大耳ネットワークコミュの第15期名島表現塾第14回レポート (2021.7.18.記録・みやい)

第15期名島表現塾第14回レポート (2021.7.18.記録・みやい)

参加者…ちょこ、安永、寺本、陽子、鹿児島、みやい、かずっち

★近況報告

陽子「五味伸之さん主催の秋の影絵劇に出演するため、昨日はその練習があった

下松「お金もらえる・もらえないに関わらず好きなことをやるのっていいよね

からお金の話へ

・元々価値が決まってるor既に認められてるモノにはお金出す日本の金持ち？

・パトロン的に育てるという意識や文化が薄い、多くは逆輸入で評価されるパターン、ヒトがいいと言うものを良いと思いがち、金と名誉で動いてるモノ

次いで大航海時代、食事や食費の話、劇団の運営費についての話など

・何でもお金でどうにかしようとするのはもう古い

・自分が大切にしたいモノやコトのためにお金が必要、が先であってお金が目的になるべきではない

習慣、忍耐力、自身へノルマを課すことについて

・毎日続ける、苦し紛れにやったことが良いモノを作ることもあるので諦めないで。調子良い時に作ったモノは勢いだけでつまらないことも

・きつい時に捻り出したモノが新しい自分を発見するのに繋がることも。毎日やることの意味

・続けること、継続することしか突破口はない

脚本の書き方について

下松「人それぞれ、私はこういう2-3パターンの書き方でやってる

鹿児島「岡田斗司夫が『朝起きてとにかく３頁ノートを埋めろ』と言っていた。今読んでる村上春樹の『騎士団長殺し』も絵描きの話で、(創作・制作する上で)続けることについての話が出てくる

下松「村上春樹自身もずっとマラソンしよるよね。安永くんは最近どう？

安永「久しぶりに実際に (リモートではない) 塾への参加がやっとできて嬉しい。最近になってプライベートでも外出し始めた

下松「引きこもると世界がそこ(自室やディスプレイ内)にしかないように感じ錯覚してしまい、(実)世界の広さを忘れてしまう。世界に対する自認識をアップデート・更新していかねば。自身を対象化する必要がある

安永「大学演劇部の公演を観に行った。(おそらく￥3000とかの) 協賛してくれた個人商店等の名前がたくさんあり、学生の彼らが一件一件回って協賛を集めた、それに協賛してくれるお店がこれだけあった、観客少ないながらもそれなりに広いホールを借り公演できた、『もうそれだけでいいんじゃないか』と思えた。真面目にみんな頑張ってることがわかってよかった

下松「豪ちゃんが太宰治の一人芝居やるのを観に行った。50とかになって(?)全力で会場中を走り回ったり、階段を何度も昇り降りしたりしてて、その姿に感動した。年齢を重ねてても身体を張り続けるということを評価したい

長引いたビフォートークを切り上げ塾開始。

★掃除

★筋トレ

★脱力 (寝ニョロも)

★発声

★ホーミー

安永「久しぶりで嬉しい。カラダで聴く、部屋に響くのが気持ちいい。パソコンの画面越しやスピーカーだと目や耳(頭部)だけで終わっちゃう。音色と音圧の違いを感じる

★休憩

(森さんからのお中元お菓子？や安永くんお土産のカステラ等をつまみながら歓談)

・面倒くさく苦労したモノしか手に入らない。ラクしてすぐに～という発想はダメ

・めんどくさくても、こうして集まって皆でやることでハードル下がる、やれる

・それぞれの食材調達や自炊料理の話

★リズム練習 (3～15拍子)

★即興メロディの歌回し練習 (3～9拍子)

★楽器練習 (3～9拍子)

陽子…ピコピコハンマー＆歌／寺本…ダラブッカ＆歌／ちょこ…和太鼓＆歌／鹿児島…エレキベース／安永…キーボード／みやい…ドラム

★小休憩

★セットものの練習

①

演奏…寺本・安永／踊り…鹿児島・陽子／カメラちょこ・照明みやい

・音楽組の息が合っていた、終わりも合わせられた。2人のボイスと安永リコーダー2本同時吹きで和音を奏でてたのが印象的だった

・踊り、面白かったけど深みがなかった、陽子がもう少し考えないように踊れるとよい、何度か終わりかけたけど終わらなかった (敢えての下松判断？)、素人目には面白いかもしれないが奇をてらいすぎ、あざとくてウーン…

・けど終盤に安永オルガンが鳴り始めてから踊り2人とも考えなくなり、ガー！っとよくなった

・「これしか出来ません、これが精一杯です」がみたい、やり尽くしてから何が出てくるの？が面白い

・「上手くやろう・よく見せよう」みたいな『我』が自分にあるうちは、それを捨てていく必要がある。身体の欲求や意志に従っていく方が上手くいく

・心身一如。考えて動く(心や思考が身体を動かす)状態から、心身が一緒になってやっていく方が表現に嘘がない

・客観性と(この)主観を一体化できれば良い、世阿弥の『離見の見』みたいな、そうなると見てて気持ちがいい

・踊りラストやっと本来のモノが出てきた、思考グセは捨てるようにした方がいい、それでエンジンかかってリードできたりもするんだけど…本来の良さを出せるようにしよう

(ここでかずっちさん到着、現塾生が全員揃った！)

②

演奏…ちょこ・みやい・かずっち／踊り…寺本・安永／カメラ鹿児島・照明陽子

下松「みんな踊りみて笑いよったね…中学生の修学旅行みたい、あんまり評価しようがない…ゴジラvsコングを思い出した

鹿児島「安永くんが(物理的に)振り回されてるのが驚きだっだ

下松「まあ、たまにはこういうのもいいんじゃない？アートではないかもしれないけど、表現だから

・大見得を切る寺本、楽しそう、健康的でいいのでは

・雄叫びを上げる男2人が半裸で動けなくなるまで取っ組み合う、これは女性にはできないモノ

・元気があってよろしい

・かずっちキーボードに(ブチ)キレを感じた

・事故のような世界

・照明もハデで挑発しててよかった

安永「スッキリした

下松「デトックスも大事、これは(お金取る本番じゃなく)練習なので

③

演奏…鹿児島・陽子／踊り…ちょこ・みやい・かずっち／カメラ安永・照明寺本

下松「かずっちさんが来ていきなりで踊ったにも関わらずすごくよかった。集中力があり最初からグッと、他2人も合わせてグッと。

・陽子の狂気、爆音キーボード、危ないし怪しいけど。考えないボイスがよかった

・考えない底力、「私の方がヤバイぜ！」を感じた

・影薄い鹿児島、ラストで鹿児島ボイスが聞こえてきてホッとした

・照明暗めでシーンに合わせて色を変えていた

・イベントとして見るなら、幻想的で深みのあるセットでよかった。照明が活きて劇的だったり

下松「安永くんのスゴイ体勢で撮るカメラマンぶりよ

安永「カメラマンも踊らなイカン、全身で撮らなきゃと思い

下松「それをやるのはいいねえ

安永「身体性がなかったリモートでの参加から、やっとカラダを取り戻したような感覚が

下松「その意気込みが、ビデオカメラ撮影ひとつにしても出ててよかった。かずっちさん入ってくれて見応えがあり良いセットだった

★小休憩

・ゴジラ対キングコングの今昔。特撮の着ぐるみ感、質感や重量感、人間臭さ

かずっち「今BSで週イチで『ウルトラQ』やってて、作りはチープだけど話が面白い

下松「カネゴン回は沖縄出身のひとの脚本、反戦やお金・権力に対する批判があったり。
ウルトラセブンくらいまでは社会派で怪獣との立ち回りも少ない、地味で暗いけどいい話が多い。
科学特捜隊の怪奇大作戦も良いのでぜひ

★宿題の詩の朗読

①

かずっち『足跡』(撮影ちょこ→次に朗読するひとがビデオ撮る)

寺本「暗い水の描写がすごくいい、詩と文学の中間のような印象。物語とまではいかない、言葉の面白さだけでもない、ちょうどいい

下松「情緒がある、絵面が見えてくる

陽子「くらげや暗闇、分裂するイメージがあり、浮かぶのも沈んでる私も私、それを認める私がいる、かのような…

下松「よく朗読聞きながらそこまで考えられるね

陽子「影絵の練習で毎回感想言わなきゃなので

②

ちょこ『ある日の即興詩 Vol.2』

寺本「言葉の選び方が独特、作家の鷺沢萠(さぎさわめぐむ)みたいな、20-30年前の若い作家さん達のような、風を切るような爽やかさがある。こう、吉田栄作みたいな…

下松「ちょこさん同世代だからね、そういう背景を感じさせる

安永「最初の『○○が好き』みたいな無邪気なのから人格が飛んでいく感じがスゴイ、スゥ…っていう流れの中で繋がってて、いつの間に！？って。サーっと(いく感じが)面白かった

鹿児島「すごい、なんでそんな言葉が選べ表現できるのか、関係ないことから始まってフワフワ、サラサラーっと…

ちょこ「自動筆記みたいにある種テキトーに書いた

下松「世界の飛び方に納得する。文章のまとまりはあるのでついていける、引き込まれるリズム。でも脈絡ないのに怖いところに連れて行かれるような…

ちょこ「とにかく長く書こうと思ったけど、スマホのメモ帳の字数制限がありこれがいっぱいいっぱい

下松「前回に比べ格段に出来がいい、考えないのがいい。考えると融通が利かず面白くない

③

陽子『空』

鹿児島「散歩してる時などの日常風景を詩的に書いたモノ？普段分からない『陽子の歩いてる姿、こういう風景を見・考えながら歩いてるのかな』に触れれてよかった

寺本「日常の具体的なことを丁寧に見る目、一個一個物事を見てる。『蕩ける夜』みたいな文学性もあり、その両面を持ち合わせているのがいい

下松「女のひとのことば、男には出て来ないのでは？文才いいので続けてほしい。
こうして女性の文学性に触れれる貴重な機会、ジェンダー云々はあるけど、やはり性差や違いはあるので (差別せず)その良さに触れれるいい時間。日常を飄々と行く感じが素敵、男はなんでこんなに(日常へ？)突っかかってしまうのか…

④

安永『必殺カット江口』

下松「前回みたいな訳のわからん音声詩よりいい、言葉の意味と戦ってるのがいい、そういうことの積み重ね。ただこの倍量ほしい、でもまずそれだけの文量書いたってことが大事

寺本「安永詩にはいつもテーマ性があるように感じるが、今回はその目的が透け(見え)る感じが無かったのがよかった

安永「地元にある、そういう看板が有名な床屋さんを昨日見かけ書いた

下松「『原爆資料館のふもと～』がイイ、テーマは浮かび上がってくるのがいい。安永脚本の時はテーマテーマしてないので、そういうのが書けるバランス感覚も持ってるはず

寺本「ジャンルが違うと(自他共に)書き方が全然違う…

下松「戯曲のセリフは詩に近い。小説家が書くと説明的すぎ、詩人が書くと意味わからんくなりがち。シェークスピアは劇詩人、言葉の美しさで聞かせる、でも役者がそれをやるのは難しい

⑤

鹿児島 (無題)

みやい「読み方も相まって一人芝居のように感じた。(それもいいが)敢えて静かに淡々と朗読するのを聞いたり、文字だけで読んだり…と色々な聞き方・読み方をしてみたい、それぞれどう印象が変わるのかを感じたいと思った詩

寺本「読み方も上手で引っ張られたのもあるし、内容も四畳半の和室から宇宙までの広がりを情熱的に。今ここにあって細胞一つひとつの中に宇宙がある、自分の『生きてる』を具体的に、呼吸の中に宇宙が生まれ死ぬことを書いてて (それを感じた経験のある自分は)『それそれ！』と感動した

下松「アタマナクス(今岡くん)みたい

安永「役者の書く詩だ、物語じゃないけどお芝居、鹿児島脚本のセリフにあってもおかしくない、倍量あれば一人芝居になるのでは。(みやい感想と違い) 自分は逆にお芝居で、舞台でこれを見てみたい

下松「今までの鹿児島詩で断トツにいい、読み方も含めて。
どう朗読するかは本人次第だし、作者なので過剰没入していい。
演劇的、まさに詩劇、きみはその勢いで脚本を書け！きみの文体の美はここにある、ぜひ続けてくれ。

きみの言葉には美がある、(きみがさっき褒めてた) ちょこさんのもだけど、きみのもイイ。ここまで書ける劇作家も詩人もいない。
大耳にはスゴイ詩人の伝統があるのかも？面白いかどうかが大事」

鹿児島「職場の事務所で書きながら、自分の中で驚きと発見があった、思ってもなかった言葉が、こう…

寺本「言葉が降りてくることってあるし、そういう時は考えてない

⑥

寺本『21世紀の日本より愛をこめて』

かずっち「リフレインが効いてて言葉に強さが出る、すごく愛がある、愛に溢れた詩

寺本「(いないけど)自分の子供や甥っ子・姪っ子を意識して書いた

下松「てっきり女性に対する詩かなと。流石、技巧に走らず最後にテーマがしっかり出てくる、完成度高い、素直に感動できる

かずっち「聞いてたら分かった、多分(ちっちゃい)子どもに向けてだな、と

陽子「伝えたい！っていう塊が押し寄せるようで幻想的

⑦

みやい (無題)

ちょこ「やっぱみやい流、個性ですかね。移動して戻って、お芝居の感覚、自己対話する分裂的な部分があって…みやい流です！

寺本「塾生それぞれのスタイルが確立されてきたのかなと。精神世界系のことも折り込みつつ、落語じゃないけど講談調で…こういうふうに語るひとが詩のオープンマイクにもいるけど、自分にはマネできない

下松「出来にビックリした、中間部の世の中を舐めた感じがいい。これも詩劇、一人芝居やれる。
みやいくんや鹿児島くんみたいな感じで書けてるような芝居がないので、この、ペラそうでいて奥ゆきのある言語感覚で、ぜひ脚本を書いてほしい。

(総評)

下松「皆パッと出てくる勘を身に付け、やってほしい。考えない世界は全身なので、それ(宇宙)全部が書ける。でもそれは難しく訓練が必要、とはいえ皆訓練の結果が出てる、上達はやい。芝居は上達遅いのに…(しょんぼり)

芝居は難しいんだろう、詩ほどシンプルじゃなく、個人詩と違って他者と作っていくので。

全体が底上げされ、最初のかずっちさんからよかった、みんな素直に学んでるのかな。
塾生の良さは謙虚なところ、素直にやってるのがいい。自分が詩人という感覚がないのがいい。

ダメで当然、常に素人、いつまでも新人である、というような謙虚さがいい作品を生む」

・・・

ここで今回の塾は終了、
その後来月８/８～９に行われる山上の夕べや今秋の活動についての話し合いが行われました。

★山上の夕べについては、先週の夕べで配られたプリントの写真画像を下部へ添付していますのでご参照ください。
(先日は久しぶりの夕べお疲れさまでした)

★塾生による公演は「１１月下旬を目標にぜひやろう！」ということになりました。

次回の塾は

8/1(日)の14時～21時です。
基礎訓練後に、詩の朗読と寸劇(短時間での劇作と発表)をやります
ので宿題は詩です。

8月の塾は1日と22日の予定です。

★名島表現塾では新塾生を募集してます！

新たな表現を模索している方、初めて表現に触れたい方、ぜひお越し下さい！
基本から応用まで、表現する上での幅広い感性と実践を学べます。
自分の可能性を広げたい方にはピッタリ！
初心者大歓迎です。

★参加費は体験入塾１回2000円
　　　　　塾生は月3000円(月2回分)

★日時は毎月日曜日のいずれかの2回
　　　　　　14時～21時位まで

★場所は名島神社奥下の下松邸
【連絡先：092（673）4156】

★途中参加や途中帰宅も可（要相談）

詳細は下記をご覧ください。

名島表現塾ホームページ
https://ohmiminet.work/

mixiの名島表現塾コミュニティ
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Facebookの名島表現塾ページ
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長文となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。