山　都　町コミュの今日は何の日？！

　今日は，山都町名誉町民第１号の故井上清一先生の３回忌です。
先生は，大正2年6月15日に浜町にお生まれになり，昭和6年3月熊本県立矢部農業学校（現在の矢部高校）本科を卒業され，家業に従事されました。その後，軍隊生活を経て，昭和24年8月に上益城郡浜町公立学校事務職員となられ昭和27年9月に退職されるまで勤務されました。

　退職後は，再度家業に従事されながら，昭和27年10月に浜町教育委員に当選
され，翌28年2月には浜町公民館長に就任されました。昭和30年3月には人権擁護委員に任命され（その後5期就任），翌月4月には矢部町教育委員長に就任，昭和34年4月には矢部町消防団長，翌35年6月に矢部町商工会副会長に選任され，その後，熊本地方裁判所及び家庭裁判所調停委員，さらには熊本地方裁判所司法委員及び参与委員を永らく勤められました。

　何よりも，井上先生のご功績の偉大なものは，郷土の文化財の保護と歴史の伝承に努められたことです。先生は，昭和42年1月に矢部町文化財保護委員として委
嘱を受けられ平成4年3月まで勤められました。旧老人大学や中央婦人学級あるい
は民間団体のやべごう郷土史伝承会を長年に亘り指導され，旧矢部町在住の郷土史研究家の中で井上先生の指導を受けていないものはいないと言っていいほど，先生は後進の指導に惜しみなく当たられました。

　また，先生は，郷土の文化財を観光に活かし，熊本バスと提携し緑川流域の石橋ツアーの案内も行われました。そして，日本の石橋を守る会初代会長として，通潤橋を中心とした緑川流域の石橋文化を世に知らしめ，郷土に対して多大なる貢献ををなされました。

　それらの，先生の郷土於ける文化財の保護活動が中央でも認めら，平成5年1
月には文化庁長官より，「文化財愛護活動の推進に貢献の故を以って」の感謝状の授与が先生に対してなされました。

　惜しみあるかな先生におかれましては，平成20年6月29日に満95歳を以て天寿を全うされました。今日が，先生の３回忌です。あらためて，先生のご功績に感謝し，先生の偉業を長く記憶に留めたいと思います。