MATV ムービーアジアコミュの電影鴨

原題：電影鴨(Gigolo of Chinese Hollywood)
香港　ジンズ･プロダクション作品　99年　83分　カラー　日本劇場未公開

製作：ウォン･ジン　監督：ジョン･シューガイ　撮影：エドモンド･フォン　音楽：リンカーン･ロー　編集：マルコ･マック
出演：エリック･ツァン／ナット･チャン／スーキー･クワン／ロー･ガーリョン／エモーション･チョン／サイモン･ロイ／ロー･ラン

―解説―
ホストに身を落しながらも何とか資金を集め映画を制作し､一夜で名声を手にした映画人たちへ振り掛った災難を描くコメディー映画。出演は『大福星』(85年)などのエリック･ツァン(曾志偉)､『詩人の大冒険』(93年､テレビ放送)などのナット･チャン(陳伯祥)､『激戦』(98年､ビデオのみ)などのスーキー･クワン(關秀媚)､『英雄剣』(94年､テレビ放送)などのロー･ガーリョン(羅嘉良)､『香港ゾンビ』(98年)などのエモーション･チョン(張錦程)ほか。ジョン･シューガイ(鍾澍佳)監督､99年作。

―物語―
世紀末の香港。金融大暴落後資金不足と街にあふれる海賊版ソフトの影響で映画関係者はその職を失った。今日もまた監督のグオサン(曾志偉)､プロデューサーのチョイ(陳伯祥)､性格俳優ソンシー(羅嘉良)､売れない女優ジュケイ(關秀媚)たちが喫茶店やバーでくだを巻いている。資金のメドが立たず進退極まった彼らは､金持ちのガムさんに出資してもらおうとホストになって近付いた。チョイが男気を見せ200万ドルの出資に成功､遂にクランクインするが､寄せ集めのスタッフで現場はやっぱり大混乱。何とか完成し先行上映に訪れたソンシーとジュケイの前で予想もしない展開が…!

コメント(1)

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[1] mixiユーザー 08月18日 00:02

MATVムービーアジアで意外に多くOAされているジャンルが”ギョーカイ物”ですね。当コミュでご紹介したものでいえば『タイムトラベル』(97年)はその好例で､香港映画界の歴史そのものをパロディーチックに描くという奇想天外な意欲作でした。ほかにも『殺したいほど愛してる』(97年)や『次の駅は天后』(2003年)といった作品も変化球ではありながら”ギョーカイ物”でもあるワケです。
本作は『タイムトラベル』の路線を踏襲はしていて､キャストも一部カブッてはいます。単なる”ギョーカイ物”のパロディーのみならず､香港ならではのローカリズムや映画界にまつわる社会的なテーマを物語の中に織り込んでいるのが特徴です。『タイムトラベル』は所謂”オシャレ＆アバンギャルド”系の某監督＆その作品群とモノクロの広東語映画の時代をパロディーネタにしていましたが､本作では香港返還前から社会問題化していた”海賊版VCD”をテーマとして取り上げています。『タイムトラベル』同様､主要キャストが実在？の映画人に扮してスットボケた芝居を延々展開するワケですが､冒頭ロン毛のヅラで登場するエリック･ツァン(曾志偉､画像左)の姿にニヤニヤが止まりません。コレ単純にアノ監督のみならず､彼を活躍させるためエリックが中心となって設立した某映画会社をもセルフパロディ―ネタにしちゃってるんですよね。
続いて某”香港のスピルバーグ”監督風にサングラスとひげでキメたナット･チャン(陳伯祥､画像中)､そしてⅢ級片(成人映画)から成り上がった某トップ女優風に舌足らずなトークを披露するスーキー･クワン(關秀媚､画像右)も相応にガンバッてたと思います。
実は超低予算なのが丸わかりの美術やそれゆえのグダグダな演出も目立つのですが､でも何か憎めない雰囲気を醸し出してる1作だったなと感じました。

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