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web多喜二祭りコミュの多喜二忌

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中国新聞 天風


多喜二忌 '08/2/20

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「あーまたこの二月の月がきた/ほんとうにこの二月いう月が/いやな月、声をいっぱいになきたい」―二月の空を見上げるたび母は息子を思い出した、という。北海道・小樽の文学館で「蟹工船」で知られる作家小林多喜二の母セキさんの手紙を読んだことがある▲七十五年前のきょう、多喜二は東京・築地署で特高警察の拷問により二十九歳の若さで亡くなった。警察の発表した死因は心臓まひ。全身どす黒いあざだらけの遺体にはくぎを打ち込んだようなあとも数多くあり、過酷な取り調べを物語った▲家族に引き渡された時の母の慟哭(どうこく)を立ち会った多くの仲間がつづる。「心臓が悪いって、どこ心臓が悪い。うちの兄ちゃは、どこも心臓わるくねえです。心臓が悪ければ泳げねえのに、うちの兄ちゃは子供の時から、よう泳いどった」と変わり果てた息子をなでた▲貧しい農家の娘として育ち、読み書きができなかった。投獄された息子に手紙を書きたい一心で「いろは」から字を学んだ。多喜二死後、八十七歳で亡くなるまで息子の優しさを語り続けた▲事件を戦前の治安維持法で取り調べられた遠い過去のことと片付けることはできまい。密室での自白強要は絶えたわけではない。鹿児島の選挙違反の冤罪(えんざい)で、「踏み字」を迫ったことなどは記憶に新しい▲日弁連は密室の取り調べに録画や録音を活用した可視化を求めている。志半ばだった作家の無念と母の悲嘆に思いを寄せたい。

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