P. 28 第1に、90年代後半以降の「知識社会」という時代背景の中を、現役で生きていること 第2に、富を形成するための職業が、新しい知識や、他者との差別化といったオリジナリティ、知恵が重視される業種であること 第3に、彼らにとっては、一番大切なのはお金そのものではないこと。それよりも、富を生み出す源泉である、「自分の知恵や知識が本当の財産である」と認識しているということ。 この「インテリッチ」たちは、今までの金持ちとは別種の存在であり、にも関わらず「富裕層向け」商品の多くは、今までの金持ちのイメージにあわせて設計されていて、そこにミスマッチがある。
P. 97 ■東京都在住・40代・経営者 「富裕層でない人が、本当の富裕層でない人向けに作っている気がする。雑誌が家に送られてくるのですが、いつも開封していません」 そこに商機があるのではないかというのが著者の主張であり、また著者が「ゆかし」を立ち上げた理由である。日本には「インテリッチ」が数多くいるのに、彼らは横のつながりが薄く、つながりを求めて声を上げようものなら嫉妬で村八分にされかねない。そんな彼らの居場所を用意しようという著者は慧眼である。というより著者自身が「インテリッチ」であるがゆえに、その発想に至ったのだろう。