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NGWコミュの大切なのは「何が問題なのか」をひたすら考えること

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ハーバードの教授達は皆有名で超一流の学者ばかりだから、きわめて忙しい日々を送っている。
にもかかわらず、学生のこういった申し込みには必ず一週間以内に最低三十分の時間は割いてくれるのだ。
教授とは、こんな調子で会話を交わした。
「どんな用だね」
「この間のケーススタディについて質問したいことがあります」
「ああ、あれか。なかなかいいケースだったろう」
「いいケースだかなんだか知らないけど、先生、どうにも参りました」
「何が参ったんだ?」
「まず、第一に、あの日の授業のジョンとメリーの言ってることがよくわかりませんでした。
 あの二人の英語はさっぱり聞きとれません」
「それは困るな。英語がわからないので、日本に帰ったらどうだ」
「そうはいきません。せっかくはるばる日本からやってきたんです。おめおめと帰れません」
「でも、君は今そうやって英語を話しているじゃないか。私の言っていることもわかっているじゃないか」
「先生や他の学生の英語はなんとか聞きとれますが、ジョンとメリーの英語が全然聞きとれないんです」
「それはわかるわけないよ。私にもよくわからないのだ。いいか、メリーの英語はブロンクス訛りと言って
 ニューヨークの下町だけで通じる英語だ。あんなの喋っている彼女以外はクラスの誰も解らない。
 そんなの気にするな。他に何か、問題はあるか?」
「あります。ジョンとメリーの英語のことはわかりましたが、肝心のあのケースの答えがいまだにさっぱり
 わからなくて困っているんです。私には、あの会社をよくするための解決策が何なのかわからないどころか
 いったい何が問題なのかもわかりません。この一週間、ずっと頭にひっかかって仕方がなかったんです。
 いったい何が問題なのかをずっと考えているんです」
そう訴えると、教授は急に「握手をしよう」と言い出した。理由がわからないまま手を差し出すと、その手を
強く握ってこう言った。
「君は実に優秀な学生だ。君みたいに優秀な学生はめったにいない」
こちらはまるで理解できないと言っているのに、何を言っているのだ。
何が問題なのかもわからないと訴えているのに何が優秀だ。
怪訝な顔の私に彼はこう説明してくれた。
「いいか。ビジネスでいちばん大事なことは、何が問題なのかを
 考えることなのだ。経営者やリーダーにとって解決策は大した
 問題ではない。そんなものは部下に任せればいいことだ。
 指導的立場に立つような人間は、そんなことよりも何が問題なのか
 をひたすら考えなければいけない。問題さえわかれば必ず試行錯誤によって
 正解に到達できる。だから、大切なことは方法論を学ぶことではなく、何が問題
 かということを常に考える思考力を養うことなのだ。
 これはなにもビジネスに限ったことではない。学問においても、人生においても同じことだ。
 私が授業で教えたいのはそういうことだ。ケーススタディはまさにそのためにやっている。
 だから、この間のケースの問題がなにかわからなくてずっと考え続けているということは
 君はまさに一流のリーダーになる王道を歩き始めた証拠なのだ。
 ”何が問題であるか”ということで大いに悩みなさい。これからニ年間、大いに悩みなさい。
 やがて二年経った時、君は素晴らしい経営者になっているよ」
  この時はなんだか狐につまれたような感じがして、インチキくさいことを言うな。などと思ったが
 二年経った時は教授の言ったとおりに、「これはすごい教育を受けた」と心底から思えるように
 なっていた。「こんな教育ってありなんだ」と、物事の見方・考え方がガラッと変ったのである。
 一日当たり、三つの事例のケーススタディをこなしたわけだから、二年間では約一千のケース
 を勉強したことになる。業種は一千もないが、世の中に存在するほとんどのすべての何十業種
 にわたる一千社の実例に関して、何が問題なのかを研究開発から生産、営業、財務、会計、
 広告宣伝に至るまでのさまざまな立場から、自分の頭で考え続けた。そうすると、世の中の問題
 というのはこれまで思ってきたほど簡単ではない、ということが少しずつわかるようになってきたのである。


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