マイケル・ジャクソンの未発表曲集“Michael”は日本で12月15日に発売される。すでに、テディ・ライリー(Teddy Riley)が手がけた“Breaking News”の試聴が1週間限定でネット上で行われ、またエイコン(Akon)がプロデュース/共演した“Hold My Hand”がファーストシングルとして発表されているが、それに続く第三弾として今度は“Much Too Soon”という未発表曲が米iTunes内のネットワーキング・サービスPingで1週間限定の試聴という形で公開された。
公式サイトの説明によれば、この“Much Too Soon”は、あの“Thriller”期にマイケルが書いた曲。マイケル本人も気に入っていたものだったため、常にアルバム収録曲として候補に挙がっていたものの、結果的にうまくおさまるアルバムがなかったため今回のアルバムまで発表されてこなかったという。プロデュースはマイケル本人と、Interscope/A&Mの重役で、“This Is It”のプロデュースも手がけ、マイケル・ジャクソン財団管財人でもあるジョン・マクレイン(John McClain)による共同名義とのこと。“Much Too Soon”はカントリー風のバラード曲で、失恋を歌った内容になっている。
来年3月8日リリース予定の11作目となる新アルバム“Doggumentary Music”のセカンドシングルでもある同曲についてスヌープは「英王室がウィリアム王子の婚約祝賀パーティに俺を招きたがってるって話を聞いたときに、これは何か一発捧げないといけないな、って思ったんだよ。この曲はウィリアム王子だけじゃなく、全てのクラブ好き人間に捧げる曲だよ」などとコメント、ファー・イースト・ムーヴメント(Far East Movement)の全米No.1ヒット曲“Like A G6”を手がけたザ・カタラクス(The Cataracs)がプロデュースした“Wet”は、2007年発表の“Sensual Seduction”の続編にも位置付けられるほどロイヤル・ファミリーに捧げるには過激な内容となっている。
カニエの“My Beautiful Dark Twisted Fantasy”は49万5,000枚、ニッキーの“Pink Friday”は37万5,200枚を記録し、アルバムチャートで1位と2位となった。それぞれ当初予測より若干セールス数は伸びなかったものの、トップ2タイトルが30万枚を超えたのは、ビヨンセ(Beyonce)の"I Am...Sasha Fierce"(48万2000枚)とニッケルバック(Nickelback)の"Dark Horse"(32万6000枚)が1位と2位になった2008年12月6日付の週以来、2年振り。さらに12位までが10万枚を超えるセールスと、年末商戦らしい週となった。
カニエは今回惜しくも発売初週のゴールド達成(50万枚以上)は逃したものの、4作連続の初登場1位獲得となった。またこれは、発売初週のセールス枚数において、テイラー・スウィフト(Taylor Swift)の“Speak Now”(104万7000枚)、エミネムの“Recovery”(74万1000枚)、シャーデーの“Soldier Of Love”(50万2000枚)に続く今年第4位のビッグセールスとなっている。
一方のニッキーも、98年のローリン・ヒル(Lauryn Hill)の“Miseducation Of Lauryn Hill”(42万3000枚)を越えるかと期待された記録更新には至らなかったが、ローリンに次いで女性ラッパーとしては歴代2位となった。しかしこれに対してニッキーは、「みんなサポートしてくれてありがとう」としながらも、「ローリンのアルバムはジャンルで言えばHip-Hop/Rapにはカテゴライズされないでしょ」とBillboard側に反論、ゆえに「Hip-Hop/Rapのジャンルでは“Pink Friday”こそが女性で最も初週に売ったという歴史を作ったのよ」としている。
来年2月13日に開催される第53回グラミー賞で、エミネムは主要4部門のうち最優秀新人部門をのぞく、最優秀年間レコード、最優秀年間アルバム、最優秀年間楽曲の3部門を制覇。他にも最優秀ラップ・アルバムや最優秀ラップ・ソング、最優秀ラップ/歌コラボなど計10部門の最多ノミネートとなった。だが最優秀ラップ・ソング部門では“Not Afraid”と“Love the Way You Lie”の2曲がダブルノミネートとなっているため、エミネムが獲得できるのは最大で9つまでとなり、前回、10部門のノミネート中6部門を手中にしたビヨンセ(Beyonce)の記録にどこまで迫れるかも注目したいところ。
次点は、ハワイ出身のシンガー・ソングライターのブルーノ・マーズ(Bruno Mars)が新人ながら7部門のノミネートを獲得。彼のデビューアルバム“Doo-Wops & Hooligans”そのものはリリース日が締め切りに間に合っていないために今回は対象外となったが、客演/プロデュースしたB.o.Bの“Nothin' On You”が最優秀年間レコードにノミネートされたほか、シー・ロー・グリーン(Cee Lo Green)の“F**k You”が最優秀年間楽曲にノミネートされるなど、プロデューサーとしての活躍が響いた形になった。
続くのは、ジェイ・Z(Jay-Z)、レディー・ガガ(Lady Gaga)、そしてカントリートリオのレディ・アンテベラム(Lady Antebellum)が6部門。B.o.Bとジョン・レジェンド(John Legend)が5部門。ドレイク(Drake)、リアーナ(Rihanna)、ザ・ルーツ(the Roots)、シー・ロー(Cee Lo)らが4部門のノミネートとなっている。今年10年振りに復活したシャーデー(Sade)が2部門のノミネートに留まり、故マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)が“This Is It”で最優秀男性ポップ・ボーカル・パフォーマンス部門にノミネートされていることも話題になっているほか、日本ではB'zの松本孝弘がラリー・カールトン(Larry Carlton)と共同名義で発表したアルバムが最優秀ポップ・インスト・アルバム部門にノミネートを受けて注目されている。
Kandi “Kandi Coated” tracklisting:
01. Kandi Koated Intro
02. I Want You
03. The More I Try
04. Give It To You
05. I Just Know
06. Me and U
07. Lucky Interlude
08. Lucky
09. How Could You...Feel My Pain
10. Leave U
11. Haven't Loved Right
12. Riley's Interlude
13. Leroy Jones
14. Superwoman ft. Tiny
15. I Fly Above
レディー・ガガは以前から制作を口にしていたニューアルバム“Born This Way”を来年発表予定。ツアーのMCでは、「新作はもう完成した。超ヤバいわよ。約束するわ、この10年で最も素晴らしいアルバムになってる。あなたたちファンのために作ったの」と発言、その出来映えには相当の自信を持っている模様。そしてその“Born This Way”からのファーストシングルを来年2月にリリースすることが彼女の口から発表された。すでにツアーでは新曲をいくつか披露しているものの、まだどの曲がファーストシングルに選ばれたかは不明だ。
ガガはニューアルバム“Born This Way”について、「流行に乗ってるような部分はまったくない」と説明、また「新作はたぶんあなたが想像しているより(収録分数が)長いものになるわ……まだ分からないけど。20曲とかになるかも」と収録曲数をまだ決めかねているようだ。