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チラシの裏コミュの夢

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コメント(163)

エンジェル隊の面々とリゾート惑星にバカンスにいく。
宇宙船の広い窓いっぱいに、南の島のビーチの景色が広がる。
着陸して、さあ出かけよう、というときに宇宙船に小型隕石がいくつも衝突。
女性の上司にきびしく叱られる。
まあこんなのは普段の仕事で慣れっこなのだ。
ランファさん、フォルテさんが隕石を採取してくる。
それを分析器にかける。

ミントさんは別の作業で手一杯なので、僕が分析することになる。
だが機械の使い方があまりよく分からない。
もうお腹がペコペコなのに、上司はまだ許してくれない。
とりあえず惑星に下りて食事した後で、仕事をしようと思っていたのだ。
やれやれ、今度の上司はしつこい。

辞典に成分が載っていないだろうか。
電話帳のように分厚いその辞典を探すが見つからない。
ミルフィーユさんとすれ違ったので尋ねてみる。
「今、トイレで読んでました〜。おかげでいろ〜んな事が分かりました〜。」
美容に関するトンチンカンなことを答える。
やれやれ。

ミルフィーユさんが辞典をトイレに置きっぱなしにしたので、取りに行く。
トイレはとても広くてガランとしている。
部屋の奥に便座がある。
便座とタンクの隙間に辞典が置いてあった。
重い辞典を抱えて戻る。
これには成分は載っていないなかったような気がした。
仕事先の人と電話で話す。
どうやら彼は上司に怒られてるらしい。
僕のせいかもしれない。
まず僕が電話で別の人に謝らなければならないらしい。
ダルビッシュさん?
外人かな?
偉い人らしい。
僕がデータを届けに行くことになる。

大きなゲーム会社なので入り口のチェックも厳重だ。
警備員の前で身分証明のカードを機械にかざす。
何かを盗んでると思われてるので、別の光学装置で指紋の撮影もする。
これらの設備自体、ゲームセンターのようだ。

ようやく中に入ると、みんな帰宅時間でバタバタしてる。
データの入ったチップを渡すため、担当の人を探す。
怒ってるはずなのに彼は愛想がよかった。
「ちょっと待ってて〜、みんなで飯食いに行くけど、一緒にどうよー?」
部屋の中から業界人風の一癖ありそうな人たちがゾロゾロ出てくる。
「遊んでるぅ〜?」
「あー、日焼けしてるから、遊んでるねー。」

僕はデータを渡すまで気が気でない。
それにみんな苦手なタイプなので、出来ればさっさと帰りたい。
いや、待てよ、食事に誘われたって事は、受け入れられてるんだ。
僕自体は怒られてないんだ。
しかし、担当の人はなかなか出てこない。
確か携帯に番号が入っていたので、電話してみる。
もう店に行ってるみたいだった。

その店はちゃんこ料理屋で、奥が相撲部屋の合宿所になっている。
みんな雑魚寝してる。
僕は布団のひとつに寝そべって、ダルビッシュさんの番号を探す。
なんて言おうか考える。
隣の人に時間を聞くと、いつのまにかもう夜中だった。
ダルビッシュさんはさすがに帰宅してしまっただろうか。
すると、若い関取がそばでニコニコ見守りながらうなづいてる。
しまった!
僕は一番の新人なので、彼に居場所を譲らなければならない。
食べ散らかしたお菓子などを片付け、布団を直す。
優しい先輩で良かった。

居場所を探してウロウロしてるとトイレがある。
山小屋風の作りで清潔そうだ。
円錐形の黒い鉄の器の中に砂が入ってる。
焼肉屋の外で炎が燃えてるようなやつだ。
見たことも無い便器なので、使い方をあれこれ考える。
どうやらここは、大のための個室だ。
奥では別の人が用を足してる。
女の子たちもゾロゾロ入ってくる。
とりあえず僕は扉を閉める。
ホッとする。
電車が駅に着いたので、手荷物をまとめホームに降りる。
沢山の紙袋を手からさげて、えっちらおっちら進む。
海外旅行の帰りだというのに荷物が紙袋ばっかりだというのもちょっと恥ずかしい。
暗い駅の奥には売店や案内所がひしめき合ってる。
その片隅に荷物を降ろし、中身を少し整理しようと思う。
紙袋の中はお土産がゴチャゴチャに入っている。
それを取り出しては並べなおす。

ラップに包まれた、片手いっぱいの味噌の塊を取り出す。
ほどけていたので巻き直すが、ラップが少し足りない。
近くの売店でラップを借りるのは少し非常識かなとも思いつつ、あたりを見回す。
後ろのコンロで目玉焼きを作っていたのを思い出す。
フライパンの上で油がジュウジュウはねてて、ちょうど良い頃合だった。
半透明の黄身の上にパラパラ塩を振り掛ける。
逆光で黄身や塩が透けて光っていて、美しい。
いつも僕は、このタイミングが絶妙なのだ。
ふと部屋の奥に気配を感じて振り向くと、静かに人が歩いている。

ギャー!

部屋には僕一人だと思っていたので、叫び声を上げて驚く。
ラフな布をまとっただけの白人女性で、こちらを振り向く。
結構美人で、パンク風の青いストレートヘヤで、目の周りも青かった。
今起きたばかりらしくボーっとしていて、その姿が一瞬、幽霊に見えたのだ。
そういえば彼女の話をあらかじめ聞いていたのを思い出した。

この部屋の住人は女性で、僕の古くからの知り合いだった。
離婚したばかりで部屋が空いてるので、外国から来た友人を泊めているらしい。
とりあえず身振り手振りで自己紹介し、彼と握手する。
悪いやつでは無さそうだったが、特別気の合いそうな感じもしなかった。
まあこいつとは無理に仲良くならなくてもいいか、と思った。
制服と故事

厨房での一日の仕事を終え、掃除にかかる。コンクリの床に散らばった葉っぱなどを掃き、水を流す。その水の撒き方が僕は絶妙だ。若頭にそのことをほめられる。ただのバイトだったが、こう見えても僕はさる一流レストランで修行を積んできのだ。ああ、やはりどこへいっても実力を発揮してしまう。自分の水まきの技に惚れ惚れする。

テラスで仲間と一休み。向かいの高校の校舎をのぞくと、ホームルームをしている。眺めていると、ずいぶん布の少ない女子高生がいる。肌があらわになっている。校内放送で校長がそのことを注意している。
「そういった服装は(  )と呼ばれ、中国の故事から来ている。」
へ〜、そうなんだ!
僕は急いで休憩室にたむろしている仲間のところへ行く。一人がベッドで寝転んでネットを見ていたので、ググってもらう。(   )の遺跡探索のムービーが出てくる。
文化遺産である(   )の遺跡をレポーターが歩いていく。やがてメインの石造りの建物にたどり着くが、使われている石材がとても少ない。当時の経済事情からか、あるいは高度な技術を誇っているのか。
なるほど、この頃の建築様式は隙間が多い。校長の話にもうなづける。さすが、ネットには何でもあるな。

すると、地震が起こる。慌ててテラスから部屋に戻る。地震は更にひどくなる。警報システムがアラームを発する。
「震度4を超えました。広い部屋に移動してください。」
僕らは隣の部屋に移り、しいてある布団に飛び込んだ。
ベニヤ・タクシー

仲間と四国を旅してる。
旅館の畳の部屋の半分が海になっている。
綺麗なサンゴ礁の浅瀬で、生物が色々観察出来る仕組みだ。
体長1・2センチの小さなイルカの群れが集まってきたりする。
友人たちはブリーフ一丁になって水につかってる。
勧められるが断る。
パンツ一丁になるのも裸になるのも気にしないが、体を濡らす気にはならない。

朝、荷物をまとめて出発だ。
旅館の外の道で長距離バスを待つ。
僕らはずっと長距離バスで旅をしているのだ。
地図で現在位置を調べるが、すでに四国を4分の3くらい回っていた。

バスの代わりにタクシーが何台も来る。
これに二人ずつ乗って移動することにしたらしい。
僕と一緒に乗るのは中年のおばさんで、ちょっとがっかりした。
タクシーはベニヤで出来た学校のトイレだった。
便座の上にはウンチがこんもりついていて、ツンと臭う。
タクシーは小学校の校舎の中を進みだした。
運転手さんに窓を開けてよいか尋ねる。
風が入ってきてすぐに臭いはなくなる。

別のタクシーに乗った連中は、音楽をかけたりして騒いでいる。
僕の同乗者はおばさんの先生なので、僕は派手に騒ぐのは控える。
僕らはベニヤのトイレのタクシーでレースをしながら、校舎の中をあちこち走り回る。
校庭の見える休憩室にあがりこんで、みんなでくつろぐ。
校庭では運動会をしている。

若い女の先生が、明日の自分の結婚式に僕も出席して欲しいと言ってくる。
僕は喜んで引き受ける。
きっと僕のことが好きだったんだろうと思う。
彼女はピッタリした服を着ていて、短いスパッツからは太ももがあらわになっている。
教師をしながら風俗の仕事もしている。
友人たちは順番を待っている。
結婚式の前日なので、多分これが最後の仕事なのだろう。
最後まで手を抜かないとは随分仕事熱心な人だ、と思う。
ロボ・自動車

プレハブの実家の庭にどこかのおじさんが入り込んでる。
うちの巨大なスパナを手にしている。
なんでもない、なんでもない、ちょっと車の修理に使うだけだ、と言うが信用できない。

家のそばには彼の軽自動車が停まっている。
すでにボンネットがはずしてあり、内部構造が丸見えになってる。
前輪の代わりに細長い金属の板が三本ずつ付いている。
ピカピカ光る靴べらのようだ。
ああ、これか、TVでやってたやつだ、と思う。

ロボット工学、とでも言うのか、最近の車はみんなこうらしい。
左右三枚ずつの金属の爪が人工知能で制御され、交代に小刻みにステップを踏む。
普段はボンネットで隠れて見えないが、これがタイヤの代わりになっているのだ。
これだとパンクしないし、タイヤよりなにかと良いらしい。
カーブのときは内側の足が少し休むと、車は器用に曲がっていく。
最先端の技術なのだが、昆虫みたいでユーモラスだ。

エンジン部分には巨大なレンズが付いている。
眼球のようだ。
中を覗き込むと、車のAIの記憶が見える。
AIは修理を嫌がっているが、おじさんは心配している。
おじさんは似たような手術をちょっと前に受けたばかりだったのだ。

まあそんな相談は彼ら自身に任せることにして、僕は帰宅するためバイクに乗る。
西日の当たる川の土手の上を原付で進む。
なんだか前方が渋滞してる。
川の地下を横切る旅客機が火事で、消化のための泡が土手の上まであふれてるらしい。
通行には支障がないが、泡で滑らないように、注意して進む。

川を横断する細い橋を渡る。
タイヤは泡で濡れているので、ゆっくり進む。
橋は田んぼのあぜ道に続いている。
あぜ道の終わりでは農家のおばさんが野菜の直販をしてる。
あぜ道ギリギリまで稲が青々と生い茂っているのに、その上野菜まで売っているので、野菜をどかしてもらわないとバイクは通れない。
おばさんは客の対応をしているので、そのあいだ僕はバイクの前輪を持ち上げたまま待つ。
タイヤに付いた泡が野菜に落ちないように、気を使う。

通りかかった小学生に好奇な目で見られる。
ついでに野菜を買っていけばいいのに、と言われる。
この体勢でそんな、いや、待てよ、なるほど。
今買っていけば後でスーパーに寄らなくてすむ。
頭いいねぇ、と子供に言ってやる。
まあ、子供に対してまでそんな気配りは要らないのだが。
打ち合わせは大混乱

僕の部屋に会社の人たちが来る。
とても散らかってるので頑張って片付けると、割と綺麗になる。
そこへ仕事の打ち合わせに別の会社の人たちがやってくる。
5.6人で来たので、うちの中は一杯になる。
打ち合わせのことを突然言われたので、大忙しだ。
慌ててテーブルを出し、お湯を沸かし、お茶の用意をする。
すると僕の携帯が鳴る。女性の声だ。
「もしもし、私のことわかりますか?今、棚の上の人形を壊しちゃって」
「え?あなた誰ですか?」
「えっと、以前クラブの入り口で会った…」
全然話がわからない。すると、携帯の女性が直接現れる。
見たことあるが、あまり知らない。忙しいのでこいつはほっとこうと思う。
相手の会社の人が、お茶の用意を手伝ってくれている。
恐縮しながら名刺交換などする。
自分の会社の人に頼んでカップを用意してもらう。こいつは役立たずだ。
でもなんとかおだてて紅茶を入れてもらう。
ようやく準備が出来て打ち合わせを始めるが、彼らが来てからすでに1時間以上経ってしまってる。
資料の冊子を何束も渡されるが、SMのビデオのキャプ画像ばかりだ。
その女優に対してのこだわりをとくとくと説明される。
どうやらこれをCGで作って欲しいらしい。
「ゲロを吐いて飛び散ってるところは作れますか?」
「いやまあ、時間が無いのでしたら、工夫してそれなりのものは作りますが…」
しかし、どんなものをどれだけ作るのか、具体的なものが何一つ示されていない。
そのへんを懸命に尋ねるが、みな会議に集中しておらず、それぞれで無駄話している。
しかたなく、近くにいた若いデザイナーにデザイン画を見せてもらう。
稚拙なキャラクター画を見せられ、こりゃダメだと思う。
そばにいた上司に伺いを立てるが、彼も今日はやる気が無く、生返事だ。
仕事も無いし、しばらくダラダラしていよう、と言う。
それじゃあ、やりがいが無いですよ!と僕は強く反論する。
納期は10日後くらいだし、まあ断るのが普通だろうが、僕としてはこの仕事を請けたかった。
だが打ち合わせ全体は、あちこちでワイワイ盛り上がっていて、収拾が付かない。
僕は途方にくれて部屋の周りをうろつく。
奥のほうでは紳士淑女が正装して、何かの式典をしている。
別の一角ではバンドの演奏などもしていて、踊りに来た若者でごった返している。
食べ物コーナーに通りかかるとそろそろお開きになるらしく、コックがケイタリング料理を片付け始めている。
僕は料理に全然手をつけてなかったので、とりあえずそばにあったパスタを手づかみで口に押し込みながら歩く。
気づくと打ち合わせに来た人たちはドヤドヤと帰り始めている。
お見送りするために、エレベータの前へ慌てて先回りする。
踊りに来た若者や他のパーティー客たちも混ざっているので、もう誰が誰だか分からない。
またひとつ、仕事を逃した。
スーパーを探せ

仕事の合間を縫って、スーパーに食料を買出しに行く。時間が無かったので、目に付いたものをどんどんカゴに入れていく。レジで清算しようとすると、客の一人が僕を呼び止める。
「その大根は何だ!」
大根が3・4本入ったダンボールを僕は引きずっていた。彼はそれを怪しんでるのだ。そんな商品はどこにも置いていない。あまりに安いので、僕が値札を張り替えたと思っているのだ。僕がそんな馬鹿なことはするはずが無い。しかし、この大根をどういう経緯で手にしているかは、自分でもはっきり覚えてないのだ。もしかすると、昨日のうちに車に運び込んでおいて、今日まとめて清算するつもりだったのか?盗んだ訳じゃなくても、それはそれで問題だ。

よく考えてみたが、大根をどこで入手したか覚えていない。レジを通さずに昨日のうちに大根を車に運び込めるか?それは不可能だ。じゃあ、店内にこれと同じ商品があるのか?きっとあるに違いない。とりあえず、文句をつけてきた彼に大根を持たせ、店の裏口の外に待たせて、店員を呼びに行く。結構大きいスーパーで、あちこち探すが、なぜか店員がいない。とりあえず店の表に待たせていた友人に事情を説明し、清算前の他の商品を持っててもらう。僕としては、店員に何と説明したらよいか分からないが、とにかく探す。2階や地下も探すが、いない。店はもう終わりの時間で、店内に人はまばらだ。僕は、裏口に待たせていた男に、自分が一生懸命探しているのをアピールする意味もあり、あちこち動き回って店内を駆け巡る。そのうち、自分がどこにいるのか分からなくなってしまった。動けば動くほど、自分の居場所が分からなくなる。

夜の町をうろつくうちに、スーパーがどこにあったかも分からなくなってしまった。すると、ダウンタウン浜田の一行と出くわし、一緒にレストランに入ることにする。ここはハンバーグで有名な店なのだ。さきほど待たせていた友人もその店に現れる。ダウンタウン松本ともうひとり、相武紗季と榮倉奈々を会わせたような、若くて綺麗な女の子だ。たぶん二人は付き合ってるんだろうなと思う。

僕が二人を放置してレストランに来ているので、松本は僕を怒る。確かに僕が悪いので、懸命に謝る。そして、レストランを出て、二人と一緒にスーパーを捜しに行く。僕は焦ってはいたが、仲の良い友人とワイワイ喋りながらなので、結構楽しい。女の子は僕にも均等に話しかけてくれるので、いい人だなあと思う。そこらじゅうの建物の屋根を飛び回ったり壁を駆け上ったりしながら、さっきのスーパーを探す。夜明け近くになり、見覚えのある中古車センターを見つける。整備員たちが外でタバコを吸っていたので、スーパーの場所を聞くが、分からない。明け方の町並みは、夜見た景色と微妙に印象が違うので、勘違いしたのだ。

ついにあきらめて、友人の部屋に戻る。松本は、このことが新聞記事に事件として載らないか、心配する。僕は何も悪いことはしていないので落ち着いていると、実は彼らは、僕の預けたスーパーの商品を勝手に持ち帰って、食べてしまっていたのだ。それは、さすがにまずい。しかも、そのなかのハムだかソーセージだかが、とても美味かった、というのだ。気にせずカゴに入れていたが、イタリア製だったらしい。一切れもらうと、たしかに美味い。女の子はそれをタッパーに入れてもらって半分持って帰るという。僕も何切れかを小さいタッパーに入れてもらって、持って帰ることにした。
バニーガール

仕事の打ち合わせが終わって、エレベータに乗ってビルを降りる。廊下にいたバニーガール三人も一緒に乗り込む。普段は事務か受付をしてるらしいが、今日はバニーガールの赤い衣装なのだ。エレベータはガラス張りで平べったくて、奥行きが一人分くらいしかない。しかし、バニーガールの一人の外人女性はわざわざ僕の後ろに立ち、さりげなく胸を押し当ててくる。まあ、まんざらでもない。

ビルを出て駅へ向かう。通りは人でごった返している。行列を作ってる人たちもいる。その脇を、バニーガールたちを連れて歩くのは、ちょっと自慢げだぞと思った。しかし、打ち合わせに一緒に行った友人たちが、バニーガールの衣装を借りて着始めた。男だからサイズも体型も合わないのだが、無理やり網タイツをはいたりしている。やれやれと、思う。一人などは体が硬いので、なかなか衣装が入らず、周囲の人に手伝ってもらってる。

公園の芝生の上にCM用のセットが組んであり、バニーガールの彼らはそこで撮影となる。セットにはキャラクターグッズや人形やお菓子がつんであり、その横に僕も加わる。子供のタレントなどもいる。僕は傍らにあったベビースターラーメンを手に取り、ポーズをとる。流れていた音楽に合わせて袋を振って、リズムを取る。テスト撮影なので、ちょっとふざけたりしてもかまわないのだ。

そばにあった銀の食器棚をフォークで叩いたりして音を出す。フォークも銀製なので、柄の部分で食器棚の表面を軽くこする。するとメッキ同士が反応して、綺麗な高い金属音が響くのだ。ワイングラスのふちをこすって音を出してるかんじだ。微妙な加減によって音程が変化する。さらに軌跡に黒いさびのような跡が残る。それを利用して、食器棚に人物画や模様などの落書きをする。昔のヨーロッパの画家たちが残した、こんないたずら書きがあったなと思い出した。

中学時代の国語の先生に呼ばれて、セットを離れる。芝生には生徒たちが沢山、体育座りをして待っている。そこで「イーグル・ブラザー・トム」の話をしてくれ、と頼まれる。僕が昔書いた随筆の題名だ。色々なイメージをつなぎ合わる僕の得意な手法で書いた、まあ、なんてことはない小品だった。大勢の生徒の前で上手く話せる自信はなかったし、ちょっと照れた。
闇の組織

渋滞中の246。僕の車の横をどこかの車がこする。窓から身を乗り出してボディーを見ると、大して傷はなさそうだった。しかし、一応文句をつけようと思外へ出る。後ろに止まっていた赤い車の中を覗き込んで声をかけるが、反応が無い。すると、周りの車の人が、中の人は死んでいると教えてくれる。よくみると東南アジア系の若い男女が四人、車内に座っている。髪が乱れ、顔や服が黒く汚れている。どうやらたちの悪い金融機関にだまされて、パスポートを担保に金を取られ、車内に閉じ込められたままそこで死んでいたらしい。人間とは思えない悪業だ。

ふと歩道橋の上に人影を発見。彼は拳銃を取り出し、僕をねらう。慌てて車の陰に隠れるが、彼は僕を狙って発砲してくる。おそらく金融機関の手のものだろう。僕は住宅地に逃げ込む。外では5メートルくらいの怪獣が暴れまわっているらしく、みんな体育館のような避難所に隠れている。僕もその中に紛れ込んで避難する。

避難所に寿司の出前が届く。支援物資ということらしい。マグロの握りなどが、少々干からびてるが、みんな気にせずパクついている。出前のお兄さんは、やつれている。こんな状況なのに逃げずに出前をして、えらいなあと思う。壁ののぞき穴から外を見ると、手下の怪獣が仁王立ちで立っている。蜘蛛のように手が沢山ある。やがて扉を外から破ろうと、叩き始める。扉がどんどん膨らんでくる。みんなはなすすべも無く、扉を取り囲んで見守っている。

ぼやぼやしていないで逃げればいいのに、と思いながら、僕だけ一人、ベランダに出る。中をのぞいて様子を見守りたかったが、暗くてよく見えないし危険が及ぶかもしれないので、さっさと建物の外に出る。商店街にたどりつく。関西特有の食べ物屋が沢山並んでいる。小さなデパートに入る。買い物客がちらほらる。階段を上っていく。関西に多くあるチェーン店で、店内のデザインも独特のセンスで、珍しい。スポーツ洋品店ではレオタードを着た小さな女の子たちが沢山いて、フィットネス器具のデモをしている。

僕は出口を探す。
たどりつけない!?

夜、用事を済ませてバイクで家へ戻る。前に実家のあった団地だ。すぐにバイクを降りずに、団地の奥のほうまで探検に行く。そのまま帰りそびれて、一旦団地の外に出て、遠回りしてまた戻ってくる。団地の前の真っ暗な長い坂をずーっと遠くまで降りていって、Uターンして戻ってくる。それを2・3回繰り返す。しかしバイクの性能が良いので、あまり苦にならない。暗く長い坂道も一気に上れるのだ。

途中の信号で止まったとき、僕の車の後ろの座席に女の子がふたり、ひっそりと乗っているのにきづく。すっかり忘れていたが、僕が送っていくことになっていたのだ。慌てて近くの駅に行ってひとりを降ろす。もう一人にも場所を聞くと、川崎、だという。方向が逆なのでUターンしなくちゃならない。夜中で道がガラガラだとはいえ、結構距離がある。

「そうそう、携帯も教えてください」
女の子は助手席に乗って僕に寄り添ってくる。これは、僕に気があってアピールしていると見るべきだろう。彼女をあまり知らなかったが、若くて割と綺麗な人なので僕はうれしかった。僕らはピッタリ寄り添って携帯の画面を見せあったりする。

ガランと静まった広い道路をパーティー帰りの人々が歩いていて、何人かが車に近づいてくる。知り合いの集団だった。それぞれ着飾って浮かれている。彼らは僕の車を覗き込んで、話しかけてくる。女の子と二人でイイ感じのところを発見されたので、僕は少し気まずかった。そのうちの一人の女の子を僕はなんとなく好きで、多分向こうも僕を好きだ。近いうちに連絡しようと思っていたのだった。案の定その子は、やきもちを焼いて、色々話しかけてくる。僕は僕でそれに答えたり、別の話題を話したりするが、当然あまり盛り上がらない。

そうしている間にも、助手席の女の子はジーっと待っているのだが、体の一部を僕の足にずっとくっつけたままだ。これは、内気な彼女なりの意思表示だ。地味な駆け引きだったが、もててるようで僕はちょっと嬉しかった。

彼らと別れ、真っ暗な町を走る。曲がるべき交差点を行き過ぎてしまったので、どこでUターンしようか考えてると、中央分離帯にタイヤをこすってしまう。念のため車を止めて確認すると、タイヤのひとつがちぎれて丸まって外れていた。とっさに直しようが無いので、とりあえずこのまま走ろうと思った。気づくと女の子は車を降りていて、道路わきの家の前に立っていた看板や何かを激しく蹴り飛ばしていた。すると、貧しい身なりの男がフラフラに酔って近づいてくる。そこは彼の家だった。彼は家の中に入り、中で倒れている彼の父を発見する。実は看板を蹴って払いのけたのは、看護婦としての彼女の判断だった。

どうも今日は、やるべきことがなかなか進まない。
なにひとつやり遂げてない。
麦畑の彼ら

マイナーな宗教団体の社屋の2階で作業を手伝っている。地味なスチール家具の上に座って休憩。綺麗で若い女性のお坊さんが隣に座って来たので、うれしい。役に立つところをアピールしようと思って、懸命に話しに入り込む。
「あそこの教団は、相当お布施を溜め込んでますよ。昔からそうなんです。体質なんです。」
だが彼女はそばにいた若いお坊さんと昔付き合ってたので、そのへんちょっと気を利かせよう、と思った。

配達を手伝うことになる。荷物をバイクに載せて、車の後ろから付いてく。でこぼこの田舎道なので、スピードが出せずついていけない。広い麦畑の中の道に迷い込む。あたり一面、黄金に実った穂がゆれてる。作業してる若者を追い越すとき、ふと聞き覚えのある声だな、と思う。とっさに声をかける。

「Yちゃん!」
その声に振り向いた彼は、思ったとおり僕の知り合いだった。若干容姿は変わっていたが、僕が若い頃、工場で働いていたときの同僚だった。
「Tちゃん、Kちゃん!」
麦畑の中から当時の仲間が次々と現れる。一時は散り散りになったはずだったが、みんなまたここで一緒に働いていたのだった。彼らは汚れたヨレヨレのランニングを着て汗まみれだったが、黄金の麦の穂がゆったりと揺れる中、とても神々しく見えた。僕は離れて暮らしているし、すっかり変わってしまったが、当時の絆はもとのままだ。それに、時が経っても第○期スマップのメンバーだった事実は永遠に残る。僕はそれを誇らしく思った。

ひとしきり再会を喜び合ったあと、僕は仕事に戻ることにする。再び荷物をバイクの後ろに積んで出発する。45リットルポリバケツ用の透明なビニール袋におにぎりがぎっしり詰まっている。上の人間のすることは分からない。安定が良くないので、ちゃんと走れるか、不安だった。
試合

薄暗い体育館でで短パンはいて卓球の試合。人気も無く、ちょっと寂しい感じ。短パン姿だなんて、中学生の頃に戻ったみたいだ。もちろん僕はすっかり中年のおじさんなのだが、昔、体で覚えたものはそうそう忘れるはずはない。相手は大柄で強そうな選手。得体が知れないのでちょっと不気味だ。試合が始まるが、上手く調子が出ない。思うように体が動かない。試合の流れも上手くつかめない。今、何対何だか、しばらく考えないと分からない。

点の数え方すら思い出せない。審判がいないので、僕が点を数えながら試合をしている。そのせいもあって試合に集中できない。突然、体育館が真っ暗になったりする。電気はすぐ点く。だが調整がおかしくてボールが見づらい。僕がサーブの番。なんとなく自信が無かったが、案の定サーブミス。そんな馬鹿な、まさかの2本連続サーブミス、無駄に失点する。今度は相手のサーブの番だが彼もサーブが上手く入らない。ラッキーだ、これはまだなんとか挽回できるかもしれない。

だが、結局負ける。
あっけなかった。
こんなはずじゃなかった。
もっと出来るはずだった。

僕は試合が終わった後も、しばらく体育館をうろうろする。思ったように実力が発揮できなかったので、もやもやしていたのだ。卓球部時代の仲間のHがいたので、ちょっと打とう、と誘う。彼と会うのは卒業以来だったが、彼とラリーをすれば昔の感覚が蘇るだろうと思ったのだ。彼はいやいやながらも付き合ってくれる。ところが僕は誰かに呼ばれて、彼をそっちのけで体育館を出て行く。すぐに頭を切り替えて、仕事の話に集中する。だが心の隅で、彼に悪かったなと思う。
せめて連絡先とか聞けばよかったと思った。
そんなに払えないよ!

夜、駅前に自転車を停めて、近所の焼肉屋に一人で入る。
プレハブのような建物だが、結構繁盛している。
目当ては脳みその漬物だ。まるまるひとつぶん入った袋を買って帰る。
持ち合わせがなかったので勘定はうやむやにしておく。
次の日の昼間、代金を払いにいくついでにレバ刺しやホルモン系などを少し食べる。
レシートを持っていくと、合計14万円だ、といわれる。
そんな馬鹿な!
もう一度計算しなおしてもらうが、結果は同じ。
韓国系の若い女性定員は真面目そうだし、嘘をついてる感じじゃない。
僕も、昨日の勘定をすっぽかしていたので本当は強く言える立場じゃないんだが、
14万円はあまりに法外な値段だ。
レジのカウンターから身を乗り出して、調理場の中まで声をかける。
奥から男の店員も出てくる。店の人も頑として譲らない。

無理無理無理、そんなに払えないよ。おかしいでしょ?
漬物とレバ刺しとホルモンで、どんなに行ってもせいぜい1万円でしょ?
考えてもみてよ、ひとりで14万円分も食べられないでしょ?
そんなに持ち合わせないし、払う気も無いよ。
払ったとしても1万か2万が精一杯。
間違って別の人のレシートを持ってきてしまったかもしれないから調べてよ?
昨日、団体客の中に、どうみても勘定の少なすぎる人たちがいたんじゃないの?
僕が一人でそんなに沢山食べられるはずは無いでしょ?

店の人も、そういえば思い当たる節があるらしい。
昨夜、近くの席に団体客がいて、彼らはどうやら新興宗教のメンバーだったらしい。

ああ、聞いたことがある、プラスチックだか水晶だかの玉をとりだして道端で祈る人たちでしょ?2ヶ月くらい前にその本部が○○町に出来たんで、このあたり一帯にも小さな支部が沢山出来たんですよ。そうそう、見たことあるでしょ?主婦とか普通の人がみんな入ってて。支部に電話をかけて聞いてみる?ああ、それ、危ないッスよ!気をつけたほうがいいッスよ!

なにしろ14万円払うことになったら大変な出費だ。
僕はまわりの人たちにも必死で説いてまわった。
脱出した外人

今日の夜8時から、みんなでライブの打ち上げの焼肉を食べに行くんだった。ずっと仕事にかかりきりだったので、すっかり忘れていた。もう夜の11時をまわっている。急いでバンドのメンバーに電話して、忘れていたことを謝る。外人たちもちゃんと来てたよ、と言われる。

しまった!

外国から来た若者たちも一緒に演奏していたのだが、そのあとちゃんとお世話もせずに、僕の車に乗せたまま鍵をかけて閉じ込めて、そのまま団地の下に放置してたのだ。すっかり忘れていた。あれから1日か2日経っている。我ながらなんという非道ぶりだ。彼らは心細かったろうし、腹も減ってただろう。でも焼肉パーティーに何食わぬ顔で出席してたという。そうすると、窓を破って脱出したのだろうか?そりゃそうだろう、普通、誰だってそうする。

僕は急いで外へ出た。しかし、車がどこにも無かった。バイクも無かった。そんな馬鹿な!たしか車で戻ってきて、いつもの場所に停めたはず。あれ?電車で帰ってきたんだっけな?待てよ待てよ、一旦家に戻ったあとバイクで迎えに行って…?落ち着いて、順を追って考えれば分かるはずだ。
くじら祭り

打ち合わせの相手がやってきた。業界人風の50位の男とあまりさえない風貌の女性。こちらは親方と僕。名刺交換が始まるが、手持ちの名刺を切らせてたことに気づく。あちこち探すが無い。そのあいだに世間話で場をつないでいるようだ。実はロックバンドをしてまして、云々かんぬんとか言ってる。ああ、その話なら僕も入れるのになあ、とか思いながら名刺を探すが、結局見つからなくて
そのまま席に戻る。

ふと隣を見ると、女性が髪をほどいてメガネをはずしていた。長くてサラサラの髪がなにげに僕の肩に触れたりする。おいおい、こんなところで女性アピールかよ。相手の男は立ち上がって演説を始める。自分の社のモルタル技術がいかにすごいかを語っている。その間にも壁や天井にモルタルで仮止めしてある垂木の枠が畳にボトボト落ち始めている。モルタルを団子状に練ったもので垂木と垂木をつないで枠を作り、それで壁や天井を支えているのだ。ようするにこの家は改装工事の途中なのだ。しかし、早く畳を拭かないと、モルタルが浸み込んで固まってしまう。

彼の長い話にうんざりした僕は、立ち上がって窓から外を見る。さわやかな漁港の景色が青空の下に広がっている。窓枠のすぐ外に鬼瓦の装飾が乗っている。それがグラグラしているので、相手に尋ねてみる。
「ああぁ〜〜〜、いかんね、いかんね」
「でもこれ、伝統的にはこんなふうに乗せてあるだけなんでしょ?」
「違う違う違う」

外で祭囃子が聞こえる。和太鼓が遠くでドスンドスンと響いている。打ち合わせ中なのは重々承知していたが、僕はふらりと外へ出た。部屋の壁の外側に、紀伊半島の特産の夏みかんが大きな実を付けて日差しを浴びている。その脇に、これまた紀伊半島の伝統の等身大張子人形がポーズを取っている。なるほど、こうやって竹でまず枠組みを作って、その上から和紙を重ねているのか。

部屋の外ではくじら祭りをやっている。僕は吸い寄せられるように近づいていく。港の近くの防波堤に囲まれたスペースに屋台などがでている。もう終わりかけのようで、人はまばらだ。見ると、何のことは無い、地元の物産展のようだった。僕はふと、クジラのベーコンのこってりした旨味を思い出した。いいのがあったら買って帰ろうかと思ってひとまわりするが、そこにあるのは小エビとかイカの切り身とかばかりで、いたって普通の海産物販売所の風景だったのでちょっとガッカリだった。クジラの解体ショーでもやってるかと勝手に思い込んでいたのだった。
クジラ

海沿いの崖にある道を歩く。
綺麗な海が見渡せる。
海にクジラが何頭かいる。
海を覗き込むと、海面からクジラの背中が見える。
コケやらなにかで汚れていて、呼吸孔がひとつ見える。
そこからたまに潮を吹いている。
かなり巨大で、ちょっと恐ろしい。
クジラはどうやら我々の後を追っているようだ。
案の定、クジラは低周波を発してくる。

パンパンパンパンパンパン

こちらをサーチしているのだ。
僕はとっさに岩陰に隠れる。
さすがに岩なら低周波を通さないだろう。
黒いゲロ

急ぎ足で団地のはずれを歩く。陸橋に差し掛かる。
空は一面薄いピンクに染まっている。
向こうから歩いてくる人影に見覚えがあったので声をかける。
「Y太!」
「よう!」
僕はこれからスケッチをしようと思っていたのだが、あきらめた。代わりに彼と飲みに行こう、と誘う。しかし彼は家で赤ちゃんの顔を見ながらキューっと一杯やるという。そうか、こいつ、新婚だった。僕はあきらめて帰路に着く。

繁華街をずーっと歩いて帰る。割烹料理店などの脇を通る。食事を終えて出てくる客でにぎわっている。彼らの後をずっとついて、階段を上る。こんな抜け道もあったんだ、と思う。地上への出口付近では、プロレスラーが腰掛けている。試合でやられたばかりで、苦しそうにハアハア言ってる。このモールの中にはプロレス会場もあって、選手たちのこんな生々しい姿も見れるのだ。

別の一人が手すりにつかまって苦しそうにあえいでる。その正面に、「うしろの百太郎」風のイケメンの無口な少年が作務衣姿で立っている。ほうきとちりとりを持って、すこし足を開いて立っている。すると、プロレスラーは真っ黒いゲロを地面にぶちまける。ゲロはまっすぐ少年のほうに進むが、勢いが無く、少年の股の下を通り抜ける。次の瞬間、ゲロは小さなヒルの集まりに変わる。少年はそのさまを全部見越していて、慌てもせずほうきでヒルを集めた。僕の隣でその様子を見ていた「俺は鉄平」風の「裸足のゲン」によると、少年には霊能力があった。プロレスラーには何かの魔物が取り付いていたのだが、その力が弱って、外へ出て死んだようだった。見事、少年は魔物を退治したのだった。

「それにしてもあいつと戦わずにすんで良かった」
と裸足のゲンは言った。
バス旅行 2/24

巨大バスがアパートの近くに到着する。切り替えしてバックでアパートの前に付ける。亡き父の実家の近所の人や親戚が、それに乗ってはるばる尋ねてきたのだ。このバスには父のゆかりの品物がぎっしり詰まっている。たとえばタイヤの泥除けのゴムには、父が小学校時代に参加していた野球チームのマークが入っている。これらのガラクタやらタンスやらを全部僕が引き継ぐのかと思うと、気が遠くなる。

このバスに乗って大勢で長距離旅行だ。荷物の積み込みにバタバタする。中村優が、左目に入れたレンタルのカラーコンタクトを返してこなきゃ、と騒いでる。あわてて赤いコンタクトをはずして僕に預ける。僕は人差し指を出して、その湿ったコンタクトを受け取るが、扱いが分からない。でも若い女の子に頼られるのはちょっとうれしい。

バスに揺られてもうどのくらい経つだろう。夜になり辺りは真っ暗な田舎道だ。道路の幅の問題だろうか、バスは左右真っ二つに分かれて進む。ちょっとペラペラしててかえって走行が不安定だ。道幅が広くなり到着も近づいたので、左右のバスは合体する。左右のしなりにタイミングを合わせて近づき、断面同士ピタッと合わせる。別れ別れになった高校生の姉妹がバスの屋上に出ていて、合体とともにハイタッチで手を合わせて抱き合い、再会を喜ぶ。どういうわけか片方は上半身裸でびしょぬれだった。もう一方のバスでは何が起こっていたんだろうと思う。

新宿のバスターミナルに到着する。みんなゾロゾロ降りて、新宿の雑踏に消えていく。一緒に歩いてる周りの人はどうやらアジア系の外人観光客らしい。ツアーガイドのおばさんは、あまり新宿になれてないようだ。僕は彼らと離れて駅の反対側に向かう連絡通路に入る。通路の途中に有名な漢方薬の店があって、同年代の友人二人とそこへ入る。ふるい事務所風の待合室には巨大なすっぽんの頭の燻製とかが色々飾ってある。そこで整体をしてもらうので、順番待ちのあいだ、問診表に記入する。しかし、僕だけ書き直してくれと言われる。僕の座っていたイスだけ、へこみ具合が違っていたらしい。肩こりだけじゃなくて、案外腰も悪いのかなぁと思う。
ハワイの空手家 2/25

友人と久々に会って、ぶらりと建物に入ると、知り合いがライブをするらしかった。案の定、準備に手間取って、なかなか始まらない。そばでキルティング・アートの女の子が自分の作品の宣伝をしてる。エレキギターでもシンセでも、楽器をフェルトで加工するらしい。近づいてそれを見るが、僕のシンセとすごく似ている。なんか音が鳴ってる。しかも、フェルトと装飾の金具の出来がすごくいい。

そばにドラムセットのような照明器具があったので、僕はシンバルみたいに鳴らしてみる。横に有名人のYさんがいて、そのばでなんとなく演奏が始まる。割と上手くいったので、気に入ってもらえたようだ。ツアーに誘ってもらえるかもしれない。ぞろぞろと建物を出るが、僕は取り入ろうと思ってYさんたちの後を着いていく。彼らはハワイが好きらしくて、僕もそのことをアピールする。そのままぞろぞろ歩いていって、海沿いに着く。見下ろすと砂浜に沢山人がいて、その向こうに海が見える。紺色に白い柱のお洒落な建物も見える。ハワイをまねした海の家だろうか。

みんなこのままホテルに行くようだ。僕は車にまだ荷物を残したままだ。チェックインの前に旅行保険などの支払いや手続きをしなければならない。イラン人の旅行業者の後について、人ごみの中を進む。我々一行は代金を割り勘で支払うが、結構値段が高い。とんだボッタクリだ。この辺一体の業者はみんなぐるなのだ。そのことを文句を言うと、業者の男はプイッと姿を消してしまう。そのままずっと待ってるが、日が暮れて、周りに人がいなくなる。

僕らは困って男を捜しに行く。彼は家に帰っていた。僕らは今日中に手続きを済ませたいので彼を説得する。彼はドアの壁から頭だけを出して話を聞いていたが、分かってくれて、外へ出てくる。頭をねじのように回転させると扉が開く彼の頭自体が鍵になってるようだった。彼は日本好きらしく、空手の自慢を聞く。僕が相手をさせられそうになる。みんなで空手着を着て整列し、彼の号令に合わせて型をする。

ふと顔を上げると彼はいなくなっていて、かわりに競泳水着を着たアジアの女の子になっていた。男は実はすでに死んでいて、彼女は男の子供で、韓国人の奥さんと一緒にこれから埋葬を始めるらしい。小さな棺のふたを開けると中に野菜やキムチの煮物を入れだした。ふたりとも明るくて、悲壮感は無かった。煮物に赤いミジンコのパウダーをかけている。
「日本ではミジンコ食べる?」
「日本じゃハリガネムシたべる?」
片言の日本語で聞いてくる。そんな、田んぼにいるようなプランクトンなんか食べないよ、と思いつつも、彼らの文化を尊重する意味で話を聞く。
病気の豚 3/5

老舗のライブハウスが閉店になるという。
そのための記念ライブをすることになる。
みな準備にとりかかる。
もたもたしてると置いていかれる。

レストランの中庭を片付けることになる。仲間と二人でガラス張りのレストランの中を横切る。気づくと下半身が裸だった。客は白人の中高年ばかりで、カウボーイスタイルだった。みな陽気で、大らかに笑いながら僕らを見ている。僕はこんなキャラじゃなかったのになぁと思いながらもおどけて横切る。

建物に絡まったツタをとりはずし、中庭の芝生の上でそれらをチェインソーで切って重ねていく。庭の隅のほうには病気の豚が沢山押し込められてる。それも取り出し、チェインソーで切っていく。でかい豚は、頭が前半分だけになっても生きている。奥のほうの豚は褐色の粘液でベタベタしてる。こんな状態でよく生きてるものだと思う。切るたびに豚は叫び声を揚げるが、僕としては悲壮感は無い。むしろ苦しみから解放してあげてる気持ちだ。だが周囲から見れば、理解しがたい残虐な行為に映るだろう。

一仕事終えて、辺りを俯瞰で眺める。
綺麗な海の崖だ。
木造の塔のてっぺんのトイレに入って用を足す。
小粒で硬い大便が出る。下に落ちるたびにカチンカチンと音がする。
編集者の正体 3/11

軍歌のことをWikipediaで調べる。文章上にマウスをかざすと、その部分の更新した履歴がポップアップされる。今まで常識と思っていたことが覆される気がした。主に二人の人間が編集合戦をしてるらしいが、どちらも微妙に立場をカモフラージュしていている。右のようで左だったり、いまひとつ正体がつかめない。多分、そのうちの一人が歴史の捏造工作に暗躍しているようなのだ。

リンクをたどっていくと彼の道場にたどり着く。大勢の僧侶がお経を唱えているなか、正座して彼と対峙する。木魚のリズムとお経が盛り上がってくる中、彼は苦しみだす。憑依していた霊が表面に姿を現す。般若のような表情だ。僕も真似して目を見開き、口をあけて歯をむき出しにする。これで対等だ。

彼の裸の脇をひじで小突くと、結構効いてるようだった。
4/8 女の子のバスルーム

ヨーロッパあたりを旅行する。知らない人の家に泊めてもらう。僕の旅行はいつもこんな調子だ。寝る前にトイレに行っておこうと思う。しかし、バスルームに後から若い男女が入ってきてシャワーを浴び始める。気まずいので隣に入ると、すでに若い男が二人入っていて、裸で用を足している。こちらも入りづらい。うろうろしてるとその家のお母さんが来たので、トイレの順番を待ってる、と言った。すると、部屋の奥の細長い扉を指差した。扉の向こうには狭い部屋があって、さらにその奥がバスルームになってるらしい。

その部屋は家族の娘さんの部屋らしく、恐縮しながら入ると、中には電子楽器が山積みだった。いずれ仲良くなって、いじらせてもらおうと思った。部屋の奥には細かいタイル張りのバスタブにお湯がはってあって、せっかくだし入ることにした。裸になって一気にザブンと入ると、結構深かった。

バスタブのまわりには女の子らしい化粧品やらシャンプーやら小物が沢山並べてあり、散らかっている。勝手にいじるのは申し訳ないと思いながらも、ちょっと手にとって見たりする。ふと気がつくと、部屋の入り口辺りで小さな女の子がこちらをじっと見ている。僕の監視役を家族に言いつけられたのだ。

しまった、と思ったが、ふと気づくと僕は、女の子用のキラキラつやのあるシルクの服を身に着けている。汗臭い、赤と白の細かい横じまのTシャツも頭からかぶったりしている。お湯に使ってザブザブやってるうちに、その家の年頃の娘さんの服などが偶然頭に落ちてきたりしたのだ。こんな様子を見られたら、部屋を勝手に物色してると誤解されてしまう。慌てて服を脱いで、まわりを片付ける。ついでに石鹸はないか、身振り手振りで尋ねる。ここ数日、風呂に入ってなかったので、体を洗わせてもらおうと思ったのだ。家族の言いつけで、別の小学生くらいの女の子が一緒に石鹸を探してくれることになった。

女の子は気取った様子で、付いてきて、と僕に合図する。彼女はタンスの沢山の小さな引き出しをひとつひとつ調べる。ふさふさの毛のついたブラシでタンスの引き出しを撫で回しながら、必要な材料をそろえていく。僕にあった石鹸を調合してくれようとしているらしい。まあ大人ぶっているのだ。僕は裸だし恐縮していてかなりみっともない状況だが、こんなままごとに付き合うのも面白い。

ところが彼女が選んだ材料を混ぜてみると、ロウソクが出来てしまった。いい香りがするが、これでは体は洗えない。うまく伝わってなかったのだ。彼女もそれに気づき、頭を抱えて落ち込む。いつの間にか家族が沢山周りを取り囲んでいた。

話をそらそうと思い、僕は身振りで、スケッチがしたい、いい景色の場所は無いか、と尋ねる。すると、ヨガ教室の近くに一面見渡せるいい場所があるという。お父さんが、明日連れて行ってくれるらしい。お母さんは、伝統のイングランド料理でもてなしてくれるという。ここはドイツのはずなのに、おかしいな、と思う。なんだか意思が上手くかみ合っていない。こんな調子で旅行の残りの日程をこなすのかと思うと、ちょっと心配になる。
4/13 アイドルはタコ焼き屋

いつものように朝、駅のホームに着くと、割烹着を着た食堂のおばさんが、
「今日はどんぶりご飯になりまーす」
と呼びかけていた。ホームの食堂のカウンターは行列で、みんな朝食を買っている。僕も並ぶが、そのときウエイトレスの女の子の中に熊田曜子がいて、目が合った。すごく可愛いなぁと思った。

おかずはおでんのような甘辛い煮込みで、結構旨かった。ご飯を取るのをわすれたが、朝食はこのくらい軽いほうがいい。そばの売店の脇でウエイトレスたちがたこ焼きや今川焼きを焼いている。ご飯の代わりにそれを食べるのもいいなと思う。

気がつくとウエイトレスたちはみんなアイドルの子たちばかりだった。たこ焼きは、チョコやクリームや、そのほか色んな種類があって、どれにしようか迷う。あまり意識しないようにアイドルの子達にたこ焼きのことを尋ねると、気さくに答えてくれる。そんなやり取りも楽しい。

電車が来たので、乗った。電車のドアに寄りかかって、窓ガラスにぴたりと顔を近づけて立つと、車内の様子が見える。そこには自分の姿があった。血色が良く、健康そうだった。小柄で可愛い女の子と一緒で、楽しそうに話していた。これは自分の未来の姿だと直感したが、自分の願望を投影しているに過ぎない、とも思った。とにかくしばらく観察してみようと思った。
4/17 大きなイチョウの木

たまにこの場所へ来る。
遠くに海が見渡せる。
そばの広い空き地には大きなイチョウの木がある。
毎年、銀杏がたわわに実ると、枝ごとごっそりと地面に落ちる。
そこからまた芽が育っていく。
今の季節はさすがにもう銀杏は残っていない。
みんな拾われてしまっている。
たまに落ちそびれた枝が幹に引っかかって残ると、そこからまた地面に向かって伸びる。
そういう部分に結構銀杏が残って付いていたりする。
だが空がとてもまぶしくて、良く見えない。
振り返ると少し離れた場所にもっと大きなイチョウがある。
かなり立派な大木で、太い幹がまっすぐ上に伸びている。
上のほうから根っこが何本も斜めに地面に生えている。
それが支えになっているので倒れないし、栄養もそこから吸収しているのだ。
4/20 母親の冊子

母親の作った冊子が出てきた。
どうやら死ぬ前に、ひとりでコツコツと作っていたらしい。
地味だがちゃんと製本してある。
淡く緑がかった灰色の厚紙が表紙で、どこかの業者に頼んだのだろうか。
いかにも自主出版らしい装丁だが、それを持ってニコニコしている母親の顔が目に浮かぶ。
日記のような随筆のような小文が沢山載っている。
ページをめくると更に細かい字で歌の歌詞が書いてある。
彼女が若い頃の流行歌や民謡など、好きだった歌を思い出して書き出したのだろう。
もしかすると何かの資料として役立たないとも限らない。
本の冒頭部分には白黒のイラストが沢山載っている。
少女マンガのような人物がひとつのページに沢山配置してある。
パソコンの技術は彼女は無いはずだから、コピーして切り張りしたのだろうか。
そのへんは業者に丸投げしたのかもしれない。
4/20 寝袋の赤ちゃん

仕事の手が少し空いたので、ビルの廊下をウロウロする。
Y君と雑談でもしようと思ったのだ。
部屋はガラス張りで中の様子が見える。
Y君はいないようなので、中で待とうか外にいようか、迷う。
部屋の中には見覚えのある偉い人たちが座っていてこちらをにらんでいる。
このまま廊下でウロウロしてたら、不振人物だ。
部屋の中では前の同僚たちもいて、仕事してる。
中に入ってみんなと喋りたいなぁと思うが、ちょっと入りづらい。
ふと見ると、部屋の中から女の子達が僕に手を振って、おいでよ、と呼んでいる。
なんと嬉しい事か。

こういう状況なら、入らない方が不自然だ。
中に入って、Yちゃんと喋る。出産おめでとう、と言う。
そういえば子育てしてるはずなのに、と疑問に思う。
彼女は実は、赤ちゃんを連れてきていると言う。
机の下に寝袋に包まれた赤ちゃんがいる。
厳重にビニール袋で何重にもくるまれているのをはがしていく。
赤ちゃんは、呼吸が苦しくないように、酸素吸入器がつけられている。
ひとしきりオムツをかえたりお世話した後、赤ちゃんを元に戻す。
酸素のパイプを直接喉に押し込むので、ちょっとえづいているようだった。
ツララの回廊

ニュース番組が始まる前の、久米宏の特撮コーナー。
日本各地の空撮映像に久米宏を合成して、空を飛んでる風にする。
「ここは東京から1時間、そこから10分戻ったあたりの北海道××湖の上空です。」
上空は気温が低いので、雲が凍っている。
上を向いた巨大なつららがどこまでも整然と並ぶ。
北海道ならではの光景だった。

久米宏は氷にピッケルを突き刺し、引き寄せるようにしながら飛行する、という設定。
しかし途中でツララの雲が途切れ、突き刺す場所がなくなってしまう。
それじゃあ映像が成り立たないので、一旦撮影はストップ。もう一度取り直すまで休憩となる。

休憩のあいだ、僕も巨大なツララの氷を見学させてもらう。
高さ10メートル以上の、四角錐の巨大なツララ。角がギザギザしてる。
久米宏はブラブラ歩きながら、ピッケルを振りかざしてそれをスパッと切ったりしてる。
切れた氷は遥か下に落下していく。
下に人がいたら危ないのにな、と思う。よくこんな巨大なものが浮いてるなと思う。
そういえば自分もよくこんなところに立っていられるもんだ、と思いながら、僕もツララの間を歩いたりする。

そこへ、遠征に行っていた魔王が戻ってくる。マントをはためかせている。
でも彼はそんなに怖くない。やれやれ、とか言ってる。
魔王は有能な美人助手を連れてる。メガネをかけて、白いブラウスに黒いタイトスカート。
どちらかというと、魔王より彼女のほうが鋭い。
僕はそれを見抜いたので、とっさにツララの影に隠れる。
しかし彼女はすぐに僕に気づき、覗き込んで声をかけてくる。
「あらあら、こんなところまで来て、どうしちゃったの?」
彼女も怖い人では無さそうだったが、僕はちょっとびびった。
ビーチはどこだ?

友人たち数名とハワイ旅行。ジープでビーチを探しに行く。
やがて入り口らしき場所を発見するが、ゲートで警備員たちに止められる。
友人の一人が英語で交渉するが、入れてもらえない。
あきらめて立ち去り際に、彼は警備員の女性と握手をする。

警備員は結構美人だったので、どさくさにまぎれて触りやがって、と彼に日本語で言う。
すると美人警備員は、振り向きざまに自分のジーンズの腰を僕の下腹部に密着させてくる。
さすが、アメリカではこのくらいのスキンシップは日常茶飯事なのだ。
立ち去り際に、僕も下手な英語でどもりながら彼女に話しかけてみる。

「何かチケットを買うべきなのですか?」
「NO」
「許可証とかが必要なのですか?」
「NO」

すると彼女は僕の手を引いて歩き出す。
長い黒髪の彼女はとてもスリムで、17・8歳だろうか、褐色の肌が美しい美人だった。
なぜだか上半身裸だった。
二人でトボトボ歩き続け、海岸に出たところで彼女は何やら説明を始める。
僕の手を自分の体に巻きつけ、さらに腰を密着させてくる。

「ああ、危険なんですね?」
「YES」

ついでなので、彼女に景色の良い場所を尋ねる。
自分はスケッチをする場所を探していることを身振り手振りでアピールする。
彼女はうなずくが、穴場を教えてもらうまでにはいたらなかった。
見るとすぐ近くにとても澄んだ入江があり、クローバー型の丸まった岩の周囲に同心円状に珊瑚が並んでいた。
見たことも無い珍しい光景で、美しかった。
やはり自然保護の観点から立ち入り禁止なんだな、と思った。
海の穴

父が死んだとの連絡があり、駆けつける。
海辺の寂れた町の銭湯の脇の路地で撃たれたらしい。
町の様子を見て回る。海岸沿いへ出る。突然、海に穴が開く。
海岸近くに5・6メートルくらいの穴がぽっかり開いて、海水がすごい勢いで飲み込まれていく。
こんな感じの画像はネットで見たことがあるが、あれは確かダムの放水の場面だ。
これはちょっと、変だ。見る見るあいだに周辺の海水がなくなり、海底の岩肌がむき出しになる。
しかし相変わらず穴は空気を吸い込み続けている。轟音とともに周辺の雲が吸い込まれていく。
なんかやばいよ、やばいよ。
僕は人形のような母親を片手に抱え、片手でガードレールにしっかりつかまって体を固定する。
何かの天変地異の始まりかもしれない。そうなったらまず、助かるまい。
そうしているうち、遠くから海水が穴に押し寄せてくる。
再び巨大な渦が出来て、轟音とともに吸い込まれていく。
空気も吸い込まれているので、風も強く吹いている。
これ、なんかやばいよ、尋常じゃないよ。
でもどうすることもできず、どこに逃げるでもなく、ただガードレールにしがみついてるだけだった。
神社のヘリコプター

××大社の脇の整備された広い歩道をてくてく歩く。
霊験新たかな立派な神社のはずだが、敷地が立派な遊歩道に分断されてて建物もいくつか少ない気がする。
雲ひとつ無いいい日和なのに人が少ないのはそのせいか、あるいは時期がちょっとずれてるせいか。
神社の近代的なビルを見上げると、日差しがまぶしい。
どこからとも無くヘリコプターが近づいてくる。新品の靴に入ってる形状保持の袋みたいなツルッとした形。
新聞社の取材か、神社の警備か?
地面に近づきすぎて胴体をちょっとこするが、ビニール製なのであまりダメージは無いようだ。

とつぜんヘリコプターが変形して人型のロボットになる。
ロボットといってもアドバルーンのような、いかにも中に空気の入った形で、しまりが無い。
一応はちゃんと動くようで、地上に降りて見得を切ったりしてる。
僕に見せびらかしてるのだろうか?
たぶん自衛隊の特殊装備なんだと思う。
ちょっと滑稽だが珍しいので、携帯で撮影しようと思う。
素早く携帯を取り出し、ばれないように体の後ろでカメラを立ち上げる。
いや待てよ、今は日曜の朝なので、TVで丁度、戦隊物の特撮番組をやってる時間だ。
もしかしたら生放送の撮影かもしれない。
まあ後で録画をチェックすれば分かる話だった。
空港から出られない!?

学生時代の友人が訪ねてくる。
20年ぶりくらいだ。コーヒーでもてなし、色々話す。
すると彼の部下らしき人が入ってきて彼に何か耳打ちする。
もう出発する時間ということだった。
今から飛行機で松江だか松山だかに行って、映画のレセプションに出るらしい。
忙しくて大変だと思ったが、なんだかこのアパートの入っている駅ビルから直接飛行機に乗れるらしい。
最近の地方都市は交通網がとても発達しているのだ。
見学がてら、近くまで見送りに行くことにする。
駅のゲートを次々に抜けて、とりあえずロビーの喫茶店で彼らを待つが、見失ってしまう。
多分、出発便をチェックすれば、何番ゲートか分かるはずだ。
壁に据え付けてある端末を指でクリックする。
お洒落なアイコンとかが現れるが、操作が分からない。

あきらめて帰ることにする。
とりあえず来た道を戻る。ゲートをどんどん逆走していく。
ようやく最後のゲートだ、と思ったら、ブザーが鳴る。
やはり無茶だったようだ。きっと出口は別なのだ。
スチュワーデスさんのような人が頑丈なプラスチック製の鎖を渡してくる。
ゲートを越えたところに並ぶパイプイスのひとつに座らせられる。
何も悪いことはしてないので、堂々としてるが、ちょっと不安になる。

「ここを出る頃にはベルトの穴が二つぐらい緩みますよ」
スチュワーデスさんは、僕を鎖でイスに縛り付けながら笑顔で話す。
何かの再教育プログラムを最低1ヶ月は強制的にここで受けるらしい。
そ・そ・そ・そんな馬鹿な!
法治国家日本でそんなことが許されるのか?
僕はさすがに慌てた。
妹の義母

妹の義理の母はとてもいじわるだった。
結婚式では自分が文金高島田で角隠しを付けて白塗りをしている。
目立ちたいのだ。
そして集合写真のとき、わざと片目を閉じる。
うちの母親が亡くなったとき、どうしても片目が閉じなかった。
その様子を真似しているのだ。
つまり妹へのひどい嫌がらせなのだ。
僕もついに頭にきて、今日こそ一言いってやろうと思って、後ろから彼女の肩をこづいた
金のサックス

サミュエル・L・ジャクソン似の黒人がサックスを教えてくれる。
ようやく指で押さえられる程度の手のひらサイズ。
金ピカで表面に砂糖がまぶしてあるみたいにざらざらしてる。

「まずはこれを吹いてみろ。タララララ〜」

-- タララララ〜

「よしよし、じゃあ次はこうだ。タララララ〜」

-- タララララ〜

彼は優しく根気強く教えてくれた。
僕はなんとなく吹けるのだが、人前でソロパートを演奏するなんて自信が無かった。
万引きお姉さん

お洒落な雑貨屋でトイレを借りて、そのあと店内をちょっと見て回る。
すると、ジーパンでスタイルのいいお姉さんが万引きしてる。
たまに、パクッたものを僕に手渡す。
お姉さんと触れ合えるのは嬉しいが、こんなことされても困る。
お姉さんは店員と知り合いのようで、仲良くしゃべっている振りをして、隙を見てパクッていた。

店を出ると外は真っ暗で、雨。
ちょうど店の外にお洒落な傘が並べてあったので、一本買って帰ろうかと思った。
傘を見ていると、さっきのお姉さんも店の外に出てきた。
こいつ、傘もパクる気か?
あとからモデルみたいなカッコいい彼氏が出てきたので、ちょっとがっかりする。

すると店の中から店長らしき年配のお洒落な女性が出てきた。
僕に疑いの目を向けているので、一本買おうかと思ってる事を伝える。
そちらさんは?と店長はお姉さんの手をつかむ。やはりばれていたんだ。
しかしお姉さんは隙を見て、盗んだ品物をゴッソリ僕に手渡して、逃げてしまった。
これには僕も店長も、呆れた。
どれもお洒落な小物とか文房具だった。
どれかひとつ買ってもいいかも、と思った。
アイドルとの帰宅

モーニング娘たちとの合宿の帰り道、田舎のほうから電車に乗って都心へ向かう。
みんな帽子を深くかぶったりしてるが、ばれやしないか僕はハラハラする。
ところが彼女たちはちょっとした遠足気分で、はしゃいで喋ったりしてる。
彼女たちは忙しいので、こんなひとときでも楽しんでるのだ。
しまいにはポラロイドで記念写真を撮ったりしてる。
僕は彼女らに、あまり騒がないよう注意する。
雑談したり恋の相談に乗ったり、君たちもまあトップアイドルだから、
なかなか大変だよねぇ、とか大人っぽい落ち着いた意見を言ったりする。

どこかの駅に着いて、みんな降りていく。
僕も自分の駅で降りる。
すると、モーニング娘の一人がついてきていた。
おやまあ偶然ですね、とか言って世間話しながら歩く。
住宅地の中を二人でトボトボと行く。
可愛い子だし話もそこそこ面白かったので、つい遠回りしてしまった。

結局、夕暮れの住宅地をぐるっと一周してしまったことになる。
家は案外近所だったので、彼女の住む団地まで送っていくことにする。
僕は、さっきの飲食店街からずっと右腕を彼女の肩に回していたのに気づいた。
こんな年端もいかない女の子相手にイチャイチャするなんて常識はずれだし、ましてや相手はアイドルだ。
ところが彼女は僕の腕をがっちりつかんでいるので手を離すことが出来ない。

「あれ、いくつだっけ?」
「160」
「いや、身長じゃなくて、年」
「15」

彼女は割と身長があるので、僕の腕は伸びたまままま変な方向にねじれている。
しかも技を決められたような状態なので、結構しびれてきた。
二人くっついているので、ヨロヨロとして歩きづらいが、そのままの状態でお喋りしながら団地へ向かう。
何かの拍子に腕が離れても、すぐ彼女が元に戻すので、相変わらず手はしびれたままだ。
これはひょっとして、僕のこと好きなんじゃないかと思い始めた。
まあそれならそうで、僕としてもうれしい。
こんなところを事務所の人に見つかったらオレ殺されちゃうかも、とか冗談言ったりしながらも、
だんだんいい雰囲気になってきて、こっちのほうが楽だよ、とか言いつつ僕は彼女の腰に手を回す。
でもなぜだかあんまり色っぽくなかったので、また肩に手を回す。
日を改めてまた二人で会ったり、を繰り返してるうちに、付き合うことになるんじゃないか、と思った。
彼女は毎日忙しいだろうし、どうやって話を切りだそう、と思ってるうちに彼女の家のそばについた。
買い物帰りの近所の主婦たちに見られたりしたが、なんとか彼女を送り届け、僕も帰宅した。
そのあとで、連絡先とか聞くのを忘れたことに気づいた。

こうやっていつも恋を逃してきたのだった。
空飛ぶエレベータ

デパートの上のほうのファーストフードで休憩。
すると、突然、僕のすぐ隣に女の子がドスンと腰掛けた。
その向かい側にももう一人ドスンと腰掛けた。
二人とも髪を水色や白やピンクに染めて、変なマスクを付け、パンクの格好をしてる。
20代前半だろうか?彼女らは僕のことを知ってるらしいが僕は覚えてない。
「×××(レコード店)が出来たときから、3・4回は会ってるよ」
ああ、なんかそんな気もするが、覚えてない。当時は化粧をしてなかったのだろうか?
二人とも子供がいるらしく、ちょっとがっかりする。

彼女らと雑談してると、店員の女の子が来て、閉店時間だから帰ってくれ、と遠回しに言う。
まわりではテーブルや店の壁を片付け始めている。
僕は慌てて席を立ち、店の外へ出る。エレベータがちょうど来たところだったので、飛び乗る。
変にゴージャスな装飾がしてあり、ガラスの壁から外が見える。
ボタンが全部漢字で書いてあって良く分からないが、適当に押す。すると、エレベータは後ろに動く。
ははあん、そういう仕組みか。でも夢に出てくるやつみたいだな。

エレベータはそのまますごい勢いで後ろへ滑り降りてる。
さすがに不安になって振り返ると、デパートの外に出て、空中を飛ぶように降りている。
実は下にジェットコースターのようなレールがあり、その上を走っているのだ。
これはデパートが近所の遊園地と提携して行っているアトラクションなのだ。
外はすでに日が傾きかけていて、晴れていて、見晴らしが良い。
エレベータはあちこち蛇行しながら下へ降りている。
どうやら大通りのど真ん中に着地するようだ。
下では警官が、何車線もある道路の車を止めているのが見える。
デパートから直接外へ出れるのは確かに便利だが、エレベータを降りるとき、ちょっと恥ずかしかった。
副社長に就任!?

旅行中にぶらりと立ち寄った会社で、副社長だか何だかをやることになってしまった。
まあ、そんなのもいいだろう、と気軽に考えていたが、やはり色々と問題は起こる。
会社がある銀行と合併することになったのだ。
社員のみんなと出かける。
移動中、その銀行に電話をかけて打ち合わせする。
相手が色々と段取りを説明してくる。

「まずは支店長に挨拶していただいて、そのあと云々かんぬん…」
やばい、こなせる自信がさっぱり無い!
誰かやってくれないかなぁ?
相手の銀行の立派なビルに到着すると、記者会見の準備が整っている。
外人の記者やカメラマンが大勢いる。
IT関係とか、世界情勢の関係で、この合併は注目されているのだろう。
そりゃそうだ、こっそり済ませる訳には、やはりいかないのだ。

しかし、記者会見なんて聞いてない。準備なんて全然してない。
どんな挨拶をすればいいかも分からない。
立場上、やはりここは僕が代表として立つべきなんだろうが、全然自信が無い。
このままだとグズグズの挨拶になるかもしれない。
いや、多分、そうなる。

記者会見場の舞台の上のついたてに隠れるようにしてパソコンなど準備する。
すると、突然入り口のドアが開いて、うちの会社の社長が入ってくる。多分初対面だった。
派手な背広を着て、サングラスのグラデーションの大きなメガネをかけてる。
一見、胡散臭い感じがするが、こんなときは頼もしく見える。

社長は資料にサッと目を通すと、数秒間黙って考えをめぐらし、次の瞬間、よし、と軽くうなづいた。
頭の中で、挨拶を組み立てていたのだろう。
うむ、この人、こんな時は頼りになる!

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