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(白い道成寺 改め) 金利恵コミュの『風の国 風の舞』書評 

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1月29日西日本新聞に掲載された書評です。
評者は日本民俗学の大斗
東北芸術工科大学教授 赤坂憲雄氏

> 著者は韓国伝統舞踊家である。在日韓国人二世として
 生まれたが、1980年代はじめに渡韓して、
 伝統舞踊を学び、結婚し、今はソウルに暮らしている。
 昨秋には、韓国と日本で、みずから創作した
 韓舞「白い道成寺」の公演を行った。そのタイトルにも
 明らかなように、韓国/日本の舞踊や楽の音をもって
 繋ぐための、大胆にして繊細なる祈りにみちた舞台
 であった。
  その舞踊家の、韓国の伝統文化や生活風土や歌謡
 を紹介した初めてのエッセー集である。 
 文章がとてもいい。言葉が跳ねている。不思議に
 心地よいリズムがあり、しっとりとした余韻が残る。
 どこか、まあるく円を描いて流れてゆく、あの韓舞に
 似通った肌触りが感じられる。たしかに激しさを秘め
 ながら、決してそれを表にじかにさらすことなく
 溜めておく、醗酵させる、ときに弾ける。しかし、
 それをまた、諦めたようにも困ったようにも眺めている
 まなざしがある。
  優れた韓国文化論にもなっている。観念的にでなく、
 きわめて身体的に、触れて、ぶつかって、感じ取られた
 人やモノや風景が、どのページにもさりげなく転がって
 いる。おそらく、「在日」ゆえに描く事ができた韓国の
 人々の、生々しい等身大の姿が、ここにはある。
 その帰属の曖昧さが、引き裂かれてあることが逆に、
 そうしたまなざしの個性をもたらしているのではないか。
  「韓」と「和」が出会うところに、一人の「在日」
 舞踊家が立ち尽くしている。この人はそれを「韓舞」
 と呼ぶ。かぎりなく優雅で、静かに力強く、美しい舞
 である。思えば、道成寺という「和」のなかに、すでに
 「韓」が入れ子細工のように仕込まれてあったのかも
 しれない。その直感のゆくすえに眼を凝らさねばならない。
  異郷を繋ぐ者としての「在日」、その可能性に、
 わたしはいま、関心をそそられている。

☆ 金利恵『風の国 風の舞』 水曜社・1575円

コメント(1)

私のミク友「海龍キムチだれ」さんが素晴らしい
書評を日記にアップされてます。

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=103097757&owner_id=3385157

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