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マクロ経済学コミュの国債を日銀に直接引き受けさせるとスーパーインフレに成るという風説

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結論から言えば、日銀に国債を直接引き受けさせてもスーパーインフレには成らない。コッペパン一個が100万円に成る事はあり得ない。100万円の法外な値段をつけた企業があれば、即市場から退場を余儀なくされるからである。

これらスーパーインフレ論は、日本が景気が良くなってはいけないという悪魔の思想からの出任せである。

コメント(213)

結局は資金需給、信用の問題に帰結されます

資金循環的に政府が政府債務を発行しても、それは市場に流れ、また市場が購入すれば、永続的に発行は可能です

ただし、日本の金融資産に占める政府債務の割合を徐々に増やしていきますので
バランスが崩れやすくなります。そしてそのバランスの崩れに対しての脆弱性が高まります。結果、連鎖的な信用悪化のリスクが高くなります
1000兆円の政府債務時での1%の利率の上昇と、100兆円の政府債務時の1%の上昇では前者は、国家財政に莫大な影響を与えてしまいます
そして残念ながら1%程度の利率の上昇は市場ではザラにあることです

政府債務が金融資産に占める割合が増えれば増えるほど、
国民の金融資産は政府債務の信用によって構成されることになり
また金融資産である以上、国民はいつでも、それを売却し、別の資産に変えることができますが、
それが総額に比してたいした額でなくても、大きな影響を与えやすくなります

日本の政府債務の保有者は現状
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1588697.jpg
のようになっているようですが、
主要買い手であるゆうちょ銀行や、公的年金に関しては
前者は2000年頃をピークに100兆円資産が減少し、その結果、国債の新規調達能力は実質的にないどころか、国債を売却していきますし
公的年金に関しても、資産を切り崩している状態なので同じく国債の新規調達能力は実質的にないどころか、国債を売却していっています
その資金の受け皿は現在国内銀行に集中しています。2008年以降はこの国内銀行が最大の政府債務の受け手となっていますが
他の受け皿が弱体化する中で一つの主要な買い手に依存することはバランスを崩しやすくなる要因となります
そうそう、東京の皇居を売って収入を得ればいいじゃん。 
理論?アイデア?を言ったことを思い出しました。

1周5kmの広大な土地なので、ものすごいお金になるのではないでしょうか。
資産売却もお金捻出の一つの方法です。


さて、基軸通貨でない日本の場合には、いくらまで借金は可能でしょうか。

他国と異なり、また、貿易黒字なため、外国政府に対して債券を購入してくれとは、圧力もかけにくいかもしれません。

ファンダメンタルズ分析派の根拠の一つには、為替は2国間の相互の取引であるので、それぞれの国の経済状況が反映されているとする考え方を述べていますよ。

余談ついでにもう一つ、ドル円の為替相場変動は、米国債の金利の関係が多い時期があると発表しているアナリストも複数います。

今から5年ぐらい前に皇居の資産を土地として荒く計算した感じだと
2兆円ぐらいの価値がありそうでした

公式には皇居には土地を含めて2240億円の価値があるとされています
(財政金融統計月報国有財産特集より)

平成21年度決算を見てきますと
宮内庁の支出は107億5150万0489円となってました
http://www.bb.mof.go.jp/server/2009/dlpdf/DL200972001.pdf
174
補足、ゆうちょ銀行も国内銀行といえばそうですが
ここでは資金循環統計上の定義によりました
資金循環統計上はゆうちょ銀行は中小企業金融機関に分類されます
第一次世界大戦敗戦の折に
最初の決定におけるドイツ帝国に強いられた賠償額(その後減額とかもあったはず)は
負担の観点からは
現在の日本で換算するところの1京円(1兆の1万倍)だったはずです
ドイツ帝国GNPの20倍だったはずなので

ちょっとググってみると、去年ようやくドイツは第一次世界大戦の賠償を払いきったようですね。92年間の長い賠償でした
>公式には皇居には土地を含めて2240億円の価値があるとされています
(財政金融統計月報国有財産特集より)

簿価ではないでしょうか。坪数百万円〜数千万円もする場所の近くですからね。

>2兆円ぐらいの価値がありそうでした
こちらの方がただしそうであると直感的には思いました。

そうですか。100億ですか。 まあ、兆円には達していないでですね。

まあ、他にもたくさんの資産があります。遺跡との関係もありますが、お金が無いのであれば、地価の安い場所に移転させるか、取り壊してお金にする方法もありますね。
大阪にはたくさんの遺跡があります。
後、たくさんの骨董がありますね。(国宝や重文など)このようなものオークションにかけて、資産家に売却すればたいへんなお金になるような気がします。コレクターであれば、きちんと資産価値を減らすことなく保存してくれるでしょう。運慶クラスだと1体億クラス以上のものもあるでしょうから。

人口が減り、日本国にお金が無い時代ですので、このような方法も一つでしょう。
それから、官僚の給与(呼称が正しいか不明です?)を下げてもいいかもしれません。

余談になりました。

「シャキンには上限がある。」 「いくらまでシャキンが可能であるか。」

これが分かれば、きちんとした返済計画を立てた上での借金は可能かもしれません。
>ご存知だと思いますが、念のため申し上げると、経済学も統計学(論)で、過去の計算式が100%正しくても今後予想は100%なんて保証はどこにありません

細木数子が「地獄に落ちるわよ」と暴言を吐いても実証できないのと同じレベルだとして指摘しています。統計を取って数パーセント効果が上がるといって初めて学術的だと申しております。「社会保障の歳出削減を行ってインフレに成ったサンプルがあって、確率は低いけどこういう例がある」←これで占いレベルでないと思います。

しかしだな、積極財政で成功したサンプルは沢山存在します。高橋是清や山田方谷や由利公正の治世は成功サンプルが多数存在します。貴方方はありもしないサンプルを捏造して沢山ある成功サンプルを無視しているのです。山田方谷のやり方を諸大名が見ていたので幕末の大名は皆彼の政治を真似して、明治維新に至るのです。
論理的なマクロ経済モデルを示してみな。
有意義とおもわれる投稿をサルベージしたうえでトピの削除要請を出すべきかと考えている。そしてさらに…

どうだろう?

>論理的なマクロ経済モデルを示してみな。

小野盛司さんが日経NEEDSに依頼して積極財政をした方がGDP比の債務残高は改善するというモデル計算をなさっている。計量経済学の大家、宍戸駿太郎先生にも同様の事を伺ったが同様の見解である。名前で検索したら直ぐに出てくるよ。

ビルトさんは「社会保障を削減すれば運が良ければインフレに成る」と仰っているが、何の裏付けも責任もない文章しか書いていない。何処に関係資料があるのさ?何でビルトシンパは関係資料を請求しない?学問を名乗っているのだからそれを追求するのは当然でしょ。これがアラシと認定されるなら、そんなの学問の看板を下ろした方が良い。ビルト真理教という看板を掲げた方が良いww。

「麻原彰晃が●月●日富士山が噴火する」と予言して、噴火しなかったら「麻原彰晃の神通力が通じた」といって信者さま方は納得するだな。ビルト理論はその域を脱していないの。

「ビルトが社会保障費を削減するとインフレになる」予言して、デフレのままと結果が出たら、「運が悪かった」といってシンパさんは納得。これが学問か?

イタイところ衝かれたら削除要請ww。マクロ経済学の一章に「ビルト理論は絶対だ」って書いてあるわけでもないでしょ。ビルトの文章は本当に有意義な文章なのですか?信者さん思考は止めなさい。
>どれだけ政府の負債が大きくなろうが、対GDP比での割合が変わらなければ何も問題はないと思います。

大正元年(1912)の国家予算(歳出ベース)で6億円弱だそうだ。
借金やGDPが将来1京円に成ろうが物価上昇は継続的に起こるのだから借金の金額の多さだけで、一喜一憂するのは間違いだわな。
→積極財政をした方がGDP比の債務残高は改善するというモデル計算をなさっている。

積極財政と何の政策を比較してるんですか?
あなたの日本語がわかりづらいので、『』に何を比較してるか示してください。

積極財政をした方が『○○よりも』GDP比の債務残高は改善するというモデル計算をなさっている。
積極財政の反対後は緊縮財政

故に○○は緊縮財政

大体、マクロ経済の看板を背負っている所で、積極財政と緊縮財政以外に単語があるでしょうか?不思議な問いですね。 
私は井上蔵相と高橋是清蔵相を取り上げていて、高橋是清の積極財政は成功をして、井上は失敗したと何回もクドクドと主張していたのに、其処まで説明しなければならないですかね?
それでは、積極財政をした方が『緊縮財政よりも』GDP比の債務残高は改善するというモデルって、どんな経済モデルを想定してますか?

積極財政のモデルと緊縮財政のモデルを比較したということですよね?

どうやって比較したんですか?
私は「社会保障費削減が(もしかして運が良かったらw)インフレになる論」を批判しています。これも緊縮財政の一つですね。これに何の疑問も持たない人が何故○○に気がつかないのでしょうか?不思議です。
http://www.esri.go.jp/jp/forum1/080805/gijishidai35_02_01.pdf#search='宍戸駿太郎 モデル計算'

宍戸駿太郎、小野盛司で検索すれば幾らだって出てくるのに何故自ら調べようとしないのですか?不思議ですね。

宍戸駿太郎先生に伺えば、簡単なモデル計算の仕方まで教えてくれるそうですよ。問い合わせたらどうです。

私も「運が良ければ積極財政で財政が健全化する」って説明に切り替えますか?グッチさんはその方が納得されるみたいですからww。
宍戸駿太郎先生は計量経済学という学問においてどのような地位に居るか
http://www.iuj.ac.jp/news/index_news.cfm?NewsID=0255&Language=J

もしかして運が良ければ見て頂けるかなww。これだけ批判材料を与えているのに資料に基づく反論が皆無。これで学問の議論と言えるのかねぇ?
どこに転送されるかわからないリンクを見なさいと言われても、『あなた自身が』説明したことにはならないので、遠慮しておきます。
あ〜なるほどそういう逃げ方があるかぁ。勉強になるなぁ。(当然皮肉ですよ)
『誰々がこう言った』『誰々が言ったことは正しい』と言われても、参考文献をただ示しただけであって、説明したことにはならないからです。

経済モデルの内容について議論をしていません。あなたの説明を受けていない以上、答えようがないというのが率直な感想です。
>『あなた自身が』説明したことにはならないので、遠慮しておきます。

「もしかしたら運が良かったらインフレになる」で納得した人間がリンク先を調べようともしない。もしリンク先にウイルスがあったら訴えればいいじゃないか規約違反だから私を追放できるぞ。チャンスだぞ。

学術論文を読まないで資料批判もしないで何が出来るの?

小野盛司さんが日経NEEDSに依頼して積極財政の優位性を計算した。

こういう事実があったとして、これを批判するには、グッチさんがモデル計算を独自にしてそうなりませんでしたよ。という批判をすれば良いんじゃないですか?もしくは、緊縮財政の方が豊かになる計算を見つけてどうだって反論すればいいだけでしょう。内閣府は緊縮財政の方が景気が良くなる計算をしてますけど、毎年外していますがww。

G(政府支出・公共投資)を行えば乗数効果で経済成長も可能だし、GDP比の債務は減るのは簡単な方程式でも説明できます。小野盛司さんや宍戸駿太郎先生はそれよりも沢山の方程式を使われて計算されています。

{政府支出+民間投資支出(在庫投資出を除く)+貿易黒字}>{貯蓄+税収}

右辺よりも左辺が大きくなればGDPが大きくなるつまり経済成長でき、GDP比の債務残高も減るのは当然のことです。
国際マクロのISバランスアプローチですね。

不等式で説明しているようですが、一般的な教科書では方程式で説明されています。『左辺が増えれば、右辺も増える』『左辺と右辺がバランスする』というように考えます。

つまり、政府支出が増加すれば、経済成長(左辺全体が増える)しますが、それ相応に(右辺と左辺がバランスするように)、右辺の変数が増えるのではないかと考えられます。
(ぱて)ケーキ屋少尉さん、みなさん

このコミュニティの管理人です。コミュニティの参加者からメッセージを頂いたので、コメントさせて頂きます。

直ちに利用規約に違反しているとして削除するかは微妙なところですが、一部のコメントにある、議論の相手を侮辱し、揶揄するかのような内容は不適切であると思われます。
議論の相手を侮辱し、揶揄するようなコメントは控えてください。今後は、議論の内容でのみ反論し、相手方を揶揄せず、冷静にdiscussionを行って頂きたいと思います。

今回は、関係する参加者に注意を喚起することとし、それでもご理解頂けない方には、大変残念ですがコミュニティのメンバーから削除します。

このトピックでの議論の内容には、有益なところも多々あると思われますので、トピック自体の削除は直ちには行いません。

よろしくお願いいたします。
こういった両成敗的な対応には不満がある方もいらっしゃるとは思いますが、今回は穏当、穏便に対処するためにこれが最善と判断いたしました。なにとぞご理解とご協力をお願いいたします。

よろしくお願いいたします。
>本物の学者がこのトピにいるとは思えないけれど
>少尉殿も中学校高校で習う社会科からちゃんと勉強すれば与太話に惑わされて恥をかかないで済むようになるからがんばろうね!

>議論の相手を侮辱し、揶揄するようなコメントは控えてください。

削除要請をした方の文章ですよ。やるなら喧嘩両成敗だ。
日本でハイパー・インフレは起きない 4/29 2011

      景気循環学会 会員 松浦 昇

我々が「積極財政による日本経済の復活・活性化」を提案するときに、赤字国債発行に反対する決まり文句は
→「一旦財政規律を緩めると、必ずハイパー・インフレを引き起す。」

この脅し文句は真実でないが、此れに有効に対抗するには理論武装が必要

1. ハイパー・インフレの事例の考察
(1) 1923年のドイツのハイパー・インフレ
(2) アルゼンチンのハイパー・インフレ
(3) ブラジルのハイパー・インフレとIMFの介入
(4) 戦中・戦後の日本

2. 諸国のインフレと経済成長の関係の実績(IMFのDBから)

3. インフレの利害得失
(1)「インフレの弊害論」の仕分け
(2)インフレで損するのは誰か
(3)インフレの効用

4. 「日本ではハイパー・インフレは起こらない」と断言する理由

5. 財政にもインフレ・ターゲットの導入を
緒言
震災復興をはじめ、国が何かをしようとすると、二言目に出てくるのは、「で、財源は」です。此処で「赤字国債で」などと言い出すと、此に反対する決まり文句があります。「そんな事をして一旦財政規律を緩めると、必ずハイパー・インフレを引き起こし、国民全体が泣くことになる」と言う、超短絡的な脅し文句です。我々が今後、「積極財政による日本復活」の運動を推進して行くには、どうしても此の紋切り型の脅し文句に、簡潔・有効に反論するための理論武装が必要です。

これが如何に根拠のない悪質なデマであるかを明らかにするために、「インフレ」と言う現象について、過去の事例や統計データを元に少し掘り下げて調べて見ました。先ず何をインフレと呼ぶかですが、これは「物価が継続的に上昇すること」とします。その率が例えば年率3%位であれば、ことさら取り立てて言う程の事ではありません。尤も世の中には、「例え3%でも(俺は損だから)インフレは困る」と言う立場の人が居ます。この人々はインフレで自分の金融資産の実質購買力が減価するのを「インフレ税」と呼んで忌み嫌います。だから、この類の人々には「例え僅かでも継続的なインフレを引き起こすような政策は、やがてインフレを制御出来なくて、必ずハイパー・イ
ンフレになる」と言う神話を吹聴し、自分でも、それを信じたい動機があります。

年率2〜3%の物価上昇は敢えて「インフレ」とは言いませんから、以下の議論では勝手に「インフレとは、それ以上の物価上昇が続く状態」と定義します。同じ感覚で「物価上昇が年率30%を越えたら悪性なインフレ」として良いでしょう。双方とも、それが発生する根本的な原因は何時でも、何処の国でも同じで、「購買力に比べて、(有形・無形の)モノが足りない」からです。

ついでに言うと1995年の円高騒動のころ「調整インフレ」と言う主張がありました。調整インフレで目指す「モデレートなインフレ」とは、年率5〜10%程度の物価上昇だったと思います。



1. ハイパー・インフレの事例と考察
1. 1 1923年のドイツのハイパー・インフレ

表 1 ドイツのハイパー・インフレのプロフィル
(添付ファイル参照)

以上の経過を見ると、ドイツのインフレが「ハイパー・インフレ」に転化したのは
1922年の後半からで、この原因が「中央銀行の信じられない御乱行」及び、フランスのラインランド占領と、これに対抗したドイツの政府指令によるストライキという、「通常の経済行為の範囲を超えた、国家ぐるみの意地の張り合いと破れかぶれ」の結果と言わざるを得ない。


1.2 アルゼンチンのハイパー・インフレ

アルゼンチンのGDP デフレ−ター の推移
      1950 1970 1985 1990 1995 2000
deflator  8.66/1 兆  5.33/1 億  2.92/千  36.7  103.1  100.0
X 6,155 X 547.8 X 12,568 X 2.8

特徴は、猛烈なインフレが 1950 から 1990 迄の間に何度か繰り返して居ることである。

このインフレの原因は、17世紀以来の「度重なる内乱を含む政治的不安定」だが、これがハイパー・インフレに転化した伏線としては、1861 年に実現した政治的統一が、貿易港ブエノスアイレスを
持ち、「(関税なしの)自由貿易」を主張して居たブエノスアイレス州の主導で成立したため、古くから開けた内陸諸州で育ちかけて居た諸工業が、ヨーロッパから流入した安い工業製品との競争に敗れて壊滅して居たことが大きい。

統一後のこの国は、大規模畜産と農業の輸出競争力を背景に、1929年には「世界で5番目に富裕な国」になった。この豊かさをバックとしたペロン大統領とエヴァ夫人の「ペロニスタ」が福祉重視の政策を採り、一時は旨く行ったが、これに反発する伝統的な大農場主+軍部連合のクーデタで大統領は亡命した。その後も何度かの政権交代があり、ポプリスト的政策がもたらす購買力急増に応えるべき消費財の国内での製造能力が、前述の歴史的経緯から貧弱だったことがインフレを悪性化させたと見られる。これに軍事政権によるフォークランド奪回の失敗もあり、物価が安定したのは
1995 年以降である。


1.3 ブラジルのハイパー・インフレとIMFの介入

ブラジルの経済発展は、北東部諸州の奴隷労働に頼るサトウキビ栽培に始まり、やがて中心が南西部サンパウロ州のコーヒーや、ジェラス・ミナイス州の酪農に移ると、これにはデリケートで自発的な熟練労働が要求され、ヨーロッパや日本からの自発的移民を多く受け入れた。この伝統的農産物輸出主体の経済構造から、各種工業は発達して居なかった。

だから1954 年に自殺する迄のバルガス大統領や、これを継いで「50 年の進歩を5 年で」を掲げたクビシェツキ大統領も急速な工業化を進めた。更に1964 年に成立したカステロ・ブランコ将軍の軍事独裁
政権は、外資導入による野心的な近代工業化を進め、軍用機国産を目指したエンブラエル社もこの頃に出来た。

この国には 1962 年以前の統計が入手できないが1965 から 1975 の間には、アルゼンチンそこのけの猛烈なインフレ(約20 兆倍と桁外れ)が生じた。


表 3 ブラジルのGDP deflater と実質GDP(百万$) の推移

1965 1970 1973 1975 1990
2000 2005
Deflater 3.7/1 兆 1.3/千億 2.3/千億 62.19 85.93 100.00
107.27
× 3.51 ×1.77 × 2.7 兆 ×1.4
×1.15
実質GDP bill. $ 121.04 163.33 250.85 263.88 403.85 524.50
584.46


ハイパー・インフレは1975 年には収まり、その後のインフレはごくマイルドになった。

この 1975 年頃に何があったか?と言うと, 対外借款の返済の行き詰まりからIMFが介入して、ワシントン・コンセンサスの処方通りの、公務員の人員と給与の削減を含む財政の徹底的削減、公営企業の外資への売却による民営化、輸入自由化を含む各種規制の撤廃などをおこなった。

確かにインフレはぴたりと収まったが、韓国と殆ど平行して GDP が急成長して居て、このまま行けば遠からず先進国の線(log10(GDPpc)=4.0 GDP per capita が1万$)に達する勢いだったのが、一転し
て低成長に変わった。

1. 4 戦中戦後の日本のインフレ
戦前のそば屋では、盛り・かけとも 1杯7銭だった。戦後しばらくして 1950 年ころの蕎麦の公定価格は7円(しかし、これを食べるには麺類外食券が必要)だった。戦前からこの頃までの物価上昇は約100倍に上昇した計算。

日本のケースは、戦争に必要な人件費や武器・弾薬・その他燃料などの消耗品を賄うために膨大な財源が必要になり、この財源は日露戦争の時のように外国に借りる訳に行かないから、赤字公債の日銀引き受け以外にはめぼしい調達法がなかった。モノや人手が戦争の方に取られて、銃後では猛烈なモノと人手の不足がおこり、この為の物価と人件費の高騰を抑え
る為の公定価格は、やがて有名無実になった。更に海外(外地と占領地)からモノを運ぶ海上輸送が、アメリカの潜水艦の攻撃で殆ど途絶え、その後には空襲による生産施設や輸送網
の徹底的な破壊で、末期には殆どのものが無くなって、ヤミ価格が暴騰した。

終戦直後には、約310万の復員兵と軍属・民間人約320万が海外から帰還したが、戦争中の人手や肥料・資材の不足で農地も荒れて食料生産力も落ちて居たし、諸々の必需物資も、空襲や軍事転用による生産施設の消滅、原材料・燃料の欠乏で生産力が激減して居たから、「供給不足によるインフレ激化」は必然的だった。

この戦中・戦後のインフレ激化の原因を「赤字国債の発行による財政規律の弛緩」のせいにする議論は、経済の実態を忘れたオカルト信仰のようなモノだが、「赤字国債発行の先鞭
をつけた高橋是清がけしからん。彼は国賊である。」と言う発言まで出て来た。

経済白書に「もはや戦後でない」と書かれたのは 1956 年だが、この頃には「物資欠乏」は解消し、各企業は「もっと買って貰う」ことに重点を移した。しかしインフレはその後も続き、この頃から 1991 までに、物価は更に
数倍になった感じだが、給料の方は昇級分を含めると10倍以上になった。だから私の頭の中では、モデレートなインフレと経済成長・生活水準向上は、離れがたく結びついて居て、その後色々な統計数字を扱う場合の視点に影響して居るかも知れない。


大卒初任給 戦前 60〜80 円
1952 7、000〜12、000 円
現在 15万〜20万 円 (戦前から約2500 倍)

以上の数字を見ると、日本の戦中・戦後のインフレは相当なモノですが、あれだけの無茶な戦争による壮大な浪費と、戦災による生産力への甚大な被害にもかかわらず、兆の単位が
出てくる他の3国に比べれば、とても「ハイパー・インフレ」と言う程のものではない。この違いの理由は、戦前の日本はすでに「資本蓄積が過剰」な先進国だった為である。



2. 諸国のインフレと経済成長の関係

下のグラフは、1950 年以降のヨーロッパと米州諸国の実質GDPの推移である。

図1 log10(GDP ) Billion $ (Europ & America)
(添付ファイル参照)
この図で見ると、アルゼンチンやブラジルの実質GDPは、ハイパー・インフレの期間を含めて、スイスやスエーデンなどの西欧諸国と、略同じか、それ以上のペースで上昇して居
る。とくにブラジルが急成長を遂げた 1970 年台は、丁度ハイパー・インフレの期間と重なって居るのは、単なる偶然とは思えない。

次ページのグラフでは、他の国々の実績も検討するが、少なくとも「インフレは、実質値での経済成長を妨げない」のは確かである。

図 2 1995〜2005 間の Deflator 増減と GDP成長率 の関係
(添付ファイル参照)
1995〜2005 の10 年間に日本以外の国では全て物価が上昇して居るが、GDPが減少した国はない。日本の低成長と他のアジア諸国の高度成長が目立つ。
概観すると10年間に物価が20%程度上昇するのが先進国の大勢と見られる。

図3 諸国のGDP deflator の推移
(添付ファイル参照)
図3を見ると日本の異質性が更に目立つ。バブル崩壊のあと20年近く、deflator
が下がりっ放しと言う国は他に類がない。
言い換えると、この間の日本の財政・金融政策の運営が、いかに異常であったかが一目瞭然である。
この間を支配して居た財務省主導の財政再建至上主義と、日銀の偏執狂的インフレ忌避による競合脱線と言うべきだろう。



3.インフレの利害得失

3.1 「インフレの弊害」論の仕分け
通説では

1.一旦インフレを認めると、制御出来なくなって、必ずハイパー・インフレになる。

2.インフレは経済の健全な成長を阻害する。
3.インフレはモラル・ハザードを引き起こす。
4.インフレの損得は集団毎に大きく異なり、経済の健全な成長を妨げる。

とされて居るが、今まで世界各国の統計データで見てきた通り、(1)と(2)は完全

にウソで、(3)と(4)は内容を個別・具体的に考える必要があるが、言い換えると最
大の問題点は集団毎に利害が大きく異なることである。だから此の問題はインフレが集団
毎にどのような影響があるのかを、具体的に整理しないと真の問題点が見えて来ない。


3.2 インフレで損する(と思い込んで居る)のは誰か

1. 現預金や額面が決まった債権を沢山持って居る人や集団。其の代表は金融機関。

2. (給与がインフレに連動し難い)公務員など。
3. 主に年金や金利で生活して居る人々。

民間で決まった額の給与を貰って居る人々は、「その額がインフレでも増えない」と仮定すると損するグループに入るが、戦後の例では、民間企業の給料は常にインフレを見込んだ額以上で増えて来た。経済が成長して居たからである。インフレ下では1次産業や製造業・流通業は仕入れと売上げの時間差もあり帳簿上のマージンが増えるから給与も上げやすい。

損する側の本命は金融機関で、彼等の商品は色々な形態の貨幣や、これに準ずる債権・証券等であり、彼等の力の源泉は価格が数字で明示された債権だから、これが実質的に減価するインフレを本能的に嫌うのは自然である。自ら「銀行の銀行」を任じている日銀が、インフレの匂いすら嫌がるのも止むを得ない。此らのインフレを嫌う立場の人々には(自分達の
損になる)インフレは、「必ず国民全体を不幸にするハイパー・インフレに直結する」と言う、おとぎ話を作り上げて吹聴し、自分たちも信じてしまう、十分な動機がある。


3.3 インフレの効用

先ず経済が活性化する。直接にはインフレで販売価格が上がって売り上げとマージンが増える他に、「金融機関には損」と言うことの裏面として、大きな債務を抱えた企業や人々の債務負担が実質的に軽くなり、借り入れを増やして事業を拡張し易くなる。この投資需要に売上げとマージン増が加わるから、経済が活性化して企業の業績と財務内容が好転する。この活性化の恩恵は、実は金利と融資残の増加や、貸し倒れの減少を通じて金融機関にも及ぶ。

この恩恵を一番に受けるのが、実は膨大な「国債」と言う債務残を抱える政府と、結局はその尻を税金で始末する国民全体である。政府の負債は国民全体の負債なのだから、税収の自然増に加え、債務が実質的に減価するのは(金融機関を除く)国民全体の利益になる。

懸案の「高すぎる公務員給与の是正」も、実際にはインフレ進行下でないと極めて難しい。


4. 何故「日本では、ハイパー・インフレは起こらない」と断言できるのか?

理由を一言で言えば「日本は資本蓄積が過剰だから」である。

ある国が工業化を開始して時間が経過すると、企業も人も経験と実績を積んで、産業社会の成員として成熟する。資金だけでなく、工場の設備や是を建設・運営する生産力とスキル、新製品を生み出す技術力、この集積を同期させる法律・制度と人材やノウハウとモラルなど、「広義の資本」が蓄積される。日本などの「先進国」と言われる国々は金融的・物的な資本の蓄積と共に、此らの社会的資本の蓄積が進んで、「資本蓄積が過剰な国」の地位に達する。

最先進国であったイギリスは19世紀の後半には早くも資本過剰になり、過剰になった資本の投資先を求めて帝国主義的な行動を本格化した。約100年遅れて産業化を開始したのがドイツと日本だが、世界中の市場はすでに先進帝国主義国間で分割されて居て、此処に新たに割り込むには摩擦が避けられない。この摩擦が第1次・第2次大戦の本質である。

ところが産業国家として未熟で資本蓄積が乏しいアルゼンチンやブラジルなどで、性急な工業化政策(ブラジル)や、過剰な福祉政策(アルゼンチン)を実行すると、此処で生じる膨大な消費需要を自国内で満たす生産力がないし、これを急ぎ補充する総合力もないから、激しい物価騰貴が続く。消費財を輸入しようにも外貨がない。消費財産業を育てるにも外貨と時間が要る。やがて対外債務の返済が滞り、その債権保全のためにIMFが登場する。

つまり過度に積極的な財政運営が直ちにハイパー・インフレに結びつくか否かを分けるのは、その国が「資本蓄積が不足か、または過剰か」であり、これが日本とアルゼンチンやブラジルの決定的な違いである。この違いを認識できない人々が「日本にもハイパー・インフレが来るぞ」と喚き、この脅しに易々と乗ってしまう。

今回の大震災の被災者を早急に救済し、住居や社会基盤と職場が再び機能するようにするには、膨大な財源が直ぐにも必要だが、真っ先に「震災復興税」などと言い出すのは、経済全体の活性と潜在力の顕在化を妨げ、結局は復興の実現と、そのスピードを大きく損なう。

「9回うら逆転のチャンス」 逆に大量の国債発行を財源とした「震災からの速やかな復興のプラン」を挙国体制で立案・実行できれば、沈滞して居た日本経済を再び活性化して、到来する少子・高齢化社会と、炭酸ガス削減に伴う摩擦的負担の増加に立ち向かう力を蓄えて、若々しい新興国群を迎える力を蓄える、最後のチャンスを活かすことが出来る。



5.財政政策にもインフレ・ターゲットを

此処までで見て来たように、日本の様な「資本蓄積が過剰な先進工業国」では、インフレ的な積極財政策をとっても、多少のインフレの進行は予想されるが、此は容易に制御可能で、それが直ちに制御不能なハイパー・インフレに直結することはあり得ない。これに気づけば、適度のインフレには経済の活性化や、国の累積債務/名目GDP比を下げて、財政の持続性を高めるなどの明白な利点があるのだから、この利点を活用しない法はない。

特に東日本大震災+福島原発事故の収拾と復興には、出来るだけ速やかに、大量の財政資金を投入することが重要だから、日本ではむしろ「財政政策の目標の一部としてのインフレ・ターゲット」を導入することが有効だと考える。


以上







量的緩和もインフレターゲットもうまくいきませんでしたね
ハイパーどころか2%でさえも難しかったですね
財政ファイナンスは終わるに終われずこのまま共産化してしまいそうな心配が現実のものとなってきましたね
日銀が金融資産を買い漁ったためゾンビ企業が増えてますます長期停滞が止められなくなりましたね
好景気を目指しつつも増税は避けられないという相反した要求はついに克服できませんでしたね
ちょっとでも過熱しそうになったら直ちに増税されますw

リフレ派は息してますか?
失われた20年は始まりでしかなく、この倍は失いそうですよw

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