サムソン育成日記コミュの家庭内別居

７月。

僕らは引越しをした。

有り余るほどのタンパク質、カロリーを摂取できる

ホームステイでの生活を気に入っていた僕らだが

夏季休暇をとるホームステイ先の家族の都合により

追い出されることになった。

二人で、人種差別か人種差別か？？

と、無駄に自虐的になりつつも私たちは学校の隣のアパートに

引っ越すこととなった。

引越し当日、友人数人に手伝ってもらう。

サムソン、力持ちだった。

いや、ホント乳白色のハルク。

彼は、これ以上でもこれ以下でもない。

そんなわけで新婚初夜。

なんと、いいかげんな国アメリカでは

初日に電気がつかないという。

仕方がなく私は友達の家に泊まることに。

しかし、サムソンは断固として譲らない。

「僕はここで寝る」

「サムソン、でも電気ないよ」

「I like Africa!」

え？

アイ　ライク　アフリカ

って。

つまり、電気がなくても生活すると。

無茶だよ、サムソン無茶だよ。

しかし、頑固な彼は一晩そこで過ごした。

翌日。

彼はげっそりしていた。

そして部屋のあちこちにロウソクのあとが

まるで、八墓村。

あるいは、魔界村。

そんな光景にこれからの同居生活、不安を覚える。

２日目。

電気が復旧し本当の意味での共同生活。

ずっと、同じ部屋で寝ていた私たち。

別々の部屋で寝るようになって

激しい孤独感を感じる。

特に僕は、寂しさに耐えられなかった。

そっと、隣のサムソンの部屋に行く。

「サ、サムソン。やっぱ同じ部屋に寝・・・」

Zｚｚｚｚ

Zzzzzzzz

サムソン、爆睡。

その様子はまるで大晦日の曙。

ごっつあんです。

僕はおとなしく枕を噛みながら

一人ぼっちの夜を過ごした。