝刊

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