山　都　町コミュの浜町探訪　その４　古川町　水道町

　今日は、雪が舞い散るなか、建物の調査に行きました。その帰りに、桐原の塘を通りました。

桐原の五老ケ滝川の現在の流れは岩尾城跡寄りを流れていますが、元は大川町の中村倉庫の裏あたりを流れていたそうです。だから、あの辺を「大川町」と呼ぶんでしょうね。その川は、現在の図書館と同和保育園との間を廻り矢部葬儀社の前から石原タイヤの裏に出ていました。城山橋（赤橋）の下の赤禿の滝は、実はバイパスのための人工滝だったのです。古い川が流れていた地区のことを今でも「古川町」と呼んでいます。

それでは、いつの時代に五老ケ滝川のバイパス工事がなされたのでしょう。記録では、第５代惣庄屋の矢部勘右衛門重元が天和２年（１６８２）に工事を行ったとされています。この重元さんは、入佐今古閑の河川改修や後に紹介する元禄井手の新設も行っています。また、緑川筋の植林及びそれに伴う内大臣の重盛さん詣りなどの企画も行っています。この重元さんの子が重政さんで第６代惣庄屋、新町・横町のまちづくりを行い、極楽寺の地蔵を自ら彫った方です。その子の重行さんは第７代惣庄屋ですが不幸な最後でした。

上述したとおり赤禿の滝は、人口滝であってその前は陸続きで、城山橋付近は岩尾城の大手門に当たります。岩尾城を上空から見ると亀の姿に見えます。図書館があるところがちょうど亀の頭になり古川町付近が亀の首です。本丸が甲羅部分でその他のやぐら跡が手足となります。よって、岩尾城のことを別名「亀甲城」とも言います。一方、愛藤城は鶴が羽を広げた姿に似ているので「舞鶴城」と呼ばれていたと言います。

この城山橋の右岸を日向往還が通っています。以前は石畳でしたが、昭和６３年５月３日の豪雨で流れました。桐原から水道町に出たところに石垣が積まれその上を水路が通っています。一説に依れば、この石垣は先ほど述べた河川のバイパス工事の際に出た石を加工し利用したものだと言われています。この石垣の高さで中央公民館の前まで塘が築かれその上を水路が通っていたのでこの付近を「水道町」と呼んでいます。しかし、社会環境の変化によってこの塘が邪魔になったので昭和８年頃に塘は撤去され、水路は地下を通ることになりました。そのときに用いられたのが通潤橋と同じ連通管の原理です。元「山水」のあった所から地下に用水を落とし下市の「ヤマサキYｼｮｯﾌﾟ」の前で吹き上げさせています。途中元東渡辺病院裏に吹上（砂出し）塔が建っています。これが通潤橋の放水口と同じ溜まった砂のはけ口の役割を果たしています。