カラスの資料室 ━raven rocks━コミュのハシブトガラス :Jungle Crow

名前：ハシブトガラス英名:Jungle Crow,Large-Billed Crow
　学名： Corvus macrorhynchus　
(macrorhynchus=大きな嘴)

(写真左からハシブトガラスの亜種：チョウセンハシブトガラス、リュウキュウハシブトガラス、オサハシブトガラス)
　　　　
亜種page↓

------------------------------------------------------------
　━分布・生息地━

　・ユーラシア大陸東部/東南アジアから東アジア（東洋区、旧北区東部）
→アフガニスタン、インド、ロシア極東南部、千島、サハリン、東南アジアなど地域によって９種類ハシブトガラスの亜種がいる。
　
　・日本国内では留鳥で、小笠原諸島以外の全国で低地から山地まで幅広く分布。
　→海岸から高山、森林地帯、または都市部によく見られる

　・近年は都市部で生ゴミをあさるイメージが定着しているが、もともとは東南アジアのジャングルが故郷といわれる。
　↑１都市部は食糧が豊かであったこと、止まり木代わりになる構造物が入り組んでいること、また天敵となる猛禽類が住めなくなった事などが理由とのこと。
　↑２近年都会で急激に数を増やしたのには、
自治体により黒色のゴミ袋に代わり透明・半透明のゴミ袋の使用が義務づけられたため、カラスが餌を漁りやすくなった事が原因の一つとして指摘されている。

　・ハシブトガラスは、森で暮らしていたときと、都会で暮らしているときと
ポジションを変えることなく暮らしている。

－－－－－－－－－－　参考ＨＰ　－－－－－－－－－－－
カラス研究室　森の鳥ハシブトガラスが都会のビル街に住めるわけ
http://homepage3.nifty.com/shibalabo/crow/buto/syuusei/hikakuzu.htm
－－－－－－－－－　 (　＇∋＇)　－－－－－－－－－－

　　━形態━
　・全長約56cmほど（開長約105?ほど）全身が光沢のある※黒色をしており、雌雄同色。
※黒色(実際には青や紫やピンクやいろいろな色が混じっている)

　・９亜種に分けられ、北海道産が一番大きい。
　　　　
　　━特徴━
　【声】
　・『アーアーアー』『カァー』『アワーアワー』という澄んだ声

　・鳴くときは喉が膨らむ

ハシボソガラスCorvus coroneとハシブトガラスC. macrorhynchosの鳴き声と発声器官の相異
－－－－－－－－－－　参考ＨＰ　－－－－－－－－－－－
日本鳥学会誌
Vol. 56 (2007) , No. 2 pp.163-169
→http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjo/56/2/56_163/_article/-char/ja
－－－－－－－－－　 (　ﾟ∋ﾟ)　－－－－－－－－－－－
まとめ

・ハシボソガラスの鳴き声の最大振幅点における最大音圧周波数，最高周波数が，ハシブトガラスに比べ有意に高い値を示した。　声の周波数（嘴太＜嘴細）

→ハシボソガラスの露出嘴峰長（額の羽毛の生え際～上嘴の長さ）と鳴管（気管の分岐点にある人間で言うところの声帯のようなもの）はハシブトガラスに比べ，顕著に小さかった。

→（発声器官が小さければ，周波数成分より高周波数域に現れるため，露出嘴峰長と鳴管の大きさの違いが両種の出現周波数域の違いを生んだと考えられる）

・オスのフォルマント《発音するときに、口や、舌を使い、音の高さを作るもの
：音の高さや強さに依存しない、その楽器(あるいは声)を特徴づけるファクター。これが変化すると、音色が変化したように感じる。》
の周波数はメスより低く, フォルマントの形成の関与が示唆される気管の長さにおいて, オスがメスより有意に長かった.

　【姿】
　・嘴が太く上嘴が曲がっている　⇔　ハシボソ：細く、そこまで曲がっていない
　・額（嘴の上）が出っ張っている　⇔　ハシボソ：平たくなっている

　【歩行】
　・歩くこともできるが、どちらかというと両足そろえてピョンピョン跳ぶ歩き方が多い(ﾎｯﾋﾟﾝｸﾞ)

－－－－－－－－－－　参考ＨＰ　－－－－－－－－－－－
カラス研究室
http://homepage3.nifty.com/shibalabo/crow/buto/zukai/buto.htm
－－－－－－－－－　 (　＇∋＇)　－－－－－－－－－－
　【生活】
　・非繁殖期には群れで暮らし「ねぐら」を形成する。早朝に採食場に飛び立ち、夕方ねぐらに戻る。

→「ねぐら」：都市部では明治神宮（渋谷区）や護国寺（文京区）などが有名。

　　━食性━
　・食性は肉を中心とした雑食（虫や木の実、動物の死骸など）小鳥やネズミなどの生きた小動物を襲うこともある。

　・太いクチバシのカラスで、種子などをつまんでとるより死んだ動物などの肉を引き裂くのに適したクチバシをしている。

　・市街地では生ゴミをあさり、食物を貯える性質がある。

　　 ━生殖期━
　【卵】
　・4月の末から6月までが最も多い。
　・一回に３～５個ほどの卵を産む

　【巣】
　・木の枝以外に、ハンガーや動物の毛や羽、なわひもなども使う

　・繁殖期(３月～６月)にはつがいでなわばりを持ち、皿形の大きな巣をつくる。
　
　・繁殖期においては、ときに巣の近くを歩く人間を襲撃することがある。
　

　　━雑学━
　
・集団には序列があり、リーダーのカラスに服従しないものが徹底的にリンチされることがある (*'∋`)実はこれは目撃したことがある(＠代々木公園）
　
・非常に頭のいい鳥で、捕獲用トラップやカカシを見抜く。
記憶力も高く、石や銃で狙われた経験があるものは、石を拾おうとしたり傘をライフルのように構えただけで逃げ出す。

・。「からす、何故鳴くの」の歌詞とのこと

・カラスがいかに頭が良いか↓

ハシブトガラス
大脳:9.0ｇ　脳内指数:6
ニワトリ
大脳:1.8ｇ　脳内指数1.5

・ハシブトガラスの亜種

C.m.japonensis 　サハリン、北海道、本州、九州、四国

C.m.connectens 　琉球列島【リュウキュウハシブトガラス】

C.m.osai　先島諸島（石垣、西表、小浜）【オサハシブトガラス】

C.m.mandshuricus　極東シベリア、朝鮮半島、中国東北部

C.m.colonorum　中国、インドシナ、台湾、海南島【チョウセンハシブトガラス】

C.m.tibetosinensis　東ヒマラヤ

C.m.intermedius　西ヒマラヤ、東アフガニスタン、西パキスタン、インド、ネパール
C.m.macrorhynchos　マレーシア、インドネシア

C.m.philippinus　フィリピン

　

------------------------------------------------------------

個人的に作ったものなのですが、もしコミュに入っていただけた方でハシボソガラスの画像や写真などあれば
↓コメントに貼り付けていってくれたり、なにかレス頂けると嬉しいです。

　(*＇∋＇)＜ハシブトの写真求む

------------------------------------------------------------