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☆モンスターハンター外伝☆コミュのドンドルマへの復讐!

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題:ドンドルマへの復讐!
     〜第一章、東方からの旅立ち〜

作:リョウ


 ドンドルマより東、遠方より来た人々によって開拓された土地がある。その文化は、栄えるドンドルマとは少し異なり時代から少し取り残されているようにも感じられていた。おそらく元々居た土地、海を隔てた”島国”の影響ではと推測される。
 近年にいたってはその村で多くの若者が巣立ち、ドンドルマへ上る者もいたため、少しづつ近代化を見せるものの、先住民に近しい老人などは近代化を嫌い、つつましさを忘れないといえば聞こえはいいが、俗に言う”頑固者”も多く、村で一生を終える者もいた。今日その村から旅立ちを決意した若者『アモン』の父もその一人と言えよう。
『ガーン!・・ガーン!』
 アモンの旅支度が終わり、別れの挨拶をしている最中でも父はその手を休めず、鉄、火、水、槌、これらを用い、鍛冶屋業に専念していた。
「オヤジ、少しは俺の話を・・・」
「うるさいぞ!このたわけが!」
 話かけ、その肩に手を添えたアモンに睨みをきかせ怒号を浴びせると、アモンの方へと向き直り,語り始めた。いつもの小言である。
「情けない〜・・・いいか!幼少よりお前には伝えてきたはずだ!今は遠く離れてぞ、我が家は先祖代々武家に仕え、その業を伝承してきた由緒ある家であると。お前が成長しその鍛冶屋の業をその手に修め、ゆくゆくは『亜門』の名を継承するソレがお前の・・・・・・」
 父が自ら造った炉の火に負けないくらい顔を真っ赤にしてクドクドとアモンを説き伏せようとしているがアモンは・・・また始まったよと目を伏せソノ”ありがたい説教”を聞いているふりをする。
「・・・、・・・それがお前に与えられた使命なのだ。わかるな?」
 呼吸するのも忘れて話し込んでいたようで、父は何度か深呼吸を繰り返す。
「まあ、オヤジの言い分は良くわかった。俺は俺の道をいくよ」
 そういうとヒラリときびすを返し背中に伝わってくる父の悲鳴にも似た怒号にヒラヒラと手を振ってみせる。鍛冶屋から槌が飛びだし、地面で二回ほど回転している。それがアモンにとってその村で見た最後の光景だった。
 満面の笑みで森を行く。背中にはオヤジの工房よりくすねて来た一刀を携え、ズンズン歩いていく。
 この数日間あっさりと村から飛び出し、朝から晩まで歩き詰であった。しかしこれからいくドンドルマに対しての憧れ、そこに行くまでの道中何があるのか、言葉には出来ない期待感に満たされ疲労を忘れ歩き続けてきた。昨日などは突如襲い来る青いトカゲの化け物に笑みを浮かべながら斬りかかった程だ。
 今日もわくわくしながら歩き、森の木々やツタなどでドーム上に覆われた道を力強く進む。
『バッシュ!』
『ドドドドーン』
 今まで聞いたこともない音の後に正面より物凄いスピードで迫って来る物体が見えた。ソレをとっさに皮一枚でかわすとアモンはスラリと背中の刀を抜く。後方でけたたましい音と爆風、火の玉が飛び散っているのが見えた。次の瞬間前方の気配を察知すべく眼光を走らせる。
 ・・・人影が二つ、いや一つか?刀を前方に構え、低い姿勢で様子を伺う。
「お〜〜〜い、大〜丈夫〜か〜」
 一つの影が両手を挙げ、こちらに走り寄って来る。どうやら男のようだ。近づいてくるにつれ、それが髯を生やした男である事が確認できた。敵意はないように思える。
「いや〜〜、スマンスマン。娘が見間違えて、怪我なかったかい?」
 男の目を見据える。数秒見て無言で刀を鞘に戻すと問いに対し答えるように頷いて見せた。
「そうか、良かった〜こんな所で人と出くわすなんて初めてだからビックリしたよ〜」
「ビックリしたのはこっちだ。殺す気か?」
 男に促され、横に並び歩きながら話す。暫く歩くと小さい影が見え、正体が子供である事がわかる。まだ幼い女の子だった。その身体には似合わない巨大な鉄の塊を横に携え、こちらを見つめている。
「とうちゃーん」
 男が近づくと女の子はソノ塊を放り出すと、男の足元に隠れるようにしがみつき、アモンの様子を伺っうように再び見つめる。
「メロ、謝んなさい。・・・いや〜すまんなコイツ人見知りするんだよ〜コイツはメロ、オイラの娘だ」
 男は女の子『メロ』を抱き上げると大柄な肩に乗せ、塊のもとに歩み寄るとソレを空いた方の手で持ち上げる。
「おっとオイラの名前まだ言ってなかったな俺はゾロ、この道をもう少し進んだところにココット村って村があってそこでハンター稼業をしてるもんだ」
 男は再び歩き始めそれにアモンも続く。
「俺の名はアモン。ドンドルマに行くところなんだが・・・」
「ほ〜ドンドルマにね。するとアンタもハンターかい?さっきの身のこなし、結構狩場でナらしてるとみたが・・・」
「ハンター?それは・・・」
 村に辿り着くまで様々な話をした。ハンターとは?塊の正体ボーガンの事、娘がまだ幼くしてボウガンの才能があり、ハンターとしての訓練も兼ね、近々ドンドルマに行く予定との事も。
「アンタもドンドルマ行くんだよな?急ぎじゃなきゃオイラん家に何泊かして、一緒にってのはどうだい?アンタ、ボウガン知らないって事はコレも知らんだろう。ここからはどうあがいても船に乗らないとドンドルマにはいけないって事」
 アモンは唖然としてしまった。ゾロの言う通り船の事は知らず、ボウガンの事も含め知らない事が多いという事に。街に出る前にそのあたりの知識をもっていた方がいいのは確かだ。
「お邪魔にならんか?」
「かまわんよ。よしメロ、今日はアモンを迎えて派手にパーティーといくか?」
 ゾロが言うとメロは目を輝かせ肩から飛び降りると両手を挙げて走り回る。
「パーチィー、パーチィー!!」
「本当にいいのか?今日あったばかりだし・・・邪魔にならんか?」
 同じ問いかけを繰り返すアモンに今度はメロが答えた。
「ナラン、ナラン〜」
 メロは大ハシャギで駆け回る。二人も顔を見合わせ高笑いし、メロの後を追い歩き出す。
村に辿り着いたのは美しい夕暮れ時だった。


 潮の香りが鼻につく。ときより波間へ吸い込まれるように、鳥が海面ギリギリを飛ぶ姿がみてとれる。ゾロの好意に甘え数日村に滞在した後、今は船に揺られドンドルマを目指している。ゾロとその娘メロも一緒である。
 船尾に程近いマストに寄りかかり腰を降ろすと、背負っていた刀を両手に抱え、見入る。ゆっくりと鞘から刃を半分程出すと、そこには怪しく光る波紋がみてとれる。
 数日前、アモンはゾロに連れられ森の奥地へと歩いていた。アモンが故郷の村を出て初めて出くわした化け物、『ランポス』。そのモンスターが群れをなし、村人の何人かが襲われたのだ。瀕死で帰ってきた二人の男の話を聞くや、ゾロはボウガン片手に飛び出した。状況を聞きつけたアモンは助太刀を買って出たのだ。
 ゾロのボウガンが数匹のランポスを蹴散らし、アモンはその間一対一でヤツらのボス『ドスランポス』をいとも簡単に仕留め様としていた。正直自分自身驚きがあった。故郷で剣術の訓練はしていたものの、この手のモンスターと戦うのは初めて。しかし身体が思いのままに動き、気がつけば今ドスランポスにトドメを刺そうとしている。しかし次の瞬間予期しない出来事が起こった。
 ゾロがランポスを蹴散らし、やれやれと一息ついたとき上空から巨大な羽音が近づいてくる。天空の王『リオレウス』だ!予期せぬレウスの出現に呆然としたのは二人とも一緒だった。
 ゾロ自身決意をもってレウスに相い対した事はあり、討伐に成功していた。しかし、知らせを聞き村を飛び出す格好で出た今日は、残弾数を考えても撤収が最善と考えていた。
 ボウガンに装填されている散弾を撃ち、自らに注意を引き付けた。
「アモーン!撤収するぞ!!」
 叫びそしてアモンの姿を目で追ったが見当たらない。しかし地面に降り立ったレウスの巨体の向うから声が聞こえる。
「ウオオオオオオオオオオオオオオオ!」
 アモンが雄叫びを上げながら背を向けているレウスに連続して斬りかかる。レウスの叫び声と共に巨大な尻尾が宙を舞う。
 レウスは悲痛の咆哮を上げ飛び去った。
 正に一瞬の出来事であった。ゾロ自身ガンナーなので尻尾を斬りおとした経験はない。しかしドンドルマの要請を受け、パーティーを組みその中の剣士らが斬りおとしたのは何度となく見てきた。
されど驚かされたのはその速さである。その高速技を見せられしばし唖然としているゾロに息を切らしたアモンがゆっくり寄って来る。
「大丈夫か?ゾロ」
 そう声を掛けられたゾロは声を出して応えることが出来ない。ただ頷いた。歩み寄るアモンの鬼気迫る形相に恐れすら感じたのだ。
  
「アモン〜?」
 気がつくと刀に見入り回想していた自分の後ろにメロが立っていた。この数日間共に生活する事ですっかりメロはアモンに気を許すようになっていた。メロを抱き上げると微笑みかける。
 その様子をゾロは見つめていた。レウスの一件があった時少しは警戒したものの、メロと戯れるアモンを見て何も言わなかった。そうアモンの腕が一流なのだ。疑問などないはず?そう思っていた。
 やがて水平線の彼方にドンドルマの港が見えてくる頃にはゾロもアモンの横に並び。肩をポンポンっと叩いてみせる。アモンがゾロに同じ事をして返すと笑った。
 間近に迫ったドンドルマに思いを馳せるアモン。その背中でソノ刀が怪しく光っている。                                    
      つづく

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