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3MIXコミュのNo-Mix法

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昨年、3Mix法の開発者岩久正明先生の混合抗菌剤療法の講習会に参加してきました。

岩久先生は3Mixという処方はもう使っていないので、混合抗菌剤療法と呼んでいましたが、実際にはメトロニダゾール単味のNo-Mixが多いそうです。

この講習会は、「3Mix法」の変法の「3Mix-MP法」というのが、歯を削らないとか痛くないとか非科学的な宣伝をしていて患者さんを混乱させているようなので、「3Mix-MP法の間違いを正す」という目的で行ったものです。


以下に簡単に概略を記載します。




1.混合抗菌剤の基本コンセプト

若年者の幼若な永久歯は、虫歯が急速で進行して早期に歯髄炎を起して抜髄になりやすい。
しかし、抜髄により歯牙の寿命が短くなるため、若い時期に抜髄すると将来その歯を喪失する可能性が高くなる。
一方、幼若永久歯は、根尖孔が開いており、歯髄腔内の血流が豊富なので、歯髄細胞の活性の程度が高いと考えられる。そこで、適切な方法で患部を無菌化することで、歯髄が修復され、抜髄が回避できる可能性がある。

そこで、偏性嫌気性菌にも効果がある抗菌薬で齲窩を滅菌すれることで、抜髄の回避を試みた。




2.混合抗菌剤の製法

偏性嫌気性菌に効果があり、耐性菌を作りずらい化学療法剤であるメトロニダゾールを主成分とする。

以前はこれにセファクロールとシプロフロキサンを加えていた。
しかし、シプロフロキサンは、妊婦および幼児に対する安全性が確立していないため、妊婦等に対してはこれを含まない2Mixを使用していたが、効果に差が認められなかったので、シプロフロキサンは廃止した。

また、セファクロールは一部のコンポジットレジン等の硬化を阻害する場合があるので、これもあまり入れないことにした。


2Mixで使用するときの製法は以下の通りです。

メトロニダゾールについては、いくつかの製薬会社から、試薬のメトロニダゾール粉末が販売されているので、これを使用する。(あおじい註:粉末といっても粒子が粗いことがあるので、乳鉢ですりつぶした方が使いやすいです。)

セファクロ−ルについては、ケフラールのカプセルを開け中の粉末を使用する。

メトロニダゾールとケフラールを3:1の割合で混ぜて作製する。

種々の混合比で実験をした結果、殺菌力に大きな差がないことを確認してあるので、混合比は目分量でかまわない。

保管については、メトロニダゾールが光によって分解するので、遮光をする。褐色びんでは遮光が不十分なので、台所用のアルミフォイルに包んでおく。
この状態で、6ヶ月間は使用可能であることを、以下の実験で確認した。

冷蔵庫から出して、びんのふたを開け、1分間待ってからふたをしてまた冷蔵庫に戻す。
これを1日10回づつ毎日行い、1ヶ月ごとに、抗菌力を調べた。
大学院生にこれをやらせたところ、「正月に帰省したい。」というので、「ダメだ!」と言って正月も関係なく実験を行わせた。6ヶ月たったところで、「もう勘弁してください。」と言うので、そこで実験を終了した。
6ヶ月間で抗菌力は減少しなかった。




3.使用方法

基本的に、臨床症状がないかまたは誘発痛のみの場合に適応する。


<術式>

1)直径1mmのダイヤモンドポイントで、窩洞の入り口に、健全歯質による窩壁を確保する。

2)エキスカで、表層の極度に軟化した歯質を除去する。
  茹でた栗状で、エキスカでフレーク状に削れる軟化象牙質は残す。(エキスカの背で押すと、液がにじみ出てくる部分は残す)

3)抗菌剤を加えたグラスアイオノマーセメントで、露髄面と感染歯質を残した部分を完全に覆う。このとき、極力無圧で行う。
グラスアイオノマーセメントは、粉末にまず2Mixを1/20加えて混ぜ、これに液を加えて混和して使用すると、抗菌剤を均等に混ぜることができる。
この混合比についても、種々の割合で実験を行った結果、1/10でも1/30でも変らないということがわかっているので、目分量でかまわない。

4)抗菌剤を加えたセメントの上を加えないセメントで覆う。

数ヶ月間経過観察を行う。必要に応じて、クラウンなどの処置をする。
抗菌剤は除去する必要はない。




以上、概略を述べました。

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